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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2024年8月


幼い頃海外で暮らしていたまどかは、
番犬用の仔犬としてローデシアン・リッジバックの「虎」と出会った。
唯一無二の相棒だったが、一家は帰国にあたり、
犬を連れて行かない決断をして――。


                (河出書房新社HPより)




これは著者の体験による物語のよう。

小学校1年生~4年生まで父親の仕事の関係でアフリカのザンビアで過ごした
そうで・・・・。

この物語の主人公・まどかは、両親と弟と治安の悪い地に暮らすことに。
治安の悪いこの地では番犬として犬を何匹か飼うのが普通で、
まどかはそのなかの「虎」と名付けた犬を特に可愛がる。
小さいときは臆病だったが成長するとともに逞しくなり
力も強く、本能を発揮したときには、まどかの力では制御できないほど。

その描写がリアルで日本で飼っている愛犬とは、別物なんだと感じる。
実際に強盗が入って来そうになったとき、相手に襲い掛かる様は
獣というかんじで怖かった。
治安の悪い地では、そういう犬でないと飼う意味がないんでしょうけれど・・・
帰国が決まったとき、「虎」を置き去りにしたことは仕方ないと思うし
「虎」にとってもよかったと思う。


物語は、まどかが32歳になり恋人・博人がいての今と子どもの頃、「虎」と
過ごした時間とが代わる代わる語られる。

博人とは、自然な成り行きで子どもが出来たら結婚しようと言っているのに
内緒でピルを飲み続け、それがある日、ばれて・・・・

子どもを育てる自信を失くしてしまっていた、まどかの気持ちは
わかるようなわからないような・・・。


表紙の犬はシベリアンハスキーっぽいけれど、「虎」はローデシアン・リッジバック
という種類らしい。
写真で見たけれど、筋肉だけというかんじの、ちょっと近づきにくいかんじの犬
だった。


ササッと読めたけれど、今までの千早さんの話とはちょっと違うかんじ。



                       ★★★
選んで飼うことに。
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発行年月:2023年1月


ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙は多くの人々から賞賛された。二年の後、菊之助の縁者という侍が仇討ちの顛末を知りたいと、芝居小屋を訪れるが――。現代人の心を揺さぶり勇気づける令和の革命的傑作誕生!
受賞
第169回 直木三十五賞
受賞
第36回 山本周五郎賞


                  (新潮社HPより)




面白かった!

冒頭からあだ討ちの場面。

父のあだ討ちを遂げた菊之助。
その後、菊之助は国に帰り、家督を継ぎ平穏に暮らしているという。

その時の様子を目撃した人々を訪ね回って聞く何者か。
目撃者の話が順番に語られる。


<第一幕 芝居茶屋の場>

芝居小屋・森田座の木戸芸者・一八が語る

<第二幕  稽古場の場>
芝居の殺陣を指南している与三郎が語る

<第三幕 衣装部屋の場>
端役の衣装を整え、自らも端役として舞台に上がる二代目・芳澤ほたるが語る

<第四幕  長屋の場>
小道具を設える久蔵が語る

<第五幕 桝席の場>
戯作者・篠田金治(野々山正二)が語る

<終幕 国元屋敷の場>
仇討ちの様子を聞いて廻った総一郎に菊之助が語る仇討ちの真相


仇討ち・・・これには深い真相があったのだと知る。

菊之助が斬った男・作兵衛は、菊之助の父親の元で働いていた男。
父はある不正に気付き、正そうとしたがご家老やその周りの者たちから
不正を暴こうとするならと脅され自らの命を絶とうとまで悩んでいた。

そんな苦悩も作兵衛は知っていた。


正義を貫こうとする者が理不尽な目に遇うのは、許せない!

ご家老に取り入り、不正に加担していた菊之助の叔父も酷い!


仇討ちを見ていた人たちの話から、終盤、明かされた真相には
「なるほど!」と


最後は、スカッとする終わり方だった。


初読みの作家さんだったけれど、さすがの受賞作!
他の作品も読んでみたくなった。



                     ★★★★★



発行年月:2024年8月


その生きにくさ、ひとりで抱えなくていいのかもしれません-ー。
2つの3人家族が始めた共同生活。でもあっちの家族にいたのは、となりのクラスの変わり者で…!? 
野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞、小学館児童出版文化賞受賞の椰月美智子が贈る、人生の賛歌。さあ、“あたりまえ”の先へ!
●あらすじ
主人公・美琴は、シングルマザーのお母さんとおばあちゃんと暮らしている中学1年生。
ある夏、お母さんがかつて同級生だった朱美さんと再会し、古い家を買って一緒に住むという計画を突然発表します。
お母さんはこんな勝手な人ではなかったはずなのに……。
どんな人たちなかよく知らないまま、共同生活がスタートするのですが、紹介されたのは、すこし変わった人として名を馳せるとなりのクラスの子。
でも、6人で一緒に暮らす中、いろんな“あたりまえ”が色あざやかに変わっていくのです……。


                    (講談社HPより)



二つの家族が一つ屋根の下で暮らし、段々と絆を深めていく物語。


大沢美琴(中学1年生)
美琴の母・・・・響子(52歳)
美琴の祖母・・・節子(80歳)

堤下野々花(中学1年生)
野々花の母・・・優菜(32歳)
野々花の祖母・・・朱美(52歳)


美琴と野々花は同じ中学の同級生。
けれど、一緒に暮らすまでは、何ら関わりなく、同じ中学なので
変わり者という同級生たちの噂だけで知っていたくらい。
美琴の母(響子)と野々花の母(朱美)が親友で、
二人で話し合って決めた共同生活。
古民家を二人で購入後、その話を聞いた美琴は戸惑いつつも従い
変わり者の同級生・野々花やその母親・優菜のことを最初は
どう接していいかわからないというかんじ。

美琴の祖母の庭仕事をよく手伝う野々花。
生物部に所属している野々花は、口数は少ないながらも素直。
そんな野々花のことを少しずつ理解し、親しくなっていく。

美琴の親友・ひなたが遊びにきて、野々花を誘って一緒におやつを食べたり
三人で出かけ、成り行きで、カラオケに行ってからその距離はぐんと
縮まる。
いいかんじ(^^)

途中、美琴の母、響子に重大な病気な見つかり、どうなる?と心配したけれど
快方に向かい、ホッとしたあと、祖母が倒れるというショック。

二つの家族が一緒に暮らすことになった理由。
表題の意味もわかった。

正直、みかん=未完だろうな・・・は容易に想像できたけれど。。。

楽しいお話だった。



                       ★★★★


発行年月:2023年10月


塞がれた窓、防音壁、追加錠…監禁目的の改装が施された民家で男性死体が発見された。警視庁捜査一課殺人班十一係主任、姫川玲子が特捜に入るも、現場は証拠が隠滅されていて糸口はない。犯人は何の目的で死体を放置したのか?玲子の天性の勘と閃き、そして久江の心に寄り添う聞き込みで捜査が進展すると、思いもよらない人物が浮かび上がってきて――

                     (光文社HPより)




久しぶりの姫川シリーズ。

やはり、面白い。
事件そのものは、酷いものなんだけど・・・

今回、一緒に捜査する魚住久江が登場。
姫川と魚住・・・・なかなかいいかんじ。
性格は違うけれど、相性が良さそう。
魚住の観察眼とそれに伴う気遣いは、ひとりの女性としても魅力的。
年は魚住の方が上。魚住45歳で姫川36歳?
階級は姫川が上なので魚住は職場では敬語。
でも二人で居るときは、それが、やや砕けた感じになり親友のよう。


事件の背景にあったのは、慰安婦問題。
なかなか凄いものを持ってきたなぁ~。

もうずっと日本政府と韓国政府の見解が平行線みたくなっていて
よくわからない。

誉田さんは、このなかで、慰安婦問題そのものがでっちあげと。
物語だから、なんでもありなのかな?
ちょっとドキッとしてしまった。


ドラマをみていたので、やはり姫川は竹内結子さんの顔が浮かぶ。
魚住は松下由樹さん。
実写でふたりがこの物語のように、会話するのを見てみたかった。
それが叶わないんだと思うとただただ残念で仕方ない・・・(/_;)

姫川が出てくるたびに今後も竹内さんの顔が浮かびそう。



                       ★★★



発行年月:2022年7月


真っ直ぐだから怖い、純粋だから切ない。あの人のこと、笑えますか。
“普通”の可笑しみから、私たちの真の姿と世界の深淵が顔を出す。
大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店とんこつで働き始めた「わたし」。「いらっしゃいませ」を言えるようになり、居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは――(「とんこつQ&A」)
姉の同級生には、とんでもない嘘つき少年がいた。父いわく、そういう奴はそのうち消えていなくなってしまうらしいが……(「嘘の道」)
人間の取り返しのつかない刹那を描いた4篇を収録、待望の最新作品集!


                   (講談社HPより)




どの話も面白かった。

主人公たちは、だれも一生懸命なんだけれど、ちょっと不器用というか
融通が利かないというか・・・・


<とんこつQ&A>
中華料理店「とんこつ」で働き始めて7年の今川の話。
最初は接客がまったくできず、勤務時間中、直立不動でいるのだけど
メモに書いた言葉を読むという方法で、どんどん接客が出来るようになっていく。
普通、そこまで行く前にクビになりそうだけど、店主と息子さんも
少し変わっている・・・・^m^
でも、似たような人が新しく加わり・・・

今川がそれでも、ずっと働き続けられてよかった。


次の<嘘の道>は、ちょっと怖い。
町内の嘘つき少年のことが度々、家族間の会話に出てきて
「そういう奴はいつの間にか消えちゃうんだよ」と父親が言う。
それは姉と弟の身に降りかかることになるという話。

<良夫婦>
妻の友加里が、ある日、偶然、知り合った小学生・タム。
以後、友加里はタムのためにお菓子を用意して少年の下校を待つように。
いつもお腹が空いているし、がりがりに痩せているのは虐待じゃないか?と
夫にも相談。
痣がないか?も観察するように。

思い込みは、危険だけど、気持ちはちょっとわかるかな?


<冷たい大根の煮物>
工場勤務を始めた19歳のわたし。
ほかの人から「芝山さんにはお金を貸したらダメだよ」と忠告される。
芝山さんに近所の安いスーパーを案内することになり、その帰り
アパートに。帰るまえに味噌汁を作ってくれて、以後、度々、アパートで
夕食のおかずを作って置いていってくれる。
自分の家の夕食も作って持ち帰る芝山さん。
ある日、お財布を忘れちゃったというので、1万円を貸す。
その日は、大根の煮物を作ってくれたが、翌日、芝山さんは会社を辞めたと
聞く。

1万円は返ってこなくても、それ以上のものを貰ったとおもうな~。
ちゃんと自炊するようになったのは芝山さんのおかげだものね。


前回読んだ「父と私の桜尾通り商店街」も短編集だったけど
こちらも面白かった。




                     ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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