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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2024年11月


岐路に立ち、惑う人々に贈る 喪失と再生の記憶。
この物語は、あなたの明日をやさしく照らす――
絵本作家として活躍する高城好子はかつて美弥子の継母だった。漫画家のアシスタントを生業とする美弥子は、旅の誘いを受けて再会した好子が余命幾ばくもないと悟る。共同制作したいという好子の望みを叶えるため、 “母”と“娘”は湖畔のホテルで絵本『あお』の構想を深め合う……(「青い絵本」)。
作家、編集者、セラピスト、書店員――さまざまな形で絵本に関わる人々が、絵本を通じて過去と対話し再生する姿を、静謐な筆致で紡ぎ出す。表題作ほか全5話収録、短編の名手が、人生の光と影を描いた珠玉作品集。

                  (実業之日本社HPより)



5つの短編。

絵本が全部の話に出て来る。

<卒婚旅行>
55歳の晴美は、60歳の夫が市役所を退職した記念旅行としてJR九州の豪華列車の
旅にでる。
旅先で夫には「卒婚したい」ことを言おうと決めている。

夫が「離婚じゃなくてよかった」というのがちょっと可愛いなと思ってしまった。
絵本セラピストの資格を活かした仕事を今後はやっていこうという晴美のことも
受け入れてくれているし、絵本を朗読してほしいというのも可愛い。
案外、いい関係のまま一緒に居られそう


<なにもない一日>
やや子は結婚前の図書館司書の仕事を辞めた。夫は手広く事業をしている社長。
そして姑は入院していて、やや子はお見舞いに。
やや子に孫を急かしたことを詫びる。
夫には婚外子がいて、そのことを姑も知っている。
やや子がやっているラジオパーソナリティの番組内で朗読する「なにもない一日」
がなんだかたまらなく哀しい話。



<鍵>
15年働いた書店が閉まる。
寿々(50歳)はここで15年働いた。5年は店長として。
絵本コーナーから「鍵 key」を抜き取り、買う。
それは思い出の書。夫が息子に読み聞かせしていたと就職先の地に
行く息子が持って行った絵本。
夫は小説家だったが25作の著作を5年で書きあげ、自死した。

哀しい思い出の絵本も、成長した息子さんと思い出として
分かち合えるようでよかった。


<いつもどおり>
小説家の愛田小夏、デビューした当初は売れたが、今はウェブ雑誌の仕事をするくらい。
そんなある日、自分をデビューさせてくれた編集者の小川乙三から一緒に
作品を作ってほしいと連絡がある。
小川は癌療養中で、今わの際を描いたキダジョンのイラスト集を見せられる。
その絵に文章をつけてほしいと。

今わの際を描いた作品集って、ちょっとみてみたいけれど、ちょっと不安になる。
「いつもどおり」っていいタイトルだとおもう。


<青い絵本>
美弥子(45歳)は漫画家のアシスタント。
既婚者の男性との1年間の恋愛を終わらせたばかり。
10歳から3年間、父の結婚相手として(母親として)そばにいた
絵本作家の高城好子から北海道の温泉に行きたいから付き合ってとメールを
もらい同行する。
好子は絵本作家で最後の絵本になるから一緒に手伝ってほしいと。

二人が泊まった支笏湖の湖畔にある「碧の座」は本当にあるみたい。
検索したら、とても素敵。
こんなところで泊まって静かな時間を過ごせたらいいな~。
絵本のタイトルが「青い絵本」
この表紙の絵もこの作品をイメージしたものだろう。

ホスピスにいる好子が出来上がった絵本を見られてよかった。
こういう親子関係も素敵だし、良い最期を迎えられたんだろうな。



全体的に哀しい雰囲気の桜木さんの作品。
でも、そのなかに人が人にむける温かい気持ちもあっていい話ばかりだった。

長編もいいけれど、わたしは桜木さんの短編がすきだな。



                       ★★★★★
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発行年月:2021年10月


年末の帰省で母に紹介するはずだった恋人と大喧嘩した男が、代わりに移民の女性を連れてきた。だが、実業家を引退し孤独に暮らすその母は、すっかり塞ぎ込んでいる。そこで息子は、母とは正反対の性格の伯母を呼び寄せた。水と油の人々の化学反応は、クリスマスをどう彩るのか。英のEU離脱が背景の「四季四部作」冬篇。

                  (新潮社HPより)




ずっと読みたかった作品。

「秋」から始まると知ってはいたけれど、何処から読んでも大丈夫と知り
季節柄「冬」を読む。
クリスマス前に読めてよかった。



アーサー(呼称はアート)は、クリスマスイブに母の元へ恋人を連れていくと
連絡していたのだけど、その恋人・シャーロットと喧嘩別れしてしまう。
そして、バス停で出会ったラックスに自分の恋人として一緒に実家に行って
くれないか?と頼み、ラックスは3日間で1000ポンドの報酬で承諾。
シャーロットとしてアートの実家へ。

アートの母親・ソフィアは、特に歓迎するふうでもなく、母屋ではない場所で
寝るように言う。ラックスはそれを受け入れるけれど、伯母さん(アイリス)も
ここに呼んだら?という提案をアート。
そして母親との仲がこじれている伯母が、やってくる。


どうなることやら・・・案の定、姉妹の会話は嚙み合わず・・・
それでもラックスが仲介役になったりして、二人は子どもの頃の思い出話を
したり、姉妹で寄り添う時間も・・・。
でも再び、ののしり合いのような感じにはなるのだけど・・・。

でも明らかにクリスマスを一緒に過ごしたことで、姉妹の関係は少し修復
したんじゃないかな?と思う。


そしてアートも今まで聞いたことがない父親のことを母から聞く。
幼い時から父親と過ごした記憶は殆どないアートだったが、両親がお互いに
惹かれ合って自分が産まれたことを知れたのは良かった。


そして、ラックスは自分は、アートの恋人ではなく、ふりをしていただけなのだと
告白する。

このまま本当の恋人になってもいいんじゃない?と思ったのだけど・・・

途中、少し未来の話として、アートが子どもと会話している場面が出て来る。
誰と結婚するのかな?


四部作のこの話、繋がっていそうなので、先ずは「秋」を読んでみようかな?



                      ★★★



発行年月:2024年9月


5年間勤めた会社を辞め、街の小さな喫茶店「ブルー」でアルバイトをする鳴海優輝。「ブルー」には、秘密を抱えた人々が集まってくる。打ち明けられる秘密に向き合う鳴海にも、周りに言えない想いがあった。セクシュアリティの多様性を繊細に描く、畑野智美の新たな代表作。


                    (光文社HPより)



喫茶ブルーのマスター・蒼井啓介の元でアルバイトとして働く鳴海優輝(28歳)。

鳴海が会社を辞めたのは、会話に疲れ自分を取り繕うことが苦痛になったから。
男は女と付き合うのが普通。彼女がいないのはつまらない。などなど・・・

自身は恋愛に興味がなく性欲もない・・・・アロマンテックでアセクシャル。

喫茶ブルーの常連さんたちのなかに、性的マイノリティの人たちがいて
そんな人たちとの関わりを通じ、鳴海はいつか、自分もこういう人たちの憩いの場と
なれるようなカフェを持ちたいと考える。


性的マイノリティの事は、小説やドラマで取り上げられることも増えたので
そういう人たちに対して、ある程度は理解しているつもり。
でも、こういう物語を読むと、本人たちが抱えている思いは実に複雑で、それを
理解するのは本当に難しいなと思った。

ただ偏見は持たないでいたいと思う。


心無い言葉に傷ついたりしながらも、理解しようとしてくれる存在があったり
気持ちを素直に吐き出せる人がそばにいることは、こういう人たちには大切なんだと。

主人公の鳴海が、自分の道を進めるようになったようで、よかった。




                        ★★★★



発行年月:2024年10月


離婚、クビ、収入ゼロ……。
もう、だめかもしれない。
そこからも、人生は続く。
日常に突如現れた落とし穴から、したたかに這い上がる!
『県庁の星』の桂望実が描く、アラフィフ女の低温地獄。
長年夫を支えてきたつもりだったのに、急に離婚を切り出された専業主婦。
新規事業を立ち上げて15年、働きぶりを否定された会社員。
ともにオリンピックを目指した教え子に逃げられたコーチ。
22年間続けたラジオ番組をクビになり、収入が途絶えたフリーアナウンサー。
どん底に落ちた女たちの、新たな人生の切り開き方とは?


                   (幻冬舎HPより)



地獄の底に落とされたような環境に追いやられる主人公たち。
理不尽なものばかりで主人公たちには同情した。
でも、そこから這い上がり、元よりパワーアップして再起する姿には拍手!!
スカッとした~!!


<第一章 53歳で専業主婦をクビになる>
見合い結婚して、専業主婦になり28年。
突然、夫(54歳)から好きな人が出来たから別れたいと。
相手は娘(26歳)より2つ上の28歳。
家を売却し1DKの公団暮らしになり仕事(化粧品会社のコールセンター)を
始める。

その後夫が脳出血で倒れ半身不随で今は介護施設にいると娘から知らされ
会いに来てほしいと言っていると聞き、お見舞いに。
そこで、また一緒に暮らさないか?と言われ・・・・大笑いしたあと断る。


なんだ、この旦那は!
こんな男と、別れて本当によかった!!




<第二章 51歳でこれまでの働きぶりを全否定される>
大学卒業後に就職した旅行会社で、それなりに会社に貢献してきたが
2期下の仕事が出来ないけれど、社長にごまをするのは天才的な男が取締役に
就任。
勇気を出して会社を辞めて独立する。

元会社の取締役になった男が訪ねてきて「業務提携するように社長に取り合って
あげてもいい」という話を持ってくる。
「そっちが頭を下げて頼むべきところでしょ!どう考えたって」と
突っぱねる。

うんうん、よく言った!拍手!!



<第三章 46歳で教え子の選手に逃げられる>
オリンピック選手だった大野邦子は、小学1年生の時から大切に育ててきた
大学2年になった君島鉄平から
「環境を変えることにした。別のコーチに指導してもらうことにしたから
ここにはもう来ない」と去っていく。

その後、一時はタイムが伸びた鉄平だったが、邦子がその後、育てた選手が優勝した
試合では鉄平はビリ。
再び指導を頼んでくるが「失った信頼関係は簡単には戻らない。自分の成績を
コーチのせいにする時点でダメ」と。

正に正論!



<第四章 52歳で収入がゼロになる>
ラジオパーソナリティをしている田尻綾子。
自身もフリーだが、劇作家の夫もフリーランス。
2人の息子は海外留学中。
ある日、番組のパーソナリティを交代したいということでクビに。
後でわかったのがチーフディレクターの男が自分の私的な思いで
若いパーソナリティに変えたほうがいいと社長や取締役を説得していたらしい。

綾子はその後、区会議員に立候補する女性の選挙カーに乗り
ウグイス嬢になり当選を支えたり、その議員からの紹介で女性経営者の
話し方レッスンを引き受けたりと収入も安定していく。

綾子が抜けたあとの番組は若いパーソナリティの失言が問題を起こしたりして
チーフディレクターは降格。営業に廻されたとか。



4つの話、それぞれの読後が痛快なもので、面白かった!




                     ★★★★



発行年月:2007年10月


アメリカ中がうっとりした、ターシャの魔法の木(クリスマスツリー)!
クリスマス前の1か月、テューダ家には魔法がいっぱい。
それぞれがプレゼントを手作りしているからーーー。

NHK番組「ターシャからの贈りもの」で紹介されたこの絵本はテューダ家の
クリスマスの魅力が。すべて描かれています。


             (発行/メディアファクトリー)



NHKの番組は好きで不定期の放送を楽しみにしている。
ターシャの描く絵とお話がすき。
絵は細かいところまで丁寧に描かれている。
物語は、子どもたちへの愛が溢れている。

何度も見返したくなる素敵な絵本。


クリスマスの正しい過ごし方ってこういうふうなんだなぁ~と

意外と素朴。
でもとても素敵。

ベッキーのたんじょびも今度、手に取ろう。



                        ★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

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