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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2004年4月


 人を思う気持ちはいつだって距離を越える……
遠く離れた距離で“ショートカット”する恋人たちが体験する日常の“奇跡”!

                    (河出書房新社HPより)




4つの短編。

別々の話なのに、繋がっているかんじ。


<ショートカット>
バイト仲間の子から誘われて合コンに参加し知り合った、なかちゃんと名乗る男から「ワープ」の話を聞き自分も同じように東京にワープしたいと思う。


<やさしさ>
カフェの一周年記念パーティーの帰り道、親友の親友と一緒になりそれぞれが
東京に居る好きな人のことを思う。


<パーティー>
フリーマーケット会場に友達と二人で行き、声を掛けてきた、なかちゃんという
妙に馴れ馴れしい男性から写真のモデルに二人でなって欲しいと頼まれ
仕方なく承諾。
後日、写真を撮るために会って、その後・・・


<ポラロイド>
雑誌編集者と飲んでいるカメラマンの女性。
会話の成り行きで「今から仙台に行こう!」と決めて上野駅まで行くが
最終が出たのは2時間前。
解散し、前の日から泊めて貰っている友人宅に行くと、友人は不在で
弟が迎え入れてくれる。
友人の置いて行った携帯電話が鳴るので出ると、写真の専門学校で同じだった、
なかちゃんだった。



どれもなかなか面白かった。
偶然が作った人間関係から生まれる奇跡のようなこと。
共通して出てくる、”なかちゃん”がインパクト大!
妙に馴れ馴れしいけれど、嫌みがないかんじなので、みんな受け入れる。

なかちゃんと知り会う人たちは、大阪に居るのかな?
そして、なかちゃんも皆も、東京に好きな人がいたり、気持ちが時々
東京に向かう。

なかちゃんの言う「ワープ」の話は、最初の話では、ちょっと不思議だったけれど
案外、そうしたいと思えば、躊躇することなく実行したらいいだけかもね。

若ければ、自分もこれ読んだ後、どこかに向かって行きたくなるかも・・・^m^

話としては、3番目の<パーティー>が面白かったな。
なかちゃん、何者なんだろ?
面白い人だな。
こういう友達ほしいかも。


                           ★★★★
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発行年月:2000年9月


 2000年3月に亡くなった人気絵本作家クーニーの最後の作品。
木の声を聴き、風のうたを編む、かご作り職人の美しい心を描いた絵本。

                    (あすなろ書房HPより)


今から100年以上前、アメリカのニューヨーク州ハドソンから
それほど遠くない山あいの地方に、かごを作って生計を立てている
人たちがいました。
丈夫で美しいかごを作るための技術と静かな情熱は
長い間、父から子へ、こんなふうに伝えられていたのです。
                (本の表紙裏の解説より)




この本は、何かの雑誌で、紹介されていて、読んでみたい!

絵は好きなバーバラー・クーニーさんだし・・・と思い、図書館で借りました。
バーバラー・クーニーさんの最後の作品だったとは・・・
なんだか余計、感慨深いものがあります。


絵が素晴らしいのは、当然ですが、物語の内容がとても深い。
これは子どもより大人が読んだ方がじ~んと感じるものが大きいかも。

人が生きるうえで大切なこと。
自然の声に耳をちゃんと傾けられる暮らしは素晴らしいな。
他人の持つ信念を蔑んだりするのは、恥ずかしいことだな。
などなど、いろいろと考えさせられたお話。

かご作りをするお父さんは息子に無言で大切なことを伝えるけれど、最初は
理解出来ず、苦悩する息子。
でもそれを見守り、助言するほかの人がいて・・・息子は大切なことに
自分で気づくことが出来る。



今はかごは、あまり使われなくなった。
安くいつでも安易に手に入る物が他に沢山あるのだから・・・。

そういえば、昔はお母さんが八百屋さんに買い物に行ったりするときには
カゴを持って行ってな・・・なんていう懐かしい光景も思い出したりして・・・

素敵な絵本でした!!
この本に出会えて良かった!!


                         ★★★★★




発行年月:2014年7月


 
ほんとうの幸せって?

ここは「わたしの家」だったのに───
ようやく手に入れた“理想の家庭”に
幼なじみが踏み込んできて……

家族のあり方を問う、傑作長編小説

たった4週間の同居生活がもたらしたものは──?
美しく貧しかった羽衣子、不器量で裕福だったみえ子。
正反対の二人は、お互いに駆けているものを補い合って生きてきた。
だが、羽衣子は平凡だが温かい家庭を手に入れる。
穏やかな日々は独身のみえ子が転がりこんできたことから違った面を見せ始める……。

                   (祥伝社HPより)



遊佐家に居候・みえ子が四週間共に暮らすことになる。
遊佐夫妻の妻・羽衣子の幼馴染のみえ子。

遊佐家のメンバー
・賢右(57歳)・・・有名私立大卒。実績あるスポーツ選手として一流企業就職。
・羽衣子(43歳)・・・容姿端麗。家事に手抜きなし、いつも穏やか。
・いずみ・・・大学2年生。蕎麦やでアルバイト中。顔も性格も可愛げなし。
・正平・・・高校2年生。母親譲りの美形の持ち主だが、自信なさげな態度のため学校の女子からは「キモメン」扱い。


そんな遊佐家に、みえ子が加わることで、平穏な風に見えた遊佐家が少し変化するというお話でした。
最初は、登場した、みえ子に違和感を覚え、この一家が不幸になっていくのか?と
思ったけれど、意外にも家族にとって、良い起爆剤の役割となりました。

そして、羽衣子とみえ子の関わりも、とても深いものだったんだと衝撃的でした!
二人の話だけでも物語が成立しそう。


いつも夫に従順だった羽衣子も少し変わったし、いずみも可愛げある女性に変化したし、
正平も自分に自信を少し持てたかな?
賢右は、あまり変わらないか?^^;


みえ子自身は、遊佐家に関わって何か変わったのだろうか?
その辺、あまり書かれていなかったけれど、どうしてそもそも遊佐家に居候しようと
思ったんだろ?そこが気になるな。
羽衣子が幸せに暮らしているか覗いてみたかったとか?

でも、面白かった!

    

                          ★★★★



発行年月:2013年9月


 初心者も安心の素朴な恋物語、上級者ならではの屈折した恋愛...恋をテーマに現代作家の作品をセレクト。訳者書下ろしの「恋するザムザ」を加えた全10短編収録。恋愛甘苦度表示付き。

                    (中央公論新社HPより)




「愛し合う二人に代わって」・・・マイリー・メロイ

「テレサ」・・・デヴィッド・クレーンズ
「二人の少年と一人の少女」・・・トバイアス・ウルフ
「甘い夢を」・・・ペーター・シュタム
「L・デパードとアリエット---愛の物語」・・・ローレン・グロフ
「薄暗い運命」・・・リュドミラ・ペトルシェフスカヤ
「ジャック・ランダ・ホテル」・・・アリス・マンロー
「モントリオールの恋人」・・・リチャード・フォード
「恋するザムザ」・・・村上春樹



10の恋愛小説。それぞれ面白かった。

最初の話「愛し合う二人に代わって」は、ロマンチックで印象的。
代理人結婚を引き受ける男女のその後。
アメリカでの9.11その後のイラク侵攻など時代背景もありながら・・
代理人結婚ってこういう時代ならなんだかわかる気もするな。

あと、印象に残ったのは
「二人の少年と一人の少女」。
表題そのままの少年2人と少女の関係。
いわゆる三角関係というものですが、3人は仲良しで、一組のカップルと行動を
いつもともにするもう一人の少年の気持ちが切ない。


「L・デパードとマリエット・・・」は、え?そういう展開?と意外性が
面白かった。43歳の元水泳オリンピック選手と16歳の車いすの少女の物語。
少女の印象がどんどん変化するんです!


ほかの作品もそれぞれ良かった!


でも最後の村上氏の「恋するザムザ」は、正直・・・う~ん。よくわからないな。
カフカの「変身」をベースにしたらしいけれど、そのベースにした作品を
良く知らないからいけないのか??
編訳の前の作品たちの方が面白かったな・・・・あくまでも私的に・・・・^m^

しかし、この本1冊としては、とても楽しめた♪


                           ★★★★



発行年月:2014年7月


 

恋するゲイシャガールin八王子!?
5人の芸者が未来へGO!

東京・八王子の置屋「夢民(ゆめたみ)」
に在籍する五人の芸者たち


弐々(杉浦晴子)元女子高生。大学受験に失敗、恋人とも別れて芸者の道へ。
未以[みい](沢村紗英)元キャバクラ嬢。年下の男の子に貢ぎ癖が直らない。
茂蘭[もらん](細井千香)元看護師。大学生の息子がいるシングルマザー。
兎笛[とてき](望月優希)元女子プロレスラー。女らしくなりたくて芸者の道へ。
寿奈富[すなふ](田中喜久代)元丸の内OL。憧れの的だが人には言えない秘密が……。

彼女たちは人生の逆境をのりこえて八王子最大の祭り「八王子まつり」で最高の芸を見せることができるのか。そしてままならぬ恋の行方は……!? 傑作『ある日、アヒルバス』の笑いと感動再び! 最高に面白くてキュンとくるお仕事&青春&恋愛エンターテインメント!! 山本お仕事小説の新境地!

                        (実業之日本社HPより)





楽しくて感動するお仕事小説でした!

八王子で芸者をする5人の女性たち、それぞれの芸者としてのお仕事ぶりと
仕事以外での話が語られる。
5人が仕事以外の場でも仲良く行動するのが微笑ましかった!
人間関係が良好な職場は楽しいですからね(^^)


芸者名と本名のつながりが最初なかなか出来なかったけれど、読んでいくうちに
誰のことかわかってきて、楽しく読めた。

芸者になった経緯はそれぞれ。
最初から気になっていたのは、寿奈富の人には言えない秘密がナンなのか?ということ。
最後に明かされました。

そんな大変な過去を持っていたんですね~。
この先、家で待っていてくれる人が現れるといいな~。

『ある日、アヒルバス』のデコちゃんも登場して、こういう繋がりが
あるのって楽しい♪

また楽しくて感動するお仕事小説書いて欲しいな。

表紙の絵も可愛くていいですね!


                         ★★★★

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