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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2019年12月

池内胡雪は多忙なベンチャー企業で働く三十歳。
不規則な生活で食事はおろそかになり、社内も散らかり放題で殺伐とした雰囲気だ。
そんな状況を改善しようと、社長は会社に家政婦を雇うことに。
やってきた家政婦の筧みのりは無愛想だったが、
いつも心がほっとするご飯を作ってくれて――。
現代社会の疲れを癒す、美味しい連作短編集。

                           (双葉社HPより)




大学時代の同級生たちで立ち上げた医療系のベンチャー企業内で働く
池内胡雪、桃田雄也、田中一郎、伊丹大悟。

そこに週3回、通う筧みのり(52歳)。
筧は、14時~16時の勤務で、社員の夕食と夜食を作る。

忙しさで殺伐とした雰囲気の社内が、美味しいものがあることで、柔らかい雰囲気に
変わっていく。
社員の一人一人と向き合う、筧の言葉も響くものがあって気持ち的にも
楽になっていく面々。


そんななかで、一番、重たいものを抱えていたのが、現社長の田中。
会社を立ち上げたときのリーダー的存在の柿枝との確執。
一人悩んできたことを筧に話し、吹っ切れる。


そして、筧自身のこと。
これは少々、ショッキングだった。
波乱万丈の人生だったんだ~!!
でもそんな体験をしたからこそ、時には、厳しく、時には優しい助言が出来たのかも。


柿枝とも繋がっていたこともびっくり!
最期に柿枝に言った言葉は恰好よかったけど。
柿枝みたいな人間、いやだな。



筧が作る、夕食や夜食は美味しそう。

カレーうどん、ハンバーガー、鯛めし、かやくごはん、だし巻き卵、などなど。

キャンプ先で桃田が食べていた辛ラーメンのスープで
野菜とウインナーを食べてその後の乾麺にチーズと韓国のりも
絵が浮かんできて本当に美味しそうだった!



会社のメンバーは、ここでの経験を元に新たな道に、それぞれ向かいそう。
筧も幸せになってほしいな~


読み始めたときは、ほのぼのしたお仕事小説?と思ったけれど
結構、ダークな部分もあって、読み応えあって面白かった!



                             ★★★★
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発行年月:2019年1月


北沢藍は職場の上司と不倫して、二人の子供を置いて家を出た。十年ぶりに実家に戻ると、男にだらしない母と、お金にがめつい祖母がうら寂しく暮らしていた。隣に住む幼馴染の馬場美代子は家族を見送り、今は祖父をひとりで看ている。介護に尽くす彼女は、孝行娘とあがめられているが、介護が終わったその先はどうやって生きていくのだろうか。実は、彼女の暮らす家には、世間を震撼させるおぞましい秘密が隠されていた。
原田ひ香が、満を持して挑む、堕ちていく女の果ての果て。

                     (光文社HPより)




最初の方は、離婚して独りで頑張る主人公の藍を応援する気持ちで読んでいた。

けれど。。。実家に戻り、母と祖母との3人の暮らしになってからは・・・。

隣家の馬場美代子が、関わって更に・・・・。


馬場美代子、恐ろしい。
そんな美代子に関わってしまった藍は災難といえば災難かも。


桐野夏生の「OUT」に似た部分もあるけど、あちらは何かあっけらかんとした
潔さとも思えるものがあって、読後感はそんなに悪くなかったけど
こちらは、どんより重たい気分になってしまう。

社会問題(介護、生活保護)が絡んでいて、他人事じゃないと感じるからかも。





                           ★★★






発行年月:2018年4月

「人は三千円の使いかたで、人生が決まるよ」結婚、子育て、入院、離婚、老後……御厨家の女性たちが直面する人生の節目やピンチ。前向きに乗り越えるためには、どう貯めて、どう使う? 一生懸命生きるあなたのための「節約」家族小説

                    (中央公論新社HPより)



これは勉強になりました。
お金のこともっと詳しくなりたいと思いました!


御厨家の女性たちのそれぞれのお金の話。

73歳の御厨琴子さんがステキ。
ご主人が先に亡くなり預金は1千万円あるけれど、この先、介護が必要になったり
したら・・・とあれこれ考え年金生活だけでは不安と働こうと決める。

1千万円あれば安心じゃないの?
なんて思ったけれど、琴子さんの考えは堅実でいい。
若い頃は銀座のデパートで働いていたということで、和菓子屋さんの店先に立つ
ことになるけど、適任!


琴子さんの孫・美帆は、恋人・翔平に大学時代の奨学金の返済金が550万あると
知り、オロオロ。
これから2人で新生活を始めたいのに、これは大きな問題。
でも、これには、良い解決策!
ナイス!
なるほど・・・・琴子さんが金利1%で貸す
金融機関に預けてもこんな金利はないからね~。
翔平にとってもローンで返す利子より割安だからありがたい!

美帆の姉・真帆は、消防士の夫と娘の3人家族。
真帆は元証券会社勤務でお金のことには詳しい。
が・・安定した職業でも夫の給料は安く、自分の知識をフル活用して
節約生活に励んでいる。
とっても尊敬しちゃう。


そして真帆と美帆の母親・智子。
歳は55歳かな?
自分とほぼ同じなので、イチイチ、うんうんとうなずきながら読む。
子宮がんの手術をして、その後の治療が必要だったら・・・・と
あれこれ悩むけれど結果、手術で癌は除去出来、その後の治療も必要なしと
わかりホッとする。
本当に良かった!

他にも琴子さんの知り合い小森安生(40歳)の話も面白かった。


最後は、まあまあ皆、幸せそうで良かった!


                         ★★★★★



2015年6月


 やっかい…だけど、温かい!

朝は三女の喫茶店、昼は次女のうどん屋、夜は長女のスナック――
可笑しくて、ホロリとしみる、商店街の人情ドラマ


お年寄りの多いラプンツェル商店街で、「ル・ジュール」が再開店した。時間帯によって出すものが変わるその店は、街の人に「三人屋」と呼ばれているが、店を営む三姉妹は、そのことを知らない。近所に住むサラリーマンは三女にひと目ぼれ、常連の鶏肉店店主は出戻りの幼なじみにプロポーズ、スーパーのイケメン店長の新しい恋人はキャバ嬢で!? ひとくせも、ふたくせもある常連客たちが、今日も飽かずにやって来る……。心も胃袋もつかむ、おいしい人情エンターテインメント!

「三人屋」の一日
6:00~11:00は、三女・朝日の喫茶店。
メニューは、コーヒーと焼きたてパンのセットで390円。パンは、そのままもトーストも、バターもジャムも、塗るものもお好みで、おかわり自由。

11:30~14:00は、次女・まひるの讃岐うどん屋。
香川の有名店から空輸で取り寄せた麺を食べさせる本格派。かけもぶっかけも390円で、数種の天ぷらを置く。細かく刻まれた芽ネギ、旬のすだちと、薬味にもこだわる。

19:00~26:00は、長女・夜月のスナック。
豆腐一丁、おからどんぶり一杯、分厚いふろふき大根など、大胆な突き出しが魅力。ボトルを入れて飲んで、〆に炊きたてのご飯を食べて2、3千円と良心的。

                      (実業之日本社HPより)



三姉妹が時間帯別で切り盛りするお店「ル・ジュール」。
商店街の人たちは「三人屋」と呼んでいる。


三姉妹の長女と次女にはある確執があった。
その理由が段々とわかり、姉妹の背景にある人間関係もわかってくる。

そこに三姉妹をよく知る、イイジマスーパーの跡取り飯島大輔が絡む。
三姉妹の歴史と大輔は切り離せない。
大輔はチャラ男だけど、人としてはいいな。


他に最近、常連になったサラリーマンの森野俊生や、商店街の仲間たちの
話が短編連作で登場。


三姉妹のなかで唯一の既婚者だった、まひるだが、夫が愛人を作り別れを切り出されて
離婚。
この夫・桜井勉は、どうしようもないダメ男だった。
さっさと別れて正解でしょう。


色々あったけど、三姉妹が仲良く協力していくであろうラストは良かった。


                         ★★★




発行年月:2014年5月


 美魔女と呼ばれるミチルはバツイチの45歳。諦めきれない厄介な世代。人生初、恋人に裏切られ、仕事まで失った自己中女が、地味なバイト仕事を通じて様々な人達と接し、今後の人生の活路を見出していく。      

                       (集英社HPより)




若い頃は、バブル期で仕事先でもプライベートでもミチルはモテた。

結婚した男がいるのに、別の男性と付き合い離婚。
付き合っていた男とは離婚後別れた。
元夫は、離婚後、別の女性と結婚し、子どもも生まれ幸せな家庭を作っている様子。


最初は、何やってるんだ?この女は!とやや否定的に見ていた。
でも、その後の行動を見ていたら・・・
案外良い人!
優しい気配りの出来る女性みたいだし・・・。

元夫や、元彼と再会して、どうして別れたのか?疑問を整理していきながら
今後の生き方もちょこっと考えるというお話。

45歳だけれど、容姿もまあまあ、性格も良さそうだから、まだまだ
素敵な出会いあるんじゃないかな?
がんばれ、ミチルさん!
と最後は応援したくなった(^^)


ササッと読めて面白かった♪


                           ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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