発行年月:2018年2月
こんなに叫んでも、
私たちの声は届かないの?
幸せな日常を断ち切られた女子高生たち。
ネグレクト、虐待、DV、レイプ、JKビジネス。
かけがえのない魂を傷めながらも、
三人の少女はしなやかに酷薄な大人たちの世界を踏み越えていく。
最悪な現実と格闘する女子高生たちの肉声を
物語に結実させた著者の新たな代表作
朝日新聞出版10周年記念作品
(朝日新聞出版HPより)
主人公・真由(17歳)。
高校入学目前に両親が夜逃げ。
弟とは別の親戚に預けられる。
叔父さんの家では、まともな生活が出来ないと家出。
一人東京の街を徘徊し、色々な人に出会う。
バイト先のラーメン店ではレイプされ逃げる。
その後、出会ったリオナ、ミト。
少女たちの境遇が似ていて、哀しい。
身勝手な大人ばかりがいた環境で生きて来た彼女たち。
生きるためにズル賢くなり、他人を傷つけることも仕方ないと割り切って
いる姿は、逞しいけれど、やはり哀しい。
彼女たち、どうなっていくんだろ?と気になって先を読んだけれど、
真由は、母親の姉の側で暮らせそうだから、少しホッとしたけれど
またすぐに飛び出すのかな?
リオナとミトも、その後、どうなるんだろ?
実際、こんな子たちが東京にはいるのかな?
なんとも衝撃的な内容だった。
桐野さん、街を歩きながら取材を実際したのかな?
★★★★
発行年月:2018年1月
「あなたにこの物語の犯人はわからない」 ― 中山七里
仙台市の保健福祉事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。
一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。
三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。
男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か? なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか?
誰が被害者で、誰が加害者なのか──。
怒り、哀しみ、憤り、葛藤、正義……
この国の制度に翻弄される当事者たちの感情がぶつかり合い、読者の胸を打つ!
第三の被害者は誰なのか?
殺害された彼らの接点とは?
第三の被害者は?
本当に“護られるべき者”とは誰なのか?
“どんでん返しの帝王”中山七里が、日本の社会福祉制度の限界に挑んだ問題作!
(NHK出版HPより)
なんとも切なくて痛々しい物語だった。
今の社会福祉制度って本当の弱者を救えていないんだと思う。
この物語の舞台は震災後の仙台市というのも特殊かも。
震災後に貧困生活に陥った人は多いんでしょうね。
貧困の末、餓死した、けいさんの生活は、厳しいものだったけど、困っていた
近所の少年や、住むところがない青年を住まわせてあげたりしていた。
最期の様子は泣けた(/_;)。
本当にギリギリの生活をしている人が、福祉制度で護られない国って
情けない。
震災後で民生委員も不足しているんだろうか?
色々なことを考えさせられた。
連続殺人事件の犯人は、別の人を途中まで予想していた。
福祉の仕事をする人も大変だな。
★★★★
発行年月:2018年3月
「本を読むというのはそこにでかけて行くこと」──小説家は、どのように小説を読んでいるのか、また、著者にとって「書く」とは、どのような経験なのか? すべて初収録、過去15年以上にわたって書かれた掌編小説とエッセイから、江國香織の「秘密」がひもとかれる贅沢な一冊。
(朝日新聞出版HPより)
エッセイも掌編小説もどちらも楽しめるお得な本!
江國さんの文章は、心地いいから好き♪
書くことは、一人だけでする冒険・・・・なるほど・・・。
本というのは、そこにでかけて行くということ・・・出かけていれば
現実は留守・・・誰かが現実を留守にしてもやってきて・・・・・
外側に出たくなるような本を自分でも書きたいもの・・・。
江國さん、もうそんな謙遜を~。
既に現実を留守にして、わたしは江國さんの物語を読んでいますよ~^m^
掌編小説のなかでは<奇妙な場所>が特に気に入った。
母69歳、長女52歳、次女50歳の会話。
3人居ても皆、同年代に見える親子のたわいない会話が、なんということ
ない内容なのに、いいんだよね~。
自分にも娘が2人(2歳違いの)から、ちょっと自分と娘たちという風に
想像したりして読んだ。
あと、エッセイでわたしもそれ思ってた!というのがあった!
<豆のすじ>そうそう、絹さややインゲンのすじ、子どもの頃は
もっと存在がしっかりしていて、お手伝いですじを取るのは
楽しかった。
でも最近は、すじ、上手く取れない。
絹さやはそれでも片方だけ綺麗に取れるけど、いんげんは、その存在が
わからない。
そして、食べても口にさわらない。
やはり品種改良されたんじゃないかなぁ~?
最後に読むべき小説として挙げていた
≪満ちて生≫は、是非、近いうちに読んでみたい!
図書館の返却日が迫っているので、再読出来ないのが残念(:_;)
★★★★
発行年月:2018年2月
黙る妻、呆れる娘、耐える嫁
vs. 鈍感すぎる男たち 全女性に贈る“読むデトックスサプリ” 女たちのリアルな叫びに共感必至、 旦那にも読ませたい本NO.1!? 大手石油会社を定年退職した庄司常雄(しょうじつねお)。夢にまで見た定年生活のはずが、良妻賢母だった妻は「夫源(ふげん)病」を患(わずら)い、娘からは「アンタ」呼ばわり。気が付けば、暇と孤独だけが友達に。そんなある日、息子夫婦から孫2人の保育園のお迎えを頼まれて……。 崖(がけ)っぷち定年オヤジ、人生初の子守を通じて離婚回避&家族再生に挑む! 女は生まれつき母性を持っている? 家事育児は女の仕事? “都合のいい常識”に 毒された男たちに、 最後通告! (祥伝社HPより) 夫が定年退職し家にずっと居て、今まで通り何から何まで妻にやらせて平気でいられたら、そりゃ、腹が立ちますよ~。 この物語の妻の気持ち、よ~くわかる。 味方になってくれる娘がいてくれて良かった! でもこの定年オヤジは、少しずつ今までの自分の考え方が 間違いだったと気づいて直そうと努力してくれるから まだ良かった。 世の中には、改造出来ない夫も多いんだろうな~。 これは男性にも読ませたい!! ★★★★ |
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;