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自分の備忘録としてのものなので 本のネタバレ的内容も多々あり。
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発行年月:2026年1月


父の仇を十二年間追う侍と、仇の息子。
交わらないはずの二人を繋ぐのは、“侍”の矜持。
直木賞作家が初めて挑んだ、武家小説。
仇討ちとは、いったい何なのだ――。
十二年前に父が殺され、以来、仇討のために諸国を巡る清史郎。しかし、仇の手掛かりは見つからない。病死した母の弔いに故郷・安良藩に戻った清史郎は、ある少年を助け、彼に剣の手ほどきをすることに。しかしその少年・隼人は、仇の息子だった。出会うべきではなかったと思いつつ、見限ることのできない感情のもつれ。仇の行方、そして藩内政治――。清史郎が最後に下した決断とは。
江戸時代を生きる「人」を描いた、傑作ドラマ。


                 (幻冬舎HPより)



12年間、父の仇を討つために故郷を離れ旅をしていた多賀清史郎。
母が亡くなったと知り、故郷に。
そこで出会った少年・隼人(13歳)。
彼は、父・織部を殺めた渡辺幸太夫の息子だった。
それを知りながら、彼には自分の名を伏せて、剣術を教えてほしいという
願いを受け入れる。
狼藉をはたらいた家の者として周囲からは忌み嫌われているが
隼人のことを以前と変わらず友として付き合っている市太郎と神酒之介の
存在が救い。
隼人も賢そうで、父親が人を殺めなければ・・・と不憫でならない。
隼人と信乃は父の無実を信じていて
清史郎自身も本当に父は渡辺幸太夫に殺されたのか?とも思う。


物語の終盤、「え?」と思う真実。

何のための12年だったのか・・・。
これでは清史郎が気の毒過ぎる。


渡邊幸太夫が多賀織部を殺めたことは確かだったけれど、その背景には
藩の事情があって、親友だった二人の考え方に相違があり・・・
それだからって、殺す?
自分もそのあと、自分を責めて切腹?
なんだか、やりきれない。
でも、この時代なら、こういうこともありなのか?


真実を知った、清史郎と隼人は、割り切れない思いもあるだろうけれど
知れたことはよかった。
前を向いて進めるから。


江戸に戻った清史郎がまたいつか、隼人と再会する日が来るといいな。


こんなことがなければ、夫婦になっていたかもしれない早苗がすごく恰好
良くて、スカッとした。


色々あったけれど、最後はなんとなく穏やかな気持ちで読み終える
ことが出来てよかった。



                    ★★★★
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発行年月:2025年9月


八世紀の奈良、玄昉と吉備真備の企みによって海を渡ってきた男がいた。
その名は袁晋卿。
遣唐使に伴われて唐の長安から来朝し、押し寄せる不安と後悔の念にかられながら
孤独な生活を余儀なくされていた晋卿は、浮浪児たちと出会い、
心を通わせていく。彼はなぜ日本に連れてこられたのか。
言葉も通じない唐人と戸籍のない子どもたち、
それぞれが争いの渦の中でもがき生きる—— 。
彼らの人間模様を、稀代の作家が精緻な筆致で描く、
衝撃のデビュー作『孤鷹の天』へと続く物語


                   (潮出版社HPより)



袁晋卿(えん しんけい)という人物名は初めて知った。
735年、遣唐使が唐から日本に帰る船に乗船して日本へ。


帰国前に書物の整理をする人を探している玄昉の元に父親の勧めで手伝いに行った
袁晋卿。
大して日本に行きたいと思っていたわけではないのに、玄昉に誘われるまま
日本の地へ。
住まいの用意がるという住所に向かう途中で、浮浪児たちに荷物を奪われる。
大事な書類も盗まれ呆然とする晋卿だったが、翌日、大事な書状は返しに
来てくれる。
盗んだのは 駒売(こまめ)という可愛らしい顔の少女と狗尾(いぬお)と
いう少年。
書状を返しにきたのは、その仲間だという弱弱しい痩せた少女狭虫(さむし)。


以来、何かとこの3人のことを気にする晋卿。


貴族たちは、帝になんとかして縁故を結ぼうと必死だったり
天然痘が流行り、後継ぎを亡くしたりして次に政の実権を握るのは誰か?
など、それぞれの野望が渦巻いている。

そんななかに晋卿は紛れ、住まいにした屋敷の主である藤原宇合の息子・広嗣に
翻弄されたり、誰を信じていいのか、混乱しながらの生活。


最初に信じた玄昉さえも信じていい相手なのか?わからず

それでも自分の信念で行動。

奈良から大宰府に移り、そこでの生活を始め、なんとか平穏に過ごす
大宰府に同行した者のなかに浮浪児だった狭虫もいて
晋卿の世話をかいがいしくしている様子は微笑ましかった。


晋卿の従者として一緒に大宰府に入った志邑のように唐人と日本人、両方の血を
持つ人の苦悩も知る。
いつの時代にもこういう差別はあったのだな。。。
唐人の老人が志邑に話した言葉は沁みた。
志邑の父親のことを知る老人が「あの男はたしかに愚かだったが、おぬしは
違う。あの男にもし会うことがあったなら、おぬしは胸を張り声高に
自分は立派な男に育ったと言ってやればいい。あ奴を憎んで心をやつれさせる
のではなく、その愚かさうぃ嘲り自分はおぬしとは違うのだと
笑ってやればよい」。


大宰府に来た広嗣に「今の暮らしでいたい」と告げた晋卿も、志邑の心境の
変化と似たものを感じる。


物語のこの先が知りたいなぁ~
晋卿のその後の話を。

デビュー作の「孤鷹の天」も読んでみたい。



                       ★★★★★



発行年月:2025年2月


絵師の一念、憂き世を晴らす。
仏画、絵巻、浮世絵――美に魅了された人々の営みを描いた歴史小説集
六十路を越した老境の絵師・喜平治(宮川一笑)は、肉筆美人画の名手・菱川師宣の曾孫である姉弟と知り合う。絵描きを志す弟の伊平の面倒を見ることになった喜平治は、幼いながらも確かな筋の良さに感嘆するが、折しも町絵師の宮川一門と表絵師の狩野家の間で諍いが起きてしまい……。(表題作「しらゆきの果て」)
鎌倉、戦国、江戸、幕末
時代と歴史を超えて、
人々を狂わせ、神仏さえも惑わせる、
あらゆる「美」の真髄を描く5つの物語


                    (角川書店HPより)




5つのお話、どれも読みごたえがあった。
表題作は、ちょっと絵師の世界の派閥争いみたいなものが激しくて
恐ろしかったなぁ~。


<さくり姫>
絵師の詫間為久は、代々絵師の家の3男。
源頼朝が亡き父・義朝の菩提を弔う寺を建てその後御堂に壁画を描くよう
命じられ長兄の代理で寺へ。
そこで出会ったしゃくり(さくり)をする美しい女性。
それは頼朝の妹・有子だった



<紅牡丹>
9歳の苗は人質として松永久秀の城に。
同じように人質として暮らす3人の男子たちとも打ち解け
何不自由なく暮らすが、そのうちの一人は父親が裏切ったということで処刑。
もう一人は父親が良い働きをしたとして家に帰される。
そして一番年上の藤松は戦へ
東大寺に火か放たれ城は混乱。その隙に逃げることを決意する苗。
苗が大切に育てていた牡丹は苗に優しくしてくれた老僧・勝源が
引き継いで育てると。
老僧から聞いた焼けてしまった巨勢金岡(こせかなおか)という画人が
描いた極楽図の美しさ。


<輝ける絵巻>
左近中将の四辻季賢は歌会で知り合った豪商の宗蓮から
白河院の源氏絵巻を手に入れたというが
それは既に焼けてしまったとされている絵巻?



<しらゆきの果て>
亡き菱川師宣を師としている宮川長春。
長春の弟子・喜平治は師匠がずっと気になっいる師宣の息子のこと。
菱川の家は師宣亡き後、あっという間に落ちぶれ息子は筆を置いてその後は
行方がわからなくなってしまった。
が、ある日、その息子を長春の息子・長亀が見つける。

長春の師に対する想いはすごい。
そしてそんな長春を慕う喜平治もまた師を思い・・・

壮絶な話だった。
この時代の絵師の派閥争いみたいなものは命がけだったのか?




<烏羽玉の眸>
天子さまのご下命により寺を地元の村人たちによって壊されることが決まって
いる内山永久寺。
住職の亮珍は、200名の僧侶を集め、寺男・八太吉に用意させた鹿汁を皆に
振舞い、これを食べて寺から去れという。
そして亮珍は5年前に殺された絵師・岡田式部のことを思い出す。
寺が滅茶苦茶になる前に、その絵師。冷泉為恭の描いた画帖を持ち出してほしいと
八太吉に頼む。



どれも、そのまま長編でじっくり読みたいと思える内容だった。
知らない絵師の名前も出て来る。

一番好きだったのは<紅牡丹>
人質として出て行く娘・苗に母親が持たせた牡丹の苗。
その意味を教えてくれた老僧。
苗が無事に親元に帰り、牡丹の花を勝源が咲かせる未来があってほしい




                      ★★★★







発行年月:2024年7月


【全冊著者直筆サイン入り!】
延暦19年。駿河国司の家人・鷹取は、軍馬を養う官牧で己の境遇を嘆く日々を送っている。ある日、近くの市に出かけていた鷹取は、富士ノ御山から黒煙が噴き上がるのを目撃し、降り注ぐ焼灰にまみれて意識を失う。一方、近隣の郷人や遊女などの避難民を受け入れた牧は、混沌とする。灰に埋もれた郷では盗難騒ぎが起こり、不安、怒り、絶望がはびこるなか、京から坂上田村麻呂による蝦夷征討のための武具作りを命じられる。地方の不遇に歯噛みする鷹取は――
平安時代、富士山延暦噴火。大災害に遭った人々の苦悩と奮闘の日々を描く、歴史パニック長編。


                     (光文社HPより)



著者のサインには感動・・・・全冊直筆って凄い!


登場人物が次々と出て来るので、慣れるまでちょっと難儀した。
でも、それぞれのキャラクターが魅力的で、起きていることは大災難なんだけど
そこにいて、奔走する人たちがただ恐れ慄くだけではなく
凄く生き生きしていた。

そこは、やがて軍馬として活躍する馬を育てている地だったため、
自分たちの命よりまず、馬を守るために色々な知恵を出し避難させる場所を
決めたり、実際に移動させたりと必死。


主人公の鷹取(30歳)は、生まれは貧しい賤民。
京都から主に従って駿河の地へ。
着いた早々、馬を一頭、逃がしてしまい、新たな馬を貰い受けて来いと
岡野牧へと出向く。
そこで、遭遇した富士ノ御山の噴火騒ぎ。
そのままその岡野牧にとどまる。

そこで、出会う人たちとも次第に親しくなっていく。
身分の低いことにずっと引け目を感じていた鷹取だったが、ここではそれを
次第に感じなくなる。


噴火したあとの暮らしも大変だけど、皆、黙々とやるべきことをやっている。
そして再びの噴火。

時代は坂上田村麻呂が東北を制覇する頃。
東北の地のリーダー・阿弖流為は(アテルイ)囚われの身として
田村麻呂と共に岡野牧へ
寄る。
その時、二人の関係討伐した側の大将とそれに敗れた者という
だけではないのでは?と感じる鷹取が田村麻呂に自身の疑問を問う場面が
いい。
そして、かつては自分と似た身分だった小黒が出世して田村麻呂に仕えて
いたんじゃないか?と思えるところも。


災厄に逃げ惑う人の物語だと辛いだけだけど、そんな中でも逞しく生きている
人たちの物語は、読んでいて心地よかった。



                       ★★★★★



発行年月:2024年2月


藤原道長の栄華を転覆させようと都を暗躍する盗賊たち。道長邸で働く女房・小紅は、盗賊の首魁が死んだはずの兄との噂を知り探索を始める。その過程で権力を巡る暗闘とそれに翻弄される者たちの恨みを知った小紅は、やがて王朝を脅かす秘密へと辿り着き――紫式部、和泉式部も巻き込んで咲き誇る平安ロマン、艶やかに開幕。

                 (新潮社HPより)



面白かった!!
大河ドラマの影響もあり、すんなり話が頭に入って来たのもよかった!

時もちょうど、今の大河ドラマとおなじ。
紫式部が物語を書き始めた頃で、道長邸(土御門第)で働く小紅も
新しい物語を読むのを楽しみにしている。

時は、道長の時代だけれど、そんな道長を憎む者もして
その盗賊の首魁が小紅の兄・保輔だという。
その兄・保輔は捕らえられ獄中、自害したと聞くが
小紅の記憶の兄は無骨ながらも優しい兄だった。
そして再び、賊が土御門第に侵入する。

小紅は、兄・保輔と賊の関係を知りたいと一人、模索する。

小紅の兄は3人いて、保輔は3男。
長男は闇討ちで殺害されており、次男の保昌は、道長に仕えている。


賊と対面して兄の生前のことを聞くが、その賊たちもやがて何者かに惨殺される。
賊の仲間で一人生き延びた少女・御以子は、兄のことを父親だと言っていた。
その謎ときもなかなか興味深いものだった。

保輔と道長の妻・倫子との関係は、なんだか胸キュンものだったし
ドラマにしても十分、面白そうな物語だった!



                      ★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

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