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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年4月

専業主婦の美佳は、夫の大介がいまだにかつての友人たちと遊んでいることに不満を募らせていた。特にその中にいる吾妻智子の存在は、美佳の心をよけい不安にしていた……。「マドンナのテーブル」。
円満離婚が成立し、実家に戻った亜希子。ある日、同居中の母親の様子がおかしいことに気付き、病院へ連れて行くと、医者から告げられたのは母の「認知症」だった……「夜の森の騎士」。
日常の中にある、男と女の微妙な関係性を描いた5編の短編集。

                           (光文社HPより)






5編のうち最初の2つは繋がっている。
市民吹奏楽団のメンバー内の人間模様。

なかでも、津田孝正が2つの話の中心人物。
端正な容姿で能力もあり、社会的にも大学教授という地位にあるが、
本人は、世事に疎く、およそ悪気がないが空気がよめないばかりに誤解を与えてしまう。

憎めない男なんだけどなぁ~。

最初の話では、ストーカー扱いされちゃって・・・・(/_;)
でも2つ目の話では、遭難した真美の救世主になる。

幸せになってほしいなぁ~。


3つ目の<マドンナのテーブル>は、美佳みたいな女性に共感できず
夫が職場の仲間たちと飲みに行ったり、遊びにいくのが気に入らない。
そのなかに一人いる女性の存在も気になるとか。

そんな場に自分も参加して楽しいはずがないじゃん!と思った。


面白かったのは次の<六時間四十六分>
アメリカ在住の娘に会いにいく。一人は不安なので、友人の女性と、知り合いの男性医師も
同行することになり、楽しい旅になるはずと思っていたら・・・

同行した二人は実はお互い家庭があるのに、不倫関係にあって・・・
それで単独行動した先で、知り合ったハーフの中村。
娘にとって仕事上、実は大事な人とわかる。

このあとの展開もちょっと知りたかったなぁ~。


最後の<夜の森の騎士>は、離婚して実家で母親と暮らすことになった亜希子。
母の認知症が進み、MRIで能に血種が見つかり、手術。
入院中、ほかの人が触れると暴れ拒否するということで泊まり込みになる亜希子。
母はレントゲン技師には抵抗しない。
そして自分も彼の言葉に救われる。

暗い重たい話だけれど、最後は救われた亜希子に良かったなぁ~と思った。



それぞれ、読み応えのある作品でした!


                                ★★★★




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発行年月:2019年9月



アメリカはウッドストックの森に住む小説家が、
美しくも厳しい自然や野生動物との交流、
旅先でのできごとをたおやかな筆致で綴る。

                   (平凡社HPより)



小手鞠さんの暮らしがよくわかる。
アメリカ人の御主人とニューヨーク州北部に広がる森のなかで暮らしている。

ご夫婦は、似てるかんじ。
自然がすき。動物がすき。


野生の植物、野生の動物たち。
その存在を愛しみ、自分たちも共存させてもらっているという意識。

鹿が見られるのは、いいなぁ~可愛い小鳥のさえずりもいいなぁ~
でも熊が出てくるのは、ちょっと怖い。

著者によると、家の近くで見るブラックベアと呼ばれる黒い熊は、人を
襲わないというけれど。。。



愛猫を亡くしたとき、離婚の危機があったという話が印象的だった。
お互いを見ると哀しみが倍増してしまい、しばらくは1階と2階で離れて
生活していたとか。
そして、新たに猫を飼うことはしていないという。
もう二人にとっては子どもと同じ存在だったんだなぁ~。
そんな風に愛された「プリン(愛称・ぷーちゃん)」は幸せだ。


小手鞠さん、小説は沢山読ませてもらっているけど、エッセイも素敵!
動物たちが主人公の童話も幾つか書いているので、今度はそちらも
読んでみたい!


中の写真も素敵でした!
カラーで観たいくらい。

癒される1冊でした♪


                     ★★★★


発行年月:2020年3月

東京の地下鉄廃線跡に、潜む集団の目的とは?

 著者が初めて挑む「鉄道」ミステリー。

 鉄道マニアの公務員、小日向はある日、趣味が高じて、廃駅となっている地下鉄銀座線萬世橋駅へと潜り込む。そこで思いがけず出会ったのは、地下空間で暮らす謎の集団。身柄を拘束された小日向に、彼らは政府の「ある事情」により、地下で生活していると明かす。その地下空間で起こる殺人事件。彼らを互いにマークする捜査一課と公安の対立も絡み、小日向は事件に巻き込まれていく。

 著者デビュー10周年記念、12ヶ月連続刊行企画第2弾。

                   (PHP研究所HPより)



鉄道オタクで役所で生活保護申請に関わる仕事をしている小日向巧(26歳)。
廃線駅を立ち入り禁止の地下へ一人侵入して、出会ってしまった人たち。
彼らが地下で暮らす理由は・・・・。

ああ、そういうことね。
今の日本でこんなことは、まさかないだろうけど、
国にとって都合の悪いことは隠す、そのためには犠牲者が出ても仕方ないという
やり方は、恐ろしい。


主人公の小日向が、自分の保身を二の次にして、目の前の人たちを
救おうと懸命になっている姿は、良かった。


全体的には、重たい話だけど、まあまあ楽しめた。


                     ★★★


発行年月:2020年1月

アキコは、信頼できる相棒のしまちゃんと、丁寧に作っている美味しいサンドイッチとスープのお店を営んでいる。事実婚式を終えたにもかかわらず、しまちゃんは、相手のシオちゃんに、そっ気ない態度で、アキコは焼きもきしている。そんな折、サンドイッチのパンを仕入れていたパン屋のご夫婦が、店を閉めることになり、しまちゃんは、シオちゃんにも手伝ってもらって、新しいお店をさがすことに……。アキコは、周りの仲間に助けられながら、今日ものんびり(時々休み)お店を営業中。

                   (角川春樹事務所HPより)




大好きなシリーズ5作目かな?

やっと結婚した、しまちゃんとシオちゃん。
二人の微笑ましい様子が目に浮かぶ場面が多くて、ニコニコしちゃう。
相変わらず、シオちゃんには厳しい、しまちゃんだけど、
案外二人だけの時は、いいかんじなんじゃないかなぁ~。(そうであってほしい・・笑)


全体的には、ゆる~く進む。
ネコちゃんたちも相変わらず元気でいいね(=^・^=)
でも、それが読んでいて心地いい。

緩いなかにも、変化はあった。
パンの仕入れ店の休業により新しいパンの仕入れ先を探すこと。
異母兄(寺の住職)の死。

新しいパンやさんは良いところがみつかりホッとしたけれど
アキコの身内は、これで居なくなったということか?と考えると哀しい。

残され寺の奥さんも寂しいだろうなぁ~。
またお寺には出向くのだろうか?


緩く進むなかにも変化は少しずつあり、この先のアキコの生き方が、気になる。
れんげ荘物語と共に、続いて欲しいシリーズ。

                


                      ★★★★






発行年月:2016年12月

2000人の最期を看取った医師だから言えること。
“痛くない"〝苦しくない"人生の終わり方とは?
私は在宅医として、末期がんの患者さんは9割以上、非がんの患者さんは半分くらいの確率で、家で看取ることになります。
在宅での看取りの直後、ご家族は必ずこうおっしゃいます。
「思ったよりずっと楽に逝きました。苦しくも、痛くもなさそうでした。
ありがとうございました」がん終末期、老衰、認知症終末期、臓器不全、心不全、肺炎……
2000人を看取った医師が明かす今まで誰も言わなかった“痛くない"“苦しくない"人生の終わり方。
平穏死という視点から、「痛くない死に方」についてできるだけ分かりやすくまとめた一冊!


<もくじ<>
プロローグ
 あれから4年、「日本人の死に方」は変わったのか?

第一章
 大橋巨泉さんでも叶わなかった「痛くない最後」

第二章
 平穏死、尊厳死、安楽死

第三章
 「長尾先生、思ったより楽に逝きました」……それが平穏死

第四章
 おさらい!平穏死10の条件

むすび

                (ブックマン社HPより)




興味深い内容だった。

尊厳死と延命治療・・・・どっちを選ぶ?と言われれば当然、尊厳死とほとんどの
人が答えるだろう。
でも、実際、そう思っていても、ほかの家族にきちんと自分の最期の在り方を
伝えて(文章で残す)おかないと、希望通りの最期を迎えることは
難しくなってしまうということ。


御餅を喉に詰まらせたときに救急車を呼ぶか?の話でその実態が
よ~くわかった。

救急車を呼ぶ前にまずは、餅を取り除くことをしてみる。苦しみを取ることが
最優先だから。
で、努力したけれど息が止まってしまったら・・・・

高齢者なら、そのままという選択肢もありということ。

ああ、なるほど・・・。


命は取り留めたものの、その後は寝たきりの植物状態とかじゃ
本人も残されたものも辛い。


尊厳死を希望するという意思を示す文書=リビングウィルを
残して、その存在も家族に伝えておかないといけないな。

高齢の両親の意思も聞いておかないと!

長尾医師のブログも興味あるので、覗いてみようと思う。



                     ★★★★★
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