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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2019年10月

夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――
死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、
村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12編。
文学史上、最も危険な短編集!

                     (河出書房新社HPより)


表題作が最初。
凄い話だな・・・・怖(>_<)

亡くなった人を皆で食べる生命式。
主人公・真保は、その儀式に抵抗感を抱いている。
が、親しかった男友達が事故死してその、母親と妹から準備を手伝って
欲しいと言われ承諾し準備から生命式まで一連の儀式に参加する話。


準備はムリ~!!
想像しただけで鳥肌な物語。

正に世にも奇妙な話だな。


津語の<素敵な素材>もなかなでした。
最初の話ほどの強烈さはないけど、人毛の服、骨の指輪、歯のピアス
皮膚のベール。


婚約者にはそんな人の素材のものを身に着けてほしくないナオキ。
結婚したらいっさい、その類のものは自分の目に触れないように
してほしいと約束させる。

婚約者のナナは、それを不服に思いながらも約束。
そして、ナオキの母親に会いにいき、ナオキの父親が亡くなったあと
本人の希望で作ったベールを結婚式で使って欲しいと。
ナオキが反対するかと思ったら、それには嫌悪感を示さないナオキ。


<素晴らしい食卓>は、ちょっと笑えた。
食の好みが全く合わないと一緒に暮らすのは大変だろうな・・・。


ほかの作品もそれぞれ、変わっている人たちの話で面白かった。



最後の<孵化>は、結構、好きだった。
小学生の頃は、しっかり者の「委員長」
高校では天然の「アホカ」
大学では皆に可愛がられ「姫」
バイト先ではちょっと男の子っぽい「ハルオ」
就職してからはミステリアスな一匹狼「ミステリアスタカハシ」


婚約者とは、高校時代の友人の紹介なので「アホカ」のキャラで通していたが
結婚を前に自分のすべてのキャラを見せる。


結果、オーライで良かったのかな?(^^ゞ



いつも不思議な感性を著者には感じる。
読んでいて感動するとか、心地いいとか、全くないのに、なんだかまた読みたくなる。



                          ★★★

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発行年月:2019年11月

わたしが人殺しになったのは、この街のせい――。

人格者と評判も高かった夫婦が、身体中を切り刻まれコンクリート詰めされて埋められた。
血を分けた娘と、その恋人によって……。その残虐性から世間を激震させた『文京区両親強盗殺人事件』から18年後。
事件をモチーフにした小説が週刊誌で連載されることになる。そこで明らかになる衝撃の真実とは!?

真梨ワールド炸裂! 極上のイヤミス長篇。
あなたは騙される快感を知る。

                 (徳間書店HPより)



凄惨な事件を小説として掲載する企画。

編集者の橋本(36歳)は、小説家・イイダチヨ(仮名)と共に、事件の関係者の
取材を進めていく。


事件の犯人は大渕秀幸(事件当時21歳)とその恋人・青田彩也子(当時18歳)。
大渕は死刑。彩也子は無期懲役。


取材相手は
市川聖子・・・元轟出版の代理編集長で今はフリーライター。
大渕を可愛がっていた。

オカダカオリ・・・青田彩也子の隣人で幼馴染。O大学准教授。

大渕礼子・・・・死刑囚大渕と法廷画家として会い、何度か面会し結婚。
大渕の再審裁判を開くため奔走。


途中、イイダチヨ=青田彩也子と読んでいる側も思わされてしまう
やり方は、巧い!
最後は気の毒過ぎるけど・・・(;O;)


最後に明かされる本当の黒幕は・・・・この物語のなかでは
ふつうの人物だった。
その人が、元の事件に関係があったとは・・・気づかないよ~


相変わらず、嫌な話だけれど、面白かった。



                      ★★★


発行年月:2019年8月

『三匹の子豚』が朝ドラで大ヒットした斉川亜樹。鳴かず飛ばずの時代からようやく抜け出し、忙しくも穏やかな生活を送っていた。そんなある日、彼女のもとに武蔵野市役所から一通の封書が届く。その内容は、会った覚えもない、叔母の赤松三代子なる人物の扶養が可能かどうかという照会だった。亜樹はパニックに陥る。見ず知らずの叔母の面倒を本当にみる義務があるのか――と。混乱しつつも役所からの問い合わせは放置していると、急に固定電話が鳴る。電話を取ると、相手は開口一番、赤松三代子のことで話があるという。問い合わせの回答をしていなかったので、役所からの電話かと思いきや、『NPO法人 ありがとうの里』の菊村藍子という人物からだったとわかる。彼女は、会って三代子の話がしたいと言う。仕方なく会う約束をした亜樹だったのだが――。

真梨ワールド炸裂! 衝撃の結末にページをめくる手が止められない!

                   (講談社HPより)





元を辿れば三姉妹(ひとみ、ふたば、みちよ)
ひーちゃん、ふーちゃん、みっちゃんの物語。

凄く考えられたストーリー。
相関図がないと、一連の事件の首謀者である狼が誰かわかりにくい。
そこを知るまでもすごく面白いんだけど・・・・



しかし、財産目的のためにここまでするのは、恐ろしい。
人がどんどん亡くなるし、その亡くなり方は自殺に追い込むという手の込んだ
方法。

登場人物も多いのはいつものことなので、メモを取りながら読みましたが
入り組み過ぎ・・・(^^ゞ

読者を混乱に陥れて楽しんでいるのか??



疲れるけど、なんだか最後は爽快。
ここまでハチャメチャだと逆に可笑しい。


ほんと毎回、よく考えるな~
次回作ももちろん読みます!


                        ★★★★


発行年月:2019年7月

騙されては、いけない。けれど絶対、あなたも騙される。

『向日葵の咲かない夏』の原点に回帰しつつ、驚愕度・完成度を大幅更新する衝撃のミステリー!

第1章「弓投げの崖を見てはいけない」
自殺の名所付近のトンネルで起きた交通事故が、殺人の連鎖を招く。
第2章その話を聞かせてはいけない」
友達のいない少年が目撃した殺人現場は本物か? 偽物か?
第3章「絵の謎に気づいてはいけない」
宗教団体の幹部女性が死体で発見された。先輩刑事は後輩を導き捜査を進めるが。

どの章にも、最後の1ページを捲ると物語ががらりと変貌するトリックが……!
ラストページの後に再読すると物語に隠された〝本当の真相〟が浮かび上がる超絶技巧。
さらに終章「街の平和を信じてはいけない」を読み終えると、これまでの物語すべてがが絡み合い、さらなる〝真実〟に辿り着く大仕掛けが待ち受ける。

「ここ分かった!?」と読み終えたら感想戦したくなること必至の、体験型ミステリー小説。


                       (文芸春秋HPより)




4つの章からなる長編、ミステリー。
第一章で起きる事件が発端で、いろいろな事件が連鎖していく。

最初の交通事故から起きた殺人。
殺されたのは、安見邦夫だと思っていたら・・・・実際は息子の直哉だった!

こんな風に、こうだろうと思って読んでいると、「あれ?」となって
暫く読んで、「ああ~」と騙されていたことに気づくの繰り返し。


中国人の小学生・珂(カー)と、同級生の山内くん。
二人の友情物語がいいなと思って途中まで読んでいたら・・・・
まさかのトンデモないワルな山内くんの正体に気づいてゾッ~とした!

章の終わりにあるイラストや写真に、謎解きのカギが潜んでいるのだと
先に読んだ、夫に教わり、再び、「おぉ~!!」と驚く。


殺人やら暴行やらあるのに、その真相は明かされることなく
一見、平和な街の佇まいは変わらず・・・・って凄く怖い。



ああ、これ、もう一度、読みたい!
図書館本なので、また予約順番待たないと読めないけど・・・・(^^ゞ


しかし、よくこんな話、書けるなぁ~
道尾さん、凄いよ!


                        ★★★★★


発行年月:2019年7月


国力は低下の一途をたどり、監視ドローン飛び交い閉息感が増すばかりの少し先のニッポン。この社会で負けじとタフに生きる女子中学生 里宇(りう)と、母&弟の入谷ファミリーは、石や虫などの自然と心を通わせられる不思議な力を持つ“カザアナ”の末裔と出会う。入谷家&カザアナたちは、不登校中の長男・早久(さく)を皮切りに様子の妙なクラスメイトや職責に悩む市役所員など、かかわった人たちをほんの少し笑顔にしていく。やがて一同は謎のゲリラ組織ヌートリアと相見え、騒動はやがて国を越え――。
作家生活30年目の想像力が大爆発。時空を越えて広がる圧倒の物語世界は、読むほどに勇気があふれ笑顔がこぼれます。純度100%のエンターテインメント小説にして、令和時代のハッピーなおとぎ話。

                             (朝日新聞出版HPより)





近未来の日本の様子は、なんだか厳重監視のもとでの生活があったりと窮屈そう。
しかし、そこで暮らす入谷家の人たちは、結構、のびのび。
父親はテロに巻き込まれて死亡というふつうじゃない状況
母親の由阿は、フリーの記者として、あちこち飛び回って取材をしている。

14歳の里宇と11歳の早久の姉弟も賢く、いい子たち。


修学旅行の京都で里宇が見知らぬおばあさんから貰った石から、カザアナたちが
それに引き寄せられるように集結。


アメリカ大統領が登場したり、スケールの大きな話に発展していく。


お母さんの由阿さんが言った
「この世界は、人間が思っているほど、人間だけのものじゃない」っていう言葉が印象的。


ファンタジーのようなSFのような不思議な物語だったけど、楽しかった。



                                ★★★


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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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