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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2006年9月


 小学五年生の夏休みは、秘密の夏だった。あの日、ぼくは母さんの書斎で(彼女は遺伝子研究者だ)、「死んだ」父親に関する重大なデータを発見した。彼は身長173cm、推定体重65kg、脳容量は約1400cc。そして何より、約1万年前の第四氷河期の過酷な時代を生き抜いていた――じゃあ、なぜぼくが今生きているのかって? これは、その謎が解けるまでの、17年と11ヶ月の、ぼくの物語だ

                     (新潮社HPより)




南山渉は、小学5年生。母子家庭。

母親は大学で遺伝子研究をしている。

落ち着きがない少年期。ADHD(多動性障害)の診断を受ける。
友達ができない渉は、いつもひとりで遊んでいたが、夏休みのある日、野良犬のクロと
女の子(室田沙知)と出会う。



サチの存在がその後のワタルに大きく影響していく。
お互いがよき理解者で最強の友。

ワタルは、自分の父親を母親の部屋でみつけた氷河期時代の男を父親だと妄想
することが常となる。

人とは違う容姿もそれで自分なりに納得しつつ、いつか目の前で父親を見たいと
思いながら・・・・。


小学生から中学生に、そして高校生になる。
母親が体調不良で受診し、肺がんで余命わずかの宣告。そして母親の死。
ワタルは本当の父親に会うため、ロシアへ。

そしてシベリアアイスマンとも会う。


最後の本当の父親との再会は、あっけなかったなぁ~。
シベリアアイスマンとの別れの場面の方がなんだか、感動した。


この後の人生も逞しく生きて欲しいな~。
沙知がそれを手助けしてくれそう。

ワタルの成長の物語、凄く面白かった!!


                        ★★★★★
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発行年月:2016年6月


 ある日、自分のハリが大嫌いで、つきあいの苦手なハリネズミが、誰かを招待しようと思いたつ。さっそく招待状を書き始めるが、手紙を送る勇気が出ない。もしクマがきたら? カエルがきたら? フクロウがきたら? ――臆病で気難しいハリネズミに友だちはできるのか? オランダで最も敬愛される作家による大人のための物語。
   
                      (新潮社HPより)


ラジオで小川洋子さんが絶賛していた本。
気になり手にとりました。


なるほど・・・小川さんが他人ごととは思えないとおっしゃったハリネズミ。
相当な心配性です。

友達が沢山家に遊びに来てくれたらいいのになぁ~と思って皆を招待する手紙を
書くけれど・・・その先のことをあれこれ悪い方に想像して
一人、悶々とした時間を過ごす。

想像力というか、妄想力が半端なくネガティブ路線で・・・ハリネズミには
申し訳ないけど可笑しかった^m^


でも最後は、リスが来てくれて・・・・ああ、良かったと安堵。

友達は沢山じゃなくてもいいんじゃない?
一人居れば十分♪



                           ★★★



発行年月:2017年2月


 その年の五月から翌年の初めにかけて、
私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。
夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた......
それは孤独で静謐な日々であるはずだった。
騎士団長が顕(あらわ)れるまでは。

                    (新潮社HPより)




主人公のわたしの前に顕れた、騎士団長。
突如姿を見せ、問題解決のアドバイスをしてくれる。

わたしが友人から借りている家を行き来する人々。

免式渉(54歳)・・・白髪のハンサムな金持ち。

秋川まりえ(13歳)・・・わたしの絵画教室の生徒。免色がもしかしたら
娘かもしれないと思っている聡明な少女。

秋川笙子・・・まりえの叔母。まりえの母親の死後、不在がちな弟に
代わり、まりえの保護者として一緒に暮らす。

雨田政彦・・・わたしの親友。


騎士団長は、何故、あらわれたんだろう?と思って読んでいたけれど
それは謎のまま終わったなぁ~^^;
「騎士団長殺し」の絵を描いた雨田具彦氏の入所している施設にその息子である
雨田政彦と共に面会に行き、その場所で何かが起こるとワクワクしながら
読んだ。
政彦が席を外して騎士団長がその場に顕れ、具彦から
何か発言があるかと期待したけれど何もなかったなぁ~^^;

ちょっと肩すかしの場面も幾つかあったけれど、物語としては面白かった!

騎士団長が、わたしと、まりえのピンチを救った。


登場人物たちが、最後、皆、それぞれハッピーな感じになったのも読後感よくて
いい。


                       ★★★★





発行年月:2017年2月


 物語はここからどこに進んでいこうとしているのか?

その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた......それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕(あらわ)れるまでは。

                 (新潮社HPより)



随分、待ってやっと読める(図書館本にて・・・^^;)。

物語の最初から、ワクワク。
何が始まる?何が起きる?

主人公の私は男性で、肖像画を描いて生計を立てる36歳。
6年間の結婚生活を妻からの突然の申し出を受け入れ解消し、独り知人(雨田政彦)
の父親・雨田具彦所有の家へ移る。
小田原校外の山中にあるアトリエを兼ねた住居。

山中の生活の中で近くに住む免式渉という男と関わりを持ち、その男によって
色々な奇怪な出来事が、私を巻き込んでいく。



具彦が描いたであろう「騎士団長殺し」の絵のなかの騎士団長の出現。
話し方がなんだかユニークで、怪しさが吹っ飛んだ^m^


免式渉・・・・何者なんだろ?
1部を読む限りでは、特に危ない人の感じはしないけれど。

2部ではどんな展開が待っているのか、今から読むのが楽しみ。

読みやすいので、サクサク進む。
読書時間さえ確保できれば、アッと言う間に読了できそう。


                         ★★★★




発行年月:2017年9月

性はすなわち、生きることである――。
生と死とエロスの芳醇な世界を描き、読者を魅了し続ける著者が、
十二年ぶりに放つ貴重なエッセイ集。
人生の輝き、ときめきを瑞々しい言葉で紡ぐ46篇!

                (河出書房新社HPより)



小池さんの小説は好きですが、エッセイは初かも?
以前に出されたという「闇夜の国から二人で舟を出す」を読んだ記憶が
ないので・・・・^^;
それから12年ぶりのエッセイだそう。


軽井沢の別荘で同じく夫の作家・藤田宜永氏と猫との生活。
初めは犬派だったという小池さんが猫好きになったキッカケの猫・ゴブとの
出会いから別れ。
猫好きには共感する箇所多いので、「うんうん」と心のなかでうなずきながら
読んだ。


ご両親の死、特にベッド上で殆ど、言葉を発しなくなったお父様との
語らいの場面は、なんだか泣けてきた。
でもきっとお父様にとって、凄く幸せな時間だっただろうなぁ~。
安らかな気持ちで最期を迎えたんじゃないかな?と思える。

最後の方は、親しかった作家仲間の死についても
渡辺淳一さん、稲葉真弓さんとこんな風に親交があったんだ~。


50歳を過ぎると、段々と身近な先輩たちが、去っていくのを体験することに
なるんだろうな~。
小池さんのエッセイを読んでいると、でも、誰もがあちら側に行くんだから
寂しいけれど、哀しむことはそんなにないんじゃないかな?と
思えてきた。

その人と過ごした楽しかったことを、いつでも思い出せることが出来るんだから。
なんて。

今度は、また長編の小説が読みたいけれど、一番最初の
「知的悪女のすすめ」(これもエッセイとか)を先ずは読んでみよう!
25歳の小池さんがどんな文章を書いていたのか、気になるので。


                      ★★★★
 
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