忍者ブログ
自分の備忘録としてのものなので 本のネタバレ的内容も多々あり。
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6



発行年月:2026年4月


昭和54年大阪、猟銃を持って銀行に侵入し、四人を殺害して
立て籠もった花川清史は香川からヘリで駆け付けた母の説得を拒絶し、
射殺された。事件解決後、新聞記者は犯人の生涯を掘り起こし、
母は問い直し、愛人は振り返る。
『ホテルローヤル』『家族じまい』などで親子、
愛憎を描いてきた著者がその究極に迫る長篇小説。 


               (新潮社HPより)


実際に起きた事件を基にしたフィクション。
読み応え、あった。

犯人は花川清史(30歳)。
銀行に猟銃を持って立てこもり、支店長と行員を射殺し、
駆けつけた警官2名も射殺。
香川から犯人の母親・カヨがヘリで駆け付けるが、説得に応じず
その場で射殺される。
人質の男子行員7名、女性行員18名は救出される。


事件後、新聞記者の海原将志(30歳)は、先輩記者の近藤勝也と共に
犯人の母親・花川カヨ、元恋人・時任亜紀に取材し犯人像に迫る。

犯人が射殺されるまえに言葉
「オレは異常やない。道徳と善悪をわきまえんだけや」の言葉が
腹立たしい。


母親・カヨの生い立ちを読んでいると、なんとも言えない。
苦労の連続で幸せな時期が本当に少ない。
本人は、そう思っていないのかもしれないけれど・・・
15歳で殺人を犯した息子なのに、溺愛し過ぎ。
我が子を可愛いと思うのは仕方ないとして、甘やかし過ぎだし
言いなりになりすぎ。
愚かとしかいいようがないけれど、こんな母親の子供が皆、凶悪な事件を
起こすかと言えば、そうとも言えないけれど・・・・
父親の繁もしょうもない男。
こちらには嫌悪感しかなかった。
父親の自覚がなく、何か起きても逃げるだけ。


元恋人の亜紀は、男運が無さすぎる。
優しくて容姿も良いのに、なんで、こんな男のそばにずっと居たんだろ?
途中、逃げ出すけれど、遅すぎ!


読みながら、本当に、どうしようもない人たちばかりでイライラ。

最後に殺された人たちには、なんら落ち度がないのに・・・

結局、なんでこんなことをしたのかは、わからないままだけど
それもリアルでいいかも。
本当のことなんて本人しか、結局、わからないんだから。


でも、なぜ、今、この物語を書いたのかなぁ~?


先輩の新聞記者・近藤が、なんだか、すごく魅力的だった。
奥さんと離婚しちゃったけど、家庭では奥さんの気持ちに沿えなかったのか?
亜紀に対しては男前だったけど・・・。
北海道に妻を残して赴任してきた海原の方は、夫婦の関係が少し修復
したということか?


スラスラと読み終えることは出来たけれど、
物語としては、ちょっとイマイチかな?




                     ★★★
PR



発行年月:2025年2月


『ラブレス』『ホテルローヤル』等、家族の光と闇を描き続ける直木賞作家・桜木紫乃のルーツ!
夢に生き、夢に死ね――
昭和の北海道。
己の城を求め、男は見果てぬ夢を追う。
【著者コメント】
書きながら改めて、生きることは滑稽だと感じました。
滑稽でいいと思うところまで、書けた気がします。
やせ我慢人生を歩いてきたすべての先人に、愛を込めて――人生劇場。
何もかもが赤く染まった鉄鉱の町・室蘭。
四人兄弟の次男に生まれた猛夫は、兄にいじめられ、母には冷たくあしらわれながら日々を過ごしていた。
心のよりどころは食堂と旅館を営む伯母のカツ。やがて猛夫はカツのもとで育てられることになる。
中学卒業後、理容師を目指し札幌に出た猛夫だが、挫折して室蘭に帰る。
常に劣等感を抱えるようになった猛夫は、いつか大きくなって皆を見返してやりたいと思うように。
理容師として独立、ラブホテル経営と、届かぬ夢だけを追い続けた男の行く末は。
自身の父親をモデルに、直木賞作家・桜木紫乃が北の大地で生きる家族の光と闇を描く。
【目次】
一章 鉄の町
二章 修業
三章 別れ
四章 長男
五章 夫婦
六章 闘い
七章 新天地
八章 落城


                   (徳間書店HPより)


新川猛夫の人生。
波乱万丈で面白いけれど、ちょっと、こんな身内がいたら嫌かも・・・(^^ゞ
著者の父親がモデルって、知ってビックリ!

かまぼこ職人の父親・彦太郎と母・タミの次男として生まれる。
その後、父親は魚屋を営み、商売を広げる。
長男の一郎から虐められ、母親はなぜかそんな長男を可愛がる。
猛夫は、旅館と食堂を営む伯母のカツの元で暮らすことになり
自由気ままな生活に。
旅館の下働きのトキや駒子にも可愛がられる。
中学を卒業したら理髪師になるという目標を持ち札幌で奉公。
やがて念願の理容師になって、このまま順風満帆に進むのか?と
思ったら・・・そこからが凄かった。
そこまでは、猛夫を応援しながら読んだのに、同じ理容師の里美と
親しくなり結婚。
里美が妊娠し9か月で死産したことで、二人の関係がギクシャク。
それでもその後、娘が二人生まれるのだけど、お互い相手に対する
気持ちが冷めてしまっている。

理容師の仕事は順調なのに、へんな儲け話に乗ってラブホテル経営を始め
莫大な借金を抱えることに。
そのホテルの名前はホテルローヤル。
あのホテルローヤルは、こういう経緯で出来たんだ~と驚く。

それでもなんとか返済しながらホテル経営を続けるが・・・・
十勝沖地震が起き、ホテルは崩壊。
元々、建設会社も詐欺まがいで、建築材は廃材利用の欠陥だらけの
建物だった。


心労もたたったのか、妻の里美が体調を崩し、病院で高血圧と糖尿病と
診断。投薬が欠かせない身体に。
そして、年が過ぎ・・・里美は認知症。
でも、童女にかえったような里美は、猛夫をイライラさせる言葉も
吐かなくなり、笑顔を見せたりで、夫婦仲は、結婚以来、一番いいかんじ。
なんとも皮肉なことだけど・・・


始終、暗いかんじで読んでいて、胸がざわざわするようなかんじの物語だったな~。
それでも、一気読みしちゃうのは、桜木さんの筆の力だな。




                    ★★★







発行年月:2025年7月


情熱と分別のあわいに揺れるあなたへ。
40年ぶりに再会を果たした同級生のカメラマンとスタイリスト――「兎に角」
「ボケたら関係解消」が条件の70代ホストと美容師――「ひも」
遅咲き小説家と過去をあかさぬ大学教授――「情熱」
ほか、全6編。

                 (集英社HPより)



還暦頃の男女の話が6つ。
どれもいい。

情熱と分別のあわいに揺れる・・・巧い言い方だな・・・。
久しぶりに再会して、淡い恋心みたいなものはあるけれど
恋人みたいになるのは、ちょっと違うかなぁ~とか考えてるかんじ?

<兎に角>
40年ぶりに再会したカメラマンと写真館を構えた女性。
仕事仲間としての新たな関係が生まれるみたいだな


<スターダスト>
音楽ディレクターの63歳男性。自身もサックス奏者。
演歌の新星としてデビューしたのに世に轟くヒット曲に恵まれない歌手を
なんとかしてあげたいと思いつつ・・・・


<ひも>
老人ホストクラブに勤める74歳の男性・朗人。
そこで知り合った美容師の女性・江里子の元で今は家事をやりながら居候生活。
「ボケたら関係解消」
江里子の生き別れた娘だという女性が来る。母には会わずに明日から
ベトナムへ仕事(和裁を教える)で行くというので餞別に5万円を渡す。
江里子が帰宅し、美容院に朗人の生き別れた娘と言う人が来たよと。

可笑しな話だけれど、訪ねて来たのは誰だったんだ?


<グレーでいいじゃない>
ジャズピアニスト・トニー漆原(60歳)の葬儀で90歳の母親が
バッハのG線上のアリアを演奏している。
葬儀のあと、その母親と話をする仕事仲間だったサックス商社の紀和(35歳)。

ジャズ方面に行った息子を許せなかったのだと。
人生グレーでいいいんじゃないと生前、トニー漆原から言われた紀和。
90歳の母親も今は息子を認めているんだなとちょっとジ~ンとした。


<らっきょうとクロッカス>
裁判所職員の青田芙美(50歳)。
東京から札幌と職場を変えて、その場でそれなりに評価されてきたと
思っていたが今度、釧路に転勤。
何か失敗したのか?と自問。
男に振り回されて死んだ母親を反面教師に、叔母(母の妹)の元で厳しく
「マイナスからまっとうになるのは常に百点を取り続けなければ」と
言われて育つ。

職場が変ったのを機にもっと楽に生きれればいいのになぁ~
らっきょうの甘酢漬けが美味しく作れたり、おせち料理もちゃんと
作れるっていうのも尊敬。
新しい場所の大家さん夫婦とか、弁護士の竹下(60歳すぎ)との
人間関係もいいかんじ


<情熱>
表題作は一番最後。
40歳から作家活動を本格的に始めた島村。
講演依頼が博多であり
妻の知り合いでもある大学教授の内田夏海(還暦前)が自身も仕事で
博多に行くのでよかったら案内しますよと。
夏海は門司の出身らしい。
実は島村は密かに夏海を小説のモデルにしたいと考えている。


夏海が語る学生時代の思い出にいる男性が、なんだか素敵。
今は亡くなっているらしいけれど。。。
島村はそんな話を聞きながら、軽く嫉妬しているかんじで
ちょっと可愛い。



最後の小説家が
「北海道しか舞台にしない作家と言われているから、ちょっと反抗したい」と
言う言葉は、著者の桜木さん、そのものなかんじでクスッと笑えた。


そんなに印象に残る話たちじゃなかったけれど
軽く読めて楽しかった。




                    ★★★




発行年月:2024年11月


岐路に立ち、惑う人々に贈る 喪失と再生の記憶。
この物語は、あなたの明日をやさしく照らす――
絵本作家として活躍する高城好子はかつて美弥子の継母だった。漫画家のアシスタントを生業とする美弥子は、旅の誘いを受けて再会した好子が余命幾ばくもないと悟る。共同制作したいという好子の望みを叶えるため、 “母”と“娘”は湖畔のホテルで絵本『あお』の構想を深め合う……(「青い絵本」)。
作家、編集者、セラピスト、書店員――さまざまな形で絵本に関わる人々が、絵本を通じて過去と対話し再生する姿を、静謐な筆致で紡ぎ出す。表題作ほか全5話収録、短編の名手が、人生の光と影を描いた珠玉作品集。

                  (実業之日本社HPより)



5つの短編。

絵本が全部の話に出て来る。

<卒婚旅行>
55歳の晴美は、60歳の夫が市役所を退職した記念旅行としてJR九州の豪華列車の
旅にでる。
旅先で夫には「卒婚したい」ことを言おうと決めている。

夫が「離婚じゃなくてよかった」というのがちょっと可愛いなと思ってしまった。
絵本セラピストの資格を活かした仕事を今後はやっていこうという晴美のことも
受け入れてくれているし、絵本を朗読してほしいというのも可愛い。
案外、いい関係のまま一緒に居られそう


<なにもない一日>
やや子は結婚前の図書館司書の仕事を辞めた。夫は手広く事業をしている社長。
そして姑は入院していて、やや子はお見舞いに。
やや子に孫を急かしたことを詫びる。
夫には婚外子がいて、そのことを姑も知っている。
やや子がやっているラジオパーソナリティの番組内で朗読する「なにもない一日」
がなんだかたまらなく哀しい話。



<鍵>
15年働いた書店が閉まる。
寿々(50歳)はここで15年働いた。5年は店長として。
絵本コーナーから「鍵 key」を抜き取り、買う。
それは思い出の書。夫が息子に読み聞かせしていたと就職先の地に
行く息子が持って行った絵本。
夫は小説家だったが25作の著作を5年で書きあげ、自死した。

哀しい思い出の絵本も、成長した息子さんと思い出として
分かち合えるようでよかった。


<いつもどおり>
小説家の愛田小夏、デビューした当初は売れたが、今はウェブ雑誌の仕事をするくらい。
そんなある日、自分をデビューさせてくれた編集者の小川乙三から一緒に
作品を作ってほしいと連絡がある。
小川は癌療養中で、今わの際を描いたキダジョンのイラスト集を見せられる。
その絵に文章をつけてほしいと。

今わの際を描いた作品集って、ちょっとみてみたいけれど、ちょっと不安になる。
「いつもどおり」っていいタイトルだとおもう。


<青い絵本>
美弥子(45歳)は漫画家のアシスタント。
既婚者の男性との1年間の恋愛を終わらせたばかり。
10歳から3年間、父の結婚相手として(母親として)そばにいた
絵本作家の高城好子から北海道の温泉に行きたいから付き合ってとメールを
もらい同行する。
好子は絵本作家で最後の絵本になるから一緒に手伝ってほしいと。

二人が泊まった支笏湖の湖畔にある「碧の座」は本当にあるみたい。
検索したら、とても素敵。
こんなところで泊まって静かな時間を過ごせたらいいな~。
絵本のタイトルが「青い絵本」
この表紙の絵もこの作品をイメージしたものだろう。

ホスピスにいる好子が出来上がった絵本を見られてよかった。
こういう親子関係も素敵だし、良い最期を迎えられたんだろうな。



全体的に哀しい雰囲気の桜木さんの作品。
でも、そのなかに人が人にむける温かい気持ちもあっていい話ばかりだった。

長編もいいけれど、わたしは桜木さんの短編がすきだな。



                       ★★★★★



発行年月:2024年6月

「わたしの背中、こわいですか」気高く生きる女との邂逅を描いた大人の物語
アイヌ紋様デザイナー・赤城ミワ。
彼女といると、人は自分の「無意識」に気づいてしまう。
自分の気持ちに、傷ついてしまう――。
そして、彼女は去ってゆく。忘れられない言葉を残して。
桜木紫乃の真骨頂、
静かに刺してくる大人の物語。
(収録作)
「谷から来た女」…2021年。大学教授の滝沢は、テレビ局の番組審議会でミワと出会う。大人の恋愛を楽しむ二人だったが…。
「ひとり、そしてひとり」…2004年。アクセサリーショップとセクシーパブで働く千紗は、夜のすすきのでデザイン学校の同期・ミワと再会する。
「誘う花」…1999年。教育通信の記者・譲司は、取材で出会ったミワの弟・トクシがいじめられていることに気づく。
「無事に、行きなさい」…2015年。レストランシェフの倫彦は、ミワとの将来を信じながらも、どこか遠さを感じている。
「谷へゆく女」…1982年。母を亡くした中川時江は、高校卒業と同時に、文通相手の赤城礼良を頼って北海道へ向かう。
「谷で生まれた女」…2023年。北海道テレビプロデューサーの久志木は、ミワのドキュメンタリーを撮影するが…。


                     (文藝春秋HPより)


主人公の赤城ミワがミステリアスでいいかんじ。
アイヌ舞踊の伝承者であり、アイヌ紋様を現代的にアレンジして生活空間に
取り入れていくデザイナーであり、スタジオMIKEを運営者。


ミワと出会う人たちの物語が短編で。
なかでも<谷へゆく女>が印象的だった。
ミワの父親と母親が札幌で出会い、アイヌの里のある谷へと
生活の拠点を変えるまでの話。

ミワの父親は赤城礼良・・・レラはアイヌ語で「風」の意味だという。
母親は時江。

二人の出会いは文通。
漫画雑誌のペンフレンド募集で文通を通じ2年半の交流後、時江は
福岡から札幌へ赤城礼良に会いにきた。
時江は高校卒業後、卒業式前に一人で。
母親と暮らしていたが、その母親が亡くなり、身内がなく
自由の身での思い切った行動。
私立高校に通い成績は常にトップクラスだったが、スナック経営の
母親が半分、身を売りながら稼いだお金で通い続けたと。


話としては、ミワが生まれたところで終わっていて、
もっと、この両親とミワの関係が読みたかった。

背中にアイヌの紋様を入れたのは父親だと言っていたが、
その経緯も気になる。
お守りのように入れたとか言っていたけれど、アイヌにはそういう習わしが
あるのだろうか?(背中に入れるというような・・・)

長編で読みたい部分だったな~。


でも、短篇それぞれの話も楽しめた。


                       ★★★


カレンダー
05 2026/06 07
S M T W T F S
1 4 5
7 8 9 11 13
14 17 18 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]