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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2024年12月


江戸の人々に雪国の風物や綺談を教えたい。
越後塩沢の縮仲買商・鈴木牧之が綴った雪話はほどなく山東京伝の目に留まり、
出板に動き始めるも、板元や仲介者の事情に翻弄され続け――
のちのベストセラー『北越雪譜』誕生までの長すぎる道のりを、
京伝、弟・京山、馬琴の視点からも描き、書くことの本質を問う本格時代長篇。


                    (新潮社HPより)



鈴木儀三治(ぎそうじ)後の鈴木牧之(ぼくし)という人は
この書で初めて知った。
商売をしながら、書き続けた越後の豪雪地帯のはなし「北越雪譜」。
27歳の時に江戸へ父の勧めで縮を売りに行き、江戸の人に越後の冬のようすを
話した際、「雪が一番積るとき高さが一丈(303cm)にもなるというのを
信じて貰えず「ほら吹き」と笑われたことから江戸の人たちに越後の
暮らしぶりなどを書で知らせたいと書き始めたことが始まり。


書をかいてもそれを板行して貰わなければならず、難航する。
請け負ってくれる人が現れたと思えば、その人が急死し、話は流れ・・・の
繰り返し。

一番の頼みの綱は山東京伝だったのに京伝もまた急死。
馬琴にも話がいき、「これはおもしろい」と乗り気だったため、書いては
馬琴に送ったのに、全く進展なく・・・・

最後は、京伝の弟・京山によって、やっと話が進み、無事、板行されるまでが
長い長い。
27歳の牧之が70歳近くになっていて、40年の時がかかった。
牧之が諦めず、書き続けることができて良かった。
存命のうちに評判になって江戸の人たちに越後の暮らしぶりが知られる
ようになってよかった。



表紙の絵は、京山の息子・京水によるもの。
牧之も絵を描いたというから、その絵も見てみたいな~。


しかし、馬琴の自分勝手さが嫌になった。
自分の書に忙しいのはわかるけれど、手元に牧之の稿を止めたまま・・・
京山が、手元にあるものをこちらにと言ったときには「処分した」と
言い・・・。
いつか、自分がもっと良い書に手掛けたいと目論んでいたとは・・・。


京伝の弟・京山が、兄が中途半端にしてしまったことを、代わりに
やり遂げてくれて本当によかった!


大河ドラマ「べらぼう」に出て来る、京伝、馬琴、蔦屋重三郎やそのほかの
版元などの名前もドラマで馴染みのあるものなので、
楽しく読めた。






                      ★★★★
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