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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年3月


日常がサスペンスに変わる――「殺人者」の存在を知ったから。
秘密を抱え離島に移住した夫婦とその友人。やがて謎が解けたとき、
景色はがらりと反転する。極上の長編小説。

               (中央公論新社HPより)



東京のマンションから離島の家に引っ越す一組の夫婦と独身男性。

碇谷芳朗(76歳)・・・元骨董屋。テレビのお宝鑑定などで有名になった。
  蕗子(70歳)・・・芳朗の妻。浮気相手を殺害したと夫に思われている。
野呂晴夫(70歳)・・・元小説家。島ではエッセイ教室を開き、受講生の諸田小夜と
           親しい関係に。

仙崎みゆか・・・住み込みの家政婦として3人の食事などを中心に家事をする。
  宙太・・・小学1年生



島に移住したのは、第二の人生を離島で過ごすのもいいかもと野呂が言い出し
夫妻もその話に乗ったもの。
しかし、芳朗は、自分の愛人を殺した蕗子を守るためにもそれに賛同。
蕗子もその点の話には合わせて会話している。


実際、殺人はあったのか?よくわからないが、最初は、殺人を犯したものと
読み進めていくので、夫婦が、みゆかの旧姓(浅江)を知り、愛人の娘だと勘違い
して話が進みときは、どうなるんだ???とちょっとドキドキ。

愛人の名前は石川アサエだと蕗子の語りで知り、ホッとした。

ゆみかは、野呂が若い時に離婚してわかれた息子の妻だと知る。
宙太は野呂にとっては孫。
ゆみかの夫であり野呂の息子は、自死していて、野呂は自分に何かしてあげられる
ことはなかったのか?と悔やんでいる。


それぞれ、心に影を持っているけれど、芳朗は認知症で蕗子のことも妻だと
わからなくなっていく。
夫と愛人の子が役者になって、島に来た時も胸中は複雑だと思うけど
芳朗を責めるでもなく。
でも妻であるとわからなくなっている蕗子の妻を愛していたか?の問いに
答えた言葉で少し救われたのかもね。



70も過ぎれば、もう色々なことがどうでもよくなるのかな?
この島で、みなで平穏に暮らせたらそれはそれで幸せなのかも。

まあまあ面白かった。


                       ★★★
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発行年月:2018年12月


会うことのないあなたへ――最小で最高の奇蹟をお届けします。

家族が寝静まった夜更け、日課として心の毒をこっそり手帳に吐き出していた井村直美は、そんな自分を変えたいと夢を叶えた理想の自分になりかわって空想の水曜日をしたため、「水曜日郵便局」に手紙を出す。一方、絵本作家になる夢を諦めた今井洋輝も婚約者のすすめで水曜日の手紙を書いていた。会うことのない2人の手紙は、やがてそれぞれの運命を変えていき――。『夏美のホタル』『虹の岬の喫茶店』の著者が贈る、ほっこり泣ける癒やし系小説!

水曜日郵便局とは……
水曜日の出来事を記した手紙を送ると、かわりに知らない誰かの日常が綴られた手紙が届くという、一週間に一度・水曜日だけ開くちょっと不思議なプロジェクト。

               (角川書店HPより)



ファンタジーだなぁ~と思ったら、実際にあったとは!!
閉館する前に知っていたら、手紙出してみたのになぁ~惜しい!


5つの章にわかれているけれど、手紙を通じて繋がる人たちの話。
自分の夢とか、心にあることって、案外、家族とか近い人には言いにくかったり
するから、こんな風に誰かに向けてなら自然と本音が書けたりするのかも。

そして、また誰かがそんな風に書いた手紙を受け取って自分自身にあてはめて
励みになったり・・・

いいお話だった。

登場する人たちの周りの人たちもみんな思いやりがある人たち。

森沢さんの話は、嫌な人がほとんど登場しないので、安心して読めるのが好き。


                      ★★★


発行年月:2020年5月


12ヶ月連続刊行企画
第4弾!
デビュー10周年
中山七里
 
あの弁護士や刑事、解剖医など、中山作品の人気キャラクターも登場。
作家生活10年、構想5年の集大成。
 
取り調べ中、
意識を失った検事。
気がつくと目の前で、
被疑者が死んでいた。
 
取り調べ中に殺人を起こしたとして、検事・天生が逮捕された。
親友のピアニスト・岬洋介は、絶体絶命の天生を救うことができるのか?
 
幼稚園で幼児らを惨殺した直後、自らに覚醒剤を注射した<平成最悪の凶悪犯>仙街不比等。彼の担当検事になった天生は、刑法第39条によって仙街に無罪判決が下ることを恐れ、検事調べで仙街の殺意が立証できないかと苦慮する。しかし、取り調べ中に突如意識を失ってしまい、目を覚ましたとき、目の前には仙街の銃殺死体があった。指紋や硝煙反応が検出され、身に覚えのない殺害容疑で逮捕されてしまう天生。そんな彼を救うため、あの男が帰還する――!!

                  (宝島社HPより)


表題通り、豪華メンバーでの合唱というかんじ。

すぐ前に「ヒポクラテスの試練」で、法医学のメンバーの関わる話を読んだので
そのメンバー+刑事の古手川、渡瀬なども登場で、続きを読んでいる感じだった。


凄惨な事件を起こした、仙街が検事調べ中に銃殺されるというショッキングな展開で
事件の真相はどうなるのか?
検事の天生は被疑者で捕まり、そこに助っ人の岬洋介が登場~!!

弁護士として雇ったのが御子柴。
対する担当検事は、洋介の父親。


豪華なメンバーが法廷で顔合わせ。



それにしても犠牲になった幼児や教員たちには何ら落ち度はなく、気の毒としか
言いようがない。
恨みをその身内に向けるのは卑怯。



最後に岬が日本にいる間に次の事件に関わりそうという予感を述べるけど
次に発行されるとある「おわかれはモーツァルト」は、いつ読めるのか?
今から楽しみ。


関係ないけど、このシリーズは本の表紙が綺麗なのもいい。


                     ★★★★


発行年月:2020年6月

大好評・法医学ミステリー「ヒポクラテス」シリーズ 待望の第3弾!
急激に悪化する謎の“肝臓がん”ーーー
相次ぐ不審死は
未曾有のパンデミックの始まりなのか!?
自覚症状なし、MRIでも検出不能……これは未知のウイルスなのか!?
偏屈だが解剖の腕は超一流の光崎藤次郎教授が率いる浦和医大法医学教室に、
城都大附属病院の内科医・南条がやって来た。前日に搬送され急死した前都議会議員・権藤の死に
疑問があるという。肝臓がんが死因とみられたが、九カ月前に受けた健康診断では問題がなかった。
捜査に駆り出された埼玉県警の古手川は、権藤の甥が事故米を使って毒殺を目論んだ証拠を?む。
しかし、光崎が司法解剖から導き出した答えは恐るべき感染症だった!直後、権藤の周囲で新たな
不審死が判明。感染源特定に挑む新米助教・栂野真琴が辿り着いた驚愕の真実とはーー!?

                  (祥伝社HPより)



第三弾ということだけど、第二弾は読んでないかも。
それでも読んでいるうちに登場人物、思い出した!

今回は、短期間のうちに肝臓を癌細胞に冒され死亡するという症例が続くことから
その真相を探る話。


最初の症例は、権藤要一(68歳)、医療機械メーカーの創始者である都議会議員
でもあった男。
最初は遺産目当てのただ一人の親族・甥の出雲が疑われる。
が、解剖の結果、死因は、エキノコックス(寄生虫)によるものとわかる。
ふつうのエキノコックスが体内に入れば、腹痛など何らかの自覚症状があるのだが
突然変異を起こしたエキノコックスか?

でも、なぜ?どこから突然変異したエキノコックスが?

そのうち、同様の死因を疑う元都庁職員・箕輪義純(60歳)の死。


二人の関係性は?と調べていくと、アメリカに視察旅行に行っていたという共通点。
当時、ほかの同行者はと調べると、更に5人の名前がわかる。

アメリカで視察団を接待した人物・リドラー氏も同様のエキノコックスによる
死亡が確定。


その背景にあったもの。
コリアンタウンで行われていたことには、愕然。
実際、こんなことあるのかな?
嫌だな。

突然変異したエキノコックスが、蔓延しなくてよかった。
これは人が恨みを抱いて意図して感染させたことだったけど、無差別的に
こんなことが行われたらと考えたら、恐ろしい。

後味悪いけど、法医学の光崎教授や助手の栂野真琴、准教授のキャシー
県警の古手川などのキャラクターは好きなので、続いて欲しいシリーズ。



                  ★★★







発行年月:2020年6月


【第15回中央公論文芸賞受賞作】
「ママがね、ボケちゃったみたいなんだよ」。
突然かかってきた、妹からの電話。
両親の老いに直面して戸惑う姉妹と、それぞれの家族。
認知症の母と、かつて横暴だった父……。
別れの手前にある、かすかな光を描く長編小説。

                  (集英社HPより)



48歳の智代の元に44歳の妹の乃理のから母がボケたと電話。
両親は、二人で暮らしていて、父親は姉妹が幼いことは、理髪店を営み
長女の智代にはいずれ店を継がせると理容師の道を進ませる。
が・・・店はたたむことになり、以来父は長女に肩身が狭い。
智代もそんな実家から離れ、距離をおく暮らしを長年続けてきた。


第1章から5章、それぞれ語り手は変わるが、ボケたサトミを中心に
その家族たちとの物語。



同年代の両親を持つ身としては、あまり真剣に考えたくはない現実を
突きつけられているようで、気分が沈むような物語だった( ;∀;)


桜木さんの作品はいつも楽しく読んでいるけれど、これはちょっと



                     ★★
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