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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2025年2月


江戸は神田三島町にある三島屋の次男坊富次郎は、変わり百物語の二代目聞き手。飼い主の恨みを晴らす化け猫、命懸けで悪党壊滅に挑む河童、懺悔を泣き叫ぶ山姥が登場する客人の身の上話を聞いている。一方、兄・伊一郎の秘密の恋人が出奔。伊一郎の縁談を巡って、三島屋は大騒動に巻き込まれてしまう……。

                  (新潮社HPより)


絵師になりたい富次郎だが、三島屋の百物語の聞き手の役目も続けながら
絵の師匠・花山蟷螂の元に通う。


百物語の語り手の話は、やはり不思議でそこには哀しさや切なさも混じる。

表題の<猫の刻参り>は文(ふみ)が祖母の文(ぶん)から聞いた不思議な話。
行儀見習いでいた屋敷で猫の世話をしていたとき、夜半、不思議な鐘の音を聞く。
それは猫の刻を知らせるもので枕元にいた猫のシロじいじが案内してくれて
外に出ると月の代わりに肉球が空に浮かんでいた。

やがて祖母に縁談話がきて乗り気でなかったが結婚。
しかし、夫はすぐに女遊びを始め、姑のいびりもきつく
舅はみているだけで助けようとはせず、辛い日々。
そんなとき、一匹の猫が猫の刻参りに連れて行ってくれて結婚前に
世話していた猫に会い今の生活を語ると「懲らしめよう」と。
夫は舌を失くし喋れなくなり姑は頭の毛が全てなくなり口がきけなくなる。
二人は人でなく段々と猫に・・・
暴れまわりうるさいので奥座敷に閉じ込められる。

でも、おぶんは、そのために大好きだった猫が命を削っていることを知り
懲らしめるなんてやめてほしいと頼み、夫と姑は再び、人に。
以後、大人しくなる

二話めは<甲羅の伊達>
奉公先で子守りの仕事を任された、みぎわ。
奉公先の主人夫婦は仲が良く、子どもたちも、みぎわに懐いてかわいい。
が、その主人を妬む男が店に押し入り、番頭さんと女中頭が刺されて
亡くなってしまう。
みぎわも大怪我をし意識が戻らぬまま。
そんなとき、みぎわの故郷から一人の老人が見舞いに訪れる。
みぎわに声をかけると目を開け握られていた左手から小石のようなものが
転がる。
その小石とみぎわの話を老人が語る。
小石は河童の三平太の甲羅のかけら。

みぎわと三平太の出会いから別れ。
三平太は消えても、ずっと、みぎわを守ってくれている。


三番目の話は<百本包丁>
語り手は一膳飯屋のおかみ・初代(28歳)。
自身が体験したこと。
父は腕のいい木耕細工の職人で、一番それを買い上げてくれていたのが
仲買商・伊元屋。
そこの娘は花蝶といい、美人で評判。
けれど花蝶はいろいろな男と関係を持ち、男たちを骨抜きに、
男同志は嫉妬心で争う。
初代の父や兄もそんな花蝶の毒牙にかかり骨抜き状態に。
そんなとき、伊元屋の御殿が炎上。火はどんどん広がり初代は母の松江と」ともに
火から逃げる。
そして、山のなかに迷いこみ一頭の大きな山犬に出会う。
山犬は名前を花桃というと自ら名乗り、御館(みたち)に案内してくれる。
二人はそこで包丁人に。
迷い人たちが訪れた館で料理を作る仕事をするものが居なくなった代わりに働く
ように言われる。
食材は豊富に揃い、館の主が声で指示してくれるので困ることはない。
100本の包丁を使い切ればお役御免となるという。

山姥が出てきたり、花蝶の生首が出てきたりだったわりに
一番、面白かったかも。



でも3つの話と並行して語られる三島屋の伊一郎の静香とのことが
今後、どうなっていくのか?
富次郎は謎の男と、取引したけれど、それがどうなるのか?
気になることだらけ。

百物語は簡潔にでいいから、三島屋の物語をもっと詳しく知りたいな~。




                ★★★★
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