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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2017年8月

サンクトペテルブルクに生まれ育ち、ロシア革命にともなってオランダに帰国した祖父が「ぼく」だけに語ってくれたこと。ゴーゴリの『外套』より悲惨、どこにも救いはないのに、なぜか可笑しく滑稽な人生の悲喜劇。『ハリネズミの願い』の作家テレヘン自身がもっとも愛する宝箱のような掌篇集。

                   (新潮クレスト・ブックスHPより)




ロシア革命の翌年、オランダに亡命した一家。

おじいさんは孫に多くの物語を語る。

子どもが喜ぶような楽しい話ではなく、哀愁に満ちた話が多く
残酷なものも。

多くの話のなかで<クマの話>が印象的だった。
どんなに食べても空腹がおさまらないクマ。
いろんなものを食べ尽くす。
仲間のクマをも食べる。
申し訳ないと思いながら、そんな自分に辟易しながら・・・


これは、著者が祖父から聞いた話を思い出しながら書いたのだと想像していたけれど
違ったよう。
訳者の解説で書かれていたことにビックリ!
そうだったのかぁ~。

淡々とひとつひとつを読んでいたけど、どれも独特の雰囲気があって
面白かった。


                        ★★★
 
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発行年月:2018年3月


 大人は、片想いなんてしないと思ってた。
彼氏がいなくても充実していた日々が、恋をして大きく動き出す! 
ときめく心を取り戻す長編小説。

                 (中央公論新社HPより)



主人公の葛城命(メイ)は、35歳、独身。
外食産業の会社でカフェの副店長。
27歳のとき、高校時代から付き合っていて結婚まで考えた男性に
振られ、以来恋もせず。
両親は離婚していて、一緒に暮らしていた母親は病死。


いざというとき、頼れるのは親友・みっちゃんと大ちゃん。
共に高校時代からの友。


しかし、そんなメイにも変化が!

好感が持てる主人公なので、なんとか幸せになって欲しいなぁ~と思いながら
読みました。
カフェの常連客の一人、塾で数学を教える羽鳥との少しずつ親しくなっていく
様子が微笑ましくて・・・。
お互い、傷ついた過去があるからこそ、少し臆病で慎重。
うん、実にお似合い!

ラストの場面は、胸キュンだったなぁ~^m^


ほかの人物たちも魅力的だった。
特に新人の杉本君!
最初は、イケメンでも生意気で帰国子女ってことを自慢したいのか?と
感じ悪かったけど、本当は裏表がないだけで良い子だったな。

楽しい小説でした♪

 
 
                            ★★★



発行年月:2018年3月                                     

『君の膵臓をたべたい』著者が放つ、最旬青春小説!

人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学1年の春、僕は秋好寿乃に出会った。空気の読めない 人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学1年の春、僕は秋好寿乃に出会った。
空気の読めない発言を連発し、周囲から浮いていて、けれど誰よりも純粋だった彼女。秋好の理想と情熱に感化され、僕たちは二人で「モアイ」という秘密結社を結成した。
それから3年。あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。僕の心には、彼女がついた嘘が棘のように刺さっていた。

「僕が、秋好が残した嘘を、本当に変える」
それは僕にとって、世間への叛逆を意味していた――。

青春の煌めきと残酷さを痛烈に描ききった、著者渾身の新境地!

                     (角川書店HPより)


面白かった!
青春だなぁ~と。


大学入学したばかりで知り合った
田端 楓と秋好寿乃。

根暗の楓と根明の秋好。
秋好が一方的に話しかけ近づくを繰り返し、二人は親しくなったけれど・・・・
2人だけでなく新たにメンバーが加わり始めて、二人の関係が崩れていく。

こういうことって、実際、よくありそう。

楓は、自分の意見を述べてぶつかることをしないタイプなので、そのまま
自分自身から離れてしまう。

秋好にしてみたら、わけわかんないと思う。


で、離れた場所から、相手を攻撃するような行動をしてしまう。
楓は自分が正しいと思っているから罪悪感はない。


この二人の関係、どうなるんだ?と思っていたら、再会して罵り合うことで
お互いの本心を知る。

そのあと、二人は、お互いの考えていたことを理解しようとした。

再び会ったのは、社会人になってから。

ラストの場面、良かったなぁ~。

きっと新たな関係が始まるんじゃないか?



今まで読んだなかでは、一番好きかも。



                           ★★★★★
 



発行年月:2018年1月

この細長い器官が、海馬。~記憶を司る器官です。記憶を蓄積するのではなく情報を取捨選択し記憶すべきかどうかを決める、まぁ、新たな記憶を生み出す場所と言えるでしょうか。――本文より

二度目の原発事故で恐怖と不安が蔓延する社会――
良心がないとまで言われる男が、医療機関を訪ねた……。

                    (光文社HPより)



主人公の及川頼也が、読んでいると段々、好きになっていく。
極悪非道なヤクザ。人の痛みがわからず、共感することもない。
反社会性パーソナリティ障害の診断。

アルコール依存症を治す目的で訪れた大学病院。
けれど、桐嶋ドクターの研究対象として、隔離された病棟での生活を強いられる
日々が待っていた。

同室の堂上、根本、辻野たちも個性豊か。

そして、小児病棟にいる藍沢梨帆との出会い。
梨帆は、他者への恐怖心が希薄で、及川に最初に会ったときから
笑顔で接する。


治療を受けるうち、この病院は異常だと気づき、脱走を図ることにしたラストは
ハラハラドキドキの緊迫感。

梨帆も一緒に助け出そうと必死の及川は、治療の成果なのか、元々持っていた
ものなのか、人を想う気持ちにあふれていた。

が・・・・ラストの場面は、色々想像できるもので、

もしかしたら、及川はジ・エンド?
もしかしたら、逃げられた?

しかし、逃げられたとしても、そのあとが、大変そう。

出来たら、梨帆と新しい生活のなかでも関係性が続くといいなと思って
読んでいたけれど・・・・
これはこれでお終いがいいのかも。


なかなか面白かった。


                        ★★★
 



発行年月:2018年4月


 大切な人を、帰るべき場所を、私たちはいつも見失う――。読むほどに打ちのめされる! 忘れられない恋愛小説 富士山を望む町で介護士として働く日奈と海斗。老人の世話をし、ショッピングモールだけが息抜きの日奈の生活に、ある時、東京に住む宮澤が庭の草を刈りに、通ってくるようになる。生まれ育った町以外に思いを馳せるようになる日奈。一方、海斗は、日奈への思いを断ち切れぬまま、同僚と関係を深め、家族を支えるためにこの町に縛りつけられるが……。

                      (幻冬舎HPより)



介護士を目指す学校で知り合った、日奈と海斗。
2人は以前は恋人同士だった。

日奈は、海斗に別れを切り出し、年上の宮澤と付き合い同棲もするが、
やがて宮澤は元妻とやり直すことにしたと別れを告げられる。

海斗は、同じ職場に入った年上のバツイチ女性・畑中真弓と付き合い
一緒に暮らす。
元夫は再婚し、一人息子・裕紀もそちらで暮らしていたが、知的障害を理由に
育児放棄。
真弓が自分の元に引き取るという。
それなら、3人で暮らそうと言うが、真弓はほかに好きな男が出来、裕紀の
ことも面倒みてくれるひとだからと引っ越していく。


結局、いつも振り回される海斗・・・・なんてお人よしなんだ。


介護士の仕事をする人たち。
介護の仕事って大変だと改めて感じる。
低賃金と嘆く人たち。
大変なのに低賃金じゃ、目指す人これから居なくなるじゃないか?
外国人ばかりになったりして。
なんて、物語の内容より、そちらの方が心配になってきた。


物語として、重苦しく最後、少しだけ海斗が幸せになれるといいなと
思えたけど、あまり好きな話じゃなかったな。


読み終えて、この表紙みると、なんとも切なくなる(:_;)






                         ★★★

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