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読んだ本の感想あれこれ。
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d14d8f41.jpg発行年月:2009年4月



エネ研、ソ-ラ-カ-、大潟村 太陽の光に導かれて、
淡い恋が始まった------。
ソ-ラ-カ-レ-スにかける高専生たちの青春!



                                (講談社HPより)


毎回、いろいろな場面で青春を謳歌する学生たちの清々しい姿を描いてくれる濱野さんの作品。

今回は、高専生。さきたま高専の生徒たちの青春物語。
その高専生の部活動(エネルギ-研究会 ソ-ラ-カ-研究部)の話。

何人か生徒達が出てきますが、主人公は、澄川怜。
高専の3年。
頭も悪くないし、手先も器用。何でもあまり努力しないでそこそこ出来ちゃう。
羨ましいような気もするけど、本人はそれゆえ、何を将来したいのか?本当にやりたいものはナンなのか?わからないでいる。
彼の姉は、そんな彼を器用貧乏という。

そんな彼が、同級生(留年してるけど)に器用を見込まれて、手伝って欲しいと連れられた先でソ-ラ-カ-に出会う。
最初はただ友達の頼みだから・・・という受身的感覚だったのが段々、仲間と関わり、ソ-ラ-カ-のレ-ス出場に向かううちに自身も熱くなる。
そんな生活のなかで、自分の将来の道も少し見えてくるラストは、よかった。


太陽のエネルギ-で走るソ-ラ-カ-。名前は「レッドシャイン号」。

地球の環境問題、エコの話を彼らがするのも興味深かった。
悪い事じゃないし、考えることは必要だと思うけど、取り組んでいることには矛盾も結構あるよね?という話。
余裕のある人しか取り組めないようじゃ変だよね~みたいな箇所では
「そう!そう!」とうなずいちゃった。

高専って、あまり実態は知られてないかな?
わたしは、弟が、実は高専出身なので、学校内や寮生活の話を、たまに聞いていて少しだけ知っていたこともあり、その様子を垣間見られた感じが面白かった。

恋の話もちょっとあったりして、そちらも爽やかでいいかんじでした!

そういえば、弟が学生の頃は、ロボコンとか、ソ-ラ-ボ-トの大会の話も出たっけ。
ソ-ラ-カ-の大会の話はなかったけど、いろいろな大会があるんでしょうね。

今回は、主に男の子たちの青春を描いたものでしたが、女子でも楽しめるお話だと思います。



★★★★

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8527fa6f.jpg   発行年月:2005年1月


   お姉ちゃん、僕たちもう
   帰れないかもしれない。

   中学生姉弟が突然迷い込んだ、もうひとつの
   不思議な日常。

                   (本の帯文より)


先日、テレビ放送されたのを録画で観て、なかなか面白かったので、その原作本にも興味が沸いて読んでみました。
映画を観たときの感想は・・・http://www.dhcblog.com/ykyoko/archive/988 ここでどうぞ。


本を読むと、映画がこの原作にとても忠実に作られたものだと思いました。
会話の細かいところまで同じなので、つい映画で見た多部未香子とその弟(名前知りません^^;)の顔が本を読みながらも浮かびました。

突然、別の世界に迷い込んだ姉(エリ子)と弟(ダイゴ)。
帰りたいといろいろその方法を探るのですが、帰れず・・・。
家の中は、さっきまで母親が料理していたシチュ-がまだ温かいままなのに、両親は帰宅しないまま。
一人じゃないから、まだなんとか気持ちの平静さを保っていられるかんじの二人。

家に居ても仕方ないからと、それぞれ中学(エリ子は女子校、ダイゴは男子校)にもいつもどおり登校する。

自分たちが居た世界とは、同級生もおなじ姿なのに、ちょっと違う。
死んだはずのダイゴの同級生の女の子も生きてるし・・・。
最近、あまり良い関係とは言い難かったエリ子の友達、大久保ちゃんも自然に接してくれる。
でも、マッチョ(太っていてマッチョとは程遠いブヨブヨけど、名前が松本だからこの呼び名)は、相変わらず本当にいい子。
そして、マッチョのお母さんも良い人。おやつをくれるだけに登場なんだけど、
これ、映画ではなかったので、頭の中で映像化しちゃって楽しんじゃった。

そして可笑しいのが、この迷い込んだ世界では弟が好きなプロ野球選手・高橋好伸がちょっと太ってるっていうこと。
それについての姉弟のやり取りも笑える。


元の世界に戻れないという緊迫した状況にも関わらず、どこか楽観的な二人。
ラストもそんな二人らしい終わり方。

ハッピ-エンドなのかどうかは、読み手の解釈でどうにでも変わりそう。

ちなみに、わたしは一応、ハッピ-エンドなのかな?と思いました。

本も映画と同様、面白かった!!


★★★★



bbe72cfe.jpg発行年月:2008年2月


中学2年の夏、少女たちは出会った。

ダブルダッチを通して、深まる友情。
成長する彼女たち。

スポ-ツを通した爽やかな青春スト-リ-!




ダブルダッチ=二本の縄を回し手(タ-ナ-)が内側にまわし、そのなかをジャンパ-が技を交えながら飛ぶスポ-ツ

物語の主人公は中学生の少女たち。
主人公の朋花はある日、高校教師の母親との会話でイライラし家を自転車に乗って逃げ出し校区から離れた公園で、偶然、ダブルダッチをする同じ中学の子たちに遭遇。
二人が縄を廻し、その中を見事な技で跳ぶ少女。
顔はみたことあるけど・・・話をした事もない子達。
まして、「あの子とあの子がなんで一緒に?仲良く?」と不思議がる朋花。

学校では優等生で同じクラスだけど、とても話しかける雰囲気ではない美咲。
茶髪で欠席、遅刻の常習者なこれまた近づき難い雰囲気の玲奈。
そして、皆は玲奈のパシリだと噂されている玖美。

通りがかりの「?」顔の朋花に「やってみる?」と気楽に声をかけてきた美咲。
やや挑発的な目で言われたが、玲奈が手本を見せる形で先に縄に入り挑戦することに有無を言わせぬ雰囲気。
なかなか縄に入るタイミングがつかめずいる朋花に的確な指示で誘導する玲奈。

何度か挑戦するうちに跳べるようになる朋花。

相変わらず、玲奈は乱暴な口の利き方だし、美咲はぶっきらぼう。愛想の良いのは玖美だけだけど、運動後の爽快感か?気分が良い。

そんなかんじが朋花と他3人の出会い。


朋花には、優等生だった兄がいるのだが、レベルの高い高校に進学した後、突然、行方不明になっている。
でも、時々、件名と写真が添付されただけのメ-ルが届くので、元気でいることは確かと思っている朋花。
だが、両親には告げるな!との約束を守っている。
朋花の両親って、そんなに子ども達から疎まれちゃう存在なの?と少々疑問でした。
同じ親として親の立場で考えちゃって・・・
どうしてそこまで、信用なくされちゃったんだろう?

多分、こういうことかな?という事は少し出てくるのですが・・・。

中学生なので、いろいろ多感な時期。
親以外にも学校の先生の言葉で傷つく場面も出てきます。

が、信用を寄せる大人も何人か。
同じ教師でも担任の渡部先生はなかなか良い先生。
生徒の言葉をよく聞き、信じてくれる。
子どもって、都合よく、ウソをつくこともあるけど、真剣に助けを求めているときには信じてあげないとダメなんだろうな。


ラストは、行方不明だった兄も、朋花の母親もなんとなくこの後は、歩み寄り、関係が少しずつ修復していくのかな?と希望が持てそうでホッとしました。
お兄ちゃんとその友達の関係もいいな。

人って、多くの人と接して、いろいろな経験をすることで大きく成長していくんだなぁ~。


濱野さんって若い人の心理がよくわかるのね。
若い人なのかな?と思ったら・・・・後ろのプロフィ-ルみて1956年生まれとか。
わたしより年上の人なんだ!?ちょっとビックリ!

うしろのあとがきにあったけど、実際に体育館に座り込んで現役の学生さんから取材したとか。

前回、長女に薦められて読んだ「その角を曲がれば」も楽しかったし、これも長女の後に読みましたが大人が読んでも楽しい話でした。

また、爽やかな青春小説、読ませてくれるかな?
新刊を楽しみにしています♪


★★★★

 



81996b90.jpg発行年月:2007年2月


いろいろなことがある、15歳

わたしたちはわたしたちのすべてを伝えることも、知ることもできない。
理解することもできない。
それでいいのだ、きっと。


                           (講談社HPより)


これは、長女のお薦め!

本が好きで、いつも冷静な杏。バトミントン部で活躍している樹里。甘えっ子キャラの美香。
中学三年生で同じクラスの3人は、何かと行動を共にしている。

三人三様の性格。
この年頃の女の子の行動パタ-ンは、自分でも経験あるなぁ~なんて少し懐かしい気持ちで読みました。
ある程度、決まった仲良しグル-プがあって、そんななかでお互いがお互いの発言や行動に時々「?」っていう部分を感じて悩んで・・・・。
「最近、○○ちゃん、理解に苦しむよね~」なんて、本人の居ないところで、言ってみたり・・・。

気を遣って、あえて言わずに行動した事が後でわかって「なんで言ってくれなかったの?」って言われちゃったり・・・。

これを読むと中学時代の事が、ホント蘇ってくる。

いろいろありながらも、人それぞれ考え方や行動パタ-ンは違うのだと理解して彼女たちが成長していく姿は微笑ましかった。
なかなか、清々しい青春物語でした!

彼女たちと同年齢の子が読むと、より楽しめると思います。


★★★★
0cc46cb1.jpg発行年月:2008年11月


36歳OLが謎の人物に「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか?1年頑張ったご褒美に楽に死ねる手段を提供しましょう」とささやかれる。

1年後3人の男女が別々の場所で服毒自殺と思われる死を遂げる。

事件の真相を追う雑誌記者と主人公の元OLの事件までの1年間の様子が綴られる。



この著者の作品、始めてかも。
すごく面白かった!

出だしから、この後、どうなるの?と期待感が一気に増すかんじ。
最初に先ず、20歳で鉄道自殺を遂げた手記「二十歳の原点」(高野悦子/著)が出てくる。
随分、昔に話題になった作品。わたしは読んでないですが・・・^^;

「自殺」を考えた女性が、1年後に楽に死ねる事が約束されているなら、保険金でも掛けてそれがせめて両親に届くかたちで死ぬのも悪くはないな・・・・と「生きる」という事に向いた心の変化に拍手!

最初は、どうせ死ぬんだからが前提で、会社にも電話ひとつで「辞めます」と言い、投げやり的なかんじの彼女が、ひょんな事から、児童養護施設のボランティアとして働くことになります。
ここでも最初は「1年間の時間潰し」と割り切っていたのですが、関わる子ども達やそこの園長、同じように働く仲間と接するうちに少しずつ1年後の死よりも、それよりずっと先の「生」を想像したりする。

周りの環境で人の気持ちって変わるものなんだなぁ~。

彼女の場合、最初から「なんでそんな事くらいで自殺するの?」という感じだったので、それもあり得る心境の変化。「1年後には楽に死ねる」をある意味、心のカテにしていたから前向きになれたのか?

でも、再び「死」を考える出来事が降りかかり・・・

詳しく書くとこれから読む人の楽しみを奪うので書きませんが・・・笑


物語は、3人のおそらく同じ毒物が原因だろうと思われる服毒自殺の男女の自殺を追う雑誌記者・原田の3人の生前~自殺までの追跡取材の様子がOLの1年間の様子と交錯する形で進みます。
OL以外の自殺者は男性で、元天才バイオリニストと妻と子を殺された者。
男性二人には、もはや「死」以外は考えられないOLとは少し違う切迫したものがあったのかも。


この物語、最後の方で、「ええっ~!?」という驚きがありました。
参りました!
著者の罠に完全にはまりました。
でも、それがとても嬉しい・・・・この感覚、読んだ人にしかわかりませんね(^^)

面白くて、アッと言う間に読了でした!


★★★★
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