発行年月:2007年6月(単行本は2004年5月)
大好きなのに、許せないことがある。
太陽の光が雲にさえぎられて届かないように…。
恋人たちの日常と小さな諍いを描く恋愛短篇集
(文藝春秋HPより)
11のお話。
変なカップルばっかだったなぁ~(^_^;)
<サバイバル>
彼女が風呂に入るの嫌い、顔を洗うのも、歯を磨くのも
<昨日、今日、明日>
記念日大好きな彼女に、ちょっとウンザリしつつも言いなりになる
<お買いもの>
同棲して1年半。お互いのプライバシーは守ろうと約束をしている。
が・・・最近、彼の買い物(荷物が貯まっていくばかり)に不満を感じている彼女。
<57577>
同棲を始めた時から、自分の気持ちを57577で言うのがクセになった。
彼女は周りに自分たちのことを喋り過ぎる
<雨と爪>
古い迷信を信じすぎる彼女
<100%>
100%合う人なんていない
<共有過去>
万引きクセのある彼女と付き合って10年。
そろそろそのクセを止めてほしい。
<糧>
同棲中の彼女がお菓子を食事にしてしまうことに腹が立ち、度々喧嘩。
だけど、もう我慢できないと彼女が家を出て行った。
<二者択一>
同棲してから彼に「あなたの飲み方はきたないね」と言われた。
付き合う前に酒飲みの女は嫌いと言ってくれたら恋愛対象として見なかったのに・・・
<旅路>
海外旅行先で、彼の貧乏臭さに嫌気がさす
<未来>
同棲中の男とは別れた方がいいと友達たちは揃っていう。
浮気する、甲斐性なし、うそつき・・・・わたしもそういうとことは大嫌い
でも・・・
読みながら「なんだこの人!?」と思う人が続々登場で、笑えた。
いろんなカップルのバカらしい日常を面白く読ませて貰った。
★★★
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発行年月:2015年4月
今を生きるすべての人にあたたかなエールを贈る、エンタメ渾身作!


蔑みと無関心に凍りつく心。震える魂が共鳴するとき、か
つて誰も見たことのない世界が立ち現れて――
現代の闇と光をあぶり出すエンタメ渾身作!
(角川書店HPより)
登場人物は主には3人。
同じ中学の3年生の二人
尾垣真と城田珠美・・・二人は既に推薦でそれぞれ別に進学先が決まっている。
後から登場の佐々野(通称パクさん48歳)は、プロの絵描きで
漫画家のアシスタントとして働いている。
物語の始まりの舞台は銀行で「?」と思ってしまった。
でもなるほど~と。
銀行にはよく地元の子どもが描いた絵など展示してありますからね~。
そして、真は家業がカレーショップで、既に進学先が決まってしまっている真は
店の手伝いで、銀行に行くことに。
そこで見た絵に惹かれてしまう。
<ぼくのうち わたしのうち>とテーマが掲げられて子どもたちの絵が並んで
いるなかに、それは異質なものだったから・・・。
スケッチブックの1頁を剥がした紙に描かれているのは古城。
それも子どもが描いたものとは思えない出来栄え。
あるキッカケでその絵を持ち帰る真。そこから物語が始まる。
最初からこの先、この絵がどういう冒険ファンタジーに導くの?と期待感大でした!
そして、読み始めたら面白くて・・・
でもその絵に秘められた描いた本人の思いがわかるとちょっと辛かったなぁ~。
絵のなかに入り込んで・・・・というのは今までも何処かで聞いたことある
話ですが、話の展開は巧みで、なるほど~と思わされるかんじ。
ラストが救いがあるものなのもいい。
ちょっとアニメにもなった「ブレーブストーリー」に雰囲気が似てるかな?
これもアニメになっても楽しめそう♪
しかし、この表紙の絵凄いなぁ~。
角川書店HPの動画http://www.kadokawa.co.jp/sp/sugisarishioukoku/みて、
感動しちゃった!!
★★★★★
発行年月:2014年10月
突然、会社をクビになった!
私、ホームレスになるかもしれない
転職活動をスタートするが100社連続不採用……。
失業保険がおりないという事実を前に呆然としながらも、
貯金も底をつき、家賃も公共料金も払えない。いよいよ進退窮まった
明日はわたしかも!
だれももっている貧困という可能性。
「生きる」ために訪れたのは、生活支援課の窓口!
ハローワークのバックアップのもと就職活動に励むものの相変わらず苦戦。
そしてアパートの退去勧告など、降り掛かってくる数々の難題……。
現在、彼女は生活保護を受給しています。
能力もキャリアもあり、働く意志も強い女性がなぜそこまで追いつめられたのか。
イラストレーター小山健さん(3万アクセス『手足をのばしてパタパタする』が好評)の4コママンガ扉も入ります!
(WAVE出版HPより)
凄まじい実体験に基づく書。
最初の正社員で働いていた会社を不運にも会社の扱う商材から出る化学物資で
アレルギー症状が出て休職をすることになったことが不運のはじまり。
それは労災にあたるものだから自分から辞めたのが本当に惜しい失敗。
後でご本人も後悔されていましたが・・・・・
その間違った決断をしたのは、両親の存在。
子どものことを愛している親とは違う人たち。
著者は、親からの虐待をあまり詳しく述べていませんが、
気の毒でならなかった。
文章を読んでいても、知的で良識ある人だと思うのに・・・・
育ってきた環境が悪かったせいか、就職の面接では、その人柄とは違った
印象を与え続けて来ちゃったんでしょうね~。
しかし、役所の福祉課を訪ねて、親身に話を聞いてアドバイスしてくれる人に
会えて良かった!
頼れる人が身内に居ないのなら、福祉に頼るのが正解ですね!
間違ってサラ金などに行かなくてよかった!
著者は、悩んだ末、生活保護を受給するのですが、その過程がよくわかり
知らないことだらけだったので、いろいろ知ることが出来ました。
福祉課とハローワークの連携も素晴らしい!
本当に困っているひとが救われる世の中で欲しい。
痛ましい事件も時々、ニュースで聞きますが、これだけ情報が溢れる社会ですから
自ら助けをどこに求めたら良いかを探すことが大事だな~と思った。
著者は幸運にも今はWEB上でお仕事をされている様子。
今は生活保護とは縁が切れているといいいですね。
★★★
発行年月:2013年7月
刑務所に送るか送らないかを決めるのは、遺族。
裁判で執行猶予がついた判決が出たときに、被害者や遺族が望めば、加害者の反省具合をチェックし、刑務所に入れるかどうかを決定できる制度「執行猶予被害者・遺族預かり制度」が始まって38年がたっていた。30年前、その制度の担当係官だった経験があり、今は大学の講師として教壇に立つ井川。彼は、「チャラン」と呼ばれるいい加減な上司とともに、野球部の練習中に息子を亡くし、コーチを訴えた家族、夫の自殺の手助けをした男を憎む妻など、遺族たちと接していた当時のことを思い出していた。
加害者を刑務所に送る権利を手に入れた時、遺族や被害者はある程度救われるのか。逆に加害者は、「本当の反省」をすることができるのか。架空の司法制度という大胆な設定のもとで、人を憎むこと、許すこととは何かを丹念な筆致で描いていく、感動の長編小説。
(PHP研究所HPより)
執行猶予被害者、遺族預かり制度・・・・こんな制度あったっけ?
と思っていたら・・・架空のでした^^;
でも凄く考えさせられる物語で、読み応え十分!
被害者と加害者を結ぶ、遺族預かり制度。
被害者や遺族がこれを望めば、2年間、加害者の生活状況を知ることが出来る。
そして2年後、その報告を元に、刑務所に送るか否かの裁決権を得られる。
そして、加害者の生活状況を半年に一度、報告書によって被害者の元に届けるのが
係官の役目。
井川敬治は、30年前、その係官だった。
先輩係官、岩崎進(通称・チャラン)について研修をしていた。
加害者たちは、人の命を奪ってしまったけれど、そこには哀しい事情があった。
不運な偶然だったり、精神的に追い詰めた末だったり・・・。
当事者にしたら、許せない加害者でしょうけれど、第三者として事件を知ると
加害者に同情する気持ちもある。
それだけに、なんだかとても辛かった事件ばかりでした。
井川が係官時代のことを、大学の法学部の学生に講義する形で進む。
先輩係官、チャランのことが段々魅力的な人物に思えてくる。
ちゃらんぽらんのチャランなのに・・・・。
チャランの存在がが重たい話に少し息抜きさせてくれたかなぁ~。
そして、考え方には、なるほど~と納得する部分もあって
物語の終盤で、今も尚、チャランと交流があることがわかって
微笑ましく思う気持ちで終われてよかった。
とても巧い話のまとめ方だ!
面白かった!
★★★★★
発行年月:2015年1月
峰岸晄は五歳で伯父夫婦に引き取られ、空腹を抱えながら育った。母は死に、父は人を殺したからだった。学校では、椅子に画鋲が置いてあったり、いじめに遭った。幼なじみの木下怜菜は万引きまでさせられる晄をただ一人、案じてくれる存在だった。まったき孤独の闇の中で、晄が向かう先は――。驚愕のラストが待ち受ける、心に迫る傑作長編!
(双葉社HPより)
峰岸晄の5歳から29歳までの生き様。
両親が離婚し、母親と二人暮らしになった晄。
母親は水商売をしながら、ホスト通いにはまり、まだ幼い晄は部屋の外からカギを
掛けられ置き去り。
空腹、寂しさに堪えるなか、唯一の支えは仔猫だった。
従兄弟の慎司と見つけた仔猫だけど、慎司は晄が連れ帰っても良いと言ってくれた。
その後、伯父夫婦の家で暮らすことになり成長していく。
が・・・・家のなかでは肩身が狭く、学校では虐められるという生活が続く。
でも、そんなことは平気だと。
一人ぼっちで部屋に置き去りにされた時が最悪だと思っているからかな?
そして、大人になり、陥れる人を決めて生活を滅茶苦茶にする。
その動機は・・・。
なるほど・・・・とそれは理解出来た。
でも、ふつう、それを動機にするって考えにくいこと。
晄にとってのそれは、どん底の中の光を奪った者たちということだったんだろう。
辛く哀しい物語でしたが、最後まで一気に読んだ。
こんな風に成長する子が世の中にはいるんだろうな・・・と思ったら
堪らなく哀しくなった。
★★★★
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女性
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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