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読んだ本の感想あれこれ。
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51HQZwJGhSL__SX230_.jpg    発行年月:2012年11月


    熱血モノ作りエンタテインメント、堂々完成!

    映画製作は綺麗事では出来ない。
    莫大なカネがかかる。口を出したがるヤツも多い。
    スケジュールはしじゅう変更になるし、
    実力のある俳優にはクセがある。
さらに、何者かの妨害も入れば、事件も起こる。
監督は、気難し屋の完璧主義者で、しかも、半死半生の老いぼれだ。
それでも、今、撮り上がりつつある作品が、物凄い傑作になることは、
誰も、まったく疑っていなかった


                                       (光文社HPより)



今回のお話は、ミステリ-色はうすめ。
事件はちょっと起きるけれど・・・・。

映画を作るって、凄く時間とお金がかかるけど、作ってる人たちは、その時間が楽しいんだろうなぁ~
なんて読みながら思った。

監督の大森は、熱血指導で有名。
しかし、車椅子に乗りながらとかなり体は弱っている状態。

助監督の宮藤瑛一は、そんな監督を見守りながら働くが、最初はなんだか頼りない。
段々に頼もしいかんじになっていくのが良かったけど。

そんな撮影現場で起きる事故。
舞台の資材が女優の上から落下して怪我。
そして・・・・殺人事件。
現場に現れる刑事は、瑛一の弟・賢次。


事件の犯人は??

映画づくりの現場って、事件は起きなくても、こんなこと実際にありそうだな・・・。


なかなか面白かった。

物語のなかで撮ってる作品は「災厄の季節」。
グロテスクな遺体の場面が出てくる。
それは著者による「カエル男」が原作とか。
う~ん、ちょっと気になるな。
まだ読んだことなかったから・・・。


★★★
    
    
PR
f00a4a46.jpeg    発行年月:2012年7月


   『さよならドビュッシー』の作家が放つ、
   元裁判官のおばあちゃんと女子大生のミステリー

   お手柄続きの葛城刑事。でも実は事件を真相に導くのは、
   恋人の女子大生と元裁判官の彼女の祖母だった!? 
   異色の探偵コンビ誕生!


                          (文藝春秋HPより)



19歳の法律を学ぶ大学生・円とその祖母・静が事件を解決していく連作短編集。
そこに円と知り合った刑事の葛城公彦が加わり、事件の謎解明に臨む。

幾つかの殺人事件の謎の究明とともに、円の両親の交通事故に纏わる疑問点の真相も明かされていく。

静おばあちゃんが元裁判官としての体験やそこから学んだことを円に話す場面は、法律なんて???のわたしにもよくわかり勉強になりました。

葛城刑事と円の恋の進展もなかなかよかった。

そして、ビックリだったのは最後の章「静おばあちゃんの秘密」
え?そうだったのかぁ~!!
驚いたけど、それはそれでいいかな?
おばあちゃんが孫を想う気持ちに最後は温かいものを感じた。

事件の背景に、外国人の雇用問題とか免罪など社会問題なども出てきて考えさせられた部分もあった。

なかなか面白いミステリ-小説でした♪



 

★★★★


51zNcvkHieL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年12月


封印された過去が、新たな「罪」へ。「正義」と「贖罪」の意味を問う驚愕のミステリー。
どんでん返しが止まらない! 怒濤のリーガル・サスペンス!!
『さよならドビュッシー』で「このミス」大賞受賞の作家による新たな傑作誕生!

弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聴く。だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった――。


                                           (講談社HPより)


これは最高~♪
主人公のキャラクタ-が個性的で魅力的!
主人公・御子柴礼司は気鋭の弁護士だけど、26年前に幼女殺害事件の犯人である。
当時少年だったため、少年院に送られたが、刑期を終え、社会復帰している。

重い十字架を背負ったような過去を持ちながら、弁護士になっているのは、なぜ?
凶悪犯でも法廷の場で、減刑を勝ち取ってしまう。
贖罪の気持ちはあるのか?

冒頭から、いきなり御子柴が遺体を遺棄する場面で、これはいったいどういうこと?と先ずは大きな疑問。
その疑問を、ず~っと抱えながら読んでいました。


事件を追う警察側の人間にも魅力的な人物が登場!
刑事の渡瀬。
鋭い洞察力で御子柴とも対峙する。
二人の個性的なキャラクタ-が、物語を面白くさせてくれた。

御子柴は犯人を庇う側。
渡瀬は犯人を追い詰めていく側。

でも、御子柴は庇うだけでなく、法廷の場では自分の仕事を淡々とこなすが、そこから離れた場所では犯人を強く責める。
そして、渡瀬は犯人を追い詰める側だけど、そうしてしまった背景をみながら犯人の気持ちに沿うこともする。
それぞれに格好良い!!

御子柴の少年院時代の話も、よかった。
少年院のなかで知り合った同じような罪を犯した者や担当教官とのやりとり。
それらがあって、弁護士・御子柴が成立しているんだな・・・。

そして、冒頭の死体遺棄での殺人を犯した者は・・・・意外な人物だった!
全くの予想外!

表題の奏鳴曲を奏でた人物との再会が、なかったのが残念。
期待していたんだけどなぁ~。

これは、もしかしてシリ-ズ化されるのかな?
一回で終わるには惜しい!


ミステリ-好きには、これはお薦めです!!


                                        ★★★★★

 
51yOU83zSKL__SS400_.jpg発行年月:2011年10月


『さよならドビュッシー』に登場した玄太郎おじいちゃんが主人公になって大活躍!反骨精神をモットーとする香月玄太郎は、不動産会社を興し一代で成功を収めた社長。下半身が不自由で「要介護」認定を受けている老人だが、頭の回転が早く、口が達者。ある日、彼の分譲した土地で建築中の家の中から、死体が発見された。完全密室での殺人。お上や権威が大嫌いな玄太郎は、警察が頼りにならないと感じ、介護者のみち子を巻き込んで犯人捜しに乗り出す!


                                            (宝島社HPより)

『さよならドビュッシ-』は読んだけど・・・玄太郎おじいちゃんって、こんな愉快な人だったかな?
物語全体の雰囲気も、こちらは明るくて、『さよなら・・・・・』とはまるきり別物のかんじ。

逆に言えば、『さよなら・・・』を読んでなくても全く問題なく楽しめます♪

密室殺人 リハビリ施設での怪事件 老人を狙う連続通り魔事件
銀行強盗 毒殺事件と物騒な事件が次々起きて、その真相を追う玄太郎おじいちゃんの姿がユ-モラスに描かれています。
介護員のみち子さんもおじいちゃんに負けてないのが愉快。

老人を抱えた家族の実態なども問題提起されていて、ちょっと考えされられる話もあった。

でも、こんなに明るい雰囲気なのに、『さよなら・・・』を知っていると、この後、とんでもない事件が起きてしまうと思うと、この物語の明るさがなんだかかえって切ないかんじにも思える。

もう一度『さよなら・・・』を読んでみようかな?
細かい内容を忘れてしまっているので・・・・^^;


★★★
 
38286589.jpg発行年月:2010年10月


第8回『このミス』大賞受賞作家の第2作目です。秋の演奏会を控え、第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の晶は初音とともに、プロへの切符をつかむために練習に励んでいた。しかし完全密室の空間で保管されていた、時価2億円のチェロ・ストラディバリウスが盗まれてしまう……。メンバーたちは、果たして無事に演奏会を迎えることができるのか。ラフマニノフやチャイコフスキーなどの名曲が、情熱的に、力強く描かれるなか、天才ピアニストにして臨時講師・岬洋介が鮮やかに事件を解決する!


                                            (宝島社HPより)


前作の「さよならドビッシー」に続く音楽が絡んだ青春ミステリー。
前作では、人が亡くなったり結構、悲惨な場面もあったけど、今度のはそれに比べたら穏やか。
事件は起きるけれど、その真相が明かされると、ホッとした。
恨みや妬みから起きたものではなかったので・・・。

音大でプロの演奏家を目指すような人たちの集まりのなかで、それぞれが抱える苦悩は凡人には理解し難いものもあるけれど、才能があればあっただけまた悩みも大きい。

親や祖父が有名な音楽家だったりする学生のなかで
城戸晶はちょっと異質。
家は裕福でなく母親は苦労して晶の学費を工面している。
晶自身もバイトをしている。

しかし、終盤、驚きの事実!
へ~そういうことだったのかぁ~!?

大学内で起きた楽器紛失事件、麻薬取引の疑いなどの真相はすべてきっちり明かされ、それらはすべてある事実につながっていた。

それを知ったときは、とても切なくなった。

音楽の話も多々出てきて、実際、それがすぐどんな音楽か頭に浮かばないのが悔しかった。
あとで、探して聴いてみよう。


★★★★
 
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