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読んだ本の感想あれこれ。
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40c74243.jpg   発行年月:2011年2月


   劇「まことの人々」で、人喰い軍曹役になった僕の彼女。
   普通の女子大生だったのに、悪役にのめりこむうち、
   次第に彼女は現実でもおかしくなって……
   
   文藝賞受賞第一作。


                            (河出書房新社HPより)




なかなか面白かったぁ~。
「僕」とその「彼女」が主な登場人物なのに、名前は出て来ない。(と思う)

「僕」も「彼女」も大学生。
「彼女」は、女子大に通い、演劇サ-クルに所属。
次の芝居「まことの人々」で、エドモンド軍曹という悪人を演じるという。

そのエドモンド軍曹は強烈なキャラクタ-。
見た目も性格も最悪の極悪人!

そんなエドモンド軍曹に成りきる彼女の芝居の練習に「僕」が付き合う様子が可笑しかった。

「僕」と「彼女」のほかの人もユニ-クで、幽霊が見えるというデル。
近所に住むパン屋の店長・グリム。

勿論、デルもグリムもあだ名なんだけど、そのあだなの由来も可笑しい。


物語のあらすじを書くするとと、別段面白いものにならないけれど、読むと可笑しいのです。
なんだろ?
不思議な可笑しさ。


でも、こういうかんじ好きです。

次回作も期待します。

しかし・・・兄弟で1つの物語を書くって、どういう風に構想を練るんだろ?


★★★★

 
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Another.jpg   発行年月:2009年10月


   気をつけて。もう、始まってるかもしれない

   夜見山北中学に転校してきた榊原恒一は、
   クラスの奇妙な雰囲気に違和感を覚える。 
   孤高の美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みるが、
   謎は深まるばかり。
   そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!


                                           (角川書店HPより)


連続して綾辻作品を読みました。
この本、すごく厚くて、持って読んでいると肩凝りが酷くなるので、膝にクッションを置いてその上に
本を乗せて読むスタイルでした^^;

学園物ミステリ-というところかな?
ホラ-色はあまり強くないとお薦めの次女の弁でしたが、なかなか怖かった。
でも耐えられないほどでもなく、スト-リ-には惹き込まれる力があって結構、短時間で読めました。

父子家庭で育った、榊原恒一は15歳。
父親は大学教授でインド出張の期間、亡くなった母方の祖父母の家で暮らすことになり東京から転校する。
母親の妹である叔母の怜子も何かと恒一の面倒を見てくれて、かつては母や叔母も通った中学のことをあれこれ話してくれる。
しかし、その話のなかで、26年前から続く、ある不思議な話を聞き、自身もその謎の部分に深く関わることになってゆく。


ある事が原因で次々起きる不可解な死。

26年前から続く、忌まわしいことを食い止める為に行なわれる方法。

不気味な世界でした。

謎の美少女・見崎鳴の存在も最初は、不気味さに拍車をかけましたが、恒一と会話する様子は自然で二人の距離感も好感が持てた。
そして、終盤近くで明かされた<もう一人>の存在には驚いた!

なるほど・・・それが分かってから前の出来事を振り返ると伏線めいた事柄が巧く繋がる!

でも、なんだか切ないような哀しいような気持ちにもなった。

結局でも人が沢山、死ななきゃならない理由はなんだったんだろ??
よくわからない。
わからないけど、まあ楽しめた。


最初、不気味な存在に感じた見崎鳴が読んでいる途中から冷静な判断と行動をし、人を思いやる心も持った、凄く素敵な女の子だなと感じた。
表紙の絵は見崎鳴だと思うけど、この絵の雰囲気はピッタリ!

人が結構、死んだりするけど、淡々と過ぎていくので、わたしには有り難かった^^;


★★★

 
1379ae6c.jpg発行年月:2011年3月


怪談専門誌『幽』創刊以来圧倒的な人気を誇る新本格の旗手・綾辻行人による連作怪談、待望の第二集。作者の分身とおぼしき小説家の日常の風景がぐにゃりと歪みはじめる前作に引き続き、作中世界の変容に拍車がかかる。歪んでゆく世界を表現した、ブックデザイン界の鬼才・祖父江愼氏による話題沸騰の「表紙の裏表がひっくり返った」装幀には、さらにどんな仕掛けがほどこされるのか? 主人公の住む「深泥丘(みどろがおか)」の全貌は明かされるのか? 目眩(めまい)? 揺れているのは自分なのか世界なのか。人間の存在が根底から揺さぶられる、哲学的な問と奇妙な味わいをたたえた挑発的連作集。

                                     (メディアファクトリ-HPより)


次女が好きな作家さんで、前々から「面白いから読んでみれば~?」と言われていたのですが・・・・
怖い物が苦手で敬遠してました(笑)。

今回の新刊は、不思議だけれど、さほど怖くないとかで、わたしも読んでみました。
うん、これくらいなら平気!

そして、この雰囲気は、結構すきかも♪

主人公は推理作家で、日常のなかで度々出会う奇妙なことを短編形式で綴った作品。
10の話のどれも奇妙でなんとも言えない背中のあたりがゾワゾワするようなかんじ。

なかでも「狂い桜」が良かった。
小学校の同窓会のあとの三次会に集った男女7人。
途中、席を少し外す者について、その後「そういえば・・・〇〇君は亡くなったんだよね」という話になる。さっきまで居たはずなのに「?」と思う主人公。
自分もトイレに行きたくなり途中その席を抜ける。その後の皆の会話が気になり・・・・という話。

いろんな奇妙な体験を、必ず帰宅して妻に語る主人公。
それを聞いて、いろんな意見を述べる妻。
二人の会話の様子が、ちょっとほのぼのしていて、なんとも言えない奇妙な話の雰囲気を和らげてくれていて、ホッとした。


9つめの話「夜蠢く」は、わたしも実家では猫を飼っていたので、
「そうそう!わかる!」と思わず心のなかで叫んでしまった!
猫を飼っていた人なら、皆、共感すると思うけど・・・。
話としては、これも不思議だったなぁ~。


怖がりのわたしでも、なんとか楽しみながら全部読めました。

表紙の絵と本文中にもある挿画が美しく、ちょっと怪しげで本の内容にピッタリだったのも良かった!


綾辻作品、なかなか良いな。
今は次女、一押しの長編を読んでますので、綾辻作品をまた後日・・・。


★★★

 
f00fad9d.jpg発行年月:2010年12月


「生まれる」ことの奇跡を描く再生と自立の物語
失踪した夫を探して南の島に来たまりあは、島の助産院で妊娠を知らされる。出生の秘密に囚われ、母になることに戸惑うが…。命を育み、自分の生を取り戻すまでの誕生と再生を描く感動の長編小説。


                        (集英社HPより)



主人公の女性・小野寺まりあは、夫が失踪し彼を探して以前、二人で旅した南の島に来る。
そこで、つるかめ助産院の院長・鶴田亀子に出会い、そこで働くことになる。
まりあは妊娠していることを亀子から告げられ、今後のことなどを考える日々。


亀子の大らかな人柄は好印象。
そこで働くスタッフたちや島の住人たちが皆、明るい。南の島というのどかな雰囲気もあって、始終和やか。

でも、段々にわかる普段は大らかな人たちにも過去には辛いものがあったこと。
まりあ自身の生い立ちも、結構いろいろ・・・。

助産院では、新しい命が誕生する。
神秘的な命の誕生の場面。
でも死産という残酷な場面もあり、喜ばしい誕生と哀しい死産を両方扱ったのは、良かったけど・・・
なんだろな・・・・
リアリティがない気がして・・・今ひとつ心揺さぶられるものがなかった。
職業柄、実際の現場を幾つも見てきた、わたし自身の問題かもしれないけど。。。。。
多分、多くの取材をして関係者から実状を聞いたんだろうけど。

ま、出産の場面はそんなにこの物語で重要視しなくて良いから、その辺は許せるけど。


物語全体を通しても、なぜか心が動かなかった。

話としては、面白くなくはないけど・・・。

多分、わたしはこの作者の物語が、あまり好きじゃないのかもしれない。
そのことに気づいてしまった。
以前、読んだエッセイのようなものは、楽しめたんですけどね。

多くのファンがいる作家さんなので、この作者の作品を好きな方には、なんだか申し訳ない気もするのだけど・・・・
個人のブログなので、ご勘弁を・・・・^^;

★★★
 
a0b7be37.jpg    発行年月:2009年9月

横溝賞作家が贈る、ハートウォーミング・ミステリ!



夢を諦めた男が立ち上げたビジネス『付き添い屋』。
そこに集まる人々が織りなす、奇妙で切ない人間ドラマ。
情感豊かな筆致で綴り上げた、ハートウォーミング・ミステリ。

                              (角川書店HPより)



主人公の倉沢修介は34歳の元プロ野球選手。
敏腕投手として活躍していたが、危険球を投げ、それが当たった相手選手は、その怪我が原因で引退してしまった。
そして倉沢自身もプロ野球の世界から引退。

倉沢は、ある日、戸部という男と知り合い、彼が社長を勤める会社の下請け的役割の便利屋で働くようになる。
そしてやがて自らがオ-ナ-になり、かつて怪我を負わせてしまった西野真佐夫とその妹である晴香を雇う。



社長の戸部からの勧めで、便利屋の仕事の一環として付添い屋を始め、そこで出会う依頼人とのやりとりが以後、章を変えて物語として進む。

子どものサッカ-観戦に付添って欲しいと頼まれたり、
フィリピン人の女性を空港まで送って欲しいと頼まれたり、
長年貯まった資料や本を整理を、3日間泊り込みで付き合ってほしいと頼まれたり・・・・・

そして最後の章では、社長の戸部が依頼人となり、自分と娘に同行して、娘の母親の遺骨を撒きに行くのに同行して欲しいと言う。


ひとつひとつの話が良い話ですが、最終章で、今までの依頼人には、ある共通した思いがあるということがわかります。
その前にも、少し感じてはいたのですが、ここではっきり、それが解明されて・・・・驚きました。
なるほど~。
言われてみれば・・・・と前の話を振り返ってみたりして。


元プロ野球選手の倉沢がずっと抱えていた重荷。
贖罪のような気持ち。
普段の言動には、明るいかんじが現れていますが、ずっと苦しんでいたんだと気づき切なくなった。

でも、そんな気持ちを理解してくれる、晴香の存在が、これから二人を明るい未来に進ませてくれそうなラストは良かった!


感動の物語でした!

★★★★★
 
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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