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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年3月


その木に祈れば、願いが叶うと言われているクスノキ。
その番人を任された青年と、クスノキのもとへ祈念に訪れる人々の織りなす物語。
不当な理由で職場を解雇され、その腹いせに罪を犯し逮捕されてしまった玲斗。
 同情を買おうと取調官に訴えるが、その甲斐もなく送検、起訴を待つ身となってしまった。そこへ突然弁護士が現れる。依頼人の命令を聞くなら釈放してくれるというのだ。
依頼人に心当たりはないが、このままでは間違いなく刑務所だ。そこで賭けに出た玲斗は従うことに。
 依頼人の待つ場所へ向かうと、年配の女性が待っていた。千舟と名乗るその女性は驚くことに伯母でもあるというのだ。あまり褒められた生き方をせず、将来の展望もないと言う玲斗に彼女が命令をする。「あなたにしてもらいたいこと――それはクスノキの番人です」と。

                  (実業之日本社HPより)



久しぶりの東野作品。
やはり読みやすい。
続きがどんどん知りたくなる。


クスノキの番人を任されることになった玲人は元々、優しくて気遣いの出来る
青年だったんだな。

理不尽な会社の扱いで犯した罪から救われて良かった。

伯母の千舟と出会えたことも、逮捕されなかったらなかったかもしれないことだから
最初から最後まですべてが意味のある出来事。

クスノキに祈念する人と向き合う玲人の姿が一生懸命でいい。
適任という感じ。


自分の生い立ちを、卑下していた玲人は、千舟と出会って成長した。
よかった、よかった。


温かい気持ちになれる物語はいいな。


                       ★★★★★


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発行年月:2020年10月
大人になって忘れてしまったかもしれない
他人を思いやる物語
極限状態のなかで結んだ友情。そして学んだ“自分で考えて生きる”という力。
新中学生の長谷部幸男は憂鬱だった。自分の集落が都市開発の余波で、地元派とニュータウン派とに
分かれてしまったのだ。新興地の子は洋式便所を自慢し、地元の子は鍵っ子という存在を訝った。
夏休みになると幸男ら両派の男女九人は林間学校に参加した。その晩、突然の土砂崩れが宿舎を
飲み込み大人は全員死亡してしまう。集落には神の山と、天災が絶えない禁忌の山が並ぶのだが、
開発派は戒めを無視してそこに建てた。呆然とする九人は必死に神の山を目指す。闇に怯え
難所を超えるなか、お互いを理解し始め……。

                      (祥伝社HPより)



地元に伝わる習わし。
大人たちから伝えられている、その土地の自然のこと。
そんなことを大事にしている子どもたちと
都市開発によってその土地に住むことになった子どもたち。


大人が全ていけないな。
家で親が言うことを子どもは正しいと思ってしまうから。
地元の子を田舎者なんてからかうのは、絶対その子の親が言っているから。


それでも子どもたちは、林間学校のとんでもない出来事によって
互いに協力し合い、友情も芽生える。
しかし、本当に極限状態だった・・・(;O;)

だた一人の女の子・緑は特につらかったと思うけど、周りの男の子たちも
ちゃんと大事に扱ってあげて偉かった。
みんなの思いやりの気持ちがは、素晴らしい。


ただ、折角芽生えた友情が、大人たちの身勝手さによって、途切れることに
なってしまうという結末は、哀しかった。


                        ★★★




発行年月:2020年1月


想像力は、あるかい?
憧れの映像制作の現場に飛び込んだ、良井良助(27歳)。
聞き慣れない業界用語が飛び交う現場に戸惑う日々だが、
そこは現実と物語を繋げる、魔法の世界だった。
「必死で知恵絞って想像すんのが俺たちの仕事だ」
やがて良助は、仲間たちが作品に傾ける熱意に、
焦がれるような思いを募らせていく——。
走るしか能のない新米、突っ走る!
行き先は、たぶん未来。
「有川浩」改め「有川ひろ」の、
お仕事小説&ベタ甘ラブコメ。
涙と笑顔と元気が湧いてくる、待望の最新小説!

                   (幻冬舎HPより)




久しぶりかな?
改名したのもびっくり。
なんで今なんだ?

でも小説は、変わらず面白かった。
今回は、映像制作会社『殿浦イマジン』に最初は、バイトとして雇われた
良井良助(よい りょうすけ)が、職場の先輩たちに囲まれ仕事をしながら
成長し、この人たちとずっと仕事がしたい!と奮起する。


ドラマの現場でのあれこれは、知らないことばかりで面白かった。

制作会社って、こういうこともやるんだぁ~と。

有川作品の「空飛ぶ広報室」や「植物図鑑」のドラマ撮影の現場での様子は
作品を知っている者には、懐かしい感じでニコニコ。
「空飛ぶ広報室」は、ドラマも見ていたのでその時の俳優さんが浮かんできた。



有川さんのお仕事小説は、人間関係がすごくいい職場なので、読んでいて楽しい。
実際は、もっと過酷なんだろうけれど。


相変わらずのコイバナも健在で、こちらも◎。


                      ★★★


発行年月:2020年9月


明治・大正を駆け抜けた、アナキストで婦人解放運動家の伊藤野枝。生涯で三人の男と〈結婚〉、七人の子を産み、関東大震災後に憲兵隊の甘粕正彦らの手により虐殺される――。その短くも熱情にあふれた人生が、野枝自身、そして二番目の夫でダダイストの辻潤、三番目の夫でかけがえのない同志・大杉栄、野枝を『青鞜』に招き入れた平塚らいてう、四角関係の果てに大杉を刺した神近市子らの眼差しを通して、鮮やかによみがえる。著者渾身の大作。
[主な登場人物]
伊藤野枝…婦人解放運動家。二十八年の生涯で三度〈結婚〉、七人の子を産む。
辻 潤…翻訳家。教師として野枝と出会い、恋愛関係に。
大杉 栄…アナキスト。妻と恋人がいながら野枝に強く惹かれていく。
平塚らいてう…野枝の手紙に心を動かされ『青鞜』に引き入れる。
神近市子…新聞記者。四角関係の果てに日蔭茶屋で大杉を刺す。
後藤新平…政治家。内務大臣、東京市長などを歴任。
甘粕正彦…憲兵大尉。関東大震災後、大杉・野枝らを捕縛。


                 (集英社HPより)


まさにタイトル通り、壮絶過ぎる生き様。
そんな生活のなかでも子どもを次々、産んで育てたというから凄い。

最初の夫は、実家の話で、縁談話が進み、末松福太郎と結婚。
しかし10日後に出奔。


二番目の結婚は女学校時代に教師として巡り合った辻。
実家での縁談話により結婚することになったということもノエから聞いていた。
末松家を飛び出した後、暫くは辻の母親・妹との同居生活。その後、入籍。
男の子2人を生んで、執筆活動にも力を注ぐ。

辻の元を訪れていた親友が連れてきた大杉と三番目の結婚。
自由結婚を唱える大杉には、入籍はしていないが妻・保子がいた。
愛人の一人としてノエは大杉と付き合う。
ほかの愛人の一人に神近市子がいて、お互いの存在も承知のうえ
なんだか複雑な男女関係。

結局、大杉は市子に刺されることになるのだけど、まあ仕方ないよねと言う感じ。
世間も市子の方に同情し、大杉とノエには逆風がふくことに。
でも、この事件のあと、二人は余計、絆を強めたかんじ。

大杉との間に4人の女の子と1人の男の子をもつ。
長女の名前が「魔子」というのは驚く。
世間から悪魔扱いされた自分たちを面白がっている風でなんだか大杉という
人間は好きじゃない。

どんな考えを持とうと自由だと思うけれど、敵を沢山、作ってしまう人。
最後まで味方でいてくれた村木源次郎は、大杉のそばにいなけれな
違う生き方があったと思うのだけど、なんだか不憫。
本人はそんな風に思っていないだろうから余計なお世話かもだけど。


冒頭のノエたちが捕まるシーンがラストに続く。
こうなることはわかっていたけど、酷い最期。

遺された子どもたちは、その後、どんな風に成長して、大きくなって両親のことを
知ったとき、どんな風に感じたんだろう。



長い話だったけれど、一気読みでした。
あ~疲れた(ノД`)・゜・。

でも面白かった。

日本も少し前は凄い時代だったんだな。
今はほかの国が似たような感じだけど



                     ★★★★




発行年月:2020年7月


お菓子をもう一個取っていいんじゃない? もうちょっと寝ててもいいんじゃない? 人間って、プチ欲が出たとき、何とも言えなーい顔をする。そんな一瞬を、絵本作家ヨシタケシンスケが、「深く浅く」切り取ってみると……欲が出るから失敗するけど、欲が出るから人間って面白い!?

                  (新潮社HPより)



クスッと笑える、いろいろな欲についてのエッセイをイラストを中心に。

特に子どもが出てくるところが和む。
P71のイスカンダル・・・かわいい(#^.^#)


あとお菓子を食べるとき1個ずつ「たべていい?」と聞いてくるって
その光景が浮かんでくる(笑)。


ヨシタケさん、この絵のような風貌なのかな?
そこもちょっと気になった。



                    ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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