天命こそ、最高の勝負。
江戸、四代将軍家綱の御代。
ある「プロジェクト」が立ちあがった。
即ち、日本独自の太陰暦を作り上げること----
日本文化を変えた大いなる計画を、個の成長物語として
みずみずしくも重厚に描く傑作時代小説!!
(角川書店HPより)
江戸の時代に、こういう人物が実在していたのは、恥ずかしながら知らなかった。
そういう意味でも、この書は多くの事を学ばせて貰えた。
徳川将軍の前で碁の定石を披露する「碁打ち」の家に生まれた安井算哲。
しかし、定められた碁打ちの道を進むことにだけ満足せず、算術や暦にも興味を持つ。
そして幕府の命で、北極星の位置から緯度を計測する「北極出地」に参加する。
それが21歳。
そして、その後数々の有識者と知り合い、22年間かけて日本独自の暦(大和暦)を作り出すまでを描いた物語。
碁打ちとして父親の後を継ぎ、二代目算哲を名乗りながら、もっと別の生き方がしたいと自ら名前を「渋川春海」と名乗る。
そんな生き方を応援する人物たちが、皆、すごい大物なのも幸運というか当然なのかな?
数学の天才・関孝和 、老中・酒井忠重 、碁の天才・本因坊道策 、徳川幕府の陰の総裁・保科正之 、そして水戸光圀。
みんなが春海の成し遂げようとすることを応援している。
その関わり方が楽しかった。
春海と最初に出会った女性・えんとは一時は別れながら、再び巡り合いかけがいのない存在であったというのも素敵だった。
春海と言う人は、兎に角、皆に愛された人なんだなぁ~。
実在のあまり知られていない人物(私だけか?^^;)を、こういう形で、知ることが出来て良かった。
読み終えるのが惜しいと思える書でした。
ほかの歴史上の人物も、こういう風に小説に書いてほしいなぁ~。
★★★★★
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母・乙美が亡くなった。
ある「レシピ」を残して。
それは、離れてしまった家族を再び呼び集め、
奇跡のような時間をもたらす処方箋。
(ポプラ社HPより)
最初から最後まで、面白かった。
2週間前71歳でこの世を去った乙美。
その夫・熱田良平の元に娘・百合子が戻ってくる。
百合子は夫・浩之とは離婚するつもりだと言う。
そんな父娘のところに突如現れた謎の女性・井本。
彼女は乙美が生前、ボランティアで教えていた絵手紙教室の生徒だったとか。
井本が愉快!
20歳代らしいけど、顔は真っ黒。紙は黄色。見た目は一昔前に流行った・・・ギャル風。
最初、奇妙な人物だと敬遠していた父娘も次第に井本を頼ることが多くなる。
家事はテキパキこなし、的を射る発言をし、乙美が井本に頼んだという49日の宴会までの事を一生懸命進めていく。
助っ人に男手が欲しいという事で、途中から登場のブラジル人青年・ハルミも愉快でした!
父娘と井本、ハルミの4人の関係には、ちょっとした因果めいた物もあったというのも
良かったな~。これも乙美さんの計らいかな?
そんな愉快な人達の話に混ざって、百合子の離婚問題は結構、深刻で夫の浩之のいい加減さに腹立たしい気持ちを抱きました。
離婚して実家に戻ればいいのよ!なんて思いながらも最後、百合子が下した結論にも
「あ~自分が同じ立場でも同じ道、選ぶかも・・・」なんて思ったり・・・。
乙美の四十九日までの間に、いろんな事があり、でも最後は、みんなハッピ-じゃないかな?という
終わり方で、綺麗過ぎるかんじもあるけど、読後感は良かった♪
レシピには処方箋という意味もあるとは、初めて知りました。
乙美さんはステキなレシピを残して、この世を去ったんだなぁ~。
ステキな女性だったんだな。
この作家さん、これが二作品目だそうです。
最初の作品、「風待ちの人」で第三回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞してデビュ-とか。
今度は、そちらも読んでみよう。
★★★★
この放送が終わったら、リスナーがひとり死ぬ----。
ラジオの深夜番組に届いた自殺予告メール。
残された時間は6時間半----
狭いラジオブースの中で、
男たちの息詰まる闘いが始まった!
(祥伝社HPより)
人気お笑い芸人・奥田が司会のラジオ番組・オ-ルナイト・ジャパンが放送5周年の記念すべき日に送られてきた1通の自殺予告のメ-ル。
番組で取り上げるべきか否か?
取り上げた場合のデメリットを考えると、これは取り上げるべきでないとする者多数。
そんななかで、わが子を自殺で亡くしたディレクタ-の安岡は、なんとかこの自殺を止めようと思う。
最初の番組前のいろんな関係者の葛藤を描いた部分は良かった!
けれど・・・・実際の番組が始まり、奥田が自殺予告メ-ルが届いた事実を番組内で喋り、自身の考えを述べながら、リスナ-にも問いかける。
これが、長い。
自殺予告をした者へ向かって述べるリスナ-たちの言葉。
それに応える奥田。
延々と続くので、やや疲れた~^^;
同じような事喋るし・・・途中、少し斜め読みしたけど、話は通じました(笑)
ま、でも人気番組のリスナ-の結束力が結果的には、一人の人間を救ったという事のかな?
自殺予告をした人にも同情する部分あって、これがふざけた理由だとまた読後感はイヤなかんじだったんでしょうけど、まあホッとするもので良かった。
★★
飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、
大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。
先生は、他の誰かが宿題を忘れてきたり授業中騒いでいても、全部マサオのせいにするようになった。クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、彼の前に「死にぞこない」の男の子が現われた。
(幻冬舎HPより)
次女が好きでよく読んでいる乙一。
わたしは、ちょっと敬遠してました。
で・・・・「お母さんにもこれならお薦めって言うのがあったら教えて」と言っておいたら
これを薦められました。
小学5年生になった主人公・マサオは引っ込み思案で、自分の意見をハッキリ言えない子。
担任の若い男性教師・羽田は皆から最初は人気があったが、段々とその評価は下がる。
そして・・・あるときから、マサオを執拗に虐める。
こんな教師、最低!!
なんじゃこりゃ!(怒)と思いながら・・・でも次女が薦めてくれたんだから・・・と我慢して最後まで読み終えよう!と心に誓いながら読み続けました^^;
ま、途中まではこの信じられないバカ教師にイライラしながら読んでましたが、
マサオの前に現れた「アオ」の出現あたりから、これがどう展開していくのか?気になり
なかなか面白く読み終えました。
最後の方は、結構、先生VSマサオ&アオの対決で、ハラハラしました。
マサオの判断に拍手!
この子良い子だな。
冷静な判断がちゃんとできる子。
自分が辛かったときも虐めてる側の子の気持ちの奥を理解しようとしていたし健気だったし。
こういう大人しくても真面目で、ちゃんと内にはしっかりした意思を持っている子の本心を見抜ける人間が教師になってもらわなきゃダメだ!
ここに出てきた羽田先生は教師になる人間ではない!最低最悪!
「アオ」の存在はよかった。
結構、過激な助言をマサオにしていたけど、それはもう一人のマサオ自身だったんですね。
マサオはきっと優しくて強い大人になっていくんじゃないかな?
敬遠していた乙一でしたが、なかなか良かった。
またお薦め本あったら教えて貰おう(^^)
★★★
17歳の一瞬のきらめきを描くオムニバス
バレー部の主将桐島が、突然部活をやめた。そのことで、同高校に通う5人の生活に小さな波紋が広がり…。至るところでリンクする17歳の物語。瑞々しい感性が光る第22回小説すばる新人賞受賞作。
(集英社HPより)
主人が図書館で予約。
長女も読んで「感動した!面白い!」と言うので、話題の書でもあるし、読んでみました。
表題どおり、高校生で男子バレ-部の部長・桐島が部活をやめるらしいという話が最初に出てきます。
同じ部活で共に練習に励んで来た仲間たちのいろいろな思い。
部長の桐島がやめるなら、自分が部長だろうと思う孝介や、桐島と同じリベロとして今まで控え選手だったけど、今度の試合から自分が出られる?と思う風助など。
運動部特有の心の奥底に秘めた本音みたいなものがよく描かれていました。
他にもソフト部やブラスバンド部の女子やら映画部の男子などの話も連作形式で物語が進み、所々に桐島が話しに登場。
でも、本人は会話のなかで出てくるのみ。
それもなかなか面白かった。
映画部の男子の会話もなかなか深かった。
目立つグル-プ、目立たないグル-プに分かれるというのは、学生時代を振り返ると、わかる~。
登場しない桐島だけど、出てくる者たちに少しずつ影響を与えていて、バラバラの話のようでちゃんと繋がっているかんじが上手いなぁ~と思いました。
桐島の退部話を機に、それぞれが今の自分のあり方をちょっと見直す話かな?
ラストも爽やかで良かった!
これは、若い著者だからこそ書けた話だな~(^^)
高校生の長女が感動した意味もわかる!
でも、大人でも楽しめます!お薦め!!
今後の活躍も期待したいです!
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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