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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2018年9月


1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4ヵ国統治下におかれたベルリン。
ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、
ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。
米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅立つ。
しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり――
ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。

                 (筑摩書房HPより)



ヒットラーが自殺したあとのドイツって、こういうかんじだったんだ~。
と物語を読んで初めて知ることに驚く。

今まで虐げられていた人たちが、今度は虐げていたもの同じように虐げる。
そういうことがとても哀しい。


物語は17歳のアウグステの現在と幼い頃の家族とのことを交互に書く。

アウグステの両親は、打倒政府を叫ぶ共産主義者。
特に父親はその活動に積極的。
それゆえ、政府によって死に追いやられる。


現在のアウグステは、かつて自分を匿ってくれた恩人でもあるチェロ演奏家の
クルストフの死をその甥であるエーリヒに知らせるため、見知らぬ地まで
向かう。
途中、そのあたりの地理に詳しいユダヤ人のカフカと知り合い一緒に
目的地まで向かう。



読みながら、甥に死を知らせる目的のためにこんな苦労をなぜする?と
疑問に思ったが・・・なるほど!
そういうことか!

それは知らせてあげるべきことでしょうね。


アウグステの勇敢さ、優しさが、つらい時代背景のなかで輝いていた。

参考文献の多さにびっくり!
日本人の作家がこの物語を完成させるのはさぞ、大変だったでしょうね~。

文句なしにこれは最高の1冊です!!


                    ★★★★★
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発行年月:2019年6月


いつかは欲しい、でもそれがいつなのか、わからない。

夫と二人の快適な生活に満足していた知佳(35歳)。しかし妹の出産を機に、彼の様子が変わってきて……「1DKとメロンパン」
妊活を始めて4カ月が過ぎた。時間がないとあせる妻に対し、夫の睦生(34歳)は……「無花果のレジデンス」
独身OLの茂斗子(36歳)は、単身者しか入居していないはずのマンションで子どもの泣き声を聞いて……「私は子どもが大嫌い」

子どもがいてもいなくても……毎日を懸命に生きるすべての人へ、
そっと手を差し伸べてくれる、5つの物語。


                   (角川書店HPより)




子どもがいるかいないか。
欲しくてもできないのは辛い。
夫婦が同じ考え方でないとどちらかが苦悩することになる。


ここに登場の5つの話は、状況としては厳しいものもあるけれど
うまく夫婦が意見交換して納得した自分たちの未来に向かって歩んでいく姿が
清々しく、読後感としては、どれも良かった。


話としては最後の<金木犀のベランダ>が好き。

パン屋を営む43歳の夫婦。
栄太郎と繭子。
今は、子どもが居ない。
夫は、二人で子育てをしてみたいと言い、妻は、今のままの生活で満足していると言う。

夫婦は自分の気持ちを素直に相手に伝え、今後のことを考える。


こういう夫婦は理想的。
子どもが居てもいなくても変わらぬ夫婦の信頼関係が保てていけそう。


子どもがいる、いないで、幸せの度合いが変わるわけではない。

今ある幸せをちゃんと見つめていける人でありたいと思った。



どの話もじ~んと温かいものを感じて良かった!



                        ★★★★★



発行年月:2019年6月


蔑みの視線も、親も先生も、誰に何を言われても関係ない。「どうせなるのなら、この世にないものにおなりよ」。その言葉が、生きる糧になった。カルーセル麻紀さんのことを、いつか絶対に書きたかった、という熱い思いが物語から溢れ出る。彼女の人生は、波瀾万丈、完全無欠のエンターテインメントだ!

               (新潮社HPより)



北海道を舞台にした物語がつづく、桜木作品。
今回も同様。
哀愁漂う物語には北海道って合うなぁ~。


カルーセル麻紀さんの物語と知って読んだので、より一層、興味がわいて
最初から最後まで楽しめた。

家族のなかで、母親や姉が優しく、主人公の秀男は、救われただろうな。
でも、自分の居場所を見つけて自ら家を出ていく。
偶然、出会ったお姉さんのようになるたいという気持ちだけで
自分の意志のまま突き進む秀男。
華奢な見た目と違って逞しい。

つらい思いもしたかもしれないけれど、随分、多くの人に助けられも
したんだなぁ~。

芸能界に入って有名になる前までの話だけれど、芸能界に入ってからの
こともちょっと知りたかったなぁ~。

でも十分、面白かった!


                    ★★★★




発行年月:2019年6月

あの頃のわたしに伝えたい。
明日を、未来をあきらめないでくれて、ありがとう。
いま、わたしは元気です。
今よりも少しだけ生きるのが楽になる心温まるミステリー。
主人公・徹子は、クラスメイトとも母親ともうまくいかず、彼女にとって、人生はとても生きづらい。
そんな彼女の味方は、幼馴染の護。
ある晩、交通事故に遭い入院している護に、なぜか、徹子は泣きながら謝った。
その答えを知ったのは、ずっとずっと先のことだった。
生きづらさを感じているすべての人に贈る感動の物語。

                  (幻冬舎HPより)


2部作。
最初の<フラット>では、幼馴染の森野 護と平石徹子の小学生時代から社会人までの
物語。

次の<レリーフ>は、徹子の語りで幼い頃から、社会人になり婚約するまでの
出来事をあれこれ。
ここで知らされる徹子の秘密。

過去の色々な出来事の裏にあった徹子の事情が明かされ、ああ、そうだったんだ~と
気づく。

しかし、護との関係はいつも変わらず、とてもほのぼのしてて温かい。

最後、二人の関係が最高な形で終わって、良かった!




                           ★★★★



発行年月:2019年4月

司法修習生・岬洋介は、
無罪を証明できるのか?


動かぬ証拠がありながら、
夫の殺害を否認する妻。
司法試験トップ合格の司法修習生・
岬洋介は取り調べに立会い…?


累計120万部突破
「さよならドビュッシー」
シリーズ最新刊です!

ピアニストの道を諦めた岬は、
司法試験をトップの成績で合格して
司法修習生となった。
彼は、ベートーヴェンを深く愛する検事志望の
同期生・天生高春と出会う。
天生は岬の才能に羨望を抱き嫉妬しつつも、
その魅力に引き込まれていく……。

そのころ、絵本画家の妻が絵本作家の
夫を殺害したというニュースをはじめ、
3件の殺人事件が騒がれていて――。

それぞれの物語の全貌が明らかになったとき、
「どんでん返しの帝王」中山七里のトリックに感嘆する!

                    (宝島社HPより)



大好きなシリーズのひとつ。
主人公・岬洋介が法曹界に進んだ頃の話。
司法修習生として実務研修で実際の事件の被疑者と対面。

そして、その事件の真相を追ううちに、自らの進む道を考え
再び、ピアノを演奏したいと気持ちが沸き起こり、法曹界を去るまでの話。

法曹界でも十分、力を発揮しそうな岬。
彼のことを最初は毛嫌いしていたのに、だんだんとその人柄、能力に惹かれ
一番の理解者になっていく天生高春(岬の3歳上)の存在が良かった!
彼の今後の作品での登場を期待しちゃう。


しかし、岬洋介、非の打ちどころがない人物。
天才なのに、天然って、ほんと、母性本能くすぐられるわ~(^^ゞ


                         ★★★★
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