発行年月:2018年8月
家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ、専業主婦の詩穂。娘とたった二人だけの、途方もなく繰り返される毎日。幸せなはずなのに、自分の選択が正しかったのか迷う彼女のまわりには、性別や立場が違っても、同じく現実に苦しむ人たちがいた。二児を抱え、自分に熱があっても休めない多忙なワーキングマザー。医者の夫との間に子どもができず、姑や患者にプレッシャーをかけられる主婦。外資系企業で働く妻の代わりに、二年間の育休をとり、1歳の娘を育てるエリート公務員。誰にも頼れず、いつしか限界を迎える彼らに、詩穂は優しく寄り添い、自分にできることを考え始める――。
手を抜いたっていい。休んだっていい。でも、誰もが考えなければいけないこと。
終わりのない「仕事」と戦う人たちをめぐる、優しさと元気にあふれた傑作長編!
(発行:講談社)
専業主婦の村上詩穂。
2歳の娘を毎日、一人で世話している。
家事も欠かさず、励みそれでいいとしていたけれど、周りの人たちの反応に
心を乱されることも。
3歳の息子を持つワーキングママの長野礼子。
エリート公務員で妻に代わり、育児休暇を2年間取っている1歳の娘の父親・中谷達也。
と接しながら、自分が彼らの手助けをすることで親交を深めていく。
保育園に子どもを預けず、自分で24時間子どもと接する専業主婦の子育ては
本当にしんどい。
でも同じような境遇の知り合いが出来るとかなり精神的に楽になる。
毎日、公園に子どもを連れていき、そこで出会うママ友の存在は大きい。
志穂の場合、それはパパ友だったけど・・・
そしてそのパパ友・達也からは、ちょっと心乱される発言もあるんだけど
お互いを段々、理解するようになって、
最後は、それを妬んでいた人もすんなり受け入れていく。
詩穂は素敵な女性だと思った。
子育ての大変さを描きながら、それを克服する方法も同時に描いていて
なんだか、心温まるラストになっていた。
子育てをほぼ終えた自分には、子育て中を思い出す内容だったけど、
こういう本は、男性に読んで欲しいかも。
★★★
発行年月:2016年11月
読み始めると心がざわつく。
何気ない日常の、ふわりとした安堵感にふとさしこむ影。
淡々と描かれる暮らしのなか、綻びや継ぎ目が露わになる。
あひるを飼うことになった家族と学校帰りに集まってくる子供たち。一瞬幸せな日常の危うさが描かれた「あひる」。おばあちゃんと孫たち、近所の兄妹とのふれあいを通して、揺れ動く子供たちの心の在りようを、あたたかくそして鋭く描く「おばあちゃんの家」「森の兄妹」の3編を収録。
(書肆侃侃房HPより)
芥川賞候補作だったという<あひる>は、3つの短編の最初にありました。
父親の元同僚の飼っていた、あひるを譲り受けて飼うことになった家族の話。
両親と共に暮らす女性の目線で書かれている。
女性は就活のための勉強中であひるを飼うことになった家に
子ども達が遊びに来たり、それに対応する両親の様子などを観察している。
微笑ましい光景だなぁ~と思って最初は読んでいたけれど・・・・
あひるが弱って・・・居なくなり、新たなあひるを飼うことを繰り返す。
4匹目のあひるが飼われた後は、弟家族が引っ越して来るというところで
終わる。
何という事はない話なんだけど、なんだろう?
不思議と哀しい気持ちになる。
次の<おばあちゃんの家>も<森の兄妹>も
特に何かが起きると言う話ではないいんだけど・・・共通したどこか
懐かしい、哀愁を帯びた物悲しさがあって、それが読み終えたあとも
ずっと胸のなかに残っている不思議な感覚。
作者は、自分と同じくらいの年齢か?とプロフィールを見たら
1980年生まれだった。
<こちらあみ子>は読んで他のも読みたいとこちらを手に取ったけど、
共通の何かを感じる。
何かを上手く表現できないのだけど・・・^^;
また違う作品も探してみたくなる。
★★★★
発行年月:2018年6月
「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」。突然の依頼に、かつての凄惨な体験が作家の脳裏に浮かぶ。解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。作家は、事件を小説にすることで解決を目論むが――。驚愕の展開とどんでん返しの波状攻撃、そして導かれる最恐の真実。読み始めたら引き返せない、戦慄の暗黒ミステリ!
(新潮社HPより)
5つの怪談と最終章ではその総括的な話。
最初の<染み>を夕方~夜に読んだので、怖さが倍増(;O;)
結婚を考えている男女が占い師の元を訪れる。
そのお告げに激怒した彼は占い料金も払わず、その後も罵詈雑言ばかり。
そんな姿を見て興ざめした女性。
結婚自体を白紙にしたほうがいいかも?と思い始めていた矢先
彼が交通事故死。
結婚まで決めたのに、なんでそんな所、行ったのよ~!!と突っ込んだ(笑)。
その後の話は
<お祓いを頼む女>
<妄言>
<助けてって言ったのに>
<誰かの怪異>
そして最終話の<禁忌>。
要するに・・・全部の怪談話に絡んでいたのは、最初で出て来た占い師。
占い師に占って貰った事も、占って欲しいと思った事もないけれど・・・
今後も近づかないようにしようと強く思った^^;
2章以降は昼間に読んだので(?)、全然、怖くはなかった。
気味は悪いんだけど・・・
それから、本の装幀が怖い。
芦沢さんの他の本もちょっと怖い物見たさ的に読んでみたいけど
装幀が怖いから手に取るのを躊躇します^^;
★★★
発行年月:2017年6月
主人公・林ちひろは中学3年生。出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、その信仰は少しずつ家族を崩壊させていく。第39回野間文芸新人賞受賞作。
(朝日新聞出版HPより)
新興宗教にハマった経緯は、なんとなく理解できるけれど
家族皆がハマらないと一緒に生活するのは難しいんだろうなぁ~。
ちひろの姉・まさみは、そんな家庭環境に順応出来ず逃げ出した。
それはそれで正解だと思う。
よく行動に移したと感心した。
主人公のちひろは、親が宗教を信じるキッカケを作ったからというのもあって
付き合ってあげているというかんじ。
優しい子だな。
周りに偏見の目で見られても、よき友人、なべちゃんがいるから安心。
なべちゃんの彼(?)新村くんも、ちひろの立場を理解してくれている様子。
まだ15歳だからね。
親に依存している部分あると思うけど、少しずつ距離を置いていくのが
良いと思うなぁ~。
雄三おじさんは、頼れそうだし、その家族も、ちひろの力になってくれそう。
新興宗教っれ怪し気で、胡散臭いけど、それを信じている人たちを
否定するのは、どうなのかな?とこれ読んで思った。
宗教抜きにしたら、良い人たちなんだよね。
研修先で星を眺める場面は、ほのぼのしていて、それがラストなので
読後感はほんわか。
あまりこの著者の本、読んではいないけど、独特の雰囲気ある作家さんだな。
★★★
発行年月:2018年6月
勝てなくてもいい。でも、もう逃げない。夫のDVから子どもを連れて逃げた先で出会ったものは――。現代を生きるすべての女性にエールを贈る、感涙必至のボクシング小説誕生! 暴力を振るう夫に耐えかねて、小学一年生の娘と共に新大久保に逃げてきた33歳の愛。同僚のダイエットの付添いとしてボクササイズに通い始めるが、素質を見出され、なぜか本格的にプロを目指すことに。さらに、思いもしなかった強敵と戦うことになってしまい……。これまで流されるままに生きてきた女性が、ボクシングを通して自らの力で人生を切り拓いていくまでを描いた、汗と涙の長編小説。
(PHP研究所HPより)
DV夫から逃げて6歳の娘を抱えて自立していく女性の姿に読みながら
エールを送っていた。
逃げた先で助けてくれる人が周りに沢山いて良かった!
勤務先のアニメスラムの店員・モモコに誘われて渋々、始めたボクササイズ。
そこからボクシングの練習に励む愛。
ボクシングジムの会長・永倉、トレーナー・沖田、会長の姪の望実。
みんなが愛を応援している環境が愛の自立を助けた。
フライ級チャンピオン・美闘夕紀との試合は、痛々しくて・・・
それでも立ち上がる・・・
試合の前にマリオが現れたけど、あれは必要だったかなぁ~?
素人同然がチャンピオンに挑む試合の前に骨折って・・・無理あるでしょ?
試合を終えてからマリオに会って、以前の自分とは違うという姿を見せつけて
恰好良くバイバイってしてほしかったなぁ~。
ま、でも楽しめた。
ボクシング全然、詳しくないけど夢中になれた。
★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
