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読んだ本の感想あれこれ。
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b98d6728.jpg発行年月:1996年6月

前歯をかいて手首もねんざ。おまけに「4週間プールそうじの刑」。ぼくらの夏はサイテーになるはずだった……

[階段落ち]という危険なゲームをした罰として小学校最後の夏休みをプールそうじでつぶすことになった。ぼくと栗田。“ぼくらのサイテーの夏”はこうしてはじまった。

児童文芸新人賞/日本児童文学者協会新人賞

                                    (講談社HPより)

笹生さんの本。
前に読んだ「楽園のつくりかた」が良かったので、デビュ-作?を借りてみました。

主人公は、小学6年生の桃井君。
友達と他のクラスの子たちと対抗して遊んでいたところ、危険行為にて罰のプ-ル掃除を夏休み中やる事になってしまう。
成り行き上、違うクラスで口も殆ど利いたことのない、栗田君と二人だけで。

最初は、二人共無言。
でも、段々と友情が芽生えるというお話。

二人の少年の家庭には、それぞれ、事情があり円満とは言えないものがある。
が、お互いがその事をさらけ出して付き合うことで、少しずつ明るい兆しが見えてくる。

子どもって、逞しい!
子どもって素晴らしい!

これは児童書だけど、大人も楽しめるお話。

明るいだけじゃない話だけど、先には希望があると確信出来るラストの締めもいい。
学校の先生、特におやじ先生が良い!
ちゃんと子ども達の頑張りを見守ってくれていて褒めたり励ましたり。


笹生さんの本、いいな。
また何か借りて読もう(^^)

ちょっとコミックっぽいけど、挿絵も良いです♪

★★★★
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547819a4.jpg発行年月:2002年7月

ああ、ここは不毛の地?それとも楽園なの?

エリート中学生に転校の悲劇。しかもド田舎の学校。同級生はこの3人。
1.バカ丸出しのサル男
2.いつもマスクの暗い女
3.アイドル顔負けの美女(?)

「ちがう者同士がひしめき合って生きているのが世の中です。
衝突があってあたり前。人間、もまれて強くなる」

退屈な田園に届く、おとうさんからのEメール。
ぼくのユーウツを癒す、救いのメッセージ。
でも、おとうさんって……?

                                 
(講談社HPより)


次女に薦められて読みました。
名前は知っていたけど、この作家さん、もしかして初めて読むかも?

主人公は中学2年の男の子・優。
父親は海外に単身赴任だが、父親方の祖父が最近、一人暮らしさせておくのが不安な状態とかで、母親と田舎に引っ越し事が決まる。
東京で、受験を突破に私立中学に通い、塾での模試もいつも好成績で、将来はエリ-トを目指す優には、田舎の公立中学への転校は最初から不満だらけ。

転校してみると、そこは予想以上の田舎で分校。
クラスメイトは・・・自分を入れて4人。
しかも皆、優から見たら普通じゃない。

おじいちゃんは自分の事を父親の名前・博史と呼ぶ。
家出を目論むけど、町で不良の3人組に捕まり、断念。その後も執拗ないやがらせ。
ハ-レ-モデルの単車に乗った謎の男。

優の不安定な気持ちの拠り所は、父親とのメ-ル交換。
優の気持ちを実によく理解し的確なアドバイスをメ-ルで送る父親。


ちょっと段々、もしかして?と気づきました。


馴染めなかった分校の仲間とは、すんなり打ち解けていくわけでないけど、少しずつ
良い方に向かっていく。
そんな様子が微笑ましく、ラストは、清々しいかんじでした。


全体の感想としては面白かった!大人が読んでも楽しめます!
この著者のほかの作品も読んでみよう。

★★★★

40ad8df6.jpg   発行年月:2010年1月


  六本木界隈で組長狙撃事件が発生した。
  現場から立ち去ったのはロシア系の女と日本人の男。
  その行方を執拗に追う暴力団、警視庁組織犯罪対策部。
  東京、新潟、稚内。
  東日本をまたにかけた緊迫の逃亡劇、戦慄のラスト!

                              (角川書店HPより)


警察小説で有名な著者らしいですが・・・今回、初めて読みました。
この物語は、事件を追う警察側というより、事件を起した犯人側目線で描かれた物語。

先ずは、殺人事件。
その被害者のロシア人女性の姉・タ-ニャが復讐に日本に訪れて、そこで彼女の旅のお手伝いをする事になっていた日本人男性・関口卓也が彼女の復讐劇に巻き込まれていく。

最初は、厄介な揉め事に巻き込まれるのを迷惑に思う関口が、段々にタ-ニャの手助けを自ら買って出る。
そこには、やはり恋愛感情が徐々に芽生えたということか?

タ-ニャが復讐する相手は、いわゆるヤクザ。
復讐を成し遂げた後も執拗に追いかけて来て、ハラハラドキドキ。
タ-ニャも負けてないから凄いんだけど・・・

無事にロシアに戻れるのか!?

巻き込まれた卓也は、本当に災難。気の毒。と思ったのは途中までで・・・・
最後は驚きの展開でした!

一番可哀相なのは、卓也の妹さんでした(/_;)

途中、何度かタ-ニャから離れる機会があったのに・・・変に律儀なんだから!

ヤクザの藤倉が敵ながら(?)見事な勘で、タ-ニャを追い詰めるのも怖かったな~。

ラストはビックリでしたが、最初から最後まで、一気に読める面白さでした。


直木賞受賞作「廃墟に乞う」は、まだ手元に来ないなぁ~(図書館予約中)
早くそちらも読みたい!

★★★
df312b24.jpg発行年月:2009年8月

驚愕の一夜
明かりの消えた深夜のデパートのあちこちに蠢く人の気配。不穏な空気が流れ出し、静かに騒ぎが始まった。

所持金143円、全てを失った男は、深夜のデパートにうずくまっていた。そこは男にとって、家族との幸せな記憶がいっぱい詰まった、大切な場所だった。が、その夜、誰もいないはずの店内の暗がりから、次々と人の気配が立ち上がってきて----。一条の光を求めてデパートに集まった人々が、一夜の騒動を巻き起こす。


                                      (講談社HPより)

図書館予約でかなり待ちました。
期待しました。
で・・・・・正直・・・・退屈だった。

登場人物多すぎる。
デパ-トに閉店後まで潜んでいる人、そんなにいるか!?^^;

ま、でも物語なので、その辺は良いとして・・・

・所持金わずかのホ-ムレス状態の46歳の加治川英人46歳
・百貨店勤務だが腹いせで退職金代わりに宝飾類を盗もうと企てる29歳の山添真穂
・親のクレジットカ-ドを盗み家出してきた高校生カップル・ユカとコ-ジ
・暴力団から逃げている元警察官の塚原仁士

彼らが最初は別々に描かれ、次第に出会って生まれる物語。

彼らが潜む鈴膳百貨店側の社長・矢野や警備員の半田と信なども加わり結構、話はあちこちに。
その辺がやや疲れて面白いんだけど、ちょっと途中で飽きましたね~^^;
ラストはハッピ-な雰囲気でよかったけど。


デパ-トに潜むお話では
アレックス・シアラ-の「魔法があるなら」がとても素敵なお話だったので、つい比べちゃって・・・もっとスッキリしたお話ならなぁ~なんて思ってしました。

やや体力的に疲れ気味で読んだので悪かったかな?


★★
5b200ad6.jpg発行年月:2009年7月


光が生まれる朝は誰にも平等だ。
だが、日が昇るにつれて世の中は不平等になってゆく-----。

男と友は、女の命を奪った者への復讐を企てた。
だが、癌に体を蝕まれた元刑事が、現役警察官の息子とともに男を追いつめる。日陰に生まれ落ちた人々の悲しみを一身に背負い、男は壮絶な血と純潔の物語を突き進む。人間のあらゆる精神の営みと業を祈りにも似た筆致で描き切った感動巨編。

                 (本の帯文より)
 
上巻は数日かかって読みましたが、下巻は一気読みでした!
ペ-ジをめくる手が止まらない。

主人公・桐生晴之の人生って一体なんだったんだ!?
下巻途中から、もうラストが読める展開になってくるので、辛くて辛くて・・・・。

追う元刑事の渡に「もう逃がしてあげてください(/_;)」なんて気持ちも生まれながら読みました。
けれど、それは間違いなんですね。

元刑事・渡と桐生が会う場面はジ~ンとしました。
罪を正すということよりも、罪を隠すことで今、周りにいる多くの人をこれ以上、辛い目に遭わせてはいけないと諭す言葉に感動しました。
この辺が一番、泣けた。

だけど、やっぱり最後は・・・・・。

そうしないと物語が終わらないから仕方ないのかなぁ~。

違う終わり方を少しだけ期待したのに、叶わなかったのがちょっと不服だわ!

飽きずに読んだけど、ちょっとこの男の身勝手さみたいなのが最後は受け入れ難く、涙が止まってしまったかんじ。

ちなみに・・・わたしは桐生よりも彼の友達・堀峰のほうが断然、いいわ!(笑)


★★★
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