発行年月:2018年12月
小学5年生の千春は、ふとしたことから修理屋のおじさんと知り合う。
そのお店には同じクラスの俊太がいた。何かが変わった3人の特別な1年。
(偕成社HPより)
児童書なのかなぁ~?
大人が読んでも面白かったけど。
主人公は小学5年生の千春。
何もかもが平均的な女の子。
放課後、新調したばかりの服が泥で汚してしまい、困っているところを
助けてくれたおじさん。
最初は知らない人だからと警戒していた千春だけど発明家でもあるおじさんの
人柄に好感を抱き、一人でおじさんの居る修理屋を訪ねる。
そこで同じクラスの俊太と会い、俊太はおじさんの助手だという。
おじさんと小学生の男女3人の物語。
ほんわかした優しい雰囲気でよかった。
終盤、おじさんの謎の行動からおじさんの抱えている心の重りみたいな
ものを知る千春と俊太。
おじさんのために行動した姿に感動。
このあと、おじさん、どういう生活を送ったんだろ?
と少しきになるけれど、それは良いように想像すればいいか?
★★★
発行年月:2018年9月
「自分で選んだ人生を生きようともがく、対照的な二人の二十七歳。正確で精細に描かれた彼女たちの痛みと選択は、同じ壁の前でうつむく女の人たちの手を取るはずだ」あたし、あんたみたいな女って大っ嫌い。だから、化けの皮を剥いでやりたかった。でも、こんなものが見たいんだったか......?専業主婦の母に育てられた、リケジョでバリキャリの志穂子。厳しい教師の母に育てられた、家庭に重点を置く杏梨。女としてのスタンスが異なる二人が、志穂子の兄と杏梨の結婚で突然交わった時、彼女たちは何を思い、動くのか?宰賞受賞作家・伊藤朱里の新作は、女性のリアルをえぐり出す。
(中央公論新社HPより)
なかなか面白かった!
初めて読む作家さんかな?と思ったら・・・
『名前も呼べない』(デビュー作で改題して太宰治賞受賞作)を読んでいました!
27歳の女性2人の話。
今村志穂子と今村杏梨。
志穂子の兄・春彦(30才)と結婚した杏梨。
2人は義理の姉妹という間柄。
志穂子は、独身で理系。大手飲料メーカーの研究開発に関わっていて会社の社宅で
一人住まい。
杏梨は、眼鏡店に勤務。国語教師の母親との母子家庭で育つ。
2人の女性は性格的には、対照的だけど、お互い実母とあまり良い関係を
築いていない点では共通している。
そんな二人が志穂子の社宅に空き巣が入ったことで一時、同居することに。
お互い、表面上は何ら問題なくやり取りをするけれど、心の中では
色々なものを感じる。
杏梨は親友の理恵に会ってはその愚痴を言う。
それに対する理恵の言葉も、なかなか面白かった。
女の本音がいろいろ表されていて興味深い。
男性が読んでも全然、面白くない本だろうけどね~。
心理描写が巧い作家さんだな~と思った。
県内出身だし、応援したい作家さん!!
★★★★
発行年月:2018年3月
あなたも〈4ミリ〉のお仲間ですか?
ポイット氏は、今日もがっくりと肩を落とした。「またダメだった……」果たしてこれは何度目の失敗だろう。いったいいつになったら……?ひとり悩むポイット氏に、ある日見知らぬ女性が声をかけてきた。――「あなた、まだ〈アレ〉を食べていませんね?」そして知らされる衝撃の事実。どこか風変わりな中年と老年の男女4人による、ちょっと奇妙なお話。もしかしてあなたも、〈4ミリ〉のお仲間ですか?
(福音館HPより)
児童書の新刊コーナーにありました!
子どもが小さい頃はよく読んだなぁ~。
でもこれは、大人が読んだ方が楽しめそうな内容でした♪
4ミリ地面から浮いている大人たち4人の冒険物語。
ポイット氏(48歳)、エビータさん(夫と子どもがいる主婦)、画家のバルボーロ氏と
コロリータおばあちゃんの4名。
地に足がついていないってことですね・・・・^m^
なんともユニークな発想で、さすが高楼さん!!と感心。
絵も可愛くて素敵。
やはり高楼さんの本は素敵な絵も一緒に楽しみたい!
★★★★
発行年月:2018年11月
ふわり木の葉が舞うようにたどり着いたベルリン。
母との確執を越えて、気づいた「書くこと」の原点。
一針一針、希望の物語を紡いでいく。
生きることが心から楽しくなるエッセー。
デビューから10年、小川糸の<素顔>。
もくじ
第1章 日曜日の静けさ
第2章 母のこと
第3章 お金をかけずに幸せになる
第4章 わが家の味
第5章 双六人生
(毎日新聞出版HPより)
ベルリンでの生活を描いたお話が主ですが、
第2章の母親のことを書いた内容にはやや驚いた。
親との確執を赤裸々に・・・
でも母親を亡くしてから気づくことも。
愛情深くしてもらった良いことだけを胸に留めておけばいいと思う。
親だっていつも優しくいられるわけでもないだろうし・・・。
糸さんが虜になった、ラトビアという国にも興味津々。
旅番組で放送しないかなぁ~。
映像でみてみたい!
★★★
発行年月:2018年7月
高校野球100回大会の節目に、直木賞候補作家が魂を込めて書ききった、最高傑作にして到達点!
<内容紹介>
1945年夏、敗戦翌日。
昨日までの正義が否定され、誰もが呆然とする中、朝日新聞社に乗り込んできた男がいた。全てを失った今だからこそ、未来を担う若者の心のために、戦争で失われていた「高校野球大会」を復活させなければいけない、と言う。
ボールもない、球場もない、指導者もいない。それでも、もう一度甲子園で野球がしたい。己のために、戦争で亡くなった仲間のために、これからの日本に希望を見せるために。
「会社と自分の生き残り」という不純な動機で動いていた記者の神住は、人々の熱い想いと祈りに触れ、全国を奔走するが、そこに立ちふさがったのは、思惑を抱えた文部省の横やり、そして高校野球に理解を示さぬGHQの強固な拒絶だった……。
(ポプラ社HPより)
まだ食料難で人々の暮らしもままならない戦後すぐ。
昭和17年の予選大会半ばで中止されたままの全国野球大会を復活させようと
奔走する人たち。
無謀と言われても、今の日本に必要だと信じて・・・。
主人公の神住匡の妻・美子さんが素晴らしい人で、言葉のひとつひとつに
感動する。
この奥さんの精神的な支えがなければ信念を貫き通せなかったかも。
しかし、戦争とは本当に惨いこと。
沢村栄治さんの名前は聞いたことあったけれど、こんな悲運の人だったとは
知らなかった。
違う時代に生まれていれば、大好きな野球で幸せな人生が送れたんでしょうに・・・
読みやすくてアッと言う間に読了しました。
他の書も読んでみよう。
★★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;