忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7



発行年月:2024年11月


文化人類学者の父の研究のため来日した著者は、1943年から終戦まで一家5人で抑留される。蟻や蛇を食べるほどの飢餓、父母が与えてくれたささやかな楽しみ、乳母など優しくしてくれた日本人との思い出、ファシズムへの憤り……。イタリアを代表する作家が七十余年の時を経て、現代への警鐘を込めて綴ったメモワール。


                      (新潮社HPより)



この時期は、戦争関連の本に手が伸びる。
著者はイタリア人だけど2歳から日本で過ごし、7歳~9歳の二年間は
収容所生活を強いられていた。
その期間の話で、本当に理不尽で同じ日本人が強いたことだけど日本の警官たちが
本当に憎く腹立たしい。
ダーチャの家族は両親と妹2人の5人家族。
同じ収容所にいたのは全部で16名。

満足な食事が与えらず、時には蛙や蛇、警官たちのごみ箱をあさり
腐った食べものも食べれ命を繋ぐ日々。
想像しただけで泣けてくる。

収容所に入るとき、大人だけ移送する。子どもは国内の孤児院で暮らすという
ことに、母親は一緒に連れていくことを選ぶ。
なので与えられる食事は大人の人数分だけなんて・・・・
しかも配給された食べものの多くを警官たちが横取り・・・(◎_◎;)

栄養失調で脚気になったり色々な障害が出て来る。
よく生き延びてたと思う。


そんな過酷な生活のなかにいても、両親は冷静で子どもたちに優しい。
周りの大人たちも秩序を守る人たちで少ない食べものを分けて食べたり
していた。

終戦が近づき、日本国内もバタバタし始め、他の場所に収容所先が変わり
お寺に移送されたあたりから、少し緩い監視になって、農民たちやお寺の
女の子とも交流が出来たのは、ホッとする話だった。

日本のことを嫌いにならずにむしろ愛していると言って貰えたのは
こういう交流があったからこそ。
戦争は本当に、人間を変えてしまう恐ろしいことだとつくづく思う


知らない事実をここでも学べた。



                       ★★★★
PR



発行年月:2025年6月

図書館勤務の20代女性・麦本三歩。
少しずつ成長しながら、
変わらない日常を過ごしていくと
思いきや、まさかの岐路に!?


                (幻冬舎HPより)



三歩・・・良い子なんだけど、ちょっと変わっていて大丈夫か?このこ?
と1冊目を読んだときは思っていた。

でも職場(図書館)の先輩たち、後輩、図書館にくる学生たち。
みんな三歩の良いところを認めていて、良い人間関係が築けている。


職場以外にも、美容室のマスターとの関わり方とか
恋人とのこと、友人たちとの会話。
どの場面も、ほんわかしていていい。


言葉を噛み過ぎなのがちょっと気になるけれど、誰からも愛されそう。


あと、勉強ができるのは大きな武器になっていた!
忘れていたけど、三歩は優秀なんだった!
TOEIC925点なんだ~!!\(◎o◎)/!

図書館司書以外のことも始めるようなことを言っていたけれど

その後、どうなったんだろう?
憧れていた仕事とはいえ正職員として働かないと、やはり勿体ないよなぁ~



家庭教師を頼まれ、その男子高校生が志望大学合格して、結婚して、こどもも

産まれて・・・・
とサラッと書かれていたけれど、その間の三歩のことも
詳しく知りたいところ。
三歩も結婚してこどもが産まれているのだろか?
どんな妻、どんな母親になっているのか?
興味あるんだけれど・・・・


これでシリーズはおしまいなんだろうか?


ゆる~く楽しませてもらいました(^^)



                       ★★★



発行年月:2025年3月


本屋大賞作家の新境地となるサスペンス巨編
声なき声が届くなら、今度こそ記者を諦めない。
『52ヘルツのクジラたち』で2021年本屋大賞を受賞後、『星を掬う』『宙ごはん』で同賞に3年連続ノミネート。人間ドラマを中心に執筆してきた町田そのこさん、初のサスペンス巨編!
北九州市の高蔵山で一部が白骨化した遺体が発見された。地元のタウン誌でライターとして働く飯塚みちるは、元上司で週刊誌編集者の堂本宗次郎の連絡でそのニュースを知る。
遺体と一緒に花束らしきものが埋めれられており、死因は不明だが大きな外傷はなかった。警察は、遺体を埋葬するお金のない者が埋めたのではないかと考えているという。
遺体の着衣のポケットの中には、メモが入っていた。部分的に読めるその紙には『ありがとう、ごめんね。みちる』と書かれていた。
遺体の背景を追って記事にできないかという宗次郎の依頼を、みちるは断る。みちるには、ある事件の記事を書いたことがきっかけで、週刊誌の記者を辞めた過去があった。
自分と同じ「みちる」という名前、中学生のころから憧れ、頑張り続けた記者の仕事。すべてから逃げたままの自分でいいのか。みちるは、この事件を追うことを決めた──。


                      (小学館HPより)



フリーの記者・飯塚みちる(29歳)。
みちるが会社を去ったキッカケになった事件がまた凄惨で・・・。
中学2年生の女子生徒が虐めを苦に自殺した事件。
虐めの加害者の一人・西くんがみちるの書いた記事によって、追い詰められ一命は
取り留めたがマンション4階から飛び降り重傷。
西くんは加害者でありながら被害者でもあった。
虐めの主謀者の陰湿さが本当に腹立たしい。


今回の発掘された遺体は、みちるの地元で見つかっている。
遺体のズボンポケットから見つかったメモには「ありがとう、ごめんね、みちる」の
文字。
一度は断ったが、やはり自分で真相を追求したいと動く、みちる。

みちる自身も虐めを体験していて、当時の虐めた者たちの事は赦せない気持ちで
いっぱい。


事件を追いながらわかってくる当事者たち(伊東美散、菅野茂美、家原崇)の
こと。
特に美散の過去、家原や茂美との関わり方が見えてくると、何とも言えない
気持ちになる。
家原に出会わなければ、この二人の女性は、もっと違う人生があったかもと。

最初に見つかった遺体は吉屋スミ(80代)。
家原が高齢の独居者を狙って金品を盗むことを繰り返していたが
その被害者の一人。
スミの家に居候しながらというのも驚き。
家原が不在の時には美散と茂美はスミと家族なように接することも多かった。
愛情に飢えていた二人にはスミとの関りは、ある意味、幸せだったのかも。
そしてスミも同様な気持ちだったかも・・・・と考えると少し救われる。


記者のみちるが、美散と同級生であり、二人には共通の思い出があった。
最初は拒絶していた美散が、みちるの手紙や言葉で少しずつ心を開いて
いったのも救いだった。

罪を償いながら、前を向いて生きていって欲しい。
背景がわかると、こういう人には更生して社会復帰してほしいなと思える。
そういう手助けが刑を全うしたあとに、キチンと受けらる世の中で
あるといいなとも。


みちるを手助けして動いてくれた、実家そばの井口の存在も大きかった。
社会とこれから関わっていく仕事をしていきそうで、それも良き。


重たい内容の物語だけれど、リアルの響いてきて、考えさえられた。

読んでよかった。


表題のアマリリスの意味もわかった。
月は???静かに暗闇を照らす存在か?



                        ★★★★★




発行年月:2025年6月


★第33回日本児童文芸家協会賞 受賞作品
★第23回赤い鳥さし絵賞 受賞作品
 
「こんど、また遊んでね」
「こんども、こんども、また、こんどもね」
也子が出会った、ふわふわのしっぽの小さなきつね。
あしたも、きっときつねを探しに行こう。
そう思っていたのに――。
戦時下の広島でくらす、小学4年生の也子。
子ぎつねと次第に仲よくなっていく
つつましくも穏やかな日々が、
一発の爆弾によって、突然奪われます。
あたりまえの暮らしが奪われることこそが、非戦闘員までも巻きこむ戦争の恐ろしさであり、悲しみなのです。~あとがきより~
教科書に採用された『たずねびと』の著者による、新しい戦争児童文学の原点。
日本児童文芸家協会賞、赤い鳥さし絵賞受賞作品。
※本書は2008年に発行された『彼岸花はきつねのかんざし』(Gakken)の新版です。新版の刊行にあたり、全編を通して表記を改め、表現の一部を加筆修正しました。


                    (佼成出版社HPより)





B29が飛んでいくのがみえる。
戦時下の広島の田舎で暮らす小学4年生の也子(かのこ)が主人公。
ある日、竹藪で友達とかくれんぼをしていて、気づいたら皆、居なくなり・・・
子ぎつねにあう。
子ぎつねが「わたしにばかされたい?」と聞くので「ぜんぜん」と答える。
その後、暫く会えず、また会いたいなぁ~と思っていると、再び会えて
一緒に追いかけっこ。

子ぎつねとの会話のなかで、かのこが「白い彼岸花がいいな」と話すと
「町のほうにはある」と。

そして再び会えない日が続き・・・・


8月6日、ぴかどんが空から降って・・・・



最初は、ファンタジーだけど、戦争の怖さや虚しさを感じる物語。

絵もかわいい。


こういう話は、辛いけれどずっと誰かが書いてくれないといけないな。




                    ★★★★★




発行年月:2025年2月


中学生の時に両親を事故でなくした美佐は、叔母に引き取られ、
高校時代を山間部の田舎町で過ごす。
それから約30年、叔母に認知症の症状が見られると役場から連絡があり
懐かしい故郷を訪れる。
かつて、美しく丁寧に暮らしていた家はごみ屋敷と化していた。
片付けを進めていくと、当時の恋人から借りた本を見つける。
あったかもしれない未来をのぞき見するような思いで
本を返しに行った美佐は、衝撃的な場面を目撃する。
担い手となった女性たちの心の声が響く介護ミステリ


                  (朝日新聞出版HPより)


湊さんの作品にしては、ドロドロ感は控えめだった。
でも、それがよかった。
読後感がいいのは嬉しいから・・・。


主人公の美佐は世話になった叔母・弥生の元を訪ねたときの様子は
読んでいてもショックだった。
酷い状況を見て、すぐにどうするべきか冷静に判断し、事を進めていく
美佐の行動力は拍手ものだった。

ゴミを片付けながら、弥生の施設入所までの手続きを一人でこなすのは
なかなか大変なのに・・・・。

そして見つけた金庫。
中に貴重品があるのか?と業者に頼んで開けて貰うと
中にあったのは黒いコード(延長コードとタップ)。

それが後に何なのかわかるのだけど、
そこに行く着くまでの話が始まる。

弥生が夫と暮らしていた時の話。
夫との関係は良好で幸せそう。
そして、英会話とマナーを学ぶ教室で親しくなった菊枝とのこと。
お互いが姑のことを愚痴り、菊枝の思い付きでお互いの家事を
週に1度、半日ほど交換してみようということ。

お互いの姑とは仲良くなる。

弥生と夫の公雄は、恋愛結婚だけど、公雄には見合いの話が以前あり
姑は、家事交換で来た菊枝の旧制を知り、息子が自分には決めた人がいるから
断ってくれと言われたので写真も見ずに断った女性が菊枝だと知る。


互いの思い違いなどもありつつ、不幸な出来事が起きてしまい
仲良く交流していた弥生と菊枝の関係が途絶える。


美佐を通じて、その途絶えた時間が戻ったのかな?
弥生が少し明るくなったのは良かったし、美佐も元の家庭に戻りそうで
ラストは意外と明るかった。

菊枝の子ども・邦彦と美佐は中学の頃、「ノルウェイの森」がキッカケで
親しくなった仲だった。
邦彦は妻の菜穂との仲がギクシャクしていて、その要因は嫁姑問題。
菜緒と菊枝が争う場面を目撃した美佐が仲裁に入ったことで
菜緒と美佐は親しくなり菊枝は美佐を見て「弥生ちゃん!」と呼ぶ。


もう少し、嫌な気分になる話なのかと身構えて読んでいたので
それが外れてホッ。


話の展開の仕方は、やはりさすがだな。
表題の意味の説明もされていた。

CARE (介護) と  CHAIN(絆という束縛)は同一線上にあれど
同一のCODE(体系)ではない


う~ん、ちょっと難しいけど。

なかなか面白かった。


村上春樹の「ノルウェイの森」下巻を意識したこの本の装丁もいい。
「ノルウェイの森」、暫くぶりに読んでみようかな?




                     ★★★★


カレンダー
08 2025/09 10
S M T W T F S
3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]