憶えていてね、と彼女は言った。
忘れないで。
美しく純粋な魂が奏でる、
せつない祈りに満ちた純愛小説集。
(祥伝社HPより)
表題作を含む4つの短編集。
どの話も、美しい純愛だけど、儚げで切ないかんじ。
植物園や赤道儀室など共通のシチュエ-ションが出てくるけれど、主人公たちが全て繋がっているというわけではない。
前の日に読んだ恩田さんの「夢違」と、なにか被るようなものがあったので、比べてしまったのがイカンかんったか?
話はどれもそれなりに良いのですが・・・・ちょっと飽きてしまった^^;
暫く経ってから読めば、違った感想を持ったかも。
表題作より<夜の燕>が、印象的だった。
家が隣同士の少年・幸生と美織の恋。
お互いを意識しながら何故か素直に接することを拒んでしまう思春期を経て、大人になり夫婦になる。これはハッピ-な話?と期待したけど、幸せは長く続かず・・・・
あぁ~辛いな。
読み終えると、なんだかズ~ンと暗い気持ちになってしまった。
物語の主人公達は、彼らなりに幸せだったのかもしれないけれど・・・・。
★★★
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発行年月:2011年12月
『桐島、部活やめるってよ』で鮮烈なデビューを飾った
現役大学生小説家・朝井リョウが満を持して放つ、
書き下ろし青春小説。時間と自由を持て余し
不器用に生きる若者達に訪れる、5つの転機
(幻冬舎HPより)
5つの短編からなる連作集。
「ひ-ちゃんは線香花火」
大学2年の汐梨は同じ大学のの友達、ひ-ちゃんと風人とはマ-ジャン仲間でもある。
夜通し遊びウトウトしてると、突然キスされた。
え?どっち?ひ-ちゃんは女だし、風人?
「燃えるスカ-トのあの子」
遥と翔多は高校時代のクラスメイトだった。
翔多とはなんでも話せるが、翔多はクラスメイトの礼生に映画づくりに誘われる。
礼生は最近、観た映画に回文が出てきてハマっているという。
一緒に映画を撮る椿が可愛いとか・・・・そんな自分の周りの話を楽しそうに喋る翔多。
「僕は魔法が使えない」
美大生の新(あらた)。一浪して大学に入った。
父親は高校3年の時、事故死。母は勤め先の上司と最近、付き合っている。
凄い才能を持っている3年生のナツ先輩から、「次のコンク-ルは人物画でいけよ」と言われ、偶然で見かけた女の子・佐倉結実子にモデルを頼む。
学校に飾られていた先輩の絵が誰かに破られる。
強くて魔法使いみたいだと思っていた先輩だったけど・・・
「もういちど生まれる」
わたし(梢)は、二浪して予備校通い。
双子の椿は、現役で第一志望の大学に合格した。
幼馴染の風人は、おなじ大学のひかる(ひ-ちゃん)のことが好きだと話してくる。
椿が学生サ-クルが作る映画に出演することになったらしい。
ある日、その撮影現場に椿の変装をして行ってみる。
誰にもバレず映画の撮影が始まるが、途中でバレて白状するけど、良いシ-ンが撮れたからOKと。
「破りたかったものすべて」
プロのダンサ-を目指して日夜、練習に明け暮れる遥。
兄は二浪して今は美大に通っている。
兄とは仲が良かった。
でも今はなんとなく気持ちがズレていると感じている遥。
兄が翔多の大学の人たちに映画づくりに参加してほしいと誘われたらしい。
兄が描いた絵が大学に飾ってあるから遥にも見てほしいと言っていたけれど・・・・・
5つの話に登場する若者たちは、それぞれ恋や将来のことに、何かしら悩みながら生活している。
そして5つの話の主人公は別々だけど、みんな何らかの繋がりのある人たちだと、読んでいくとわかる。
あれ?この子は前の方の話の・・・・・だった子だよなぁ~。とか。
今の若者の暮らしぶりもリアルにわかる。
やはり現役大学生ならではの視点だな。
表紙の写真は表題の「もういちど生まれる」を読めば、ああ、このシ-ンなんだ!!と納得。
とても良い写真だ!
★★★★
働けば働くほど、イタい人になっていく
東大生のキノキダは、時給800円のマンガ喫茶に雇われる。
中卒で30歳過ぎの茶髪の店長はキノキダに敵愾心を…(「マンガ喫茶の悪魔」)。ほか、時給で働く若者達の世界を描く連作短編集。
(集英社HPより)
時給800円で働くひとたちを描いた短編連作集。
漫画喫茶、洋服屋、パチンコ屋、野菜畑(低農薬販売)と4つの場所で働く人たちが描かれ、最後の章はちょっと異質なネット社会(オンラインンゲ-ム)でお金を稼ぐ話。
どれも面白かったけど、特に二番目のお話「洋服屋のいばら姫」がなかなか面白かった!
ファッションビルのなかのワンフロア-で洋服を販売する店員たちの姿を描いたお話。
毎日の売り上げのノルマ達成のため、頑張る彼女たちの様子は、なんだかドキュメンタリ-を読んでいるかんじ。
実際、こういう風に仕事してるんだぁ~なんて興味深く読みました。
女子ならこういう仕事に憧れている人も居るだろうから、読めば「13歳のハロ-ワ-ク」的に参考になりそう。
今まであまり知らなかった仕事の裏側が覗けるかんじも面白かった。
しかし、この著者のペンネ-ム変わってるな(笑)
★★★
この味を忘れることは決してないだろう──運命の料理をめぐる七篇の物語。
母親から丁寧に伝えられたおみそ汁、離れて行く恋人と食べる松茸料理、何も食べられなくなったお祖母ちゃんに食べてもらえた思い出の一品……。ある時、ふいに訪れる、奇跡のような食卓。大好きな人と一緒に食べる歓び、幸福な食事の情景を巧みにくみこんで、ありきたりでない深い感動を誘う、七つのあたたかな短篇小説。
(新潮社HPより)
「バ-バのかき氷」
「親父のぶたばら飯」
「さよなら松茸」
「こ-ちゃんのおみそ汁」
「いとしのハ-トコロリット」
「ボルクの晩餐」
「季節はずれのきりたんぽ」
それぞれのお話に出てくる美味しそうな食べ物。
美味しいものの記憶って、いつまでも残るものだし、そこに大切な人と一緒に食べた記憶があれば、尚更特別な思い出として、記憶される。
どのお話にも切ない別れがあるけれど、温かい気持ちになれるお話たちだった。
中ほどの「こ-ちゃんのおみそ汁」と「いとしのハ-トコロリット」が特に好き!
「こ-ちゃんのおみそ汁」
亡くなる前に母親から特訓を受けたみそ汁をずっと父親に作り続けてきた娘が嫁ぐことになる話。
おみそ汁・・・こんなに丁寧に作ったこと、恥ずかしながらありません^^;
今更だけど、このお話にあったとおり、作ってみようかな?
「いとしのハ-トコロリット」
亡き夫と一緒に外食をしたときに食べたコロッケの思い出を、再現する老婦人の話。
ハ-トコロリットとは、コロッケのことでした。
なんと可愛い呼び名でしょう!
実際、そんな風に昔は言っていたのかな?
小川さんのお話は、いつも美味しそうなものと温かい愛情に満ちている。
小川さん自身もきっとお料理上手なんでしょうね~(^^)
★★★
主人公・佃航平は宇宙工学研究の道をあきらめ、東京都大田区にある実家の佃製作所を継いでいたが、突然の取引停止、さらに特許侵害の疑いで訴えられるなど、大企業に翻弄され、会社は倒産の危機に瀕していた。
一方、政府から大型ロケットの製造開発を委託されていた帝国重工では、百億円を投じて新型水素エンジンを開発。しかし、世界最先端の技術だと自負していたバルブシステムは、すでに佃製作所により特許が出願されていた。宇宙開発グループ部長の財前道生は佃製作所の経営が窮地に陥っていることを知り、特許を20億円で譲ってほしいと申し出る。資金繰りが苦しい佃製作所だったが、企業としての根幹にかかわるとこの申し出を断り、逆にエンジンそのものを供給させてくれないかと申し出る。
帝国重工では下町の中小企業の強気な姿勢に困惑し憤りを隠せないでいたが、結局、佃製作所の企業調査を行いその結果で供給を受けるかどうか判断するということになった。一方、佃製作所内部も特に若手社員を中心に、特許を譲渡してその分を還元してほしいという声が上がっていた。
そうした中、企業調査がスタート。厳しい目を向け、見下した態度をとる帝国重工社員に対し、佃製作所の若手社員は日本のものづくりを担ってきた町工場の意地を見せる。
(小学館HPより)
この著者の作品は売れているらしいと知っていながら、なかなか読まずにいました。
が・・・今年度上半期の直木賞受賞作品のこの作品は読まなきゃ!!と図書館に予約しやっと順番が来て読みました。
主人公の佃航平は、43歳。
以前は宇宙科学開発の研究員だったが、自身が手がけた人工衛星の打ち上げ失敗で研究から退き、父親が亡くなったことも重なり、その会社・佃製作所を引き継ぐ。
競争相手の企業から特許訴訟を起こされ、資金繰りに四苦八苦。
相手企業のアクドイような戦法にはハラハラしたけど、なんとか優秀な弁護士が窮地を救ってくれた。
会社経営って大変なのね~。
良い物を作っていれば成功するという単純なものではないんだとわかった。
作っているものが、莫大な価値のあるものだから、余計にそれを狙う企業もあって・・・。
でも対する企業のなかにも本物を認める者が、居たのが救いだった。
そして、ロケットエンジンを作ることへの夢とプライドが見事に成功への道を歩ませてくれたラストは清清しい気持ちになれた。
こういう企業のなかのお話ってあまり今まで読んだことが無かったので、新鮮だった!
面白かったぁ~。
さすが直木賞受賞作品!!
ほかの作品も読んでみなくちゃ!
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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