発行年月:2002年6月(単行本は1999年7月)
![]() 昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生まれた。“私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子”。必ず戻るといって消えたパパを待ってママとあたしは引越しを繰り返す。“私はあのひとのいない場所にはなじむわけにいかないの”“神様のボートにのってしまったから”――恋愛の静かな狂気に囚われた母葉子と、その傍らで成長していく娘草子の遥かな旅の物語。 (新潮社HPより) 葉子は、娘の草子を連れて点々と住む場所を変える。 草子が「なぜ引っ越しばかりするの?」と問うと 神様のボートに乗ってしまったから・・・・と答える。 幼かった草子は、母親のいう事に理解出来ない部分もありながら従うしかない。 ある意味、母親の犠牲。 住む場所ごとに、優しい人たちに出会い、友達も出来て、それらは 全て思い出として、葉子の言う箱に仕舞われる。 過ぎたことは箱の中。 過ぎたことは変わらないもの。いつもそこにある。すぎたことだけが確実に 私たちのもの。 母親の独特の考え方は、面白い。 なるほどね・・・と思ってしまう。 しかし、中学生になった草子は、ついに神様のボートから降りる、 ママの世界にずっと住んでいられなくて、ごめんなさいと謝りながら・・・ 草子が良い子なのに救われる物語だったなぁ~。 で、最後、葉子の願いも叶うのにはビックリ! 葉子が羨ましすぎる。 ★★★★ |
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発行年月:2015年2月
小説史上最古の三角関係を林真理子が描く!
恋愛小説の神様による小説「源氏物語 宇治十帖」。
雑誌『和樂』で連載中から人気を博した、
平安貴族たちがくりひろげる一冊完結の恋愛群像劇。
約1000年前に紫式部が書いた「源氏物語」を現代に甦らせた傑作小説。
(あらすじ)
凡庸だが、どこか男好きのするひとりの女性-浮舟。
彼女を巡って光源氏ゆかりの貴公子ふたりが、
究極の恋愛ゲームをくりひろげる。
薫と匂宮、ふたりの男からの求愛に
思い悩んだ浮舟がとった前代未聞の選択とは?
小説史上最古にして最強の三角関係を
描ききった林真理子版「源氏物語 宇治十帖」ここに開幕!
(小学館HPより)
貴公子2人とは・・・
光源氏と女三の宮の子である、薫と
今生帝と明石の中宮の三男である匂宮のふたり。
薫は光源氏の子。匂宮は光源氏の孫にあたるが、年が近いことから兄弟の
ように育つ。
が・・・女性が絡むとそのライバル心は激しく、
それぞれの胸のうちに秘めたものを描いているこの物語は
ドロドロの三角関係の物語。
でも、やはり平安時代の雅な世界の物語ゆえ
何か優雅さも感じてしまう。
そんな風に感じさせる林さんの巧さもさすがだなぁ~と思った。
宇治の八の宮の娘
大君と中の宮、八の宮とは離れたところで育った浮舟。
それぞれの生き様が哀しい。
2人の貴公子と巡り会ったために起きる波乱。
大君が病に倒れなお、妹の行く末を案じていた姿は心打たれた。
林さんの小説源氏物語は、読みやすくて面白いなぁ~。
★★★★★
発行年月:2009年4月
別れたはずなのに続く、
男女の不思議な関係を描いた
傑作五篇を収録!
7年前に別れた恋人が、ある日突然、あぐりの部屋を訪ねてきた・・・
(「お茶が熱くてのめません」)。
終わった恋の苦さを描いた表題作ほか、
別れたあとにも続く男女の不思議な関係と、
それぞれが抱く微妙な感情を巧みに描いた珠玉の5篇。
巻末に著者インタビューを収録
(ポプラ文庫HPより)
<お茶が熱くてのめません>
7年ぶりに会った元恋人。
ドラマの脚本として、自分が妻と子と別れ父親から継いだ会社を倒産させた話を
買ってくれないか?と言う
<もと夫婦>
元妻から、困ったことが起きるたびに呼び出される。
ドロボーが入った、財布を忘れ食事代が払えないなどなど・・・
<下町>
別れた夫と度々会う。
また一緒に暮らさないか?と
<よかった、会えて>
40男が28歳の女性から結婚を言い渡され、結婚式当日。
だが・・・花嫁が来ない。
<夢のように>
ドケチの昔の男(ホテル代を立替えさせる男)から連絡あり。
他の女と結婚するからと別れた男。
他人事だから面白く読んだ。
こんなこと身内のものが同じ状況になったら、
<下町>に出てきた母親みたいに、ヤキモキするだろうなぁ~。
巻末のあとがきにかえて<ユーモアはあらゆるものに勝る>は、面白かった!
著者のユーモア好きです♪
★★★
発行年月:2013年3月
第49回谷崎潤一郎賞受賞!『ヘヴン』『すべて真夜中の恋人たち』と一作ごとに新境地を拓く川上未映子の多彩な魅力が一冊になった初めての短編小説集!何気ない日常がドラマに変わる瞬間をとらえて心揺さぶる7ストーリーズ。
(講談社HPより)
まあまあかなぁ~?
<アイスクリーム熱>
アイスクリームを定期的に買いに来る彼に好意を持ち、アイスクリームを作るのが得意
と嘘をつき、彼の家までいく
<愛の夢とか>
隣に住む婦人のピアノ演奏を聴きに行くのが日課となった。
「愛の夢」という曲を一度も間違えずに演奏できるまで
<いちご畑が永遠に続いてゆくのだから>
彼にいちごを用意する。
どうでもいいような話をまた始めるきっかけになるかもと。
<日曜日はどこへ>
高校3年から21歳まで付き合った彼。
ある作家の本を薦めてくれたのがきっかけだった。
彼とは別れる前に、その作家が亡くなったときには会おうと約束していた。
そしてその作家が亡くなり約束の場所に向かうけれど・・・
<三月の毛糸>
妊娠8か月。
子どもが毛糸で生まれてくる夢をみる。
<お花畑自身>
売った家を見にゆく。
自分が丹精込めて造った庭。
家を買った女に「お花畑の一部になるんです」と言われそれに従ってみる。
<十三月怪談>
病でこの世を去った自分。
亡くなったあとも家に留まり、夫の暮らしを見守る
ここに登場する女性たちの感性・・・ちょっと変わってる。
最後の話は、でもちょっとジュ~ンとしたなぁ~。
短編のところどころに震災が登場して、亡くなったものたちの思いみたいな
物を大事に忘れないでいてあげたいなと思わせるものがあった。
★★★
発行年月:1996年7月
私、もし誰かを殺してしまったら
骨は流しのしたにかくすと思う。
たとえお隣でも、よそのうちは外国よりも遠い。
ちがう空気が流れている。
階段のきしみ方もちがう。
薬箱の中身も、よく基地にされる冗談も、タブーも、思い出も。
その人たちのあいだだけで通じるルール、その人たちだけの真実。
「家族」というのは小説の題材として複雑怪奇な
森のような魅力です---(あとがきより)
(本の帯文より/マガジンハウス発行)
図書館棚で見つけた1冊。
江國さんの結構、前の作品ですが、面白かったなぁ~。
表題からまず惹かれて手に取ったのですが、これはこの物語の家族のなかで
だけわかる言葉。「流しのしたの骨」。知らない人が聞いたらドキッと
するような言葉だけど、この家族にとっては、母親が姉妹弟たちにドキッと
させるために突然言っていたことばで、懐かしい気持ちにさせてくれることば。
19歳の、こと子が語る家族のこと。
両親の他は
結婚して夫とマンション暮らしの長女・そよちゃん
次女のしまちゃんは、もうすぐ24歳で、税理士事務所の事務員。
末っ子の律は15歳の少年。
こと子は、大学進学せず、働いている様子もない。
友だちの紹介で大学生の深町直人と付き合い始める。
家族は、特別変なかんじはしない。と思うわたしは変なのか?^^;
江國さんはあとがきで「変な家族をの話を書きました」と書いているけれど・・・
仲良し家族。
イベントの度に、しゅうまいを作る。
誰かのお客さんが来たとき、帰る ときには家に居る家族全員で玄関でお見送り
とういうのも変わっているけれど、なんだか微笑ましい光景でした。
ただ、仲が良すぎて、この家の居心地が良すぎて
そよちゃんは戻って来てしまったのかなぁ~?
そよちゃんの離婚の原因がイマイチよくわからなかったけど。。。
江國さんの家族の物語、ほかにもあるかな?
探して読んでみよう。
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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