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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2019年9月

多摩川市は労働者相手の娯楽の街として栄え、貧困、暴力、行きつく先は家庭崩壊など、児童相談所は休む暇もない。児相に勤務する松本悠一は、市の「こども家庭支援センター」の前園志穂と連携して、問題のある家庭を訪問する。石井家の次男壮太が虐待されていると通報が入るが、どうやら五歳児の彼は、家を出てふらふらと徘徊しているらしい。この荒んだ地域に寄り添って暮らす、フィリピン人の息子カイと崩壊した家庭から逃げてきたナギサは、街をふらつく幼児にハレと名付け、面倒を見ることにする。
居場所も逃げ場もない子供たち。彼らの幸せはいったいどこにあるのだろうか――。


                             (光文社HPより)




重たい話。
児童相談所の松本悠一とこども支援センター職員の前園志穂。
二人が関わる多くの問題が、本当にひどいもの。

大人たちによって苦境のなかで生活している子どもたちの姿が痛々しく、
そんな親たちに腹が立って仕方ない。


そんな話と並行して進む、不妊治療中の夫婦の話。
こどもが欲しくても授からない立場で、子どもを虐待している親を見て
自分が代わりに親になりたいと思う、妻の気持ちも痛々しい。



兎に角、つらい話ばかりだけど、その後の展開が気になり、頁をめくる手は止まらない。



で、最後は、安堵。

最後まで読んで良かった!



いつか自分を助けてくれるひとが現れるという気持ちが生きる糧になっていたって
いうのが響く。
街の展望台にいるラプンツェルの存在が、一人の少年の希望だった。


物語の終盤は、過酷ななかで生きていたこどもたちの、その後のことがわかるのがいい。



不妊治療をしていた夫婦も二人で穏やかに暮らしたんだな~。


初読みの作家さんかも。
ほかの作品も読んでみようと思う。



                                ★★★★
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発行年月:2015年10月

「猫のつなをといて、自由にしてやること」――慶長七年、洛中にだされたおふれに、猫たちは大喜び。一方ねずみたちは猫たちに追われる身となり、物陰に隠れる日々に。猫を再びつなぐように訴える老鼠法師、それに反対する猫又和尚。それぞれの主張に僧師は如何に答えるか?通事をつとめた象の法師が伝える、ねずみと猫の諍いの顛末は――

人気作家と人気画家のコラボで、あの「おとぎ話」が新しい文学になった!
自由自在に描かれた新作小説と個性豊かなカラー挿画で贈る絵本シリーズ、2015年10月より刊行開始。

【シリーズ全6冊】
『付喪神』 町田康 × 絵・石黒亜矢子 
『象の草子』 堀江敏幸 × 絵・MARUU  
『木幡狐』 藤野可織 × 絵・水沢そら  
『うらしま』 日和聡子 × 絵・ヒグチユウコ
『鉢かづき』 青山七恵 × 絵・庄野ナホコ
『はまぐりの草紙』 橋本治 × 絵・樋上公実子

                  (講談社HPより)



シリーズ物のひとつだったんだ~。

これは猫が出てくるし、堀江氏の作品なので興味があって読んでみた。

お話も面白いけど、絵が素晴らしい!
絵だけ読んだあと、じっくり見て楽しんだ。


猫と鼠がそれぞれ自分たちの言い分を僧師に訴える。
その一部始終を見ている僧師に仕える象の法師。

繋がれていた猫を放せというおふれが出たことで猫は大喜び。
鼠は逆に窮地に追いやられることになる。


冒頭は、そもそもなんで猫が繋がれていたのか?という話。
象が原因だったとはね・・・笑


話のなかに出てくる果物・・・あんもらか=庵摩羅果=マンゴー
こんな時代にマンゴー?あったのか?


薄い本だけど、時間をかけてじっくり堪能。


                      ★★★★★


発行年月:1995年9月

えっ! ちびまる子ちゃんが妊娠!? 
子どもが出来たその日から、十月十日(とつきとおか)のスッタモンダ。
笑いも涙も感動も、全拍子そろいもそろった桃印爆笑エッセイの決定版!

                (新潮社HPより)



家の本棚より久しぶりに取り出して読んでみた。

妊娠が判明してから、出産するまでのお話。

可笑しい。
ご主人が、このエッセイ読むとかなり変わっている人みたいに思える
けど誇張しているかな?

妊娠中のつわりやら便秘やら、結構リアルに書いていて
可笑しいけれど、自分はどうだっけ?と思い返したりして
楽しんだ。


へその緒が胎児に絡まっていると、帝王切開での出産。
生まれた男の子は、今、どんな生活しているのかな?


読みながら、もう居ないんだな。さくらさん・・・(/_;)と。


イラストも可愛いから、結構、家にはエッセイがある。
他のもまた再読しよう。


                  ★★★



発行年月:2019年11月


たちまち大増刷となり、今なお反響を呼び続けている著書『井上保美さんのクロゼットから』の発売から、はや4年。
その間も、『大人になったら、着たい服』の誌面で私服スタイルを紹介するたび、
「シンプルなのに格好いい!」と大人気の「45R」デザイナー・井上保美さん。
そんな井上さんが厳選した1年間、365日分の着こなしを、本書のために描き下ろしたスタイル画とともに、一挙公開! 
毎日が、ちょっと楽しくなるコーディネートのヒントが満載です。

                 (主婦と生活社HPより)


自分より年上の方のオシャレは、見ていて参考になります。
井上さんの洋服は殆ど「45R]のもので、わたしにはちょっとお高いので
同じものを購入するのは戸惑いますが、配色などはまねできそう。

もうこれからは、シンプルなものをうまく組み合わせて着こなすことが
品よくまとめるにはいいのかも。

クローゼットのなかの柄物などは、処分していこうかな?


365日の着こなし、楽しい!

購入して正解の本でした!!


                   ★★★★★


発行年月:1988年1月

私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う──祖母の死、突然の奇妙な同居、不自然であり、自然な日常を、まっすぐな感覚で受けとめ、人が死ぬことそして生きることを、世界が不思議な調和にみちていることを、淋しさと優しさの交錯の中で、あなたに語りかけ、国境も時もこえて読みつがれるロング・ベストセラー、待望の定本決定版。〈吉本ばなな〉のすべてはここから始まった。

             (発行/福武書店 新潮社HPより)


随分前の、ばななさんのデビュー作。

買ってから、何度か読んでけれど、ここ数十年は読んでいなかった。
細かい部分は忘れていたので、新鮮な気持ちで読めた。
そして、やっぱり、いいなぁ~と再確認。


3つの話が入っているけど、2つは連作。

<キッチン>と<満月>
それから、もう1編は<ムーンライト・シャドウ>


どの話にも共通して出てくるのは、大切に想っていた人の死。
悲しみの淵からどう這い上がっていくのか?という話。


幸い、ここの主人公のような、絶望感に襲われるような親しい人の死は
考えたら体験していない。
祖父母や義父母の死は、もちろん、哀しいものだったけれど、どこか
予測していたところがあった。

しかし、この物語の主人公たちは、ある日、突然大切な人を喪い
その哀しみや絶望感は、読みながら想像しているだけで苦しくなる。


でも人は、そんな気持ちからもちゃんと立ち上がり前を向いていく
ものなんだと哀しいだけじゃない、どこかホッとする温かさ、
みたいなものも感じられる。
だから何度も読みたくなるんだな・・・。


また暫くしたら再読しよう。



                   ★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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