さびれた商店街の、父と息子だけの小さな中華料理店。味気ない日々を過ごす俺たちの前に現れたテンンしのような女・純子。あいつは線香花火のように儚い思い出を俺たちに残し、突然消えてしまった。
表題作「夕映え天使」をはじめ6編の短編を収録。
特別な一日の普通の出来事、日常の生活に起こる特別な事件。
人生至る所にドラマあり。
(新潮社HPより)
有名な作家さんだけど、意外とあまり読んでないです^^;
映画化された「椿山課長の七日間」を読んだくらい。
あの物語は面白かった!
この短編集は、文芸誌にあったか、何かで読んで良さそうだったので、図書館で借りてみました。
でも・・・・・わたしには、うまく読めなかった。
面白くないわけでは、ないけど・・・・なんだろ?不思議な読後感。
表題作「夕映え天使」が一番最初にあって、表題作で、しかも最初にあるのだから・・・と期待し過ぎたのが悪かったのか?
読み終えて・・・う~ん。何が言いたいのやら??
父子で地味に営む中華店に住み込みで働いていた純子が半年経ったある日、忽然と姿を消し、どうしているのやら?と父子でたまに話をしたりしていると、警察から電話。
純子の身元確認の手助けになれば・・・と警察にいく息子。
なんだか、切なかったけど・・・。後味がよくなかった。
次の「切符」は、時代は東京オリンピックの頃。
これまた切ない話。
三番目の「特別な一日」は、最後にえぇ~っ!?の驚きの展開でしたが、なんだかスッキリしない。
次の「琥珀」は、訳あって逃げてる男が以前、バ-だった店「琥珀」でコ-ヒ-店(喫茶店かも?)を営んでいる。男の背景にあるものが不吉。
次のが一番、印象に強く残ったかな?
「丘の上の白い家」。
家が貧しく高校で奨学金を貰っている、僕と清田。
清田は、僕と正反対で成績優秀で全国模試でも県で1番の成績。先生には期待され、貧乏でもきっと奨学金でエリ-トの大学にも進めるだろう。
だが清田のその後は、あまりにも不憫。
清田が可哀相で仕方ない。
最後の「樹海の人」は、自衛隊の演習中に体験する不思議なこと。
極限状態に陥ると人は現実と非現実の区別がつかなくなるのかな?という怖さを感じました。
大した感想がないので、結局、全部の簡単な説明しちゃいました(笑)
これ、書いてなかったら、本を閉じた瞬間に記憶からなくなりそうな短編集でした。
やや辛口評価でごめんなさい。
単に、わたしの嗜好に合わないだけかも・・・・^^;
★★
探偵として依頼に奔走する畝原はある夜、タクシ-の中からなにかから逃げている様子の少女を目する。その少女が翌日、無残な遺体となって発見される。自責の念から、独り聞き込みを行う畝原。
そして、その途中、かつて連続殺人を犯した少年が周辺に住んでいるという噂を耳にする。そして、新たな殺人事件が起こる。被害者は畝原とともに少女をあの夜、目撃したタクシ-運転手だった。
これらには関連があるのか?事件の真相を追う畝原。
この著者の作品は初めて手にとりました。
私立探偵・畝原が事件を追う物語は、シリ-ズ物みたいですね・・・^^;
でも、これ単独で読んでも理解できました。
最初の依頼では、キチンと報酬を貰う仕事なので、その仕事の合間に、少女の殺人事件の真相を追うという形。
少女に対しては、タクシ-の中で深夜、民家の壁にぴったりくっ付いたかんじで何かに怯える少女を目にし、タクシ-運転手と「なんでしょうね?こんな時間なのに・・・」と会話を交わし、気になり、タクシ-を少女目撃の場所まで戻してもらうが、見失っていた経緯があり、もっと早く少女を保護してあげていたら・・・・と自責の念を抱く。
畝原には、娘が3人。
今の妻とは再婚で、お互いの連れ子と、もう一人、虐待されていた少女を引き取って養女としている。
畝原の家庭が温かい雰囲気でとても良かった。
畝原自身がとても優しい人というかんじで好感が持てました。
娘たちも元々は他人なのに、お互いを自然に受け入れているかんじでほのぼのしている。
事件を追う緊迫した場面と、畝原の家庭の温かさが伝わる場面が良い感じの配分。
犯人が最後の最後まで「だれ?」というかんじですが、その真相は実に自己中心的なもので腹立たしい。
犯人の生い立ちには、同情する部分もあるけれど、だからといって人の命を奪ってよいという理由には当然、値しない。
最近の無差別殺人のニュ-スで感じる犯人への怒りがこの書でも強く湧きました。
それから、殺害された少女の両親。
殺害された日、女の子が深夜に外に一人でいた状況は不自然ですが、この両親の日常からしたら、普通の事だったのか?と思うとなんとも哀しい。
少女を可愛がっていた様子ですが、どこか間違っている。
しかし、その背景にも哀しいものがあり・・・切なかった。
事件の背景にあるいろいろな真実がわかる度に辛かったです。
少女殺害事件の真相を追う事と同時進行で行っていた依頼の件も時々、出てきますが、こちらは無事、解決で、そちらを主に任されて活躍していた、貴(畝原の友人であり恩人の息子)もなかなか格好よかった!
最初から最後までとても面白かったので畝原スリ-ズ、他のも読まなきゃ!と思いました。
★★★★
発行年月:2009年2月
東京の下町で、一人、アンティ-ク着物の店を開いている栞。
ある日、お客として訪れた一人の男性・春一郎と、幾度か店で会ううちにお互いが惹かれるものを感じ、恋に発展する。
穏やかに流れる恋物語。
蝶々喃々=ちょうちょうなんなん=男女が睦まじげに、小声で語り合うさまを表すことば
何も深く考えなければ、とても面白いです。
下町の雰囲気が伝わってくるかんじで、実際にそこに行ってみたい!とも思いました。
栞のご近所さんである、まどかさんもイッセイさんも、結構な高齢の様子ですが、粋なかんじで素敵!
栞がイッセイさんの退院祝いを兼ねてデ-トする場面なんてすごく良いです!
イッセイさんみたいな素敵な男性なら、わたしもデ-トしたいわ~(笑)
実際の土地名やら、お店なども出てくるので、この場所を知ってる人なら、もっと楽しめるかも!
でもですね・・・・・ちょっとここからは、わたしの個人的感想ですが・・・・^^;
主人公二人が好かんのです!
最初にお店にお客と来た春一郎は、初釜用の着物を探して訪れて、二人は出会うのですが、そのときに既に栞自身も結婚指輪を見て、二人の会話にもそれを確認するような事が出ます。
10歳の娘・小春が可愛くて~みたいな会話もしたりしてます。
で、実際着物を注文し、直しが必要とかで出来上がるまでにまたお店に訪れたり、そのたびに徐々にお互いのことに惹かれていく。
ま、それはあることなので、良し。
栞が惹かれるのもわかる。
常に背筋が伸びているけど、かといって堅苦しくもない。食べ物を品よく、それでいておいしそうに食べる人なら、わたしの好みにもドンピシャだし・・・^^;
でも、会って数回で「あなたといると、なんだか僕、生まれてきてよかったなぁ~って心の底から思えるんです」って言うのは、いかがなものか!?(怒)
この言葉でス~ッと引いちゃいましたわ~(笑)
あなたには奥さんと10歳の子どもがいるんじゃない!!と一人ツコッミしました。
こんな会話なく好きになったなら態度だけで示す方がマシ。
栞は、でも迷いがあるので、まだ許しましょう。
彼女は独身なのだしね。
あっ!春一郎の悪口だらけになりそうなので、この辺で止めます^^;
この二人が不倫関係という設定にした意図がわたしには疑問でした。
普通の恋愛でもいいんじゃないかな?
ドロドロした部分を除いた不倫話って、どこか胡散臭いです。
小川糸さんの前作「食堂かたつむり」も、一人ツコッミ満載(矛盾が多いかんじ?)の話でしたが、話の雰囲気は結構、いいので、新刊が出るのが楽しみです。
ファンの方、読んで気分、害されたらすみませんm(__)m
★★★
発行年月:2009年2月
パパとムスメの心が入れ替わった前作「パパとムスメの7日間」から2年後の話。
今度は、落雷で、パパ、ママ、ムスメの心が入れ替わってしまう。
前作「パパとムスメの7日間」はTBS系ドラマで毎週楽しみにみていました。
パパ役/舘ひろしさん・娘役/新垣結衣さん・ママ役/麻生祐未さん。
なので、この書も読みながら、3人の役者さんの顔が頭にずっと浮かんでいました。
今回は3人の心が入れ替わり。
パパの体に小梅の心。
ママの体にパパの心。
小梅の体にママの心。
わかり難いけど、ドラマを見ていたのでこの辺は分かり易かった。
小梅は前回と同じく、パパの体に心が移っているので、2年ぶりにパパの会社に行っても、少し余裕。新しい人の顔をおぼえるのは少し大変みたいでしたが、意外と、そつなくこなし、3人の中では、一番、しっかりしていたかんじ。
一方、パパとママが大変。
パパは慣れない家事を昼間は懸命にこなし、家に一日中いるだけの家事なんてと馬鹿にしていたことを後悔したり。
そしてママが一番、大変!
こんな状況にパニックになりながらも、小梅の大学に昼間は行き、休みの日もハンバ-ガ-ショップでバイト。そして、家では、パパに任せられないので食事の支度もしたりして・・・。
最後は、意外とあっけないけど、家族の絆は深まったようで、最後まで楽しく読みました。
これも、ドラマ化される可能性大でしょう。
舘ひろしさんのママぶりが少し、楽しみだったりします。
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;