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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年5月



 わたしの中の
「あの子」が騒ぐ。

「夕焼けだんだん」「週末の自動販売機」「お母さん、心配?」「ひみつのお手伝い」「おかしなパンツ」「門限のない国で」「夜のドラえもん」「ノージェスチャー ノーライフ」「そう書いてあった」......珠玉の49編。

 大人の国で生きることのもどかしさ、切なさ、
 美しさを綴った、魅惑のエッセイ集。

                  (ミシマ社HPより)




益田さんのイラストや4コマ漫画(だったかな?)は、見たことがあります。


エッセイで、その人柄が何となくわかり、友達にしたいような人だなぁ~と
思った(^^)

1969年生まれだから・・・そんなに若いわけではないですが
自由ですね~とっても。
お友達と美味しいものを食べに行ったり、仕事の打ち合わせにも美味しそうな
料理が出てくるお店を利用していたり、なんだか毎日が楽しそう。
勿論、大変なことも沢山あるのでしょうけれど。


子どもの頃の思い出話も共感する部分あり
表題になっている<そう書いてあった>は、18歳~22歳までの5年分の
日記が出てきて、あれこれ思うこと。

このころは、「子どもの頃は」という言葉を使いたくなかったという。
そして今はそれは平気で言えるけれど「若い頃は」と言うのにはまだちょっと
抵抗があるという話。

なるほどね・・・。


普通の日常を送りながら、そこの場面、場面で感じることがちゃんと言葉になって
いて凄いなぁ~。

お友達や仕事関係で会う人たちと過ごしている様子に変わりがない。
いつも何だかその場が和やかな雰囲気。

漫画にもそんな感じが出ていると思う。

また他のミリさんの本、読んでみよう!

癒し効果満点ですね~(^^)


                         ★★★★

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発行年月:2005年8月


どうやら本当のこととは、こういうことであるらしい
一番素敵な旅がある、おいしい料理がある

女の感性を描いて現代随一の作家が『水霊』のタイトルで新聞に連載した本当の「大河小説」

かおり 16歳、高校生。演劇部所属。“
幼なじみ”室田剛と“転校生”服部至の間で揺れる青春真っ只中。
詩子 49歳、小学校の栄養士。
地元の特産物を使った料理の「試食会」を主催。13年前に夫・昭彦と死別。
ひな 76歳、華道教師。39年前に夫・孝二郎と死別。
20歳の嫁入り以来、浮久町に住み、上げ舟を守る。
祖母はここに嫁ぎ、母はここから出たことがない そして、私は――
母娘3世代、本当の大河小説

                    (講談社HPより)



主にかおりの日常を描いているけれど、祖母のひな、母の詩子の思い出話も
それぞれ、良い。

木曽川と長良川の堤防に囲まれた地域に住んでいる。
過去にあった伊勢湾台風での水害の様子もひなや詩子の記憶として語られる。
かおりの家の梁に舟が吊るされている。
それを幼なじみの室田剛と横浜からの転校生・服部至が見に来て
ひながその話をする。
昔から水害が多かったその地では、舟を持っていたとか。

詩子の夫・昭彦は、ウナギを釣りにいき、転倒し、水死している。

哀しい出来事だけれど、父親が遺してくれた物語が宝物のかおり。
ちょっとそれは不思議な蛇の話だけれど
後で出てくるうなぎと通じるものがある。


かおりと室田剛と服部至の3人の関係が清々しくていいなぁ~。
ず~っとこのままの関係が続くといいけれど・・・。

3人の女性たちと関わる周りの人々が温かい。
昔からよく知っている者同士の気安さがいい。


表題の還流は、横浜から来た至が、町をあちらこちら散策して
治水タワーにのぼり見た川が流れる景色を見たとき
「川は海と山を結ぶ巨大な還流装置なんだと気づいた。別の言い方をすると
海と山を結ぶことができるのは川だけなんだ」と、かおりと剛に言う場面。



木曾三川をタワーからちょっと実際に見てみたくなった!      
ウキィペディアで調べたら・・・・
愛知県一宮市に木曽川が見られるタワーがあるらしい。




138タワー(138はいちのみやを数字にしたとか)
 
愛知県出身の著者だから書けた物語かな?


                        ★★★★★



発行年月:2004年2月


 文學界新人賞受賞・芥川賞候補、大型新人の第一作品集 う
つ病のヤクザに痴漢の 友だち、シンドい事情を抱えた奇妙な人々のメゲない
、挫けない、すねない生き様を描い た鮮烈なデビュー作.

                  (文藝春秋HPより)




絲山さんの作品は幾つか読んで、結構好きな作家さんです。

これは、デビュー作だとか。
最初から個性的な作品だったんだなぁ~と感心^m^


表題作ともう1つ「第七障害」

「イッツ・オンリー・トーク」は、元新聞社の社会部で報道に関わっていたが、
親友の事故死を報道後、トラウマで精神を病んでしまい

今は画家に転身の女性が主人公。

「第七障害」は、競馬の騎手であったが、事故で、愛馬を死なせてしまった罪悪感から
逃れられない女性が主人公。


2人の主人公に共通しているのが、結構、重たいものを抱えてしまって
いるけれど友達が多いことに救われているかなぁ~?

特に変わった友達が多いのは「イッツ・・・・」の方だけど
ある意味、羨ましいかも。
自分のことを理解してくれている人が多い。

痴漢の友達は、もうふつうに恋人と思っていいんじゃないか?と思ってしまったけど
恋愛感情はなしなのか?


「第七障害」の女性は元カレの妹と気が合って、ルームシェアをする。
この妹もサバサバしていて愉快な人だったなぁ~。


絲山さんの物語に出てくる人たちってすごく個性的。
自分の周りには居ないタイプばかり。


最初から最後まで楽しませて貰えた(^^)


                         ★★★★



発行年月:2009年1月


 居心地の悪さを感じながらも井戸端会議に参加する、子どもを持たない主婦。
三島賞作家が描く、ありふれた者に訪れる奇蹟。

                 (河出書房新社HPより)




以前読んだ「冥途めぐり」が、まあまあ面白かったので、図書館棚で

見つけたこちらを読んでみた次第。

中編作2つは収められていました。

表題作の「女の庭」は、マンションで夫と暮らす主婦。
子どもはまだ居ない。
近所の人たちが集う井戸端会議に参加するが、子どもの話が中心で
話に入れない。
普通の主婦になることに結婚したときは喜びを感じていたのに・・・

けれど隣に白人の外国人女性・ナオミが一人で越して来てから、少し生活が変わる。
ナオミの行動を観察し、あれこれ空想する。

そして気づく。
結婚して主婦という人種に囲まれている自分と
移住して外国人に囲まれているナオミは、似ていると。


う~ん、何となくだけれど、主人公の気持ちがわかって切ない気持ちになった。
こんな風に人の気持ちを描けるって凄いなと思った。


けれど。。。次の「嫁入り前」は、凄く変な話。
結婚が決まっている姉とその妹が、嫁入り前に通うといいという教室に
母親の勧めもあり通う。
何を教わっているのやら????
先生も意味不明の発言するし、姉妹とのやり取りもナンのコッチャ???

何が言いたいんだろ???
この物語を理解できる能力が、わたしにはなかった^^;

無茶苦茶過ぎて、最後には笑えたけど・・・・^^;

う~ん。好きなタイプの作家さんじゃあないけど
たまにならこういうのも面白いか?

でも結構、いろんな賞を貰っているんですね~。

今度は賞を貰っている作品を読んでみようかな?


                          ★★



発行年月:2013年9月

日本人の手で大砲を造る!
幕末佐賀・鍋島藩は、オランダ渡りの一冊の専門書だけで 反射炉を建設、
鉄を作り大砲を製造しようとした。
男たちの孤独な戦いの物語。

                 (文藝春秋HPより)




昨夜、伊豆の国市の韮山反射炉が世界遺産登録されることが決定!
その可能性大の時から、「反射炉ってなんだろ?」と思っていたので、
この物語で大いに勉強させていただきました。

幕末の日本に外国船が迫り、通商条約を結ぶ兆しが・・・
そんななか、外国から日本を守るためには、港周辺の防衛が必要だと考えた
佐賀藩主・鍋島直正。
砲術家の本島藤太夫をリーダーに鉄製の大砲を作るための、反射炉づくりを任せる。

どうやって造ればいいものか?0からの物づくりに手助けしたのが
伊豆韮山の江川太郎左衛門(御公儀の代官)。
オランダのヒュゲニン著の「鉄製大砲鋳造所の鋳造法」を示し、韮山でも反射炉を
造ろうと思っているという。
互いに頑張って造ろうということでしょうね。


でも、それは並大抵の苦労でなく・・・
一時は諦めて、関わった7人で腹を切ろうと真剣に思うほど。
藩主の鍋島が偉い!
その気持ちを汲んだうえで、金は出すから、もう一度やってくれと励ます。
その言葉で、死んだ気になってまた頑張ろうと思う面々。
素晴らしい藩主だなぁ~。

反射炉が何とか出来て、次は大砲づくり。それから試射。
ここでも試練。
ああ、辛い。でも誰も自分の役目を全うすると決めてへこたれない。
凄い根性。

大砲まで出来ても、それを置く台場の建設でまた試練。

本当に気が遠くなる程の仕事。

しかし、時代は尊皇攘夷の動きが各所で起きて、内乱も起き、
外国船の脅威となる港付近の警備のための大砲づくりが、違う目的に使われて
しまうことに。

本意ではないことに二の足を踏む佐賀藩は、悪者扱いされるという辛い目に遭う。

そして、時代の波は、西洋のものを容易に受け入れることになり
苦労して作った反射炉や大砲は時代遅れに。

無駄な苦労をした佐賀藩という気もしないではないけれど、
モノづくりに情熱を命を賭けた人たちが居たということが、こういう物語から
広く知られるのは良いなぁ~。


韮山反射炉は、中心となって動いた江川の死後、完成とか。
実際に稼働して現存する反射炉の唯一のものとして、知られている。

これを読んだら、是非、実際に見てみたいと思った!


                       ★★★★★
 
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