こんどこそ生まれてきてくれる――。赤ん坊の誕生という紛れもない奇跡。
京都、鴨川にほどちかい古い町屋に暮らす四十代の夫婦のもとに、待ちに待った赤ん坊が誕生する。産みの苦しみに塗りこめられる妻に寄り添いながら、夫の思いは、産院から西マリアナ海嶺、地球の裏側のチリの坑道まで、遠のいてはまた還ってくる。陣痛から出産まで、人生最大の一日を克明に描きだす、胸をゆすぶられる物語。
(新潮社HPより)
著者の実体験から生まれた物語でしょうか?
40代夫婦・慎二と園子。
二人は最初の子を死産している。
そんな哀しみを超えて、迎えた新しい命の誕生の日を描いている物語。
出産という大きな出来事に、夫である慎二が思うあれこれ。
水の中のいきものの命に思いを馳せたり・・・
かつて旅した異国で見た景色を思い出したり・・・・
そして、現実に戻ると大きなおなかのなかに命を抱えた妻・園子がいて・・・
出産のクライマックスに徐々に近づいていく。
出産の体験のある女性が描くのなら思い出して書くのは容易いだろうけど・・・
側で見ていただけの夫が、ここまでリアルな出産シ-ンを言葉で描けることにビックリ!!
著者本人がきっと、妻の出産に最初から最後まで付き添い、その一部始終を見守っていたんだろうな~と想像した。
自分の出産のときの感覚を思い出してしまい、一緒になって、陣痛の痛みに耐えたかんじ^^;
生まれたときには、慎二と園子と一緒に感動した!
一組の夫婦が臨んだ出産のドキュメンタリ-ドラマを読んでいるというかんじで良かった♪
★★★★★
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高校最後の卒業式、7つのさよならの物語。
校舎取り壊しが決まっている高校、最後の卒業式の一日。少女7人が迎えるそれぞれの別れを、瑞々しく描く連作短編集。恋愛あり、友情あり、成長あり、ミステリ的仕掛けあり。青春の全てがここに!
(集英社HPより)
少女目線で描かれた高校卒業の物語。
男性の著者なのに、よく女子のこと見てるなぁ~なんて感心した。
7人の女子高校生が、おんなじ高校を卒業するいう背景のなかでの話が七つ。
「エンドロ-ルが始まる」
卒業式の朝、図書室の先生に「本を返却」をしたいからと会う約束をお願いした。
「屋上は青」
卒業式がもうすぐ始まるけれど、幼馴染でこの高校を辞めた尚樹と屋上にいる。
優等生のわたしが始めてサボる。
「在校生代表」
2年生の生徒会役員のわたしが型破りな送辞を述べる。
それは一人の卒業生に向けた衝撃の告白。
「寺田の足の甲はキャベツ」
女子バスケ部部長のわたしと男子バスケ部の寺田は公認のカップル。
卒業を機に新たな道にそれぞれ進む。
「四拍子をもう一度」
毎年恒例の卒業ライブ。
けれど、トリを飾るビジュアル系バンドの衣装が紛失。メイク道具も音源も・・・・。
犯人の思惑は?
「ふたりの背景」
東棟校舎の壁に描かれた壁画。
ここに描かれた絵の意味するものを思う美術部員のわたし
「夜明けの中心」
卒業式の済んだ夜、校舎に忍び込んだわたし。
おなじように考えた男子生徒と共通の思い出の友を語る
同じ高校に所属する者たちの話なので、人物が少しリンクしている。
学校の東校舎には幽霊が出る・・・・こんな噂もなんだか懐かしい。
そして、この噂が物語のなかでもちょいちょい出てくる。
それぞれの進路に進む彼女たちの想いが、遠い過去だけど、
高校卒業を経験したときの気持ちを蘇らせてくれた。
★★★
無活用ラテン語で記された小説『猫の下で読むに限る』。正体不明の作家を追って、言葉は世界中を飛びまわる
帽子をすりぬける蝶が飛行機の中を舞うとき、「言葉」の網が振りかざされる。希代の多言語作家「友幸友幸」と、資産家A・A・エイブラムスの、言語をめぐって連環してゆく物語。
現代言語表現の最前線!
第146回芥川賞受賞作
(講談社HPより)
芥川賞受賞の作品「道化師の蝶」のほかにもう1編「松ノ枝の記」が収められている。
どちらも難解ですが、独特の世界観のなかに惹き込まれて、なかなか愉快なかんじでした。
やはり、「道化師の蝶」の方が、好きかな?
よくわからない事だらけですが、そんななかにもファンタジックなかんじもあって・・・・
謎の多言語作家「友幸友幸」を探しながら、いろいろな物語が繰り広げられる。
飛行機のなかで、いろいろな人の着想を捕らえるのだというA.Aエイブラムス氏も不思議な人でした。
捕虫網で氏が捕らえるという架空の蝶の話は、面白かった。
この話だけで広げてくれたら、楽しくて分かりやすいのに・・・・・
話は、どんどん、またわからないところに飛んでいき・・・・・
話の行き先がどこなのか???
しかし、わからないけど、読んでいる間は、楽しかった。
いやはや不思議な物語だ。
話としては、次の「松ノ枝の記」の方が分かりやすいけれど、道化師の蝶には、変な魅力があった!
時間があったら、もう一度読み返してみたい。
★★★★
「チョナン・カン」として日韓交流に大きく貢献してきたSMAPの草彅 剛さん初の翻訳本。原作は韓国でシリーズ累計360万部以上という異例のベストセラーを記録。
「月の街」「山の街」と呼ばれる韓国の貧民街に住む、何も持っていなくても心に愛を持つ人々が織りなす、ささやかだけれども幸せを運ぶ実話集です。
翻訳出版にあたり数冊に及ぶ原作からストーリーを厳選して抜粋・収録。
時代や国境を越えた感動を呼ぶ物語が凝縮されています。
(ワニブックスHPより)
本書の著者・イ・チョルファンは韓国では有名な作家さんらしいです。
その著者が、「月の街、山の街」という貧しい暮らしをする人たちが集まっている街の出身で、そこで暮らす人たちから聞いた話をまとめて本にしたものだとか。
お話は、ひとつひとつ短くて29編。
どの話も心を温かくしてくれました。
そこに登場する人たちは、貧しく、また健康でなかったりですが、他者に対する思いやりの心はとても豊か。
日本の終戦直後を思わせるような雰囲気もあるなかで、でもやはり、日本とは違う場所の話なんだと感じながら読みました。
一番、心に残ったのは「優先席」。
1ペ-ジちょっとのとても短いお話でしたが・・・
おなじような話を聞いたことがあったので、この話のなかの足の不自由な女性の気持ちを考えたら切なくて・・・
見た目で判断して「若者なのに・・・・」と席に座ったままの人を非難の目で判断するのは自分もやめようと思った。
人を非難することは、極力控えて、ただ人のために自分が出来ることだけに心の目を向けて生きて行けたらいいな。
道徳の教材になりそうなお話ばかりだなぁ~と思ったら、実際、韓国では国語の教科書に著者の作品は多く載せられているそうで、納得!
草彅さんの訳もよかったし、挿絵も素敵でした。
★★★★★
「月の街」「山の街」と呼ばれる韓国の貧民街に住む、何も持っていなくても心に愛を持つ人々が織りなす、ささやかだけれども幸せを運ぶ実話集です。
翻訳出版にあたり数冊に及ぶ原作からストーリーを厳選して抜粋・収録。
時代や国境を越えた感動を呼ぶ物語が凝縮されています。
(ワニブックスHPより)
本書の著者・イ・チョルファンは韓国では有名な作家さんらしいです。
その著者が、「月の街、山の街」という貧しい暮らしをする人たちが集まっている街の出身で、そこで暮らす人たちから聞いた話をまとめて本にしたものだとか。
お話は、ひとつひとつ短くて29編。
どの話も心を温かくしてくれました。
そこに登場する人たちは、貧しく、また健康でなかったりですが、他者に対する思いやりの心はとても豊か。
日本の終戦直後を思わせるような雰囲気もあるなかで、でもやはり、日本とは違う場所の話なんだと感じながら読みました。
一番、心に残ったのは「優先席」。
1ペ-ジちょっとのとても短いお話でしたが・・・
おなじような話を聞いたことがあったので、この話のなかの足の不自由な女性の気持ちを考えたら切なくて・・・
見た目で判断して「若者なのに・・・・」と席に座ったままの人を非難の目で判断するのは自分もやめようと思った。
人を非難することは、極力控えて、ただ人のために自分が出来ることだけに心の目を向けて生きて行けたらいいな。
道徳の教材になりそうなお話ばかりだなぁ~と思ったら、実際、韓国では国語の教科書に著者の作品は多く載せられているそうで、納得!
草彅さんの訳もよかったし、挿絵も素敵でした。
★★★★★
鎌倉の四季の中に綴られた女性の人生の哀歓。
鎌倉の美しい四季の中、女盛りが過ぎようとする女性の心情と良き時代を生きた老女の生涯を描く、名エッセイストの瑞々しい小説デビュー作。悲しいほど儚い生だから、命は輝き、老いさえ愛しい。
(集英社HPより)
初読みの作家さん。
図書館棚から、長女が手に取り「これ、おかあさんには面白いかも」と。
長女がよんだわけじゃなく、単なる勘で選んでくれたそうで・・・^^;
期待せず読んだら、これがすごい深い話でした!!
物語に登場する二人の老年にさしかかる年代の女性達。
信子と菊子。
若い頃から仲良くしている友人同士で、それぞれ既婚者。
物語の最初は、二人がお花見をする描写。
菊子のおば夫婦が住んでいた家で、その庭にある桜の花を見に行く。
おじは既に亡くなっているが、日本が皆、貧しく慎ましやかな暮らしをしていた時代、豊かな洋風文化のなかで気楽に暮らし、ドイツ人との交流もあった人。
そのためおば・逸子も年老いた今もどこか夢見がちで気位が高い。
おばは病気療養中で入院しているが、なにかと姪である菊子を呼び、あれこれ用事を言いつけ、自分の身元保証人になってほしいとも言われている。
そして、菊子の夫・讓二も堅実な暮らしから離れているかんじで、外国骨董を買い占めて楽しんでいる。
おじの遺したドイツの人形も非常に価値のある物だと知り、自分のものでもないのに、喜んだり・・・。
対して、信子は平凡だけれど、良識ある夫・亮吉と安定した暮らしをそているかんじ。
何度か膵炎で入退院を繰り返したが、胆のう摘出により健康を取り戻した。
菊子と信子は度々、会い、いろいろな話をする。
信子からすると菊子は、若い頃から華やかなイメ-ジのなかで暮らす存在だったけど、菊子からは
「私の欲しいもの、全部持っている・・・・・・あなたはきっと死ぬまで幸せよ」と言われる。
そして、終盤、そんな菊子の言葉の通り、菊子には辛いことが重なって起きていく。
それを傍らで心配しながらみている信子も辛そう。
年老いて生きていくと、こういうことは誰の身にも起きていくことなんだろうな。
辛いな・・・イヤだな・・・・とちょっと気持ちが沈んでしまった。
けれど、生きて死んでいくってこういうことなだろうな。
それは公平に誰にでも訪れることなのだから、そうなったらそうなったで仕方ない。
物語の最後の
「いずれ死ぬことが、今生きているということだ」には、妙な潔さを感じて、不思議とその言葉に素直に共感できた!
うん、なかなか本でした!
ただし、若者が読んでもこの良さは、わからないだろうなぁ~。
自分もこういうものの良さがわかる年代になってしまったか?^^;
舞台が鎌倉で、丁度旅行をしてきた後だったので、出てくる地名やら、景色の描写が頭に浮かんできて楽しかった♪
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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