エネ研、ソ-ラ-カ-、大潟村 太陽の光に導かれて、
淡い恋が始まった------。
ソ-ラ-カ-レ-スにかける高専生たちの青春!
(講談社HPより)
毎回、いろいろな場面で青春を謳歌する学生たちの清々しい姿を描いてくれる濱野さんの作品。
今回は、高専生。さきたま高専の生徒たちの青春物語。
その高専生の部活動(エネルギ-研究会 ソ-ラ-カ-研究部)の話。
何人か生徒達が出てきますが、主人公は、澄川怜。
高専の3年。
頭も悪くないし、手先も器用。何でもあまり努力しないでそこそこ出来ちゃう。
羨ましいような気もするけど、本人はそれゆえ、何を将来したいのか?本当にやりたいものはナンなのか?わからないでいる。
彼の姉は、そんな彼を器用貧乏という。
そんな彼が、同級生(留年してるけど)に器用を見込まれて、手伝って欲しいと連れられた先でソ-ラ-カ-に出会う。
最初はただ友達の頼みだから・・・という受身的感覚だったのが段々、仲間と関わり、ソ-ラ-カ-のレ-ス出場に向かううちに自身も熱くなる。
そんな生活のなかで、自分の将来の道も少し見えてくるラストは、よかった。
太陽のエネルギ-で走るソ-ラ-カ-。名前は「レッドシャイン号」。
地球の環境問題、エコの話を彼らがするのも興味深かった。
悪い事じゃないし、考えることは必要だと思うけど、取り組んでいることには矛盾も結構あるよね?という話。
余裕のある人しか取り組めないようじゃ変だよね~みたいな箇所では
「そう!そう!」とうなずいちゃった。
高専って、あまり実態は知られてないかな?
わたしは、弟が、実は高専出身なので、学校内や寮生活の話を、たまに聞いていて少しだけ知っていたこともあり、その様子を垣間見られた感じが面白かった。
恋の話もちょっとあったりして、そちらも爽やかでいいかんじでした!
そういえば、弟が学生の頃は、ロボコンとか、ソ-ラ-ボ-トの大会の話も出たっけ。
ソ-ラ-カ-の大会の話はなかったけど、いろいろな大会があるんでしょうね。
今回は、主に男の子たちの青春を描いたものでしたが、女子でも楽しめるお話だと思います。
★★★★
PR
伝説のチェスプレ-ヤ-・アリョ-ヒンの、
ひそかな奇跡を描き尽くした、
せつなく、いとおしい、宝物のような長篇小説
(文藝春秋HPより)
この表題に先ずは惹かれるものがあります。
読む前は「なんのこと??」と思うのですが、読み終えた今は、なんともピッタリの表題!と思えます。
7歳のアリョ-ヒンは弟と祖父母の家で暮らしている。
両親は、弟が生まれるとすぐに離婚し、実家に戻ったが、その母も2年前、病気で亡くなった。
物語は、弟と祖母の3人でデパ-トの屋上にいるところから始まります。
そこには、かつてインディラという名前の象がいた。
小象のときからその生涯を終えるまで、ずっと鎖に繋がれていた。
そして、アリョ-ヒンたちが住む家は、隣家との壁がすぐそば。
かつて、そこの狭い空間に入り込み、出られなった少女が壁に食い込んだままになっているという噂もあった。
アリョ-ヒンは、その象のインディラと、少女・ミイラ(アリョ-ヒンがそう名付けた)を心の友にしているちょっと風変わりの少年。
そんな彼があるとき、チェス好きの老人と出会い、彼にチェスを教えて貰う。
その老人もバスの中で一人暮らす変わった人物。
お菓子づくりが趣味で、いつも甘いお菓子を出してくれる。そして老人は超肥満体。
少し大人になったアリョ-ヒンは、チェスが得意なことを見込まれて、ある倶楽部でお客さん相手にチェスをするようになる。
しかし、面と向かってではなく、ある方法で。
チェスをするとき、彼は海に潜り泳ぐような感覚。
そして頭の中に度々、浮かぶのはインディラであり、ミイラであり。
全体を通して、とても幻想的。
そして、なんとなく儚く、哀しい雰囲気が漂うかんじがしました。
アリョ-ヒンの存在自体が、幻想的。
人間という設定ではありますが何か、人とは違う生き物のような不思議なかんじでした。
最後は、とても切ないのですが、アリョ-ヒンは、それで幸せなのかも。
そういう生き方をしたことを悔いてはいないんだろうな~と思いたい。
やはり、この方の文章は独特の雰囲気。
好きです!!!
もう一度、ササッと読み直そう!
★★★★★
お金も才能も肩書きも関係なく、
僕たちでも手に入れられるものが、
一つだけある。それは-------
170万部突破の大ベストセラ-『夢を叶えるゾウ』の著者が贈る、
新感覚エンタ-テイメント小説
(小学館HPより)
「夢をかなえるゾウ」が、まあまあだったので、こちらもどんな物かと読んでみました。
冴えない若者・御手洗が西郷隆盛似の豆柴(名前は義太夫)を連れた男・春男を、助けてあげる。
そして、その恩返しに自分の得意分野の「女」についてのあれこれを伝授するというはなし。
最初の1/3くらいは、なかなか面白くよみました。
鹿児島弁がやや読みにくかったのですが、まあ、面白い設定なので、なんとか読んで・・・
でも、何やら、伝授される内容が、幼稚というか・・・。
春男の言うことは、まあ、間違ってはいない。
でも、あまり頭で考えて行動されちゃうと、引いちゃうなぁ~。
この本を書いたのも、前のでウケたから、今度はこうしたらまたウケるんじゃないかなぁ~?という考えで書いたのか?とも思えて・・・途中から白けてしまいました・・・^^;
コンパの場での、あれこれも・・・・う~ん・・・読んでいるのが苦痛(退屈)。
正直、少し飛ばしました・・・^^;
これも誇大広告としか、今は思えないなぁ~。
今回は、かなり辛口になりました。
多少、期待して読んだ反動ということでお許しを・・・(笑)
★★
高2の夏休み前、由起と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶ------「人が死ぬ瞬間を見たい」。由起は病院へボランティアに行き、重病の少年の死を、敦子は老人ホ-ムで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。少女たちの無垢な好奇心から始まった夏が、複雑な因果の果てに迎えた衝撃の結末とは?
(本裏の解説文より)
前作の「告白」を読んだときの衝撃が、またあるのか?
そんな気持ちで本を開き、いきなり「遺書」で始まるのには、早くもビックリ!
↑の解説文にもあるように、二人の少女(幼なじみ)が、転入生から聞かされた衝撃の事実に心を動かされ「人の死ぬ瞬間をみてみたい」とそれぞれ思う。
二人はそれぞれ別々に「人の死を見る」機会がありそうな場を選んで働く。
ここで、二人が相談して行動してないというのが、いい。
「人の死を見たい」という言葉だけ見ると、なんて子たち!って思うかもしれないけど、わたしは、ある意味、普通の感覚かも?と理解しました。
こんな事かんがえるのはいけないことなのかな?という気持ちが少しあったから一人一人で行動に移したのかな?と。
そこで、自ら手を下したら困るのだけど・・・・・。
二人は、不純な気持ちではありますが、それぞれの場でそれなりに一生懸命、働いていたし。
「人の死を見たい」と思ってはいても、いざ、目の前で苦しむ人がいたら、自然に助けたいと思い行動する場面もあって。
微笑ましい場面もあり、普通の青春小説としても成立しそうな展開。
でも、そうはいかないこの方の物語!^^;
段々、それぞれが働く、病院の患者と老人ホ-ムの入所者に出てくる人たちが、結びついてきて・・・・最後は本当にまた衝撃的でした!!
少女たちが抱えていた諸々のことも、重かったし
最後は「告白」同様の後味の悪さが残りますが
思いがけず、友情の再確認が出来たり、ずっと会いたかった人に会えたりする場面もあったので、「告白」よりは、少し軽く読めたかな?
湊さん、こういう話ばかりずっとこれからも書き続けるのかしら?
普通の青春小説も十分、書けそうなのに。
刺激を受けたいために、また新刊が出たら読むこと間違いなしですが・・・笑
でも、こういう感覚って、少女たちが感じた好奇心とちょっと通じるものあるのかも・・なんてちょっと思ったりして。
人って、どこかで、自分に関係ない事なら残酷なことを見てみたいって思ってしまう生き物?
★★★★
世界的ベストセラ-『悪童日記』の著者による初めての自伝
祖国ハンガリ-を逃れ難民となり、
母語ではない「敵語」で書くことを強いられた、
亡命作家の苦悩と葛藤を描く
(本の帯文より)
文芸誌の紹介文に惹かれて読みました。
1956年、ハンガリ-動乱時にまだ生後数ヶ月の娘を抱いて夫と共にスイスに亡命した著者。
彼女の幼い頃からの記憶を辿りながら、話は進みます。
幼い時は本を読むことばかりしていたが、やがて物語を作り、人を喜ばせることに自身も喜びを得たと。
しかし、国内は他国の軍に占領され、敵語であるロシア語を学ぶことを学校で強いられ、また成人した後、フランス語圏に辿り着いたら、今度はフランス語を生き延びるためには取得しなければならない事態。
話すことは、割とすぐ出来ても、読むこと、まして書くことに関しては遅れる。
自分のなかで、祖国の言葉が殺されていくようと書いている著者の言葉は痛烈。
歴史的背景をみても、一生日本で暮らす日本人には、こういう経験した人いないでしょうし・・・。
想像以上のそこには、苦しみがあったと思います。
しかし、自分は物語をつくり、書くことがしたい!と本来の自分の気持ちを取り戻したとき、ここで書くためには、話せるだけじゃだめなんだ。
文盲のためではいけない!と気づき
26歳で読み方を学ぶための大学の講座に登録し、勉強を始める。
そして、最初に発刊されたのが「悪童日記」とか。
その書は、多くの国の言葉に訳され、世界的ベストセラ-となったそう。
わたしは、まだ読んでいないのですが、近いうちに是非、読みたいと思います。
調べたら、3部作らしいので、根気要りそうですが。
歴史的背景には、過酷なことももっとあったと思いますが、それらにはあまり詳しく触れていません。
ただひたすら、自分が書くことに向かって生きてきた事実のみが記されているかんじ。
100ペ-ジちょっとの短い本なのですが、印象に残る本でした。
★★★★
カレンダー
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(07/12)
(07/10)
(07/06)
(07/03)
(07/02)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア