発行年月:2004年2月
失踪した作家が残した原稿。そこには、二十五年前の少女誘拐・監禁事件の、自分が被害者であったという驚くべき事実が記してあった。最近出所した犯人からの手紙によって、自ら封印してきたその日々の記憶が、奔流のように溢れ出したのだ。誰にも話さなかったその「真実」とは……。一作ごとに凄みを増す著者の最新長編。
(新潮社HPより)
10歳の時、誘拐され監禁状態で1年1か月、ケンジという男の元で過ごした
経験を持つ、景子。
現在は作家として名も知られているが、25年前の事件の被害者が自分だとしたうえで
ケンジと過ごした日々を「残虐記」とタイトルをつけた原稿にし、失踪。
景子の夫が、妻の無事を祈り捜査依頼し、この原稿の存在を明かす。
ああ、気味が悪い物語でした~。
ケンジと景子の1年間の暮らしぶりは、想像していたものより酷くはなかったけれど
その周りに居た大人たちの存在が後で鳥肌ものだった!
そして、最後にわかる景子の夫が・・・・えぇ~っ!という人物で
気味悪い人の中にその人も入っていたので、またまた鳥肌が・・・・。
被害者の景子も、被害に遭ったことは気の毒だと思うけれど
なんだか、よくわからない人。
一体どこに行ったのかも分からず仕舞いだし・・・・
謎が残る不可解で気味が悪い物語。
この本の装幀もすごい。
表題のインパクトをさらに盛り上げる気味悪さ。
兎に角、全部が全部、気味悪い・・・・・・でも、一気読みでした^^;
さすが桐野さん!!
★★★
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発行年月:2017年5月
植物になら、惜しみなく与えられるのに。
花と緑を偏愛し、生身の女性と深い関係を築けない、帰国子女の編集者。
異端者は幸せになれるのか。幸せにできるのか。
著者会心の感動作。
男は必ず間違える。
知っている女の声が頭で響く。誰が言っていたんだっけ。思いだせない。思いだせないけれど、頭の片隅で思う。
女は花なのかもしれない。愛でられたいという本能だけで咲く花。
これは謎かけなのだろうか。僕は答えをださなくてはいけないのだろうか。
(文藝春秋HPより)
主人公の羽野は、30歳過ぎ。
帰国子女で、容姿もそこそこ良いけれど、女性と深い関係になれない。
一緒に暮らした女性も居たし、近づいてくる女性も居るのに、
相手の気持ちもわからないわけでもない様子なのに・・・
なんなんだろうな。
女性に興味がないんだろうなぁ~。
植物に対するように愛情を注ぐことをしない。
変わった人だな・・・・。
不倫していた理沙子との関係が今後、もしかしたら何か進展するのか?
少し気になりつつ終わる。
なんともつかみどころのない男の物語。
でも、結構、面白かった。
★★★
発行年月:2017年2月
大好きな街並み、我が家の食卓、友だちとのおしゃべり、両親との思い出...
何気ない日々のひとつひとつがこんなにも愛おしいなんて。
すべての人の毎日が健やかで、小さな幸せに満ちていますように――
著者の祈りが光となって降り注ぎ、せわしない暮らしのなかでこわばった
私たちのこころをあたためる、とっておきのエッセー50編。
(毎日新聞出版HPより)
あとがきに・・・「毎日新聞っていいな」としたいくらいだったと。
そうか、毎日新聞の紙面に掲載されたエッセイだったんだぁ~
ばななさんの言葉遣いが好き。
何気ない日常を書いているけれど、時々、メモして残しておきたいような
言葉がある。
どれも良かったけど、<遠い日々、あの丘>がなんだか、ちょっと切なく
哀しく、それでも優しいかんじで印象的だったなぁ~。
三島市のクレマチスの丘は、家族旅行で行った事あるので
描写に共感しながら読みました。
結婚していたことは知っていたけど、籍は入れていないんですね~。
それについても理由があるようですが・・・・。
それでも思春期の息子さんやご主人とのことなど、書かれていて
幸せそうで良かった。
ばななさんの小説が今度は読みたい。
★★★
発行年月:2017年6月
君臨する男。寵愛される女たち――。谷崎潤一郎が晩年に作り上げた理想の〈家族帝国〉で繰り広げられる妖しい四角関係の行く末とは? 桐野夏生が、日本文学史上最も危険で貪欲な文豪の「業」に焦点をあて、新たな小説へと昇華させる!
(中央公論新社HPより)
谷崎潤一郎の作品って実はあまり読んでいない。
細雪は、若い頃読んだけど、これ読んだらもう一度、読んでみたくなった!
物語は谷崎潤一郎の妻の妹・重子の語りで進む。
重子は谷崎の<細雪>の三女・雪子。
谷崎は、モデルは重子だと自ら認め、重子に対して「好きだ」とも言う。
それは妻の妹としてなのか、一人の女性としてなのか??
しかし、重子は義兄のことを生涯、慕い続ける。
谷崎って本当にこんな感じの人だったのかなぁ~?
巻末の謝辞の名前にドキッ!
渡辺千萬子さん、高萩たをりさん・・・・ええ?実際に親族に取材したって
ことかなぁ~?
正に、デンジャラズ!
でも、面白かった!
★★★★
発行年月:2017年1月
あなたにも、「忘れられない夢」がありますか。見知らぬ橋で、いつか訪れるはずの誰かを待つ男。父親から命を受けた幼い息子が赴く上総の海。今際の際に現れた、思い出を食べる伝説の動物――。100年の時を超え、夏目漱石『夢十夜』にインスパイアされた10名の人気作家が紡ぐそれぞれの夢物語。「こんな夢を見た」の名文句に始まる珠玉の10篇を編み込んだ、儚くも美しい、夢アンソロジー。
(新潮文庫HPより)
阿刀田高・・・夢一夜
あさのあつこ・・・厭だ厭だ
西加奈子・・・小鳥
萩原浩・・・長い長い石段の先
北村薫・・・指
谷村志穂・・・こっちへおいで
野中柊・・・柘榴のある風景
道尾秀介・・・盲蛾
小池真理子・・・翼
小路幸也・・・輝子の恋
眠れなくなるほどじゃなかったかな?
それぞれ面白かったけど・・・
怪しいかんじの話、ちょっと哀しい恋の話とか。
道尾さんの<盲蛾>が、ちょっと薄気味悪かったけれど、一番話として
印象に残った。
盲目の女と男。二人の関係がなんともねっとりと気味悪く
最後は蛾になったのに、蝶になったと思って蜘蛛になった男に食べられることを
望む・・・キャ~
映像化したらホラーだな。
この話を最後に読んだら、変な夢を見そう・・・・^^;
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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