発行年月:2025年1月
コロナウィルス感染拡大のなか、小説家のヤマネは、『実践講座・身近な場所を表現する/地図と映像を手がかりに』という講座を担当することになる。PCを通して語られるそれぞれの記憶、忘れられない風景、そこから生まれる言葉……。PC越しに誰かの記憶が、住む場所も年齢もばらばらな人たちの別の新たな記憶を呼び覚まし、ゆるやかにつながりあってゆく。
読売新聞夕刊連載小説、待望の単行本化
(中央公論新社HPより)
コロナ禍でリモートの講座に参加するメンバーたちが
テーマに沿った情景や写真をそれぞれ提供し、みなで共有する。
知らない場所なのに、知っているような・・・懐かしいような・・・
実に楽しそうな講座で、いちいち頭のなかで景色やそこにいる人のことを
想像してしまうので読む速度は遅かった。
でもそんな時間が楽しい。
文章だけを追うと何ら変哲のないものだけれど・・・
コロナ禍がやや落ち着いた2年後、皆が集まった様子が
これまた凄く楽しそう。
会うのは初めてなのに、もう皆、友達というかんじで会話がポンポン弾み
そのかんじのまま、街を歩く。
こんなかんじならどこまでも歩いて行けそう。
後半の3枚の写真をそれぞれが提示し、そこに文章を付けるというのは
特に面白かった。
★★★★
発行年月:2010年9月
人は、人のどこに恋をするんだろう?……
消えた恋人にそっくりな人と恋に落ちた朝子の10年を描く、
野間文芸新人賞受賞作!
朝日新聞、読売新聞他、各紙誌で話題沸騰の長篇小説。
(河出書房新社HPより)
映画化されて、主演の男女の不倫問題などで一時、世間を騒がせていた。
原作が柴崎さんだったのは、知らず・・・・
図書館棚で見つけて読んでみた。
面白かった。
若い時の恋愛ってこんなかんじだったかなぁ~なんて思ったり・・・
泉谷朝子は偶然、出会った麦に惹かれ、二人は恋人同士のように過ごす。
けれど麦は突然、上海に行くといい、朝子は神戸港に見送りに。
そして月日は過ぎて・・・・
その間、麦からは連絡なく、朝子は麦のことばかり考えて暮らす。
で、働いていたカフェの上の階で働く丸子亮平に出会う。
見た目が麦そっくりで朝子は亮平が気になる。
そして二人は恋人同士に・・・
亮平と居ても、麦のことを考えている朝子。
でも次第に亮平自身が好きになっていっていたような・・・
そんなある日、麦がテレビドラマに出演していることを知る。
ロケ現場にも行ってみるけれど会えず・・・
亮平が東京から大阪の事務所で働くことになり、朝子もそれを追って引っ越しを
する予定という時期に二人は再会してしまう。
えぇ~!どうするのぉ~? ドキドキ。
まさか、元のさやに納まらないよね・・・・
終盤はハラハラした。
麦みたいな人はダメだ。
自分のことしか、考えていない。
朝子の友達・春代が「あさちゃん、最低やと思う」と言った言葉、
読みながら、同意した。
でも、ぎりぎりのところで朝子が気づいてよかった。
この後、麦は、どうしたんだろ?
自業自得なんだけどね。
これ読んだら映画も観たくなったなぁ~。
柴崎さんの物語は面白い。
★★★★
発行年月:2023年12月
第60回谷崎潤一郎賞受賞
第74回芸術選奨文部科学大臣賞受賞
あれから何年経っただろう。あれからって、いつから? どのできごとから?
日本を襲った二つの大震災。未知の病原体の出現。誰にも同じように流れたはずの、あの月日──。別々の場所で暮らす男女三人の日常を描き、蓄積した時間を見つめる、叙事的長編小説。
(集英社HPより)
2020年3月~2022年2月までを男女三人の日常を追いながら綴っていく。
石原優子・・・東京の大学で別の学部(工学部)だった直也と知り合い結婚。
東京で働いていたが直也が地元(滋賀県)に就職していたので
結婚を機に 滋賀県で暮らす。7歳と3歳の子あり。
パートで働いている。
小坂圭太郎・・・働いていた居酒屋の客としてきていた貴美子と付き合い
(33歳) 貴美子の妊娠を機に結婚。
貴美子は中古マンションのリノベーションを手掛ける会社に勤務。
こどもは4歳になり保育園に通園中。
柳本れい・・・・小1のとき、両親が離婚。父親の兄が傷害罪で逮捕され父も
(46歳) 警察に呼ばれた。
写真の専門学校に進み、知り合いの写真館で撮影したり、雑誌の
取材時の写真を撮ったり。
阪神淡路大震災を思い出したり東日本の震災を考えたり、コロナ禍のあれこれを思ったり
三人三様の日常を描きながら、自分のそのときも振り返る。
淡々としている日常のなかにも、いろいろな複雑な思いが描かれていて
心に残る本だった。
バラバラの3人に少し接点が見えるラストもよかった。
ポーランドの詩人、ヴィスワヴァ・シンボウルスカの詩がいくつかあって
どれも印象的。
表題になっている「始まりと終わり」もそのうちの1つの詩(p153)。
夢が狂っているわけではない
狂っているのは現実のほうだ
たとえそれが、物事の流れについていこうとする
頑固さのせいだとしても
夢のなかではまだ
最近死んだ人が生きている
それどころか、若さをとりもどし
健康であったりもする
現実はわたしたちの目の前に
死んだ人の死んでいる体を置く
現実は一歩も後に引こうとはしない
詩集も読んでみたいと思う。
★★★★★
(集英社HPより)
2020年3月~2022年2月までを男女三人の日常を追いながら綴っていく。
石原優子・・・東京の大学で別の学部(工学部)だった直也と知り合い結婚。
東京で働いていたが直也が地元(滋賀県)に就職していたので
結婚を機に 滋賀県で暮らす。7歳と3歳の子あり。
パートで働いている。
小坂圭太郎・・・働いていた居酒屋の客としてきていた貴美子と付き合い
(33歳) 貴美子の妊娠を機に結婚。
貴美子は中古マンションのリノベーションを手掛ける会社に勤務。
こどもは4歳になり保育園に通園中。
柳本れい・・・・小1のとき、両親が離婚。父親の兄が傷害罪で逮捕され父も
(46歳) 警察に呼ばれた。
写真の専門学校に進み、知り合いの写真館で撮影したり、雑誌の
取材時の写真を撮ったり。
阪神淡路大震災を思い出したり東日本の震災を考えたり、コロナ禍のあれこれを思ったり
三人三様の日常を描きながら、自分のそのときも振り返る。
淡々としている日常のなかにも、いろいろな複雑な思いが描かれていて
心に残る本だった。
バラバラの3人に少し接点が見えるラストもよかった。
ポーランドの詩人、ヴィスワヴァ・シンボウルスカの詩がいくつかあって
どれも印象的。
表題になっている「始まりと終わり」もそのうちの1つの詩(p153)。
夢が狂っているわけではない
狂っているのは現実のほうだ
たとえそれが、物事の流れについていこうとする
頑固さのせいだとしても
夢のなかではまだ
最近死んだ人が生きている
それどころか、若さをとりもどし
健康であったりもする
現実はわたしたちの目の前に
死んだ人の死んでいる体を置く
現実は一歩も後に引こうとはしない
詩集も読んでみたいと思う。
★★★★★
発行年月;2019年6月
住み心地のいい離れの一軒家で一人暮らしを続ける北川春子39歳。母屋に越してきた、夫を亡くしたばかりの63歳、青木ゆかり。裏手の家に暮らす現実的な今どきの新婚25歳、遠藤沙希。
年代も性格もまったく異なる3人の出会いから始まった、温かく、どこか嚙み合わない"ご近所付き合い"、その行方は――。
女も男も、人からは見えない、そしてジャッジすることのできない問題を抱えている。年齢や、生きる環境、価値観など、さまざまな違いを乗り越えて、人と人はほんとうに分かり合えるのか? 現代を生きる大人たちに贈る必読の一冊。
(毎日新聞出版HPより)
こんなご近所さん付き合いが出来たら理想的でしょう。
一人暮らしだと、急に体調が悪くなったときが一番、心細いと思うけど
すぐ近くに助けを求められる人が居るって心強い。
時には、それぞれの問題に関わってしまって、憂いの日があっても
誰かと関わることって、そういうことだし、このメンバーなら
また何か問題起きても、ちゃんと解決していけそう。
ブルーベリー狩り、実現する日が楽しみですね(^^)
日常の先にちょっとした楽しみがあると気持ちがそこに向かって
明るい感じになっていいな♪
★★★
発行年月:2017年2月
芥川賞作家が「誰かの不在の場所」を見つめつつ怖いものを詰め込んだ怪談集


中学時代の同級生たまみと再会してから、私の日常は少しずつ歪みはじめる。
何度買っても古書店に戻ってしまう読みかけの本、
暗闇から見つめる蜘蛛、留守番電話に残された声。
怖いものを詰め込んだ怪談集。
(角川書店HPより)
かわうそ堀2丁目 アーバンハイツ かわうそ203号に住んでいる女性作家。
恋愛小説家と呼ばれていることから離れるため、怪談小説家になろうと決め
不思議な話、怖い体験をした人を探しては話を聞く。
何か特別なことが起きるだけじゃやないけれど、なんだか嫌な気配を感じるって
案外、一番、怖いかも。
誰かが見てる、ふと気づくと自分を見ている知らない人っていうのが
一番怖かったぁ~(@_@;)
え?で、結局なんだったのぉ~?っていう話も幾つかあったけど
分からないままの方が余韻が残っていいかも^m^
でもこの程度の怪談話なら、夜、寝る前に読んでも怖い夢を見ずに済むかな?
★★★
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自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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