発行年月:2023年6月
この物語は、あなたの宝物になる。
亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。コロナ禍で部活動が次々と制限され、楽しみにしていた合宿も中止になる中、望遠鏡で星を捉えるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」も今年は開催できないだろうと悩んでいた。真宙(まひろ)は渋谷区立ひばり森中学の一年生。27人しかいない新入生のうち、唯一の男子であることにショックを受け、「長引け、コロナ」と日々念じている。円華(まどか)は長崎県五島列島の旅館の娘。高校三年生で、吹奏楽部。旅館に他県からのお客が泊っていることで親友から距離を置かれ、やりきれない思いを抱えている時に、クラスメイトに天文台に誘われる――。
コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うのは――。
哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある。
(角川書店HPより)
新型コロナウイルス感染症が世界的流行で、学校のなかの生活も
大きく変わってしまった2020年度。
年に一度の部活の集大成となるコンクールや大会も中止になり学生たちは
途方にくれる。
仕方ないと思いながらも虚しさで自分の気持ちをどうしたらいいのかも
わからない焦燥感。
物語の冒頭はそんな学生たちの何とも言えない気持ちが伝わってきて
苦しくなった。
物語は、3つの場所で最初はバラバラに始まる。
・茨城県にある高校の天文学部
・東京渋谷、都会のど真ん中にある小さな中学校の理科部
・長崎県、五島列島の天文台の観測会に集う高校生
彼らが、それぞれの活動のなかで、お互いと交流する機会を得ていく様子が
ワクワクする。
それぞれの学校の顧問の先生たちと天文台の館長さんなど、大人たちの
連携もすてき。
コロナ禍でも、今はこんな風に繋がれる時代でよかった。
本当に素晴らしい青春小説だった。
望遠鏡での天体観測、してみたくなったなぁ~。
★★★★★
(角川書店HPより)
新型コロナウイルス感染症が世界的流行で、学校のなかの生活も
大きく変わってしまった2020年度。
年に一度の部活の集大成となるコンクールや大会も中止になり学生たちは
途方にくれる。
仕方ないと思いながらも虚しさで自分の気持ちをどうしたらいいのかも
わからない焦燥感。
物語の冒頭はそんな学生たちの何とも言えない気持ちが伝わってきて
苦しくなった。
物語は、3つの場所で最初はバラバラに始まる。
・茨城県にある高校の天文学部
・東京渋谷、都会のど真ん中にある小さな中学校の理科部
・長崎県、五島列島の天文台の観測会に集う高校生
彼らが、それぞれの活動のなかで、お互いと交流する機会を得ていく様子が
ワクワクする。
それぞれの学校の顧問の先生たちと天文台の館長さんなど、大人たちの
連携もすてき。
コロナ禍でも、今はこんな風に繋がれる時代でよかった。
本当に素晴らしい青春小説だった。
望遠鏡での天体観測、してみたくなったなぁ~。
★★★★★
PR
発行年月:2021年7月
第165回芥川賞候補作
ある日、夫が風呂に入らなくなったことに気づいた衣津実。夫は水が臭くて体につくと痒くなると言い、入浴を拒み続ける。彼女はペットボトルの水で体をすすぐように命じるが、そのうち夫は雨が降ると外に出て濡れて帰ってくるように。そんなとき、夫の体臭が職場で話題になっていると義母から聞かされ、「夫婦の問題」だと責められる。夫は退職し、これを機に二人は、夫がこのところ川を求めて足繁く通っていた彼女の郷里に移住する。川で水浴びをするのが夫の日課となった。豪雨の日、河川増水の警報を聞いた衣津実は、夫の姿を探すが――。
(集英社HPより)
描写がリアルで、風呂に入らないと言って、段々と臭くなっていく夫の描写で
本当に異臭がしてきそうだった(^^ゞ
衣津実は、夫の研志に対して、深く、気持ちを聞こうとしないけれど
なんでかな?
何があったのか、聞けばいいのに。
妻には、言えないと言うのなら、メンタルクリニックに連れていくことを考えて
みたらよかったのに・・・・
義母が会社から「様子がおかしい」と連絡を貰ったと心配で衣津実に電話して
きたのは、当然で「病院に連れていく」と言いながら、母親もそれは実行せず。
物語の終わり方は、なんとも・・・。
夫の生死はわからないけれど、衣津実がなんだか淡々としているようで
ちょっと妻も病んでいるのか??
ざわざわした気持ちが残る話だった。
★★★
発行年月:2022年12月
角田光代/高野秀行/髙橋秀実/津村記久子/東直子/町田康/三浦しをん 著
子どもの毎日は、山あり谷あり。第一志望の学校に落ちた!
体育が好きになれない。大人になるって楽しい……?
ストレス社会でがんばる子ほど肩の力がみるみる抜ける
人気作家7人の迷回答
(中央公論新社HPより)
最初の質問は・・・夏休みの宿題、ギリギリやる派はダメ・・・?
これの回答は角田光代さん。
宿題に対してあまり記憶がないとしながら、美術部の宿題を何を描こうか
迷い過ぎて結果、ぎりぎりでしょうもない絵を描いて出したら
先生に「きったねえ絵だな」と言われ絶望し、短時間で描いたことを
後悔したという。
へ~美術部に居たんだぁ~と。
そして、結局、角田さん本人としては「早めに終わらせて、見直す派」だそう。
でもそんな回答は周りをしらけさせるので
「もちろん、ギリギリ派だよ~」と会話のマナーとして答えると。
この話、一番最初だったからか、インパクトあって最後まで読んだけど
一番面白かった・・・^m^
最後の質問・・・「大人になるって楽しい?」
この回答は、津村紀久子さん。
若い時(10代~20代)に感じたことも、次の時代まで生きたとき、
以前感じたことが変わることもあり、大人になったからそれがわかるのは
面白いことだと。
なるほどね。
子どもお悩み相談会だけれど、大人が読んだ方が、面白いでしょう。
★★★
体育が好きになれない。大人になるって楽しい……?
ストレス社会でがんばる子ほど肩の力がみるみる抜ける
人気作家7人の迷回答
(中央公論新社HPより)
最初の質問は・・・夏休みの宿題、ギリギリやる派はダメ・・・?
これの回答は角田光代さん。
宿題に対してあまり記憶がないとしながら、美術部の宿題を何を描こうか
迷い過ぎて結果、ぎりぎりでしょうもない絵を描いて出したら
先生に「きったねえ絵だな」と言われ絶望し、短時間で描いたことを
後悔したという。
へ~美術部に居たんだぁ~と。
そして、結局、角田さん本人としては「早めに終わらせて、見直す派」だそう。
でもそんな回答は周りをしらけさせるので
「もちろん、ギリギリ派だよ~」と会話のマナーとして答えると。
この話、一番最初だったからか、インパクトあって最後まで読んだけど
一番面白かった・・・^m^
最後の質問・・・「大人になるって楽しい?」
この回答は、津村紀久子さん。
若い時(10代~20代)に感じたことも、次の時代まで生きたとき、
以前感じたことが変わることもあり、大人になったからそれがわかるのは
面白いことだと。
なるほどね。
子どもお悩み相談会だけれど、大人が読んだ方が、面白いでしょう。
★★★
発行年月:2023年2月
幕末から維新、明治と激動の時代の外交を料理で支えた男がいた――長崎生まれの料理人・草野丈吉で、店の名は「自由亭」。
本書は、日本初の洋食屋を長崎で開き、大阪に進出してレストラン&ホテルを開業、近代大阪の発展に貢献した丈吉を、妻ゆきの視点から描いた歴史小説。
貧しい農家に生まれた丈吉は、18歳で出島の仲買人に雇われ、ボーイ、洗濯係、コック見習いになる。
そして21歳のときにオランダ総領事の専属料理人になり、3年後に結婚。夫婦で日本初の西洋料理店をオープンさせた。店には、陸奥宗光、五代友厚、後藤象二郎、岩崎弥太郎といった綺羅星のごとき男たちがやって来る。
明治の世になり、大阪へ移った丈吉は、重要な式典で饗応料理を提供するまでになるのだが……。
夫婦で困難を乗り越え、夢をつかみ取る姿を活き活きと描いた傑作長編
(PHP研究所HPより)
まかてさんの物語で、また知らなかった偉人を知りました。
今回は、日本初の洋食店を開業した草野丈吉の物語。
貧しい農家の家に生まれ、奉公先での偶然の出会いで、オランダ領事館の専属料理人と
して、世界を回りながら西洋料理を学ぶ。
妻・ゆきは、25歳のとき、傾成屋(女郎屋)の奥で奉公していたとき、年に一度
奉公人も無礼講で食事を楽しむ宴の席で、丈吉に見初められる。
「食べっぷりがよかったから」ということらしい。
最初に洋食屋を出したときは、丈吉の妹・よしと
手伝いで雇った寛太(15歳)のみ。
それでも、オランダの商人や日本の外交を担う人たちが集う場になり
訪れる人の顔も歴史上、知られた人物が続々登場する。
それから、洋食屋だけでなく、宿泊所を造ったりとどんどん経営が大きくなって
いく。
ゆきは、料理もままならず、あまり直接的に丈吉の経営に関わらない。
それもかえって良かったのかな?
お妾さん三人衆・松子・竹子。梅子の存在に、最初は、腹立たしさを抱く
けれど、表向きは穏やかに接し、段々と仲間意識のような感情さえ抱く。
丈吉が亡くなった後は、長女の錦(きん)が、中心に総理人の星丘と
二人でホテル経営などを取り仕切る。
星丘と夫婦にはなれなかったけれど、良い関係だったんだろうな。
最初の結婚で辛い思いをしたから、そういう人がそばにいて良かった。
物語の終盤は、男の人たちが亡くなっていく。
結構若くして・・・・。
でもラストの、ゆきがお墓参りの場面は、なんだか、あっけらかんとしていて
清々しい。
良い物語でした。
これも朝ドラにならないかな~。
★★★★★
(PHP研究所HPより)
まかてさんの物語で、また知らなかった偉人を知りました。
今回は、日本初の洋食店を開業した草野丈吉の物語。
貧しい農家の家に生まれ、奉公先での偶然の出会いで、オランダ領事館の専属料理人と
して、世界を回りながら西洋料理を学ぶ。
妻・ゆきは、25歳のとき、傾成屋(女郎屋)の奥で奉公していたとき、年に一度
奉公人も無礼講で食事を楽しむ宴の席で、丈吉に見初められる。
「食べっぷりがよかったから」ということらしい。
最初に洋食屋を出したときは、丈吉の妹・よしと
手伝いで雇った寛太(15歳)のみ。
それでも、オランダの商人や日本の外交を担う人たちが集う場になり
訪れる人の顔も歴史上、知られた人物が続々登場する。
それから、洋食屋だけでなく、宿泊所を造ったりとどんどん経営が大きくなって
いく。
ゆきは、料理もままならず、あまり直接的に丈吉の経営に関わらない。
それもかえって良かったのかな?
お妾さん三人衆・松子・竹子。梅子の存在に、最初は、腹立たしさを抱く
けれど、表向きは穏やかに接し、段々と仲間意識のような感情さえ抱く。
丈吉が亡くなった後は、長女の錦(きん)が、中心に総理人の星丘と
二人でホテル経営などを取り仕切る。
星丘と夫婦にはなれなかったけれど、良い関係だったんだろうな。
最初の結婚で辛い思いをしたから、そういう人がそばにいて良かった。
物語の終盤は、男の人たちが亡くなっていく。
結構若くして・・・・。
でもラストの、ゆきがお墓参りの場面は、なんだか、あっけらかんとしていて
清々しい。
良い物語でした。
これも朝ドラにならないかな~。
★★★★★
発行年月:2022年8月
1996年、横浜市内で塾の経営者が殺害された。早々に被害者の元教え子が被疑者として捜査線上に浮かぶが、事件発生から2年経った今も足取りはつかめていない。殺人犯を匿う女、窓際に追いやられながら捜査を続ける刑事、そして、父親から虐待を受け、半地下で暮らす殺人犯から小さな窓越しに食糧をもらって生き延びる少年。それぞれに守りたいものが絡み合い、事態は思いもよらぬ展開を見せていく――。『火のないところに煙は』『汚れた手をそこで拭かない』の著者による、慟哭の長篇ミステリー。
(中央公論新社HPより)
凄い考えさせられた内容。
重たくもあるけれど、最後は、少し希望も見えたのかな?
最初、登場人物たちが次々、出て来て、それらが繋がっていく。
橋本波留は小学6年生。父子家庭。
父親に当たりやを強制的にやらされ、その示談金で生活。
波留のケガがある程度、回復したところで引っ越し、再び同じことを
繰り返してきた。
父親は波留を置いて数日、外出することも多く、その間、波留は
食べものを確保することに苦労。
そんな波留の親友・桜介は、波留のことを常に心配している。
殺人事件の被疑者・阿久津 弦は、精神薄弱児だった。
母親が頼りにしていた塾の教師(殺害された戸川勝弘)のすすめもあり、
阿久津は強制的に旧優生保護法により避妊手術を受けさせられていた。
殺害された塾教師の戸川は、ダウン症や落ち着きのない子などに真摯に向き合い
その子ども一人一人にあった学習法で学ばせていた。
保護者たちには頼りにされていた教師。
物語のなかで阿久津と波留が偶然、出会い
空腹の波留に食べ物を与え、波留の頼みを聞き、父親が反対したため
参加できなかった修学旅行先の日光まで車で連れていく。
自分が被疑者になっていることより波留の望みを叶えようとする姿が
哀しい。
警察が阿久津が運転する車を包囲したときは、ドキドキが止まらなかった。
もしかして最悪のことが起きる?なんて想像もしてしまったけれど
それは外れてホッとした。
阿久津は事件の1か月ほど前に、離婚した元妻から再婚&妊娠の
報告を受けていた。
阿久津は本当に、戸川を殺害したんだろか?
例えそうだとしても戸川への憎しみはもしかしたら
なかったのではないか?
戸川が自分が母親にすすめたせいで、阿久津が手術を受けてこどもを
もてなくしたことに後悔があり懺悔の言葉を述べ、罰することを
望んだとしたら??
なんて、想像もした。
その辺りの真相は、謎だけれど、最後まで、いろいろと考えさせられた。
やはり旧優性保護法は、間違った法律だったと思う。
阿久津と波留の別れのまえの会話は泣けた。
阿久津は、いいお父さんにも十分、なれたと思う。
読み終えたあとも、余韻が残る作品。
★★★★★
カレンダー
05 | 2025/06 | 07 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 5 | 6 | 7 | |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 |
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(06/04)
(05/30)
(05/26)
(05/24)
(05/19)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア