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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2024年2月


はかなく移りゆく濃密な生の営み。
人生の三つの〈時間〉を川の流れる三つの〈場所〉から描く、
生きとし生けるものを温かく包みこむ慈愛の物語。
  * * *
ひとが暮らすところには、いつも川が流れている。
両親の離婚によって母親の実家近くに暮らしはじめた望子。そのマンションの部屋からは郊外を流れる大きな川が見える。父親との面会、新しくできた友達。望子の目に映る景色と彼女の成長を活写した「川のある街」。
河口近くの市街地を根城とするカラスたち、結婚相手の家族に会うため北陸の地方都市にやってきた麻美、出産を控える三人の妊婦……。閑散とした街に住まうひとびとの地縁と鳥たちの生態を同じ地平で描く「川のある街 Ⅱ」。
四十年以上も前に運河の張りめぐらされたヨーロッパの街に移住した芙美子。認知症が進行するなか鮮やかに思い出されるのは、今は亡き愛す
る希子との生活だ。水の都を舞台に、薄れ、霞み、消えゆく記憶のありようをとらえた
「川のある街 Ⅲ」。
〈場所〉と〈時間〉と〈生〉を描いた三編を収録。

                    (朝日新聞出版HPより)




3つの場所で暮らす人たちの物語。

<川のある街>
両親が3年前に離婚して、母親と一緒に、母親の故郷に引っ越してきた
多々良望子(小学3年生)。
父親とは定期的に会って、楽しく過ごす。
母親の実家、母親の叔母とは放課後、母親の仕事が終わるまで
一緒に過ごす。

特に何もない小学生の日常なのだけど、ほのぼのしたり、ちょっと切なくなったり。


<川のある街Ⅱ>
東京からは離れている都市(北陸?)
産婦人科病棟に入院中の魚住夏子。
胎盤の早期剥離のため安静を強いられている。
同室の菊村は、妊娠による高血圧のために入院。
二人の会話に出てくる人物が、同じ部屋で会うときは、クスッと笑えた。

そんな人間の日常を観察しながら生活しているカラス目線の話も
面白かった。
本当にカラスって人をよく見ている生き物かも。


<川のある街Ⅲ>
オランダに愛する希子と周りを気にせず一緒にいるために移住した芙美子。
最近は物忘れがひどく、自分の家への道順もわからなくなることが多い。
愛する希子を亡くした今は一人暮らしだけど、気にかけてくれる人たちも
いて、なんとか生活している。
そんなことを心配して日本から姪(弟の娘)の澪が来る。
伯母の様子を見て必要なら帰国を勧める役目を追ってくる澪。
伯母の老いた姿に驚きながらも伯母の考えを尊重しようとしている
様子はよかった。
出来ることなら、このままオランダで生活させてあげたいところ。
ちょっと切ない話ではあったけれど、
オランダの川のある風景も素敵なんだろうなと思いながら読んでいた。


表紙も素敵。
江國さんの文章もいつもながら美しい。




                    ★★★★★

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