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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2017年10月


14歳スーパー中学生作家、待望のデビュー
 田中花実は小学6年生。ビンボーな母子家庭だけれど、底抜けに明るいお母さんと、毎日大笑い、大食らいで過ごしている。そんな花実とお母さんを中心とした日常の大事件やささいな出来事を、時に可笑しく、時にはホロッと泣かせる筆致で描ききる。今までにないみずみずしい目線と鮮やかな感性で綴られた文章には、新鮮な驚きが。
 友人とお父さんのほろ苦い交流を描く「いつかどこかで」、
お母さんの再婚劇に奔走する花実の姿が切ない「花も実もある」、
小学4年生時の初受賞作を大幅改稿した「Dランドは遠い」、
田中母娘らしい七五三の思い出を綴った「銀杏拾い」、
中学受験と、そこにまつわる現代の毒親を子供の目線でみずみずしく描ききった「さよなら、田中さん」。
全5編収録

                   (小学館HPより)



いや~面白かった!
ただ面白いだけじゃなくて、考えさせられることもいっぱいで
笑えるところ、切なくなるところが混じっていて、素晴らしい。

主人公は小学6年生の田中花実(はなみ)。
母親・真千子と二人暮らし。
裕福じゃなくても、生活を楽しんでいる真千子が素晴らしい。

建設現場で男性と一緒に働いている逞しさもあるけれど、すごく優しいし
全てに大らか。
こんな母親が居たら心強いだろうな。

花実もすごくいい子。
人の心の痛みがよくわかる子。


アパートの大家のおばちゃんの一人息子・賢人も、変わり者だというけれど
名前の通り、賢いし、優しい。
何が原因で学校に行けなくなってしまったんだろう。
真奈には、適格なアドバイスをするし、誰とも関わりを持たずに
じっとしているのは勿体ないな。

母親の縁談話の相手だったスーパーの社長・風間も気になる。
自分から断ってその後、スーパーは閉店したけれど、もうこれっきり?

表題の、さよなら、田中さんの意味は同級生の三上くんの話から。
小学校受験に引き続き、中学受験も失敗し、花実と同じ公立の中学に進学かと
思ったら、親が他県の全寮制の私立中学の進学を勧め、それに従うことに。

また再会してほしいな。
三上くん、いい子だし。


色々、今後の展開が気になることが多く、続編を読むのがすごく楽しみ。

14歳で、凄い!
今後が楽しみな作家さんだ!


表紙の絵は西原さんだけど、ちょっとお母さんのイメージ違う。
がりがりに痩せているって言うから・・・

                   ★★★★★
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発行年月:2023年12月


「お前にしかできないことなんて、ない」――兄・実行
「あきらめたら、俺という存在はどうなるんだ」――弟・成功
順風満帆な御曹司の前に突如現れ、入れ替わろうとした異母兄。
お前は俺から、仕事も恋も奪おうというのかーー。
『犯人に告ぐ』『望み』『検察側の罪人』の著者が描く、スリリングなサバイバルレース!
入れ替わった「王子」の戦いの行方はーー。
【あらすじ】
準大手飲料メーカー・シガビオの御曹司、志賀成功(なりとし)が何者かによって別荘に監禁された。
彼は取締役就任と、意中の女性・山科早恵里との交際を目前にしていた。
半年後、絶望の中で解放された成功が会社に行くと、社内の状況は一変し、かつての彼のポストには突如現れた異母兄・実行(さねゆき)が入れ替わっていた。
そして実行は早恵里にも近付こうとしている。
「奪われたものは、奪い返さなければ」
成功は、事件の真相と自らの復権をかけて奔走するがーー。
異母兄弟がビジネスと恋で火花を散らす、一気読み必至のエンターテインメント!


                    (水鈴社HPより)



別荘に監禁された、弟の成功。
誰が首謀者?
そして、その間に成功に代わって会社に登場の兄・実行。

兄が怪しい?と最初は思ったけれど・・・・


監禁から解かれて会社に復帰した成功。
兄とバチバチの権力争いか?と予想したので、兄の実行が何か嫌な奴みたいに
感じたのだけど、案外、理性的だし、優しい人?と感じる。

成功は、復帰後は、販売二課に配置換え。
同じ課に気心がしれた同期と後輩がいたため、前向きに
そこで出来ることを精一杯やる姿が清々しい。
父親である社長もそんな姿をちゃんと見ているのもいい。

実行を自分のそばに置きながら、二人のうちどちらに自分の後を託すか?を
考えていたのかな?


そして、成功と実行、二人が同じ女性・山科早恵理に好意を持つ。
先に出会っていたのは成功だし、相手の気持ちもまんざらでもないというところで
監禁されてしまったのは気の毒。
実行のアプローチをどうする?というラストには、ドキドキ。

物語の冒頭は、ミステリーっぽかったけれど、これは恋バナを含めた
お仕事小説かな?
腹違いの兄弟という特殊な関係の二人の気持ちの変化もよかった。


最初から最後まで面白かったぁ~(^^)




                     ★★★★★



発行年月:2013年11月

仁藤全。高校では42本塁打を放ち、2000年のプロ野球ドラフト会議で阪神タイガースの8位指名を受け入団。強打の外野手として期待されたものの伸び悩み、2001年から2010年までの10年間で171試合に出場、通算打率2割6分7厘で本塁打は8本。もちろん、ヒーローインタビューのお立ち台に上ったことはない。しかし、彼について語るところのある者にとって、仁藤はまぎれもなくヒーローだった――。彼の担当スカウト、彼が好意を寄せる女性、タイガースで彼の後輩にあたるドラ1投手、彼と因縁のあるドラゴンズのベテラン左腕投手、高校時代の野球部で彼とバッテリーを組んでいた男、それぞれの視点で語られる、あるプロ野球選手の物語。


                   (角川春樹事務所HPより)




図書館棚を見ていて、目に留まった一冊。

ちょうど、昨年、阪神が優勝したし、ある意味タイムリーかも。

阪神ファンじゃなくて楽しめた。
実際に知っている選手の名前も出て来たし・・・。


主人公の仁藤全を知る人たちが、それぞれの仁藤とのことを語る。
思い出話だったり、最近のことだったりするけれど、みんな仁藤のことが
好きなんだなぁ~というのが伝わってくる。

仁藤自身の人柄もいいからかな?


野球人生を終えたあとの仁藤も幸せそうなのが、またいい。

最後の話で、仁藤が命の恩人的存在になったというスポーツライター・田所の
話がいいかんじで物語を締めている。


初めて読んだ作家さんかも。
なかなか良かったので、他の作品も今度、読んでみよう。



                      ★★★★




発行年月:2023年2月


育たない胸に、どうしてこんなに悩んでいるのだろう。いくつ年を重ねても、いつも人生に自信を持てない。たかが胸なのに。されど、胸――。生きづらい世の中との隔たりをやわらかく溶かす珠玉の小胸小説。『ブラ男の告白』『EあるいはF』『授乳室荒らしの夢』『胸は育たない』の4篇を収録。

                  (双葉社HPより)



初めて読む作家さん。
「胸」のことで悩むお話4つ。
どの話も面白かった。
悩んでいる本人には、真面目な問題なんだろうけれど・・・


<EあるいはF>
推していた男性俳優が元グラビルアイドルと結婚。
その結婚相手に嫉妬心を抱くのだけど・・・・
それは彼女の胸に対して?

彼女自身が悩んでいることに、向き合ってそれを振り切ったような
ラストは清々しく、よし!がんばれ!と思う。


<ブラ氏の告白>
トレンチコートの中にブラジャーを着けた小太りな男が現れるという
噂を聞いて、混乱する主婦の話。
ブラ氏は、自分なのかも?いや、夫なのかも???

妄想力が凄くて・・・笑える^m^


<授乳室荒らしの夢>
郵便局員として働いているモナミ。
窓口に来る作家志望の男と親しくなるが、忙しくなるので、もう会えないと
言われショックを受ける。
ふと目に付いた授乳室のなかに。
居るべきではない場所に居ることを訓練として15分居る。

思考が独特過ぎるけれど、まあ、その変な行動が、いいように転んで
よかった・・・かな?


<胸は育たない>
胸の大きな人に憧れる女子高校生。
プールではしゃぐ男子サッカー部員と女子マネージャーをスマホで盗撮。
撮っているのは、女子たちの胸。

ああ、この頃はこういうことで悩んだりすることあるよなぁ~。



4つのお話のそれぞれの主人公たち、なんだか愛おしいな。

この作家さん、面白い話を書くなぁ~
他の作品がちょっと気になる。




                        ★★★




発行年月:2006年2月


~ この小説は、軍事政権下のプノンペンから逃れ、必死で生きようとするある少年(主人公)と、その家族を描いています。現実にあった出来事をベースにしながら、少年が成長していく過程、家族との絆などが抒情性豊かに描き出されます。
著者の謝孝浩は、これまで、『スピティの谷へ』『カンボジアからやってきたワンディ』(いずれも新潮社刊)など、おもにノンフィクションの分野で活躍してきましたが、今回は、初めての小説に挑戦しました。ノンフィクションで鍛えられた確かな観察眼と、みずみずしい感性に支えられた作品となっております。
■小説『藍の空、雪の島』について
異国に来て十年、自分を「異物」と感じながらも日々の生活を送っていた「僕」のもとに、一通のエアメールが届く。その封筒の色と消印から、「僕」は、手紙の送り主が誰であるかを、確信する。封筒を開けたとたん、「僕」の記憶が甦る。おぼろの月、ドブ川のにおい、闇の森に響く野獣の遠吠え……。「黒服たち」に弾圧された祖国での体験と逃避行、旅の途中で出会った人々。「僕」の心に、つぎつぎと記憶が溢れ出してくる……。
内容(「BOOK」データベースより)
故郷を追われた少年は、家族とともに海の彼方の「イープン」を目指す…。みずみずしい感性が描き出す、ひとりの少年の成長の物語。


                    (発行/スイッチ・パブリッシング)



10歳のワンディ少年とその両親と5歳上の姉の家族の壮絶な話。

カンボジアで結構、裕福に暮らしていた一家が、ポルポト派に突然、追われ
家から逃げ、村を転々としながら生きていくことになる。
暴力によって命を落とす人も。

村を転々としながらも、必ず、助けになってくれる人が現れるのは救いだった。
ワンディにも友達ができ、その交流は心が温まる。

けれど、そんな暮らしもすぐに逃げ出さなければならない状況になり
親しくなってもすぐに別れが来て辛い。

カンボジアからベトナムへ。そしてタイ。
最後の目的地は日本。

物語は、日本での生活から始まる。
そして、届いた1通の手紙によって、ワンディの記憶が蘇る。


手紙の主はリュイ。
リュイの家族と共に途中までは逃げた。
ワンディのお父さんが凄く立派な人で、自分の身の危険よりもリュイの家族の
ことを考えて行動する姿は、尊敬。


ワンディとリュイは、再会したんだろうな。


こういうことが世界の色々なところで、あったことをニュースでは知っていても
こうして物語で読むとリアルに感じることが出来る。



                   ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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