発行年月:2024年7月
「あんたは、俺から花をもらってくれるのか」犯罪者だと町で噂されていた老人が、孤独死した。部屋に残っていたのは、彼が手ずから咲かせた綺麗な《花》――。生前知り合っていた女子高生・安珠は、彼のことを調べるうちに、意外な過去を知ることになる。淡く、薄く、醜くも、尊い。様々な花から蘇る記憶――。これは、謎めいた老人が描く、愛おしい人生の物語。
(中央公論新社HPより)
高校1年生の安珠は、公園でいつもひとり絵を描いている老人・葛城 平(77歳)が
気になる。
親友である瀬尾奏斗との関係で悩み、付き合っている貴博とのことでも悩み・・・
公園であった平がある日、不自由な脚でひまわりを抱えている様子を見て
声をかけ、ひまわりを家まで自分が持って行ってあげる。
そして、優しそうなアパートの大家さん夫婦とも会う。
奏斗へのプレゼントとして買った、ひまわりのブローチは無残な形で返されて
しまい、それをみた平が直してあげると預かる。
そして平のひまわりの花を1つ貰う。
けれど、それが安珠と平の最後の会話となる。
平は、そのあと、部屋で亡くなっていたのを大家さん夫婦が見つけたと知る安珠。
何故か平のことが、もっと知りたくなり、祖母・悦子にも訪ねる。
同い年で昔からの知り合いという悦子。
そこから、平の過去の物語が明かされて・・・・
安珠と祖母・悦子との関係もただの知り合いではなく、お互いが惹かれ合った仲
だったとわかる。
なのに、別れることになった原因が、辛い・・・(/_;)。
二人は何も悪くないのに、お互いが一緒にいると、自分たちの罪を悔いてしまう。
ラストは、悦子と平の息子が、安珠の父で名前は「等」。
ああ、すごいいい名前。
平が生きている間に、皆で語り合える時間があればよかったのにな。。。。
でも平は素敵な物語と絵を遺してくれた。
切ないけれど、優しい物語だったな・・・。
★★★★★
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発行年月:2024年1月
成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。
「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、
近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。
個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、
幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!?
読み応え、ますますパワーアップの全5篇!
(新潮社HPより)
成瀬あかり・・・膳所高校3年生。
ゼゼカラの相棒で幼馴染の島崎みゆきは、受験後、東京の大学へ進学。
両親も揃って引っ越し。
あかりは、京都大学に進学。
受験の日の話も面白かった。
お父さんは心配性で2日間の受験に付き添い、
1日目の帰りに高知からヒッチハイクで受験にきたという城山友樹を家に
泊めることになる。
大学敷地ないで野宿するとテントを用意していたところを、あかりが声を掛け・・・
「?」と思ったことには、近づいて確かめる、あかりの性格は、なかなか
出来ないこと。
城山もその言葉かけで助かる。
この二人の今後の絡みも楽しみだな・・・・と思ったけれど、その後は
少し登場したのみだった。
次回作があれば、その辺も読んでみたいところ。
地元を愛し、地元から大学に通う。
休みの日には、率先して観光大使として動く。
人間関係も広がっている。
最後の話<探さないでください>では、登場人物総動員で、どこに行ったか
わからない、あかりを探す様子が楽しかった。
絶対、何かわけがあってのことだと思いながら・・・
そして皆に行き先を知らせず、携帯も持たなかったわけにも・・・
あ~あかりらしい・・・・^m^
あ~楽しかった。
最高でした♪
★★★★★
発行年月:2023年11月
自分の情けなさに、歯噛みしたことのない人間なんて、いない。
地方都市の寂れた町にある、家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」。仕事のやりがいと結婚の間で揺れ動く中、親友の自死の知らせを受けた葬祭ディレクター、元夫の恋人の葬儀を手伝うことになった花屋、世界で一番会いたくなかった男に再会した葬儀社の新人社員、夫との関係に悩む中、元恋人の訃報を受け取った主婦……。
死を見つめることで、自分らしく生きることの葛藤と決意を力強く描き出す、『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞した町田そのこ、新たな代表作!
(ポプラ社HPより)
家族葬専門の葬儀会社「「芥子実庵」を舞台に、そこでの人間模様を
連作短編で。
「死」が絡むから結構、重たい話が多かったけれど、そんななかでも考えさせられたり
心に留めておきたくなるような言葉が幾つかあった。
最初の話は、葬儀会社に勤めている佐久間真奈の話。
31歳、独身で付き合っている彼・純也(すみなり)との結婚話のことで
悩んでいる。
純也に結婚を機に仕事を辞めるか、別の仕事に変えてほしいと。
そんななか、親友が、自死して遺体で運ばれてくる。
真奈に最期を託したいとの本人の希望で。
なんか、最初からショッキングでビックリ!
でも、真奈はしっかりしている。
動揺しながらも自分が出来る精一杯をしたと思う。
こんな風に自分の仕事に真摯に向き合っている姿を知ると、結婚を機に
辞めなければいけないなんて間違っていると感じた。
後からの話で、純也の本心も知れて、どちらの気持ちも理解できるだけに
この二人は、恋人として出会うべきじゃなかったのかもしれない・・・
と感じた。
真奈が下した決断は、正しいと思う。
純也の姉が、幼馴染の男友達の通夜に「芥子実庵」に来る話もあった。
純也の姉・良子は、結婚して幼い娘もいる。学生時代の仲良しグループ5人の一人が
事故死し通夜の席で真奈とあう。
良子自身もちょっと辛い状況。
夫とギクシャクした関係は、精神的にしんどい。
それでも、この日を境にちょっと気持ちが変わった様子。
なんとか、夫婦関係がよくなるといいな。
ほかには、芥子実庵の新人・須田の話もなかなか読んでいて辛かった。
中高と同級生だった伊藤の父親の葬儀で再会。
須田は、中学では伊藤に虐められ、高校では見下され続けていた。
須田の家庭環境も悲惨で父親がどうしようもない。
大学に入学するためのお金まで奪うなんて・・・・
イケメン社員の井原の抱えているものも、凄い(ノД`)・゜・。
妻が産後、鬱になり、産まれた子と共に心中。
最終章は、楓子が夫との離婚を。
真奈が彼との別れを選ぶ。
でも、それは、自分らしく生きるため。
結婚しても幸せになれるとは限らないし、一人で自分らしく生きる方が
幸せという場合もあると思う。
結構、重たい内容だったけれど、良い物語だった。
★★★★★
(ポプラ社HPより)
家族葬専門の葬儀会社「「芥子実庵」を舞台に、そこでの人間模様を
連作短編で。
「死」が絡むから結構、重たい話が多かったけれど、そんななかでも考えさせられたり
心に留めておきたくなるような言葉が幾つかあった。
最初の話は、葬儀会社に勤めている佐久間真奈の話。
31歳、独身で付き合っている彼・純也(すみなり)との結婚話のことで
悩んでいる。
純也に結婚を機に仕事を辞めるか、別の仕事に変えてほしいと。
そんななか、親友が、自死して遺体で運ばれてくる。
真奈に最期を託したいとの本人の希望で。
なんか、最初からショッキングでビックリ!
でも、真奈はしっかりしている。
動揺しながらも自分が出来る精一杯をしたと思う。
こんな風に自分の仕事に真摯に向き合っている姿を知ると、結婚を機に
辞めなければいけないなんて間違っていると感じた。
後からの話で、純也の本心も知れて、どちらの気持ちも理解できるだけに
この二人は、恋人として出会うべきじゃなかったのかもしれない・・・
と感じた。
真奈が下した決断は、正しいと思う。
純也の姉が、幼馴染の男友達の通夜に「芥子実庵」に来る話もあった。
純也の姉・良子は、結婚して幼い娘もいる。学生時代の仲良しグループ5人の一人が
事故死し通夜の席で真奈とあう。
良子自身もちょっと辛い状況。
夫とギクシャクした関係は、精神的にしんどい。
それでも、この日を境にちょっと気持ちが変わった様子。
なんとか、夫婦関係がよくなるといいな。
ほかには、芥子実庵の新人・須田の話もなかなか読んでいて辛かった。
中高と同級生だった伊藤の父親の葬儀で再会。
須田は、中学では伊藤に虐められ、高校では見下され続けていた。
須田の家庭環境も悲惨で父親がどうしようもない。
大学に入学するためのお金まで奪うなんて・・・・
イケメン社員の井原の抱えているものも、凄い(ノД`)・゜・。
妻が産後、鬱になり、産まれた子と共に心中。
最終章は、楓子が夫との離婚を。
真奈が彼との別れを選ぶ。
でも、それは、自分らしく生きるため。
結婚しても幸せになれるとは限らないし、一人で自分らしく生きる方が
幸せという場合もあると思う。
結構、重たい内容だったけれど、良い物語だった。
★★★★★
発行年月:2023年3月
中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言。今日も全力で我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない! 話題沸騰、圧巻のデビュー作。
受賞
第39回 坪田譲治文学賞
受賞
第20回 R-18文学賞 大賞・読者賞・友近賞
(新潮社HPより)
成瀬あかり、なんて面白い子なんだろう。
ひょうひょうとして我が道をゆく。
幼馴染で同じマンションに住む同級生・島崎みゆきもいい。
地元の西武デパート大津店の閉店が1年足らずで閉店するというニュースを知り
その夏の間、デパートに毎日通い続け、地元テレビの中継に写る自分を
みゆきに確認してほしいという。
島崎は了解し、自分も時々、成瀬と共に中継のテレビに映る。
成瀬は、野球チームのユニフォームを自身の制服だと、着ていく。
それが表紙の絵なんだ~。
思いついたことを実行。
その行動力は凄いがある程度、究めると止めるという潔さ?
M-1に応募したり、百人一首をやったり、どれもまあまあいいところまでいく成瀬。
かるた大会で成瀬に魅せられた広島代表の西浦航一郎とのその後の展開も
読んでみたい。
大学受験目前で終わったけれど、この先、何処でどんな日常を過ごすのか?
とても気になる。
続編が出ているようなので、早く読みたい!!
★★★★★
(新潮社HPより)
成瀬あかり、なんて面白い子なんだろう。
ひょうひょうとして我が道をゆく。
幼馴染で同じマンションに住む同級生・島崎みゆきもいい。
地元の西武デパート大津店の閉店が1年足らずで閉店するというニュースを知り
その夏の間、デパートに毎日通い続け、地元テレビの中継に写る自分を
みゆきに確認してほしいという。
島崎は了解し、自分も時々、成瀬と共に中継のテレビに映る。
成瀬は、野球チームのユニフォームを自身の制服だと、着ていく。
それが表紙の絵なんだ~。
思いついたことを実行。
その行動力は凄いがある程度、究めると止めるという潔さ?
M-1に応募したり、百人一首をやったり、どれもまあまあいいところまでいく成瀬。
かるた大会で成瀬に魅せられた広島代表の西浦航一郎とのその後の展開も
読んでみたい。
大学受験目前で終わったけれど、この先、何処でどんな日常を過ごすのか?
とても気になる。
続編が出ているようなので、早く読みたい!!
★★★★★
発行年月:2002年9月
四国の図書館に着いたカフカ少年が出会ったのは、30年前のヒットソング、夏の海辺の少年の絵、15歳の美しい少女――。一方、猫と交流ができる老人ナカタさんも、ホシノ青年に助けられながら旅を続ける。〈入り口の石〉を見つけだし、世界と世界が結びあわされるはずの場所を探すために。謎のキーワードが二人を導く闇の世界に出口はあるのか? 海外でも高い評価を受ける傑作長篇小説。
(新潮社HPより)
ナカタが、西へ向かう手助けをしてくれることになった、星野青年は
本当に、ナカタにとっては良きパートナー。
ナカタ一人では、物語が進まなかっただろうなぁ~。
ナカタは、入り口の石を見つけなければという。
星野は、何のことか理解しなくても、ナカタの思いを汲んで協力する。
そして不思議なカーネル・サンダースを名乗る男に導かれて、その石を見つけ
ナカタの元へ運ぶ。
一方のカフカは、東京に居た父親が何者かに殺害さ、その一人息子が
行方不明ということで警察に追われる身になってしまう。
が、図書館員・大島や管理者の佐伯によって匿われる。
カフカは、寝ている図書館の一室に飾られている絵「海辺のカフカ」を
じっと眺めにくる15歳の佐伯さんに魅せられる。
そして50歳過ぎの現在の佐伯さんにも魅せられる。
15歳のカフカの性の目覚め。
佐伯さんをもしかしたら、自分を置いて出て行った母親なのでは?と思いながらも
否定も肯定もしない佐伯。
カフカとナカタが会うことは、なかった。
同じような何かの力によって、大きな影響を受けてしまった二人だけれど、
それが何だったのか?
佐伯さんは、自分のせいのようなことも話していたけれど、どういうこと
だったんだろう?
謎は謎のまま。物語は終わってしまった。
でもなんでも真実が明かされればいいというものでもないかな?
この終わり方が、いい。
カフカ少年の今後が幸せなものであるといいな。
後、星野青年もこの後、幸せであるといいな。
村上作品は、それほど読んでいないけれど、これは自分のなかではベストかも。
面白かった!!
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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