発行年月:2024年9月
なんとかウミガメの卵を孵化させ、自力で育てようとする徳島の中学生の女の子。
老いた父親のために隕石を拾った場所を偽る北海道の身重の女性。
山口の島で、萩焼に絶妙な色味を出すという伝説の土を探す元カメラマンの男――。
人間の生をはるかに超える時の流れを見据えた、
科学だけが気づかせてくれる大切な未来。
きらめく全五篇
(新潮社HPより)
直木賞受賞作!!
納得の内容でした!!
5つのお話、それぞれが凄く良くて
おまけに知らないことが色々学べる内容。
全部、本当のことみたい。
一部は著者の創作だと、あとがきにあって、そうなんだぁ~と。
<夢化けの島>
地質を調査するために日本海の小さな島にきた大学の助教授・久保歩美と
陶芸のため島にある土を求めて来た三浦光平。
もう出会うべくして出会った二人じゃん!
でも恋愛話にまで発展したかどうかは・・・
<狼犬ダイアリー>
夜、獣の遠吠えを聞く。
大家の家の小学3年の拓巳は、オオカミだという。
数日前にオオカミらしい獣を見て、驚いた話をする。
その後、同じように遠吠えを聞いた者、オオカミにような獣をみたという
者が現れる。
動物病院の先生が語る狼の歴史。
昔、犬と狼の子どもが生まれたことがあったと。
<祈りの破片>
空き家になっている家の中から青白い光が時々、目撃される。
年配者たちはその光の色から原爆を想像し怖がる。
役場の職員・小寺はその家になかに警察官と一緒に入る。
家のなかには石像の顔の一部や建物の一部のような瓦礫が沢山。
そしてノートが5冊。持ち主は加賀谷昭一。
原爆投下後の何かを調べていたよう。
原爆について、まだまだ知らないことがいっぱいあるなと感じた。
長崎に原爆が落ちたのはキリシタンが多かったからなんて言われていたことも
あるとか・・・・なんて考え方をするんだろ・・・恐ろししい考え方。
<星隕つ駅逓>
北海道の各地で目撃された火球。
それが隕石を降らせたと捜索隊が来る。
偶然、隕石らしきものを見つける涼子。
涼子の父親は郵便局員として働き、もうすぐ定年を迎える。
そしてその郵便局は廃止される。
隕石は昔、見つかった場所の近くの郵便局の名前をつけていたと知り
拾った場所を偽るが・・・・
郵便局の歴史も語られ、なるほど・・・・駅逓と呼ばれる場所のなかに郵便局ができ
その後、郵便局だけが残ったとか。
「逓」の意味は次々に伝え送るの意味。
隕石からこんな風に話を広げて素敵な物語に仕上げる伊与原さん、凄い!!
この話が一番、好きだなぁ~。
最後は<藍を繋ぐ海>
ウミガメの孵化を毎年、管理しているところの近くで育った中学生の沙月。
ウミガメの卵を5個、持ち出し、自分で育て海に返そうとする。
沙月の気持ちもよくわかる。
ウミガメの放流とか時々、ニュースで見て「かわいいな」と思っていたけれど
それってウミガメにとっては迷惑なことなんだとか。
暗い海に放流してあげないと食べられてしまう確率があがってしまうそう。
どの話もよかった。
伊与原さんのまだ読んでいない本も読んでみよう。
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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