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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:1990年6月


ノーベル文学賞受賞作家の代表作 解説:村上春樹(ノーベル賞記念版のみ) 品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々-――過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。 英国最高峰の文学賞、ブッカー賞受賞作


                     (中央公論社/発行)




主人公のスティーブンスの語りが上品で読んでいて優雅な気持ちになれる。

ダーリントンホールの前の主人・ダーリントン卿の思い出を自動車の旅を
しながら回顧する。
今の主人・フレディはアメリカ人。
そのフレディが5週間仕事で遠方に行くので休暇をとったらどうか?と
スティーブンスに勧める。
そしてスティーブンスは以前、共の働いたミス・ケントン(女中頭だった)から
少し前に何やら今の暮らしを憂いているような印象を受けたこともあり
彼女に会うことを旅の目的として出かける。


途中、親切な人たちに出会う、その人たちとの交流話は楽しかった。
そして思い出す、以前のダールントン・ホールのこと。
第一次世界大戦で敗戦国になったドイツのことや、その周辺のイギリス
フランスなどのこと、そしてアメリカ。
日本と離れたヨーロッパで起きていたことが少しわかる。

ダーリントン卿が品格ある主であったが、ヒットラーの企みに利用される
形になってしまったのが、なんとも切ない。
スティーブンスは、主のことを信じることが執事の務めと割っていたが
内心は心配もあっただろう。


旅の目的、ミス・ケントンとの再会は、スティーブンスの思い描いていた
ものと違うものになったけれど、それはそれで良かったんじゃないか?

離れていても元同僚としての親交が続くといいな。


いい物語だった。
イシグロ氏の物語は幾つか読んだけれど、今まで読んだ中で一番好き。



                     ★★★★★
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