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読んだ本の感想あれこれ。
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2b057db4.jpg発行年月:2009年7月

妻はそれきり11年、口を利かなかった――。
30を過ぎて結婚した男女の遠く隔たったままの歳月。ガルシア=マルケスを思わせる感覚で、日常の細部に宿る不可思議をあくまでリアルに描きだす。過ぎ去った時間の侵しがたい磐石さ。その恵み。人生とは、流れてゆく時間そのものなのだ――。小説にしかできない方法でこの世界をあるがままに肯定する、日本発の世界文学! 
第141回芥川賞受賞作。


                        (新潮社HPより)

芥川賞受賞作品ならばと読みました。

なんとも妙な雰囲気のお話でした。

製薬会社勤務の男の結婚生活を機に起こる事柄を追いながら、そこで思うあれこれ。
男性が主人公で、結婚生活の憂いやらをリアルに描いたものは、あまり読んだことがなかったので
なかなか面白く読みました。

30過ぎて、結婚し、娘も生まれて仕事もそこそこ順調。
考えれば、まあ、結構幸せなんじゃないかな?と思うけど、夫婦仲がイマイチ稀薄?
これは男性側から書かれているけど、この男の妻はどうなんだろ?
男性が妻は不機嫌というけれど、案外、妻側は取り立てて不機嫌なことがあったからというよりは、結婚生活に何処か最初から冷めているせいじゃないか?なんて想像し、
結構、わたしと似てるかも・・・・・なんて思いました^^;

ま、11年間も会話がないって言うのは信じられない事ですが。


大して面白い物語ではないけれど、ちょこちょこと可笑しい事もあって面白かった。
どうでもいいような事も巧みな文章で綴るとこうなるんだなぁ~
作家って凄いな。なんて事を思いながら読み終えました。

同時収録の「ペナント」もなんだか捉えどころの話でしたが、結構、面白く読みました。
ペナント・・・そういえば、従兄弟の部屋が一面それだった!なんて懐かしく思い出したりして。

こういう作品は好みが別れそうだな。
わたしは、結構すきだけど・・・・。
人に薦め難い本かもしれない。

★★★
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471f3ee9.jpg   発行年月:2009年9月

3つの町が合併してでできた人口12万人のゆめの市。
古くからある商店街はさびれ、国道沿いの「ドリームタウン」が唯一の盛り場だ。この街で暮らす5人----県庁職員だが社会福祉事務所に出向し、生活保護支給業務などを担当する相原友則
、東京生活を夢見る女子高生の久保久恵、詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマンの加藤裕也、スーパーの保安員をしながら新興宗教に救いを求める、県議会に打って出る腹積もりの市議会議員・山本順一----が鬱屈を抱えたまま日々を送り、やがて思いがけない事態に陥っていく。奥田ファン待望、『最悪』『邪魔』以来となる渾身の群像劇です!

       
                                  (文芸春秋HPより)

ゆめの市に暮らす5人の様子がリアルだった。
それぞれが何か鬱屈したものを抱えていて、暮らしぶりは幸せとは言い難い。

生活保護を受ける人のモラル。支給資格の曖昧さなども問題だな・・・と感じたり、
独居老人の暮らし
の侘びしさ、主婦売春、外国人労働者、ひきこもり・・・・・
いろいろな社会の闇のような問題を描いて、やや気が重くなりましたが・・・・どこか滑稽さもあってか、意外と面白く最後まで読みきれてしまうのが、この作家の上手さかな?

滑稽でも、それぞれの人たちは案外、一生県命生きてる。


物語が進むにつれ、別々に生きる5人が少しずつ繋がって、最後は・・・・事件も起こり
すっきりした終わり方ではないのかもそれないけど、なんだか納得してしましました。

みんなのその後もちょっと気になるなぁ~。


★★★
538c7645.jpg発行年月:2009年2月


稀代の作家による、軽妙洒脱な生き方指南!

「デブとは何か」から「〈礼〉とは何か」まで、浅田次郎が発信するオヤジ目線の現代考。江戸ッ子らしいキレの良さ、豊かな人生経験に基づく滋味がたっぷり。笑えて泣けてためになるエッセイ。


                      (集英社HPより)
       

小説は2~3読んだことあるかな?
これは、エッセイですが、浅田さんってお洒落!
考え方も素敵!
大ファンになっちゃいました!!

ちょくちょく、本文に「若い頃は格好よかった」とあるので・・・・お顔を捜しちゃいました(笑)
今も素敵じゃないですか!

第一章 男の本音
第二章 ふるさとと旅
第三章 ことばについて
第四章 星と口笛

第一章では、美人についての浅田さんの思う事・・・なるほど!ポイントは口元ですね!
それは一理あり!わたしも気をつけたいと思いました(^^)

第二章では、江戸っ子の粋について学ばせていただきました。
おばあさまの教え、素敵だと思いました!

第三章で度々出てきた元自衛官時代のはなし。いろいろ勉強になりました。

第四章ではちょっと昔を懐かしむことが多く出てきました。
祖母との思い出も良かったけど「雨の記憶」は切ないけど美しい思い出のようでよかった。

最後にかかれた言葉、好きだな。
「自分のために笑え。人のために笑え。そしていつも背筋を伸ばし、鉄の心を忘れるな。」

幸せを求めるうえにも苦悩から免れるためにも、笑顔は不可欠な要件である。
楽しければ、笑い、苦しければもっと笑い、どちらでもなければ自然に笑っていればいい。
日がな花のように笑い続けて、しかも大地に鉄のごとき根が生えていれば、なおさらいい。

「花笑鉄心」・・・著者オリジナルの座右の銘だそうです。


著者の小説、もっと沢山、読もう!!

★★★★★
f27826b8.jpeg   発行年月:2009年11月


  
 中学生の僕と犬が、茂みの奥で見つけた、
   得体の知れない“肉”の正体とは?
   日本文学史上初!の兄弟ユニット作家による完全共作。
  
話題の第46回文藝賞受賞作/第142回芥川賞候補作。
選考委員絶賛!

                                       (河出書房新社HPより)

文芸誌に、兄弟で執筆した作品と紹介あり、「どうやって?」と思って記事を読むと・・・・

嗜好や価値観が似ていて、子どもの頃から、多くの本や映画について語り合ってきたのだとか。
そして、子どもの頃からお互いが文章を書き、最初に一緒に書いた作品は弟が16歳兄17歳のとき。
いじめられっ子が世の中に復讐する話だったそう。

う~ん、それも結構、暗そう・・・^^;

この作品も結構、暗く重い雰囲気。
主人公は中学生になったばかりの少年「僕」。小学4年生のとき、父親がある日、連れてきた子犬を飼うのだが、両親はその後、離婚。
少年も母親も犬は苦手(キライ)なのに、飼い続け、少年は朝、晩の散歩を欠かさない。

先ず、この親子が不気味。
会話にしても何もかも・・・・。

そして、犬もなんだか不気味。
散歩の途中で定期的に寄る、公園で掘る「肉」・・・なんなんだ!?

それから、散歩中の少年を待ち伏せする少年の唯一の親しいクラスメイト・サダ・・・・この子もなんだか、イヤ~なかんじ。


兎に角、登場してくる人物といい、そこの雰囲気といい普通じゃないかんじで、気持ち悪い。

なのに・・・・なんだろ?不思議な魅力があった。
どうなる?って気になる。

終盤あたり、不気味さ、倍増して、やだな。あとちょっとで終わっちゃうけど、まさか・・・?
なんて勝手に悪い事が起こる事を想像しちゃった^^;


でも、ラストは・・・・・「?」

少年がサダに対する感情を変化させた?
明るい兆しということか?


変わった話だったけど、キライじゃないな。こういう文章。
人によっては受け付けない人いるかも・・・ですが。


また新刊が出たら、読んでみたい作家さんたち(^^)


★★★

6fe948c7.jpg発行年月:2009年10月


うちのチッチは小説家で世界一のお父さんです。

売れない小説家と息子の、慎ましくも愛おしい日常。孤独を抱え、支えあう父(チッチ)と子。
変わりゆく親子の変わらない愛情を描く、感涙の家族小説。


                     (毎日新聞社HPより)

青田耕平39歳。まだ作品が重刷された経験はないけど地道に活動する作家歴10年の男性。
その息子・カケル10歳。

耕平の妻は、3年前、交通事故により他界。
以来、父子で暮らしている。
耕平は家事もこまめにこなし、カケルはやんちゃ盛りの元気で明るい良い子。
二人の暮らしぶりには、暗さは全くみられない。

けれど・・・耕平は妻の事故死に今もちょっとした疑問を持っている。

カケル君がなんと言っても可愛いです(^^)
男の子もいいなぁ~なんて娘しかいないわたしは思ってしまう。

小説家の耕平の暮らしぶりは、著者である石田さんの私生活がヒントかな?
石田さんも子どもさんにはこういう対応していて、奥様はいらっしゃるけど、結構、料理なんかもしちゃったりするのかな?なんて想像しちゃいました^^;
作家の日常もちょっと見られて楽しかったなぁ~。

作家活動って孤独なイメ-ジありましたが、作家仲間同士の交流なんかもあるんですね?
文壇バ-に集う仲間との関係も素敵♪


優しくて温かくて、ちょこっと泣ける、良いお話でした。

石田さんの作品、久しぶりに読んだけど、よかった!(^^)

★★★★
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