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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年11月

印象派の画家といえばルノアール、ゴッホ、セザンヌ。今や作品が破格の値段で取引されるようになった彼らも、かつてはフランスアカデミーの反逆児だった。その嚆矢【ルビこうし】ともいうべき画家が、クロード・モネ(一八四〇~一九二六)である。彼が一八七三年に発表した《印象―日の出》が「印象のままに描いた落書き」と酷評されたのが「印象派」のはじまりである。風景の一部を切り取る構図、筆跡を残す絵筆の使い方、モチーフの極端な抽象化は、実は日本美術の影響を受けている。アート界の第一人者がモネのミステリアスな人生と印象派の潮流を徹底解説。

                   (幻冬舎新書HPより)


数々の美術絡みの物語を書いているマハさんの今回は
本格的な美術解説書というかんじ。

モネについてだけでなく、ほかの印象派の画家たちについての
解説もあり、とても興味深く読んだ。

マハさんがそんななかモネに特別の感情を抱くようになったエピソードも
素敵。
マハさんの美術との関わりの経緯も楽しめた。

絵画も多数、載せてあり、美術にさほど知識がない、わたしでも
楽しく最後まで読めた。


 

                       ★★★★
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発行年月:2016年10月


西洋と東洋の芸術を融合し、新しい陶芸の世界を切り拓いたイギリス人陶芸家バーナード・リーチ。日本を愛し日本に愛されたその半生を二代にわたり弟子となった名も無き父子の視点から描く感動長編。       

                   (集英社HPより)



名前は聞いたことあったけど、こんなに日本と関係があった人だったとは
知らなかった。

日本に来るキッカケになったのがイギリス留学中の高村光太郎とか。
そして、その高村光太郎が日本で沖亀太郎と留学前にあっていたという
偶然から、物語が始まって行く。
人の縁っていうのは、こうしてどんどん広がっていくんだなぁ~。

亀太郎は、光太郎の口利きで光太郎の父・光雲の書生となる。
光雲は東京美術大学で彫刻を教えていた。
そんな高村家にある日、訪ねて来たイギリス人のバーナード・リーチ。


亀太郎は、リーチの側で長く過ごすこととなる。
亀太郎自身は、特別、有名人になったわけではないけれど、リーチの作品づくりの
大きな手助けをした人物。
やがて、亀之助の息子・高市が父の功績を辿る。

この物語は、事実を基に書かれたと最後にあったけど、亀之助は実在した
人物なのかな~?
リーチがイギリスに戻り、セントアイヴスで作品作りをするとき、
亀之助と同様、手助けした濱田庄司は陶芸家として世に知られている人物の
ようだけど。。。。

でも亀之助とリーチの信頼関係がこの物語の核。


リーチの作品、観に行きたいなぁ~。


素敵な物語でした!


                          ★★★★★
 




発行年月:2016年9月


 ゴッホにセザンヌ、ルノワール。綺羅星のようなコレクションを誇った美術館は、二〇一三年、市の財政難から存続の危機にさらされる。市民の暮らしと前時代の遺物、どちらを選ぶべきなのか? 全米を巻き込んだ論争は、ある老人の切なる思いによって変わっていく――。実話をもとに描かれる、ささやかで偉大な奇跡の物語。

                  (新潮社HPより)



デトロイト美術館展を初夏に観ました!
とても見応えのある素敵な展示会でしたが、このマダム・セザンヌはあったかな?
記憶にないのが残念です^^;

第1章~4章まで。
表紙のセザンヌの絵、<マダム・セザンヌ>が共通して出てくる。
セザンヌの妻・<オルタンス>を描いた絵。
独特の表情。ずっと見ていて飽きない絵。
その絵に魅了された者たちの物語。

第1章は妻と一緒に行ったデトロイト美術館の思い出を大切にしているフレッドの話。
亡くなる前に行ったとき、<マダム・セザンヌ>を一緒に観て会話したことを
思い出しながら<オルタンス>に会いに行くことは妻に会いに行くと等しいことと
なっている。

第2章は、巨万の富に恵まれ多くの美術品を収集していたロバートの話。
特にお気に入りだった<マダム・セザンヌ>は、ロバートの亡きあと
その遺志によりデトロイト美術館の一室の壁に掛けられる。

第3章はデトロイト美術館のコレクション担当チーフ・キュレーターの
ジェフィリーの話。
大学時代からポール・セザンヌの研究をしてきた。
デトロイト市が財政破綻の危機に瀕し、その救済措置としてデトロイト美術館の
コレクション売却の話が出ていた。
そこに第1章のフレッドが訪ねて来て、小切手を差し出す。

第4章は、第3章から引き続き、デトロイト美術館のコレクションを守る
奇跡の働きの話。


こんなに素敵な奇跡の物語がデトロイト美術館にあったんですね~。

短いお話でしたが、素敵な物語でした!


                          ★★★★





発行年月:2016年3月


 反戦のシンボルにして20世紀を代表する絵画、ピカソの〈ゲルニカ〉。国連本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003年のある日、突然姿を消した――誰が〈ゲルニカ〉を隠したのか? ベストセラー『楽園のカンヴァス』から4年。現代のニューヨーク、スペインと大戦前のパリが交錯する、知的スリルにあふれた長編小説。

                     (新潮社HPより)




マハさんらしい素晴らしい美術が軸になったお話でした!

表紙のピカソの絵をめぐる物語。

1937年のパリにいるピカソの物語と
2001年のニューヨークにいる瑤子の物語が交代で語られ
やがて、それは繋がっていく。

ピカソの側にいたのは、女性芸術家のドラ。
ピカソの作品でもモデルになっている有名な「泣く女」がすぐに頭に浮かびました。
そんなドラとの生活も興味深かった。

1936年ピカソの故郷があるスペインは内戦勃発により、ゲルニカは空爆により
大きな被害を受け、沢山の人の命が奪われた。
そのことに大きな衝撃を受けたピカソが反戦の想いを世界に広めるため
作成したのが「ゲルニカ」。

2001年のニューヨークの瑤子は、MOMAのキュレーターとして
スペイン留学で知り合った夫と暮らしていた。
が・・・9.11の犠牲になってしまう。


アートの力で世界を変えていく・・・そのために、瑤子は企画しているピカソの
作品展で、ピカソのゲルニカを展示したいと強く思う。


後半、瑤子が拉致された場面は、なかなかスリリングでした。
そのリーダーのひとりウルの考え方もなんだかわかる。
ウルの妻・マイラが瑤子に見せた鳩の絵の写真の真相が、後でわかり
マイラには生きて再登場して欲しかったなぁ~と思った。


一気読みの面白さでした!!


                         ★★★★★



発行年月:2015年11月


  <書籍の内容 〉乙女な心を持つ美術系男子のラブコメディ!
有名政治家を父に持つ遠明寺(おんみょうじ)美智之(みちの)輔(すけ)は、子どもの頃から絵を描くことが好きな乙女な男の子。恋愛対象が同性の美智之輔は、同級生の高瀬君に憧れていたが、思いを告げることもないまま、日本の美大を卒業後、憧れのパリへ留学していた。
ある日、アルバイト先のカフェで美智之輔は、ぼさぼさのおかっぱ髪でベース形の顔が目を惹く羽生(はぶ)光(み)晴(はる)という女性と出会う。凄まじい勢いでパソコンのキーボードを打つ彼女は、偶然にも美智之輔が愛読している超人気ハードボイルド小説の作者。訳あって歴史あるリトグラフ工房idemに匿われているという。
過去にはピカソなどの有名アーティストが作品を生み出してきたプレス機の並ぶその工房で、リトグラフの奥深さに感動した美智之輔は、光晴をサポートしつつ、リトグラフ制作を行うことになるが……。
〈 編集者からのおすすめ情報 〉
小説『ロマンシエ』に登場するパリのリトグラフ工房“idem"とコラボした展示会がを開催します(2015年12月5日から2016年2月7日まで、東京・丸の内のステーションギャラリーにて)。小説を読んでから展覧会に行くもよし、展覧会でリトグラフを楽しんでから小説を読んでもよし。小説(フィクション)と展覧会(リアル)がリンクした初の試みをお楽しみください。


                   (小学館HPより)



マハさんお得意の美術のお話でしたが、コメディタッチの物語でした。
舞台はパリ。
芸術の都で美大卒の遠明寺美智之輔が、アーティストデビューを夢見ながら
歴史あるリトグラフ工房<idem>のメンバーに知り合う幸運から
物語が面白くなっていく。

美智之輔の見た目はイケメン実は乙女という設定も愉快だったけど、恋が実らず
ちょっと切ないかんじ。

美術とパリに詳しい人なら、もっともっとこの物語を楽しめたんだろうなぁ~。

ま、そこそこ楽しめましたが・・・・^^;
一番面白かったのは、カーチェイスの場面(笑)。


                      ★★★
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