忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[544]  [545]  [546]  [547]  [548]  [549]  [550]  [551]  [552]  [553]  [554
57fefe2e.jpeg発行年月:2009年10月


酉乃初、普通の高校一年生。
だけど実は・・・・・
レストランバ-『サンドリヨン』でマジシャンとして活躍する彼女が遭遇した出来事を解き明かす。

第19回鮎川哲也賞受賞
(東京創元社HPより)
 
ポチこと須川くんが可愛い♪
学校では無口で無表情の女の子・酉乃初のことが気になって仕方ない。

レストランバ-でマジックを披露する酉乃を偶然、見かけ、学校で見せる表情とはまるで別人の様子に更に興味が増して、学校で勇気を出して話しかけ、事の成り行きで一緒の図書館へ。
そこで、最初の謎に遭遇。

その謎を見事解明するが、解明したことにより人を傷付けてしまったと落ち込む酉乃を優しく見守る須川くん。
そして傷付けた相手を偽善でも良い、何もやらないよりは・・・・と思い直し得意のマジックで勇気付ける。

青春っぽくて爽やかな話でスタ-ト。

その後も学校内で起きる不可解な出来事を須川くんに乗せられながら、解明していく。

そこには、妬みやちょっとした軋轢があり、学校内の人間関係がリアルに描かれていました。

校舎から飛び降り自殺した女生徒の幽霊が出る話がちょこちょこ出てくるが、最後にその真相も明かされる。
なるほど、そういうことでしたか!?と気持ちよく終わって、読後も爽やか。

謎の部分が多い、酉乃初だけど、須川くんのおかげで、今まで自分のなかで我慢していた感情を素直に出せたり、二人の間に信頼関係が確実に芽生えたようで、微笑ましかったな~(^^)

最初から最後まで、楽しめ一気読みでした!

次回作も期待したい作家さん!


★★★★★
PR
8fc7ef16.jpeg   発行年月:2009年12月


   怖い、切ない、あたたかい、多彩な物語が弾きだす

   父が秘めた生涯の恋、消えた女房が見せる奇妙な夢、
   深山に逃げ込んだ盗賊の顛末など今昔の境も
   夢現の境も自在な6つの物語


                        
(文藝春秋HPより)

先に読んだ「朝のこどもの玩具箱」に続いて、新聞掲載されたお話。
今回は、明るい雰囲気の話が多かった「朝の・・・」に比べると、不思議だったり、怖かったり、切なかったり・・・・・。

最初の話「仕舞い夏の海」は、若い頃、一緒に暮らしていたが突然、姿を消した女性・茉莉の事が忘れられない達樹だったが、今はもうすぐ30になる娘も嫁ぎ、妻と暮らしていた。
けれど、病に倒れ、余命も短いようだ。
妻・敏美は、故郷の海を見せてあげたいと娘と供に達樹を思い出の海に連れて行く。
故郷の海で思い出の女性に会わせてあげたいと思う妻の優しさが切ない。

そして、この話は最後「もう一度さようなら」に続いていて、予期せぬ続きが嬉しかった!
達樹と敏美の娘・雛子は夫・修一とやや冷え切った関係でそれをもう修復出来ないものか?と悩んでいた。
修一は過去に哀しい出来事を体験していて、そのためか他者と濃密に結びつこうとしない。
結婚して暫くから、修一との日々は長くは続かないだろうと予感していたが別れという決意はつけられず・・・・・
辛いだろうなぁ~。こんな状況が続いたら・・・・。

雛子もその母親の敏美もなんだか気の毒でした。
切なくて苦しい。


けれど、最後は、それぞれ夫に疎まれていたわけじゃなかった。大事な存在だったんだ!と気づけて良かった!

ほかの話もそれぞれ、文句なし!
時代物の2作「恋女房」と「蛍女」は、ちょっと妖しく怖かった。

「うちの猫は鼠を捕りません」は、SFとホラ-の要素で最後はゾッ!(;O;)

「お花見しましょ」は、ちょっと切ないけど、最後は明るくて良かった。

6つのお話、どれも良い!
やっぱり、あさのさんは凄い!

短編集でひとつひとつがそう長くなく、いろんなテイストが詰まっているので、
今まで敬遠していた人も是非、読んで欲しいな~なんて思う本です(^^)

★★★★★
WILL0_.jpeg発行年月:2009年10月


名作『MOMENT』から7年。待望の姉妹編。

29歳の森野は、11年前に亡くなった両親の跡を継ぎ、寂れた商店街の片隅で葬儀屋を営んでいる。そんな彼女のもとに、仕事で関わった「死者」を媒介した、数々の不思議な話が持ち込まれてくる・・・。


                    
(集英社HPより)

この作品に姉妹編にあたる物があるのは知らずに読みました。
何ら、困ることはなかったですが・・・。

高校生のときに両親を一度に亡くした主人公・森野。
両親の跡を継ぎ、昔から店にいた従業員・竹井と良い関係を保ちながら社長として働く。

言葉遣いがやや乱暴ですが、故人を悼む気持ちは優しい。
プロロ-グとエピロ-グを挟んで、3つの話にそれぞれ出てくる依頼人たちとの関わりも良かった。

第1話「空に描く」は、高校時代の同級生が葬儀の依頼人。姉の子どもが亡き父の幽霊をみたと言う。同級生のちょっと複雑な生い立ちを探り、亡き父の思いを汲む

第2話「爪跡」は、執り行った葬儀のやり直しをして欲しいと訪ねてくる故人の愛人を名乗る女性。調べると、名乗った名前の女性は既に亡くなっていた。

第3話「想い人」は、亡き夫の生まれ変わりだと言う15歳の少年が訪ねてくると老女から相談を受ける

故人を巡ったちょっと不可解な出来事を、故人の家族や親しかった人に話を聞きながら、真相を探るちょっとミステリ-の要素もあるお話たちだった。

謎が解明されると、そこには故人やその近い人の優しさが起した出来事とわかり、温かい気持ちになれました。

エピロ-グとプロロ-グでは、森野自身のことが綴られて
両親を亡くしてから、ずっと自分が良い娘だったか?今は良い娘か?と問い続けてきた彼女だったが最後は彼女を温かく見守り続けた人たちにより、迷いのようなものを吹っ切り、新たな気持ちで前に進んでいく姿が良かった!

森野の名前・・・気になっていたけど、最後の最後に明かされてました(^^)

表題「WILL」は、ピッタリだと読み終えて思います。


姉妹作だという「MOMENT」も是非、読まなくちゃ!


★★★★
d1ae4511.jpeg発行年月:2009年11月


東京郊外の桃山町は、不思議の起こる町として知られていた。小学6年生の千葉空良(そら)と同級生の河邑ユ-キ、紺野アランの3人組はワンダ-3を結成。算術絵馬で知られる百山神社など、町の神秘をさぐることになった。それを機に起きる偶然の暗合----高等数学が得意な謎の転校生、担任の先生からもちかけられた算数宇宙杯への出場。空良たちはさらに、素数の正体、ゼ-タ関数の定義を経て、ファンタジックな世界、宇宙と神秘のミラクルワ-ルドへといざなわれていく。作中で、150年もの間数学史上の難問とされている「リ-マン予想」にも挑戦!SFファンタジ-の枠を超えた算数小説。

                                        (実業之日本社HPより)

出てくる小学6年生達が、凄い!
これは、算数のレベルじゃないよ!

算数オリンピックの世界大会でメダルを獲得の河邑有希が、男の子、アランとソラを引っ張って、町の不思議を探検しようと言い出すあたりまでは、小学生らしいけど・・・後はもう、数学のかなり高度な話が出て来て・・・・・
素数の話くらいまでは、ついていけたけど、あとは?????

そこにまたまた最強の数学脳の転校生・一之瀬那由他登場。
この名前も数学的なものでした!(知らなかったけど・・・・^^;)


算数宇宙杯に出場が決まった4人。
ここからが、またまたチンプンカンプンの数学の話で、ちょっと飛ばし飛ばし読んじゃいました(笑)

でも、ソラの鮨屋のじっちゃんとか、出てくる大人達もなかなか個性的で楽しかった。

子どもの頃から、居なかった父親の事が明らかにされたり、算数以外のところでは、楽しめました。


しかし、この本をちゃんと理解して楽しめる人は、少ないだろうなぁ~。
わたしが無知なだけ?

頭の良すぎる作家さん(東大卒)が数学が得意な人を楽しませるために書いた本かしら?
とちょっと拗ねたりして・・・^^;

★★
a7545049.jpeg発行年月:2009年11月


進学のため上京した鳥貝は、大学で出会った学生に、ある男子寮を紹介される。二階建ての洋館に住まう“おとな”な男たちに鳥貝は翻弄されるばかり・・・。生意気で才気溢れる青年たちと素直で愛らしい少年。

長野まゆみワ-ルド全開。

                   
(筑摩書房HPより)


楽しかった♪
こういう話、大好き!

東京の大学に進学が決まった鳥貝。誕生日が3月なので、まだ17歳。
まだ住む所が決まらず、大学の下見を兼ねて斡旋している物件はないものか?と思っていると一人の男子学生が「学友クラブを訪ねたらいい」とアドバイス。
そのアドバイスに従い、訪ねると、男子寮が空いてたはず。家賃は1万で・・・・・と願ってもない好条件!しかし、寮長の面接があると言う。その前に先ずは実際、見てみなくてはと寮を訪ねそこで出会う寮の面々。

実は最初に声を掛けてきた学生も、学友クラブと称して鳥貝に男子寮を説明した学生も、寮のメンバ-だった。

登場する名前がみんな珍しい。

安羅(ヤスラ?)、白熊(ハグマ)、多飛本(とびもと)、時屋。
百合子・・・女性?と思ったら、これは苗字で男性だったし・・・^^;


寮を訪ねる鳥貝と寮のメンバ-とのやり取りが愉快。
純情な少年・鳥貝は皆の餌食か?なんてちょっと心配(多少、期待・・・笑)。

いろいろな「?」の部分が話が終盤に差し掛かると、次々、解けてゆく。

最初の「エピロ-グ」の部分の謎も解決。

なかなか美しいお話でした。
「白いひつじ」 「アプリコットパイ」・・・物語の謎のキ-ワ-ドたち。


この表紙がまた美しい。
最初、ひつじ雲の写真?と思ったけど、本の最後に
装画 ヴィルヘルム・ハンマ-スホイ 「ライアの風景」とありました。
これは絵画なんですね~。

いいな。この表紙。


長野作品は、大抵どれも好きだけど、これはもしかして、わたしの中では一番かも!


★★★★★

カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 4 5
7 8 9 11
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]