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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2024年7月


サイキック能力を持つ中学生のキヨカと、近所に住む友おじさんの、ささやかだけれどかけがえのない連帯。人がそれぞれの力を発揮して生き抜くための、知恵と哲学が詰まった最新長編!
「友おじさん、どうして人は色とかお金とかに目がくらむの?」
「人はいつだって、今の人生をとにかく変えたいと思ってるからだよ。」
下町で生まれ育ったキヨカは幼いころから、目に見えないものが見える能力を持っていた。中学生になって、ご近所に住む友おじさんが運営する「自習室」の空間を、その力で清めるアルバイトをしていた。そんなある日、母と離婚して家を出た父が、自殺未遂を図ったという連絡が入って――。人と違う能力を持つ少女が世界を生き延びるための、暮らしの知恵が詰まった最新長編


                 (河出書房新社HPより)




キヨカみたいな能力を持つ子は、生き難い部分もありそう。

でも、キヨカは恵まれている。
能力のことを知っている、母親、近所の友おじさんがキヨカを大事に想って
くれている。

辛いことが起きても淡々と受け入れ、前に進む。
くよくよ考えて暗い何かに取りつかれてしまわないように・・・。


途中で登場の国人くんと犬のクロとの出会いは運命的!
キヨカと国人くんの会話が最初から凄くいいかんじで
絶対に二人は離れたらダメ!と思った。


二人の子ども・実緒ちゃんの存在がまた二人を強く結びつけてくれたようで
嬉しいラストだった。

あとがきで、ばななさん、新しいものが入ってこなくなったら引退したほうが
いいかな?と思った時期があったとか。
新しいもの?
これも別にあたらしいかんじじゃなかったけれど、素敵な話だったし
こういうかんじでまた何か別のお話、書いて欲しいな。



                     ★★★
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発行年月:2024年2月


藤原道長の栄華を転覆させようと都を暗躍する盗賊たち。道長邸で働く女房・小紅は、盗賊の首魁が死んだはずの兄との噂を知り探索を始める。その過程で権力を巡る暗闘とそれに翻弄される者たちの恨みを知った小紅は、やがて王朝を脅かす秘密へと辿り着き――紫式部、和泉式部も巻き込んで咲き誇る平安ロマン、艶やかに開幕。

                 (新潮社HPより)



面白かった!!
大河ドラマの影響もあり、すんなり話が頭に入って来たのもよかった!

時もちょうど、今の大河ドラマとおなじ。
紫式部が物語を書き始めた頃で、道長邸(土御門第)で働く小紅も
新しい物語を読むのを楽しみにしている。

時は、道長の時代だけれど、そんな道長を憎む者もして
その盗賊の首魁が小紅の兄・保輔だという。
その兄・保輔は捕らえられ獄中、自害したと聞くが
小紅の記憶の兄は無骨ながらも優しい兄だった。
そして再び、賊が土御門第に侵入する。

小紅は、兄・保輔と賊の関係を知りたいと一人、模索する。

小紅の兄は3人いて、保輔は3男。
長男は闇討ちで殺害されており、次男の保昌は、道長に仕えている。


賊と対面して兄の生前のことを聞くが、その賊たちもやがて何者かに惨殺される。
賊の仲間で一人生き延びた少女・御以子は、兄のことを父親だと言っていた。
その謎ときもなかなか興味深いものだった。

保輔と道長の妻・倫子との関係は、なんだか胸キュンものだったし
ドラマにしても十分、面白そうな物語だった!



                      ★★★★★




発行年月:2024年1月


ひとは、「独り」から逃れられない。
著者史上最もグロテスクで怖い10の物語から成る、最高精度の小説集。
バイト先のコンビニに現れた女から、青年は「ある頼みごと」をされて──「ぴぴぴーズ」
男を溺れさせる、そんな自分の体にすがって生きるしかない女は──「みみず」
刺繍作家の女は、20年以上ともに暮らした夫の黒い過去を知ってしまい──「刺繍の本棚」
女たちは連れ立って、「ドクターF」と名乗る男との待ち合わせに向かうが──「錠剤F」
……ほか、あなたの孤独を掘り起こす短編10作を収録


                   (集英社HPより)


どの話も、嫌なかんじ。

ちょっと笑えたのが<あたらしい日よけ>
定職屋を営む夫婦。
台風で二階の日よけが飛ばされ、それによって隠れていたシミが
「おんなのあそこにみえるから、なんとかしてほしい」と言われる。
新しい日よけをAmazonで注文するが数日、経っても届かず、手違いで
少し遅れると。
結局、妻がペンキを塗るというはなし。

なんじゃそりゃ??という話なんだけど、妙に可笑しかった^m^


あとは、なんだか読んでいて気持ちがゾワゾワ。

<みみず>の最後は、もう悲鳴上げそうだったわ(^^ゞ


表題の<錠剤F>の結末は・・・「え?」と驚いたけれど、
こういうわけがわからないものに、近づかない方がいいと思うな。


しかし、井上荒野さん、すごい思考だなと感心。
60歳過ぎて、こんなの書くって・・・・。




                        ★★★



発行年月:


おちか、ついに母となる。宮部みゆきのライフワーク、待望の第九弾!
行く当てのない女達のため土から生まれた不動明王。悲劇に見舞われた少女の執念が生んだ家族を守る人形。描きたいものを自在に描ける不思議な筆。そして、人ならざる者たちの里で育った者が語る物語。
恐ろしくも暖かい百物語に心を動かされ、富次郎は決意を固める──。

                (角川書店HPより)



三島屋の百物語も9冊目なんだなぁ~。
聞き手がおちかから三島屋の次男・富次郎に変わったときは、少し
がっかりしちゃったけれど、聞き手としての富次郎もいいなと思えるようになった。
お気楽ものだとおもっていたけれど、ちゃんとした志すものがあるようで
今回は、どんな富次郎の葛藤のようなものも感じられて応援したい
気持ちが強くなった。

おちかも無事に女の子・小梅を出産。
その成長の話も今後、読ませてもらえるのかなぁ~と期待。


百物語は、今回は4つ。
表題の<青瓜不動>は、最初の話。望まない妊娠をしたお奈津。
自分で冷たい水に浸かり堕胎。
その後は、荒れた人気のない寺に棲み、そこで行商の六輔爺さんから
瓜の苗を植えろと言われ、それに従う。
育った青い瓜は、その土の悪い物を吸収し、食べられないが、それを
何度か繰り返すことによって作物が育つ土が出来ると。
奈津は、その後、自分と同じような境遇に置かれた女性たちを寺に住まわせる。

次の話<だんだん人形>も、おびんという村で評判の器量よしの少女が
悪代官によって辛い目に遇う話から始まる。
村人たちのために自分が犠牲になるおびんが作った土人形。
語り手の祖先が、おびんから貰った土人形が4代に渡って命を救ったという話。


<自在の筆>
絵師の男が、自身の筆を折り、それを飲み込み命、果てたという話。
この話を聞いた富次郎は、自身の絵師になりたいという気持ちに封印しようと決める。

<針雨の里>
ヤマワタリの巣とその卵の殻を売ることで生活している里に暮らすことになったナナシ。
そこでは雨の日は気を付けないいけないと。
針のように刺されて体に穴が開いてしまうからと。

その里に暮らす人たちの本当の姿がわかり、なんだか切ない気持ちになった。
ナナシとハチは村を出たあと幸せに暮らせたと信じたい。



今回も面白かった。

まだまだ読みたい、このシリーズ。



                      ★★★★★



発行年月:2023年9月


そのホテルを訪れたのは、逃走中の不幸な彼女と、不運な殺し屋。そして――
累計300万部突破、殺し屋シリーズ書き下ろし最新作
『マリアビートル』から数年後、物騒な奴らは何度でも!
やることなすことツキに見放されている殺し屋・七尾。通称「天道虫」と呼ばれる彼が請け負ったのは、超高級ホテルの一室にプレゼントを届けるという「簡単かつ安全な仕事」のはずだった――。時を同じくして、そのホテルには驚異的な記憶力を備えた女性・紙野結花が身を潜めていた。彼女を狙って、非合法な裏の仕事を生業にする人間たちが集まってくる……。


                     (角川書店HPより)



殺し屋・天道虫(七尾)が、今回は、ホテルへ。
ただ届け物を渡して帰るだけだったのに・・・・
届け先をうっかり間違えたばかりに、ややここしいことに巻き込まれる羽目に。
流石、運の悪い男。
でも、それだから面白い物語になっている・・・( ´艸`)


ホテルには、もう一人、自身に非はないのに厄介ごとに巻き込まれている女性
紙野結花がいて、身の危険を感じている。
ココというおばちゃんハッカーが、その身をなんとか守ろうと奮闘。
紙野は乾の元で働いていた。
記憶力が驚異的で、乾からいろいろなことを暗記させられ多くの秘密を
握っている。

その紙野を捕らえようとする6人組(武器は吹き矢)。

ココからボディガードとして呼ばれた高良と奏田。

遺体処理屋のモウフとマクラ(二人とも小柄な女性)

そして15年前の快速列車内の殺傷事件でヒーロー的存在になった蓬実篤と
秘書の佐藤。

七尾は、途中で紙野から助けを求められ、厄介事に飛び込むことに・・・

運は悪いけれど、とっさの判断は、さすがで、運の悪いことも彼の強みみたいに
なっているのが可笑しい。ちゃんと最後まで紙野を助けるし
人間的にも好感が持てる。


始終、ドタバタしているけれど、わかりやすく、最後はスカッとするのもいい。

ヒーロー的存在だった蓬がとんでもない奴だったのには驚いた。
乾を嫌っていた紙野だが、本当は、良い人だった。
ああ、人ってわからない。


このシリーズ、いいな。
人が結構、エグイ死に方するんだけど、サラッと流してくれるから平気だし。
殺し屋仲間の絆(?)みたいなものあって楽しい。


                    ★★★★★

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