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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2024年12月


沙羅は自分の誕生と引きかえに母親を失った。男手ひとつで育てられた彼女は作家を目指すようになり、新人賞を獲得、最初の作品はヒットするが、その後低迷が続き、あらたな作家としての可能性を探るため渡米する。リタイアメントホームのアルバイトでダニエルという老人と仲良くなった矢先、沙羅は、父親が危篤になった知らせを受け帰国する。
沙羅と彼女の描く作中作が、交互に描かれる構成。
作中作は、第一次世界大戦下で看護師として渡仏する椿イズミが主人公。
二つの物語は、いくつかのワードでつながっていく。

                   (偕成社HPより)



アメリカで小説を書きながら、介護施設でヘルパーとして働く伊藤沙羅。
編集者の助言で、次の小説は、従軍看護婦になった女性を主人公に
した物語を書こうと決める。

沙羅は入所者のダニエル(80歳過ぎ)から、親しみを持たれる。
ダニエルは気難しい気性だが、沙羅の声が亡き妻の声に似ていると言い
沙羅に対しては穏やかに接する。
そんなダニエルから妻の祖父(ノア)が婚約者(カメリア)に宛てたラブレターを貰う。
沙羅に持っていてほしいと。
そのラブレターには椿のような花の絵があった。

沙羅が書く、小説の主人公は椿イズミ。
ダニエルから貰ったラブレターも小説のヒントになっていく。
イズミが派遣されたのはフランス。
慣れない場所で、聞き馴染みのない言葉を理解しなくてはならないだけで
苦労の大きさがとてつもないものだと想像される。
イズミが看護した一人の兵士・ノアとのこと。
重傷を負い足は切断されるが、なんとか一命をとりとめたノア。
フィアンセの元に帰ることが唯一の希望だったのに、そのフィアンセから
別れの手紙が届き、絶望感で自殺を図る。
未遂に終わったけれど・・・

沙羅は日本に居る父親が事故で重傷を負い、意識が戻らない状態で
入院していると父の再婚者・和子からの報せを受け、帰国。
父とは仲たがいしたままだった。
和子とも会わずにずっと過ごして来たが、この機に沙羅自身の父に対する
わだかまりも溶けていったのは良かった。
父親も快方に向かいホッとする。



沙羅と作中作のイズミの物語。
二人それぞれの話に惹き込まれながら読んだ。


表紙の絵は、最初、「椿?」と思ったけれど、クリスマス・ローズなんだな。
よく似てる。
どちらも綺麗。




                     ★★★★★
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