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あのとき一緒にいたなあ、って記憶を、ときどきみんな思い出したりするのかな。――“あの頃”を一生懸命生きていた少女たちの青春グラフィティー。
私たち、漫才トリオを結成します!?
<トマト>優等生の依理(いり)
<ケチャップ>ちょっとクールな葉(よう)
<ス>おっとり者のゆな
さえない女子高生・連翹(れんぎょう)ゆなは、同級生の漆原(うるしはら)依理と山口葉から漫才トリオに誘われる。学校で1、2を争う美人で、しかも成績優秀なふたりからの唐突な勧誘に、ゆなは戸惑う。それぞれ家庭に事情を抱える三人のトリオ「トマト・ケチャップ・ス」はどうなるのか? そして、彼女たちのこれからは?
(講談社HPより)
お気楽な女子高校生の日常を描いたお話?
いやいや東さんなら、もっと何か違う展開があるはず・・・・なんて思って読みました。
その予想は、ちょっと当たっていたかなぁ~?
最初は、お気楽なかんじで漫才トリオを結成した3人の女の子の会話やら、漫才のネタに
微笑ましく思うものがあったのですが・・・
段々と3人の家庭には、ちょっと重たい事情があることがわかってきて、どうなるんだろ?と先を読むのが早くなりました。
葉(よう)が、一番深刻な状況だったかな?
波乱万丈の急展開だったし・・・。
ひとりひとりが抱えるものはあるのだけれど、やはり友達って、そういう重たい気持ちも紛らせてくれる存在なんだなぁ~。
高校時代の友達って一生の友達になれるから、彼女たちもきっとずっと親交を深めていくんだろうな・・・なんて思って本を閉じました。
全体的には、爽やかな青春小説というかんじで、なかなか楽しめました。
東さんの作品のなかでは、意外と普通なのかも。
★★★
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身長50センチのミトンさんは、アカネの秘密の同居人。
わがままで謎の深いミトンさんと、
そこに集うどこまでも優しく独創的な人々を描いた
ほの甘い長編小説
(毎日新聞社HPより)
またまた不可思議なお話でした。
でも、こういう雰囲気が好き♪
叔父のミキヒコから借りて住む事になった家の床下に居た身長50cmのミトンさん。
おばあさんの容姿なのに、言葉遣いはやや乱暴で、自分のことを「オレ」と言う。
赤い服を好んで着ていて、好物は冷えた果物。
果物をほお張る様子は、どこか動物的。
そんな不思議なミトンさんと主人公の茜。
茜の恋人・庄司、会社の元同僚・みほとの関わりも描きながら物語が進む。
ミトンさんに引き合わされたときの庄司とみほの様子も対照的で可笑しかった。
庄司は最初、拒否反応を示し、みほは自身の未熟児で生まれ病院に入院中のわが子とミトンさんの姿を重ねて優しく接していた。
後半、ミトンさんを実家のある海に連れて行き、母親とミトンさんの再会の場面で明かされるいろんなこと。
不思議な話だけど、どこか温かいかんじもあって良かった。
★★★
「私たちは、地下から湧き出る甘い水を飲むだけで生きのびている。」
ここはどこだろう。なぜここにいるのだろう。
見えない力に強いられ、記憶を奪われた女性の数奇な運命。
〈甘い水〉をめぐって、命とはなにかを痛切に描いた渾身の最新長篇小説。
椅子の部屋、地下通路、砂の街、十五番目の水の部屋……
閉ざされた奇妙な世界を行き来しながら、途絶えることのない感情のざわめきが、静かな輪唱のように、徐々に解き放たれていく――
現代を生きる私たちの寓話。
(リトルモアHPより)
いつもちょっと不思議な世界を描く、東さんですが、今回の話もまた不思議でした。
16の連作短編みたいなかんじですが、途中から皆、同じ世界のことだと気づきました。
タイトルの「甘い水」がいろいろな所で出てきます。
そこに居る人物たちは、別々の場所で暮らしていたりするようですが、同じ世界のことを知っていたり、そこで暮らしていたり・・・。
甘い水だけを飲んで地下で暮らす人たちがいて、過去にそこで暮らしたことをなんとなく思い出す人がいたり・・・
物語を説明するのは、ちょっと難しいのですが、文章はとても読みやすく、
書かれている内容は不可解なのに、不思議と癒されるようなかんじだして、
兎に角、この著者でなくては、この雰囲気は出せないだろうなぁ~。
この不思議な癒し効果のある文章、わたしは好き。
読んで「なんじゃこりゃ?」と言う人もいるだろうけど・・・・^^;
★★★★
やさしくて少し怖い、家族のほころびと再生
占いで生計を立てる志津、OLの真奈美、日雇い労働をする俊。3人が暮らす家の庭には、家族だけの秘密が・・・・。
新鋭作家の新境地
(文藝春秋HPより)
この著者の作品は、過去に「とりつくしま」 「薬屋のタバサ」と読んだ記憶。
ふたつとも、ちょっとココとは違う世界が混じったような不思議な話だったなぁ~。
今回のは、何処にでもありそうな現実の世界の話。
両親が亡くなり、三人のきょうだいで暮らす家。
年齢は・・・次女の真奈美を40過ぎたのに・・・と言い、弟は、更に次女から10歳ほど年が離れたということからして、中年以降の三きょうだいということがわかる。
若いきょうだいとは違い、そこの過程に至るまでのこの家族の歴史も気になる。
次女・真奈美に離婚歴があったり、一番下の、俊は、なにやら精神的に少し弱い部分がある様子で、家族の暮らしは平凡で淡々としているのだが、なにやらザワザワするような居心地の悪さを感じながら読みました。
会話の中に度々、登場の「らいほうさんの場所」とはなんなんだろう?とず~っと気になりながら・・・・。
最後の方で少し、その事に触れるけれど、結局、確かめられることなく・・・・・
読み終えても、ザワザワ感が尾を引きました。
占いを過去に志津からしてもらったと言い、3歳の娘・うららと登場の女性が不気味でした。
こんな風に度々、自分の生活のなかに踏み込んで来られたら・・・と想像するとゾッとする。
占い稼業もこんな苦労あるんだなぁ~。
楽しい話ではなかったけど、やはり不思議な魅力がこの作家さんの書くものにはあるな。
次回作も楽しみにしよう。
★★★
ややこしくなった心と身体がほぐれる、魔術的な恋愛小説。
いま起こっていることは、すべて必然なんだと思う・・・・身寄りを置き去りにして、山崎由実が流れついたのは商店街のはずれの薬屋だった。独身の店主、平山タバサはつかみどころがないが、町の住人からは信頼を寄せられ、山崎も次第に馴染み、解き放たれてゆく。とどまり、たゆたう愉悦と、帰るべき場所を探す極上の恋愛小説。
(新潮社HPより)
前に読んだのは・・・『とりつくしま』だったかな?
あれも不思議なかんじの話でした。
今回も、登場人物たちが果たして何者なのか?よくわからない。
薬局を営むタバサは、独身の男性。変わった名前「タバサ」は、彼の言うこれまた変わった母親がテレビドラマ「奥様は魔女」の登場人物から付けたそう。
「奥様は魔女」の登場人物?ダ-リンと魔女のサマンサ以外、知らないなぁ~と調べたら
二人の第一子の女の子が「タバサ」らしいです。
女の子の名前なのに・・・・しかも日本人には似合わない名前^^;
タバサの元に居候する山崎由実。
途中まで、二人の関係は?と謎でしたが、段々にこの辺はわかってきます。
兎に角、「?」とわからない事だらけの物語なのですが、不思議な魅力があって、言葉の流れとかそこから漂うフワフワしたような物がなんだか読みながら、わたしにはとても心地が良いものでした。
タバサの亡くなった母親を語る部分は、ちょっとホラ-っぽかったけど、怖いというより美しいと感じてしまう。
視覚的に考えたらやっぱり怖いんだろうけど。
医師免許も持っているというタバサが処方する薬。
病人への治療方法も不可解。
最後は、霧とともに遠くに消えてしまうような、あやふやなまま・・・・
でも、好き。こういうかんじ。
多分、好みが分かれる作家さんなんだろうけど。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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