発行年月:2018年9月
大きな人生なんてない。
ただ、小さな幸せがあるだけ――。
謎めいたマスターが旨い酒を出す、四つ木銀座にある風変わりな飲み屋「銀河食堂」。そこで常連客が語るのは、ささやかな人生を懸命に生きた無器用な人たちの、不思議で切ない物語。感涙の連作長篇。
ひとり静かに亡くなっていたお婆さんは、実は昭和の大スター・安斉美千代だった。愛した人を待ち続けた彼女に、死の1週間前に届いた手紙に書かれていたのは……。「ヲトメのヘロシ始末『初恋心中』」
2000枚のSPレコードから探し当てた「兄が最後に聴いた曲」に込められていたのは、あの戦争で飛び立った青年と妹の、真っ青な空の下の切ない別れの物語。「むふふの和夫始末『ぴい』」
ほか、「オヨヨのフトシ始末『七年目のガリバー』」「マジカのケンタロー始末『無器用な男』」「まさかのお恵始末『ちいさな幸せ』」「セロ弾きの豪酒」、全6篇。
(幻冬舎HPより)
銀河食堂・・・食堂と言っても居酒屋。
寡黙なマスターは毎日、店内にチェロを飾る。
常連客たちが毎夜、来店して色々な人の話をする。
主な客は
警察官のヒロシ(通称・ヘロシ)
蕎麦屋のテル
コンピューター管理会社勤務のブン
3人は、小学校時代の同級生。
そこに郵便局員の息子・フトシ(3人の少し後輩)
民生委員だった志野(通称・ガリバー)。
よく来る女性2人、恵子とさおり(2人も同じ小学校出身者)。
地元ならではの共通の話で、知らなかった者同士もすぐに親しくなるという
楽しい居酒屋。
話のなかには、結構、切ない人情話もあるけれど、語りが、さださんの独特な
言い回しなので、暗くならずにいい感じ。
最後の話は、寡黙なマスターの素顔が少しわかる話。
人の縁の不思議。
面白かった!
★★★★
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発行年月:2018年11月
海の近くの日本家屋に愛猫と暮らす、小説家のハナ。
二度の離婚を経て、人生の後半をひとりで生きようとしていた。
喪失も、手放すことも知ったから辿り着いた、古くて新しい恋人――。
人生における実りの秋、”最後の恋”を描く恋愛文学の至芸。
作家デビュー25周年記念作品。
(ポプラ社HPより)
これは著者の実生活に近いのかなぁ~?
主人公のハナは、作家だし、猫のユズって確か村山さんの愛猫の名前だった気が・・・
かつて、隣同士だった結構年下の男の子が
ずっと自分に憧れていてくれて、今はお互い離婚歴ありだけれど
恋人の関係。
女性にとって、年下の男性から憧れられて今も尚、変わらず自分を大事に
想ってくれているなんて、最高に幸せな状況じゃないのぉ~!?
彼は大阪。
ハナは、南房総の一軒家で猫と暮らしている。
そこにたまに泊まりに来てくれる彼。
離れていると会いたいときにすぐ会えないけれど、この感じだから
長く同じ気持ちを保てるのかもしれない。
ハナが作家という仕事なら、一緒に暮らしたら、なかなか執筆に向かう
集中力を維持するのは難しいでしょうし。。。
これを、初恋と呼ぶ意味、なんとなくわかった。
★★★
発行年月:2019年2月
これは、忘れられたものと、世の中の隅の方にいる人たちのお話。
喫茶店〈ゴーゴリ〉の甘くないケーキ。世界の果てのコインランドリーに通うトカゲ男。映写技師にサンドイッチを届ける夜の配達人。トランプから抜け出してきたジョーカー。赤い林檎に囲まれて青いインクをつくる青年。三人の年老いた泥棒。空から落ちてきた天使。終わりの風景が見える眼鏡──。
人気作家が腕によりをかけて紡いだ、とっておきの24篇。
(徳間書店HPより)
短篇集なので、ひとつの話がすぐ読み終えられる。
なかには「え?おしまい?続き気になるんですけど~」と言うものも。
そんななか<青いインク>は、<青いインクの話のつづき><ヒイラギの青空>と
色々な短編を挟みながら続き、最後は、ほっこりする感じで
登場する寡黙な男女が、知り合って結婚して、年老いてもそのまま変わらず
青いインクを大切にしている様子がステキだった。
この三部作をもっと詳しくひとつの長編として読みたいくらい。
あと、印象に残ったのは
<隣のごちそう>
アパートの隣に越してきた、大学の食堂で働いているという人が作る料理の
良い香りが部屋まで届き、その香りで料理を想像し、自分も翌日に作るという話。
カレーライスは、一人暮らしで作るとそうなるな・・・笑
<バナナ会議>
サルたちがバナナについて語る様子。
1匹が人間の家のテレビを外から眺め、聞いたバナナについてのウンチクを
仲間に語る様子がユニーク。
でも野生のサルってバナナ以外も食べるよね?
吉田さんは、寝る前に少しずつ読めるお話を書いたと、あとがきで
書いていたけど、楽しくて昼間、一気読みしちゃました^^;
★★★★
発行年月:2019年5月
夏休み,鎌倉の大叔父さんのお屋敷に預けられた兵吾と主税の兄弟は,地元の少女,静音と知り合って遊ぶようになるが,ある日,切り通しを滑っていて”時間が止まった”不思議な谷に迷い込み…….
(岩波書店HPより)
夏休みの課題図書になりそうな物語だった!
大人が読んでも充分面白かったけど。
兵吾と主悦(ちから)兄弟はと地元の静音の冒険ファンタジーなんだけど
そこに鎌倉の歴史が絡む。
丁度、この舞台になった場所近く、学生の時、10日間くらい通ったので
このなんとなく過去と交錯しちゃいそうな不思議な空気感がわかる!
鎌倉ってなんだか不思議な空気が流れる瞬間を感じさせる場所なのかも。
3人は、ふとした瞬間、異空間へ。
時代を飛び越えて過去に。
次第にそこに自分たちが呼ばれたのでは?との思いでそれは何故か?を
考える。
物語の冒頭、1188年の出来事。
瑠璃を巡る事件が描かれ、それに関わることになる3人。
大叔父や静音の母・夏子も謎解きに参加して、ついに解決する謎。
面白かった♪
★★★★
発行年月:2019年5月
フィルムは消失、主演女優は失踪、そして原作の行方は……。
成瀬巳喜男幻の映画を周る探偵行。
連続ノンフィクション活劇、今宵開幕!
(平凡社HPより)
これはほぼフィッションですね。
吉田さんが物語のなかで幻の映画『チョコレート・ガール』を求めてあちらこちらを
彷徨い得る情報の数々を記したもの?
1932年(昭和7年)の映画。
監督は成瀬巳喜男。主演は水久保澄子。
明治製菓とのタイアップ。
キャンディーストアの売り子の恋模様などを描いたもの。
昔、買ったコレクションのひとつ、映画のパンフレットがある日、目の前に。
買ったのは覚えているけれど『チョコレート・ガール』という字面には全く
覚えがない。
でも、なんだか今は気になる。
色々な情報を求めて奮闘する著者。
しかし、フィルムは不明。
それならばと主演女優の水久保澄子について調べる。
40本近い映画に出演したが、私生活は波乱万丈で、映画『緑の地平線』を
撮影中に失踪し、自殺未遂。
そして本人の手記を見つける。
フイリピン人と知り合い、妊娠。夫は医学生として日本で勉強していたが
彼の帰国に合せ、自分も付いて行くと、明家の子息と思いきや、とんでもない
質素な家で医師の資格試験に落第し、出産した澄子には何の手助けもせず
澄子は絶望し日本へ戻ったらしい。
全然、知らない女優さんだけど、何だかすごく興味が沸いてきて
吉田さんと一緒に探険探険を楽しんでいた。
わからないまま終わることもあっていいんじゃないかな?と思える話。
ほぼフィクションなのに、なんだか不思議な物語。
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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