発行年月:2008年7月
夜行列車の旅の途中、友人は言った。
「俺さ、おまえの奥さんは、もうこの世にいないと思う。おまえが殺したから」――
『月の裏側』の塚崎多聞、再登場!こ
れが恩田陸版トラベルミステリ!
(幻冬舎HPより)
恩田作品は結構、読んでいるけれど、このシリーズは未読だった。
このシリーズの新作が最近、発行されて、さらにこの前に出ている
「月の裏側」もあるとは・・・・
主人公は塚崎多聞。
大出レコード会社のピロデューサ。
交流関係が広いようで、色んな人物が登場。
二つ目までの話は、よくいく飲み屋で知り合った人物たちとのこと
怪談とまではいかなくてもちょっと不気味な話がつづき、その真相を
追求するようなかんじで話がすすむ。
すっきり解決するものより、「でもよくわからないね~」という話が多い。
<木守り男>
散歩すると会うことが多い大学の先輩・田代。
田代が語る夢の続きを会うたび聞いていて・・「その続きは?」と
問うと「木守り男にでもきけ」と去っていく・・・
ふと木の上を見ると男が!?
少年のこえで「こもりおとこ」と
最初から不気味なはなし。
木守り男=子守り男??? なんなんだ???
<悪魔を憐れむ歌>
不思議なボーカリストがいるという噂。
その歌声を聞いた何人かは不審な死に方をしているという。
これは少し哀しいかんじ。
怖くはないけど・・・
<幻影シネマ>
ミュージッククリップのロケハンでH県O市へ来た多聞たち。
メンバーの一人・保はここの出身だけど、なんだか妙に怯えている。
幼い頃の怖かった体験は、記憶が混乱してしまうという話。
保がこのさき、地元に気楽に帰って来られるようになれたかな?
<砂丘ピクニック>
T県の砂丘に来た多聞。
翻訳家の知り合いが調べものがあると言ったのに同行。
本のなかで「目の前で砂丘が消えた」とあるけれど、そんな現象起きるのか?
という疑問についてあれこれ考察。
これは、ちょっとおもしろかった。
多聞の考えるクレーターの眼の錯覚説・・・う~ん、どうだろ?
<夜明けのガスパール>
多聞は、友人3人と夜行列車で高松にさぬきうんどんを食べにいく。
車中で夜通し、怪談ばなしを語り合うことになり・・・
多聞のほかは・・・
黒田・・東京地方検察庁の検事
水島・・外科医
尾上・・ミュージシャン
この旅の目的は、うどんを食べることでなく、精神的に参っている多聞に
夜通し寄り添うこと。
多聞にそんなことがあったんだ~。
いつも飄々としていて物事を深刻に捉えない前向き人間かと
思って読んで来たので、ここでの多聞の話を友人たちから聞いて
意外に繊細なんだな~と。
いい友人たちがいて、よかった。
あとがきの日本各地を巡る話の場所の説明なども良かった。
まあ、ほぼ読みながら予測がつくんだけれど・・・
この話の前の「月の裏側」と最新刊の「珈琲怪談」も
読みたいな。
これくらいの怪談話なら許容範囲・・・^m^
★★★
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発行年月:2024年12月
江戸の人々に雪国の風物や綺談を教えたい。
越後塩沢の縮仲買商・鈴木牧之が綴った雪話はほどなく山東京伝の目に留まり、
出板に動き始めるも、板元や仲介者の事情に翻弄され続け――
のちのベストセラー『北越雪譜』誕生までの長すぎる道のりを、
京伝、弟・京山、馬琴の視点からも描き、書くことの本質を問う本格時代長篇。
(新潮社HPより)
鈴木儀三治(ぎそうじ)後の鈴木牧之(ぼくし)という人は
この書で初めて知った。
商売をしながら、書き続けた越後の豪雪地帯のはなし「北越雪譜」。
27歳の時に江戸へ父の勧めで縮を売りに行き、江戸の人に越後の冬のようすを
話した際、「雪が一番積るとき高さが一丈(303cm)にもなるというのを
信じて貰えず「ほら吹き」と笑われたことから江戸の人たちに越後の
暮らしぶりなどを書で知らせたいと書き始めたことが始まり。
書をかいてもそれを板行して貰わなければならず、難航する。
請け負ってくれる人が現れたと思えば、その人が急死し、話は流れ・・・の
繰り返し。
一番の頼みの綱は山東京伝だったのに京伝もまた急死。
馬琴にも話がいき、「これはおもしろい」と乗り気だったため、書いては
馬琴に送ったのに、全く進展なく・・・・
最後は、京伝の弟・京山によって、やっと話が進み、無事、板行されるまでが
長い長い。
27歳の牧之が70歳近くになっていて、40年の時がかかった。
牧之が諦めず、書き続けることができて良かった。
存命のうちに評判になって江戸の人たちに越後の暮らしぶりが知られる
ようになってよかった。
表紙の絵は、京山の息子・京水によるもの。
牧之も絵を描いたというから、その絵も見てみたいな~。
しかし、馬琴の自分勝手さが嫌になった。
自分の書に忙しいのはわかるけれど、手元に牧之の稿を止めたまま・・・
京山が、手元にあるものをこちらにと言ったときには「処分した」と
言い・・・。
いつか、自分がもっと良い書に手掛けたいと目論んでいたとは・・・。
京伝の弟・京山が、兄が中途半端にしてしまったことを、代わりに
やり遂げてくれて本当によかった!
大河ドラマ「べらぼう」に出て来る、京伝、馬琴、蔦屋重三郎やそのほかの
版元などの名前もドラマで馴染みのあるものなので、
楽しく読めた。
★★★★
発行年月:2022年9月
バラが咲き乱れる家で、新進気鋭の建築家・青川英樹は育った。
上品で美しい母。仕事人間の父。自由に生きる妹。
ごく普通の家族だと思っていた。
だが、妻が妊娠して生まれてくる子が「男の子」だとわかった途端、
母が豹変した。
記憶の彼方にしまい込んでいたあの日、一体何が起きたのか――。
身も心も震える、圧巻の家族小説。
(中央公論新社HPより)
建築家の青川英樹(32歳)、妻の美沙が妊娠しお腹の子は男の子と診断。
英樹の母親・恭子はそれを知り喜び、執拗に美沙に体の心配を気にする
lineを送り、産まれる子どもの準備を着々と進める様子も報せてくる。
異常ともいえる恭子の過干渉ぶりには、読んでいても辟易し
美沙が憔悴していく様子が辛い。
英樹の父親・誠一(58歳)は恭子が好きで結婚したのに、
仕事(大手ゼネコン会社の技術職)が忙しく、家は常に留守がちで、
浮気も繰り返し社内には不倫関係が10年続く・永束悠乃(35歳)がいる。
英樹には、2歳の時に亡くなった弟・和宏と
7歳年下の妹・玲子がいる。
玲子は、以前から母親を嫌い、実家から遠ざかり恋人である羽田完と暮らしている。
異常なまでに息子を溺愛し、今は生まれて来る英樹の子どもに
執着する恭子は、恐ろしささえ感じる。
美沙も嫌悪感でいっぱいになり、英樹が母親と絶縁できなければ離婚したい
と思うほどに。
でも・・・物語が進むにつれて、恭子の生い立ちがわかると
恭子の母親の異常さの方が、それ以上で驚く。
恭子の母親こそ、異常者であり、恭子はそんな母親にずっと虐げられて
成長してきたんだとわかり、恭子が気の毒過ぎて・・・(;O;)
物語の終盤、恭子は自ら命を絶つ。
その心情を思うとやり切れない。
一番、そばにいた夫・誠一がもっと恭子のことをちゃんと理解してあげて
いたら・・・・
恭子自身は、優しく良い人だったんだと思う。
遺した恭子の手記「イオカステ」を娘の玲子が見つけ
自分だけがその存在を知っているという状況になったのは
恭子の思い通りだったのかも。
女同士でなければその手記の内容が正しく理解されないだろうから・・・
最後は、少し明るい雰囲気で終わっていたけれど、
なんとも言えない嫌な気持ちが残った。
しかし、巧い話の進め方は、さすがの遠田さんというかんじ。
★★★★
発行年月:2025年8月
ノーベル文学賞作家ハン・ガンがえがく、大人のための童話
この世で最も美しく、すべての人のこころを濡らすという「純粋な涙」を探して
昔、それほど昔ではない昔、ある村にひとりの子どもが住んでいた。その子には、ほかの子どもとは違う、特別なところがあった。みんながまるで予測も理解もできないところで、子どもは涙を流すのだ。子どもの瞳は吸い込まれるように真っ黒で、いつも水に濡れた丸い石のようにしっとりと濡れていた。雨が降りだす前、やわらかい水気を含んだ風がおでこをなでたり、近所のおばあさんがしわくちゃの手で頬をなでるだけでも、ぽろぽろと澄んだ涙がこぼれ落ちた。
ある日、真っ黒い服を着た男が子どもを訪ねてくる。「私は涙を集める人なんだ」という男は、大きな黒い箱を取り出し、銀の糸で刺繍されたリボンを解くと、大小、かたちも色もさまざまな、宝石のような涙を子どもに見せた。そして、このどれでもない、この世で最も美しい「純粋な涙」を探していると話す。男は子どもがそれを持っているのではないかと言うのだが――。
「過去のトラウマに向き合い、人間の命のもろさを浮き彫りにする強烈な詩的散文」が評価され、2024年にノーベル文学賞を受賞したハン・ガン。本書は童話と銘打ちながらも、深い絶望や痛みを描き、そこを通過して見える光を描くハン・ガンの作品世界を色濃く感じられる作品です。
幸せな出会いが実現し、日本語版の絵はハン・ガン自身、長年ファンだったというjunaidaさんが担当。ハン・ガンが、「読者それぞれのなかにある希望の存在」としてえがいた主人公や、どこともいつとも特定しない本作の世界を美しく描き、物語とわたしたちをつないでくれます。
2008年、韓国で発売され、本国では子どもから大人まで幅広い年齢層に愛されている本作。ハン・ガン作品との出会いにもおすすめの一冊です。
「きみの涙には、むしろもっと多くの色彩が必要じゃないかな。特に強さがね。
怒りや恥ずかしさや汚さも、避けたり恐れたりしない強さ。
……そうやって、涙にただよう色がさらに複雑になったとき、ある瞬間、きみの涙は
純粋な涙になるだろう。いろんな絵の具を混ぜると黒い色になるけど、
いろんな色彩の光を混ぜると、透明な色になるように」
―本文より―
涙をめぐる、あたたかな希望のものがたり。
(株式会社 理論社HPより)
以前読んだ「すべての、白いものたち」同様、綺麗な文章。
少し哀しく感じるのだけど、ちゃんと希望も最後にはあって
良いお話だった。
他人では予測できないような場面で「涙」を流す子を周りは
泣き虫といい「涙つぼ」と呼ぶ。
ある日、出会った涙を集めている、おじさんに出会い、おじさんの旅に
ついていく。
そして、おじさんがあるおじいさんの元へ。
おじいさんは、おじさんから涙を買う。
おじさんの持つ黒い箱のなかには色々な涙があって・・・・
泣けないおじいさんに出会って、涙をこらえることを知る。
それは胸が裂けるように痛いこと。
おじいさんが涙を流すことができてよかった。
子どもと旅をした、おじさんもまた実は涙が流せないという。
滲んでくる涙はすぐに乾いてしまうと。
寝ている最中に頬が濡れていることはあるけれど・・・・
このおじさんも胸に秘めた何か辛いことがあるのかも。
短いお話なんだけど、いろいろと読み手が想像を膨らませられるおはなし。
他の作品も読んでみたい。
絵も綺麗ですてき。
★★★★★
(株式会社 理論社HPより)
以前読んだ「すべての、白いものたち」同様、綺麗な文章。
少し哀しく感じるのだけど、ちゃんと希望も最後にはあって
良いお話だった。
他人では予測できないような場面で「涙」を流す子を周りは
泣き虫といい「涙つぼ」と呼ぶ。
ある日、出会った涙を集めている、おじさんに出会い、おじさんの旅に
ついていく。
そして、おじさんがあるおじいさんの元へ。
おじいさんは、おじさんから涙を買う。
おじさんの持つ黒い箱のなかには色々な涙があって・・・・
泣けないおじいさんに出会って、涙をこらえることを知る。
それは胸が裂けるように痛いこと。
おじいさんが涙を流すことができてよかった。
子どもと旅をした、おじさんもまた実は涙が流せないという。
滲んでくる涙はすぐに乾いてしまうと。
寝ている最中に頬が濡れていることはあるけれど・・・・
このおじさんも胸に秘めた何か辛いことがあるのかも。
短いお話なんだけど、いろいろと読み手が想像を膨らませられるおはなし。
他の作品も読んでみたい。
絵も綺麗ですてき。
★★★★★
発行年月:2024年1月
大手広告代理店を早期退職したキョウコは、相も変わらず古いアパート「れんげ荘」で
貯金を切り崩し、月10万円の暮らし。
キョウコは、老後に少々不安を感じながらも、兄夫婦のところに、
突然やってきたおネコさま御一行、「れんげ荘」の住人で人生の先輩の
クマガイさんと一緒の楽しい外食や季節の花などに心癒され、
日常の暮らしに喜びを感じながら、今日も楽しくのんびり生きています――。
「人間やネコたち、みんなが楽しそうにしているのを見ているのが幸せだ」
無職のキョウコさん、ひとり気ままに隅っこ暮らし――。
心やすらぐ書き下ろし長篇。 大ロングセラー「れんげ荘物語」シリーズ、
待望の第8弾。
(角川春樹事務著HPより)
図書館棚で見つけて「あれ?読んでないかも・・・」と。
先に9弾を読んでいるので、「ああ、なるほど、こういうかんじだったんだ~」
と。
チユキさんが段々、恋人の嫌な部分が鼻についてくるかんじが現れてるなぁ~。
キョウコさんは、変わらずの生活だけど、風邪をひいた辺りでだいぶ
弱気になってきたかんじ。
これから老いていくという現実を憂いている?
今回はお兄さん家族とお正月の食事に呼ばれて一緒に過ごす場面から。
甥のケイと姪のレイナも集合して、お兄さんの家で飼っている猫3匹も
揃っての賑やかな食事風景。
楽しいけれど、帰宅して一人になると、ちょっと寂しいかんじになったり・・・
クマガイさんも相変わらず活動的でいいけれど、やはり自分より年下の人が
急に亡くなったりで気落ちしたり・・・・
色々、ありながらのれんげ荘の3人の暮らし。
最新巻はまた年明けかな?
楽しみなシリーズ♪
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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