元大本営参謀・壹岐正は、酷寒の極地シベリアの収容所で11年間の矯正労働に絶えぬき、昭和31年12月に帰還する。“第二の人生は誤りたくない”と願う彼は、近畿商事の社長大門の再三に渡る誘いに応じ、商社マンになることを決意する。シベリアで地獄のような抑留生活の傷も癒えないまま、彼は再び“商戦”という名の新しい戦いに身をおく。
(新潮社HPより)
家にあった古書です。
フジテレビ開局50周年の記念ドラマとして、先日からスタ-トした放送を食い入るように見た後だったので、主演の唐沢さんの顔や、ほか出演者の方の顔が読みながら浮かびましたが、その分、わかり易かった。
初回のドラマは2時間でしたが、この第一巻には、その2時間分のことがほぼ全て収められていたかんじでした。
ドラマより更に詳しいので、あの言動の裏にはこういう事があったのか!と更なる驚きもあったりでドラマも素晴らしかったけど、やはり原作の方が凄い!
抑留生活の凄惨さは、特に・・・・。
シベリアの地でのソ連側からの辛い仕打ちに加えて、同じ日本人元将校達からも指揮していた側の壹岐には、この辛い仕打ちに追いやった責任の矛先が向けられるという二重の苦しみ。
自身もそのことには、強い責任を感じている壹岐にとっては、本当に辛い状況です。
肉体的にも精神的にも極限状態のなかでの11年間のこの生活は泣けます。
物語は、抑留時代のことと日本に帰還してからの事が織り交ぜて進みます。(ドラマも同じでした)
帰還後は、妻と二人の子どもとの生活がはじまります。
下の子(男の子)との関わりが、しっくり来ない事が、少し寂しい。
抑留時代に壊した体調もなんとか快復し、第二の人生は、どうする?という岐路に立ち、長女からの「もう戦争に関わる仕事は、やめて欲しい」の言葉もあり、商社の社長・大門の誘いに応じ、商社マンとして第二の人生を歩もうと決めた壹岐。
何もわからない世界に進むその決心は、家族を思ってのことだったでしょう。
あまり感情豊かではない人ですが、優しい人柄も感じます。
しかし、入社の条件に自分の過去の経歴を使うようなことは断ると申し出るあたりは、壹岐らしいなぁ~。信念は曲げない。曲げたくないというかんじ。
社長は、その旨、心得たと承諾するけど、今後、どうなっていくのやら?
今から少々、不安。
長い物語ですが、面白くて、思ったより早く1冊を読み終えました。
続けて2巻を読みます!
重いので、軽い文庫本に変えようか?^^;
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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