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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2009年6月

背表紙のむこうに、彼女がいる。

逆を言えば、そこにしかいない。
すぐ近くなのに遠く、
遠いのにひどく身近な友人のように。
書物のなかの「彼女」と書き手の生きた道すじを静謐な筆致で重ね綴る。
『クロワッサン』誌で好評を博した、上質な随筆集。

                (マガジンハウスHPより)




まず、表紙の写真と表題のセンスが抜群!!

堀江氏が物語のなかの女性たちについて語る。
ひとつひとつの話は、短いけれど、ただの本の紹介ではなく、そこに
持って行くまでの堀江氏の日常の話がまた素敵だった!


フランス文学に精通しているのは、知っていたけれど、日本の文学にも
詳しいんですね~。
凄いなぁ~。
名前すら聞いたことない作家さんが多くて・・・(^^ゞ


是非、今後読みたい!と思った本をいくつかここに記憶のために残しておこう。


<なんというロバだ、おまえは!>
ナタリア・ギンズブルグの『ある家族の会話』

ユダヤ系イタリア人で解剖学の教授である癇癪持ちの家長は、気に食わないことが
あると「なんというロバだ!」と叫ぶ。
ロバは無作法なこと、礼儀に悖る(もとる)ことをする人に対しての言葉。

ここで、あれ?主人公は彼女じゃないの?と思ったら・・・
そんな夫を心から愛しつべこべ言わず、ほがらかについていく妻が
実は主役だという。


日本文学では
<新芽の匂うような本能的なざわめき>
佐多稲子の『素足の娘』

昭和15年が物語の舞台。
母が16歳、父が19歳の時生まれた桃代は、まだ学生だった両親のもとでは
育てられないということで父親の叔父にあたる人の娘として籍をいれる。
実の母は23歳で肺病で亡くなる。

桃代が15歳の時、父親と祖母のいる家に養女という形で戻る。
実の父と娘なのに、お互いが抱く感情は複雑な様子。


まだまだ読んでみたい作品は沢山!つでにここに記しておこう

・フランソワ・サガンの『私自身のために優しい回想』
・フィリパ・ピアス 『サティの入り江の謎』・・・おばあちゃんは二人いる
・『花がたみ 安西冬衛の思い出』
・・・「てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った」の詩が有名な
安西冬衛の娘・美佐保の回想録



膨大な読書量でしょうが、短篇のなかのひとつの話とかもいくつかあって
読んだ本の記録をどうやって取っているのかな~なんて思ってしまった。


堀江氏の作品、読んでいないのが、まだまだあるので、これからのお楽しみ♪



                        ★★★★★


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発行年月:2011年5月


とある事情から弟夫婦の子、なずなを預かることになった私。独身で子育て経験のない四十半ばの私は、周囲の温かい人々に見守られながら、生後二ヶ月の赤ん坊との暮らしを始める。第23回伊藤整文学賞受賞作

              (集英社HPより



40代半ばで弟夫婦の生まれてすぐの子どもを預かるって
ふつうは無理だと思う。
でも、何もわからない状態で、よく預かったなぁ~。

菱山秀一さん、あなたは凄いよ!!


仕事は地元の伊都川日報の記者で、在宅の許可が出て
取材も子連れで行くスタイル。
赤ちゃんのなずなちゃんは生後3か月。
なずなちゃんの存在で、普通なら素通りするような人たちが
声をかけてくれたり、人間関係が広がっていく様子も
微笑ましい。

近くの小児科医、佐野甚五郎先生、その奥様、娘さんの友栄さん
も心強い育児の手助けをしてくれる人たち。

飲み屋のママ、瑞穂さんの店<美津保>でも、安心して
なずなちゃんを連れていけるのもいい。


子育ては大変で寝不足で目の下にクマが出来たりするけれど
その大変さを理解していつでも手助けするよと言ってくれる
ご近所さんたちが居るのが素敵。


なずなちゃんの両親のことも心配だったけれど
どうやら、両親の元で暮らせるようになりそう。
まだ秀一さんの手助けは必要だろうけど、
なずなちゃんが成長する様子をもっと読んでいたかったなぁ~。


赤ちゃんの存在って、やっぱり偉大だな。
みんなを幸せにする力がある。

素敵な物語だったなぁ~



                 ★★★★★


発行年月:2019年10月

島本さんの小説はいつも、自分は傷ついているのだと気づかせてくれる。――藤崎彩織

深い闇の果てに光を掴もうとする女性たちの、闘いと解放。直木賞作家の真骨頂!

性とお金と嘘と愛に塗れたこの世界を、私たちは生きている。
ミスコンで無遠慮に価値をつけられる私。お金のために愛人業をする私。夫とはセックスしたくない私。本当に愛する人とは結ばれない私――。
秘密を抱える神父・金井のもとを訪れる四人の女性。逃げ道のない女という性を抉るように描く、島本理生の到達点。

                    (講談社HPより)



登場する女性たちそれぞれが生きづらそう。
このままでいいのか?と思いながら生きているってしんどいだろうな。

女性たちが共通して接する、司祭の金井先生。

女性たちの悩みに、助言したりしているけれど、彼にも大きな胸に抱えた痛みが
あったとわかる。
司祭になぜなったのか?
妹を救いたくて、神学を学んだのに、それが妹を自殺に追いやることになって
しまったということ。
なんだか、一番思いたい過去!

誰かを慰めたり、勇気づけたり、することで、自分自身も救われることに
なるのかな?


<雪ト逃ゲル>に出てきた女性が、息子とスペインで新しい
生活をスタートさせている後日談は、明るい未来が見える気がしてホッとした。
彼女の夜はおしまい。

他の女性と金井先生も、夜がおしまいになるといいな。



                          ★★★




発行年月:2019年11月

有夢と瑤子と海は幼馴染みの仲良し三人組。中学の合格祝いに買ってもらった自転車もお揃い、大好きなミュージシャンも同じリンド・リンディ。楽しいことはいつでも、三人一緒のはずだった。クラスであれが始まるまでは――。傷ついて、裏切って、追い出して、追い詰められて。少女たちの切実で繊細な魂にそっと寄り添う物語。

                   (新潮社HPより)


いじめの話。
中学生になって私立の女子中学に進学した幼馴染の3人。
ボス的存在のルエカに逆らった海はとたんにクラスから浮いた存在に。

ああ、くだらない。
でも、こういうことどこにもありそう。

虐める側の子どもって、結局、自分が満たされた環境に居ないんだなぁ~。
そう考えると、ルエカにもちょっと同情心が生まれるけど
誰かを自分のうっ憤の吐け口にするって駄目だよな~。


それより、海の母親が勤務する高齢者専用マンションでのいじめみたいな
話の方が気になった。
どこにでも何歳になっても、こんなことあるんだなと嫌になる。

でもこのおばあさん、素敵だと思う。
自立しているし前向き。


物語の終盤は、あっけなく希望を含んだものになっている。
夢が実現して皆でペルーもありなのか?

陰湿さが度を越していなかったから、まあまあ最後まで読めたけど
あまり面白くはなかったな(^^ゞ


                      ★★★


発行年月:2019年1月

キョウコは、月10万円の生活費で「れんげ荘」でおおむねのんびり穏やかに生活している。母親が突然倒れ、救急病院のICUに運びこまれたり……、バイトしては海外旅行をしていた隣人で「旅人」のコナツさんの将来について相談に乗ったりと……、いろいろなことがあるものの、ラジオを聴きながら、ゆっくりコーヒーを呑んだり、時折遊びに来ていた猫(ぶっちゃん)が飼い主と散歩しているところに出会ったり……。日々季節の移り変わりを感じながら、丁寧につつましく暮らす、小さな幸せの物語。

                (角川春樹事務所HPより)


前の本で、お母さんが倒れて心配していたけれど、ICUで意識が回復して良かった!
でも、家族の認識が出来ず、特にキョウコのことは全く娘とはわかっていない。
母親との関係が全くうまくいっていなかったキョウコにしたら、気楽になったようで
このままの方がいいのか?という感じだけれど・・・。


れんげ荘の、クマガイさん、チユキさんは、それぞれ良い人で問題ないけど
さすらい人のコナツさんが心配。
物置のような部屋を借りていたけれど、長く暮らすには不都合が多く、実家へ戻ることに。
が・・・その生活も不満で、再びキョウコの前に。

ああ、厄介な人だな・・・・(^^ゞ

と思っていたら・・・・バイト先のスーパーで知り合った男性と結婚!?
男性は、妻に逃げられて、1歳半の子持ち!
大丈夫か?コナツさん!


ああ、続きがきになるわ~


                              ★★★★
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