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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年1月


  少女の強く切なる祈りが起こした、やさしい奇跡。
『楽園のカンヴァス』の著者が長らく温めてきた、心ゆさぶる再生の物語。

                 (ポプラ社HPより)


1995年1月17日(火)午前5時46分52秒
阪神淡路大震災発生。

パン屋さんを営む阿藤家の朝は早かった。
両親はパンの仕込中。

子どもたち3人は、まだ二階の部屋。
そして、突然家が倒壊。
両親は、家の下敷きになり亡くなる。
幼い3人は、その時、足に大けがを負った丹華(にけ)を助けてくれた
お医者さんの養子として育つ。

主人公の丹華(にけ)は当時小学校3年生。
兄の逸騎は小5.妹の燦空(さんく)は保育園の年中。

そんな兄と姉妹が成長していく姿を描いた物語。

震災時の状況は、リアルで胸が痛くなりました。
それを実際に目の前でみて、自分の家族がそこに居るとわかっていながら
助け出せなかった無念な思いを抱えて今日に至る人たちがどれだけいることか?
それを想像したら堪らなくなった。

3人は、幸い、面倒をみてくれる人に巡りあえ両親は亡くしたけれど
ひとりぼっちという孤独は感じずに済んで幸運だった。

実際はもっとつらい状況を経験した人の方が多かったでしょう。


丹華たちの成長過程は微笑ましく、良い物語だとは思うけれど、
やや物足りなさを感じたのは、なぜだろう?


                          ★★★


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行年月:2013年9月

      「それが、それだけが、私の唯一の望み──」

ある一つの望みを未来に託し、ジョルジュ・サンドは永遠の眠りにつく。その昔、彼女は滞在していた古城で美しいタピスリーに魅入られた。そこに描かれた貴婦人が夜ごとサンドの夢に現れ、震える声で語りかける。「お願い、ここから出して」と──。「貴婦人と一角獣」に秘められた物語が今、幕を開ける。

                    (NHK出版HPより)


1冊丸まるアート作品という感じで、素晴らしい!!
原田さんの美術関連の本は良いですね~。

作家のジョルジュ・サンドの物語を描きながら、サンドが以前滞在したフランスの
古城・ブサック城の壁に掛けられていた6枚のタピストリーに出会い
そのなかに描かれている貴婦人との関わりが、その後、ずっと続く。

タピストリーのなかの貴婦人の物語が哀しく美しい。

何度も美しいカラーの図版を物語を読みながら、見つめた。

実際のジョルジュ・サンドの短編も収録されていて
サンドがこのタピストリーにどれだけ心を奪われたのかがわかる。


美しい美術品に纏わる物語、今後も期待しています!!


                        ★★★★★




発行年月:2013年7月


 史上初の女性総理、わが妻・凛子、君を守る!

20XX年、相馬凛子は42歳にして第111代総理大臣に選出された。夫である私・日和は鳥類研究家でありながらファースト・レディならぬファースト・ジェントルマンとして、妻を支えようと決意する。凛子は美貌、誠実で正義感にあふれ、率直な物言いも共感を呼んで支持率ばつぐん。だが税制、エネルギー、子育てなど、国民目線で女性にやさしい政策には、政財界の古くさいおじさん連中からやっかみの嵐。凛子が党首を務める直進党は議席を少数しか有せず、他党と連立を組んでいたのだが、政界のライバルたちはその隙をつき、思わぬ裏切りを画策し、こともあろうに日和へもその触手を伸ばしてきた。大荒れにして権謀術数うずまく国会で、凛子の理想は実現するのか? 山本周五郎賞作家が贈る政界エンターテインメント&夫婦愛の物語。


                    (実業之日本社HPより)



一気読みの面白さでした!!
設定からしてユニ-ク。
史上初の最年少であり女性の総理大臣誕生!
東大法学卒の才女で美貌も備えた人物。
実際、こんな女性総理大臣が誕生したら素敵だろうなぁ~。
その夫・日和は38歳の鳥類学者。
実家の母親は政財界にも顔が効くソウマグロ-バルの筆頭株主。


夫婦揃って、華麗な家族と華麗な経歴の持ち主。
けれど庶民の味方というのがちょっとうそ臭いんだけど、ま、物語なので
良しとしましょう^^;


何もかもうまく行きすぎな感じは否めないけれど、読んでいて痛快な気持ちになりました。
こんな風にリ-ダ-シップを取れる人が総理大臣になって欲しい。
選挙で当選するために考えられた建前の施政方針じゃなく、
本音で日本をどう変えて行きたいか?を語る姿を国民は求めているんだよね。


ラストは、え?と思ったけれど、ま、物語だから・・・^^;
でも実際に女性で総理大臣になるとしたら、その変のことは
少し、コントロ-ルしてほしいな。


物語としては、凄く面白かった!
ドラマ化とかしたら面白いかも。


                           ★★★★




616EaqrE0IL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2013年3月



美の巨匠たちは何と闘い、何を夢見たのか
ドガ、セザンヌ、モネ、マティス。時に異端視され、時に嘲笑されながらも新時代の美を果敢に切り拓いた偉大なアーティスト四人の愛と友情、そして格闘の日々を色鮮やかに蘇らせる短編集。


                       (集英社HPより)


4人の画家たちの日常を描いた短編集。
美術に詳しい著者だからこそ書けた物語でしょう。

「うつくしい墓」
アンリ・マティスの元で家政婦として働いていた女性・マリアの話として語られる。
マリアがマティスの家で活けたマグノリアの花一輪。
作品=マグノリアの花と静物


「エトワ-ル」
エドガ-・ドガの作品に魅せられた画家志望のメアリ-・カサットの視点で描かれる
ドガの作品についてのあれこれ。
作品=14才の小さな踊り子  障害競馬---落馬した騎手



「タンギ-爺さん」
ゴッホの作品タンギ-爺さんのモデルになった男の娘の視点で描かれる。
ゴッホと親交が深かったセザンヌ。
まだ名が世に出ない画家たちの唯一の理解者だったのが、画材屋の主人・タンギ-爺さん。
お人好しな彼のおかげでどれだけの画家が育ったか?



「ジヴェルニ-の食卓」
モネの二番目の妻の連れ子であったブランシェによって語られるお話。
美しいモネの庭園の様子とブランシェが考える食卓の様子が頭に浮かび、とても幸せな気持ちになれた。
最初の妻を亡くし、息子も亡くしたモネだけど、優しい色彩の絵は、温かい人たちに囲まれていたからだろうか?



有名な画家たちですが、どんな日常を送っていたかまでは知らなかったので、こうして物語になると
より親しみを感じて作品を見る目も変わりそう。

他の画家たちのお話ももっともっと読みたいな~。


★★★★★




519NjkUHu7L__SX230_.jpg    発行年月:2012年9月


   いじめを受け、ひきこもりだった麻生人生。
  蓼科でひとりぐらしを続ける人生の祖母、中村真麻。
  対人恐怖症の中村つぼみ。田んぼから三人は前を向いて歩み始めた-----。
  収穫のとき、それぞれの心にぬくもりが実る。

  山本周五郎賞受賞作家が描く、感動の成長小説


                                       (徳間書店HPより)



24歳でひきこもりだった麻生人生と
対人恐怖症だった21歳の中村つぼみ。
二人は血のつながりのない兄妹だった!

人生が小学校6年生のときに両親は離婚。
その後、父親は再婚し、その再婚相手の連れ子がつぼみ。

父親の母・中村真朝からの手紙をそれぞれが見て父親の実家である長野県茅野市へ。

初めて顔を合わせた人生とつぼみはお互いが真朝の孫だとは知らずに衝突。
しかし、やがて意気投合。

しかし、祖母・真朝は、認知症で人に関する記憶を無くしてしまっていた。
それでも三人は共に生活することになる。

マ-サおばあちゃんが素敵♪
人生とつぼみは、祖母が米作りをしていた1反の田んぼを耕し、祖母がやっていたという昔ながらの米作りに挑戦する。米作りの素人に知恵と力を貸すのは、村の大人達。

みんなが協力してひとつの作業を黙々とこなす。
米づくりって皆、昔はこんな風にやっていたのかな?

最初は人生が受けたいじめの凄惨なシ-ンで暗い気持ちになったけど、
勇気を出して一歩踏み出したことにより、新しい人間関係が生まれ、どんどん前向きになっていく人生の成長ぶりを読むのは気持ちよかった。

トントン拍子に上手く行きすぎなかんじもあるけど、こうなってくれたらいいなぁ~と読みながら期待していたその通りになるから嬉しかった!!

そして、ラストの場面では、ジ~ン。

真朝おばあちゃんの手紙の真相・・・・・泣けた!


文句なしの感動作でした!


★★★★★

 
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