中学校の惨劇はなぜ起きたのか?
いじめを受けつづけた少年たちがとった、最後の行動とは・・・・・。
「普通の中学生」の日常をリアルに描き、《心の闇》に迫る問題作!
ぼくが書いているノ-トは、(中略)さいしょのペ-ジの下のほうに、「計画」という文字と二本の交差させた骨が描いてある。Xの形だ。
ぼくに話しかけなかったり、返事しなかったりしたか、一日ごとに表にしてある。一回につきひとつずつ、X形の骨をたてに描いていくんだ。(中略)月曜日が木曜日をおさえて、いちばん多い・・・・・・・・・・(本文より)
(本の帯文より)
たまたま、図書館の棚で見つけ、なんとなく借りてきました。
読み始めたら、主人公は中学生だし、一般書のコ-ナ-にあったけど、これは児童書かな?なんて思っていましたが、全く違いました。
これは、子どもの事を理解しようとする大人が読む本だと思います。
物語の主人公・エドウィンは日本でいう中学二年14歳。
はっきりしたいじめの理由はわからないのだが、何故かいじめられ、それを見ている者たちもいじめている側の味方。
先生たちにも、目を付けられていて、親が呼び出しをかけられることもある。
唯一の友・フレイクと会話することだけが心のよりどころ。
二人の少年は、お互いの親の事にも不満を持っている。
が、家のなかでは、普通の子ども。
二人の少年の両親はそれぞれ健在で、それなりの社会的地位がある。
今まで少年犯罪の物語を幾つか読んで来ましたが、それらと違うのは特別寂しい家庭環境にあるとかではなく、いわゆる普通の家庭の子だということ。
両親たちも、子どもに特に無関心だったりではないし・・・。
会話もある。食事も家族揃ってしている。
そういう状況の子どもでも、何らかの事態が、子ども達の心を壊し、最悪の犯行を犯してしまうことに恐怖を感じました。
少年・エドウィンが語り手となり、毎日の出来事を淡々と語りながら、最後は、友人・フレイクと二人で銃を乱射し、学校内を惨状の場に変えてしまう。
いったい、どうしてこんな事が起こってしまうのか?
どうしたら、よかったのか?
考えても、考えても、わからない。
日本では、銃の規制がアメリカよりは厳しいので、このような事件はまだないけど、銃以外の無差別殺人はあるし、全く、関係ない話ではないと思う。
この小説の少年たちと同年齢の子どもを持つ親としては、考え込んじゃう重たいものだけが残る話でした。
上手く書けないけれど、だからと言って、読まない方がよかったとは思わない。
読んでよかったと思いました。
★★★
冒険ふしぎ美術館へようこそ。
ここは、謎に包まれたふしぎなできごとが起こる場所だ。
きみも、あのレオナルド・ダ・ヴィンチの人生や
アイデアについて、おどろくべき事実をいくつも
発見できる。
(本の表紙裏の解説文より)
先日、次女と映画「ダヴィンチ・コ-ド」を見て、気に入った様子だったので、図書館で次女の為に借りてきました。
早速、読んで「おもしろい!お母さんも読めば?」と言うので、読みました。
美術館見学にクラスの子どもと訪れた少年が、館長さんのトナテッリさんが怪しげな二人組みに何やら脅されているのを目撃するところから物語が始まります。
館内の宝を守るために暗号を解読しながら物語が進みます。
これは、ダヴィンチの数多い謎のいくつかを楽しめる本で、子ども用に分かり易く解説されたものなのですが大人でも十分、満足できる本でした。
既に知っている謎もありますが、鏡文字を解読しないと答がわからないようになっていたり、一工夫あるのが面白い!
あらためて、自分が既に知っていることを確認しながら、また時々「へ~そうなんだ?」みたいな知識も得ながら読み進めて行きました。
巻末にちゃんと付録で、鏡文字を解読する手助けになるアイテムが付いているので、字の読めるお子さんなら楽しく遊びながら解読できそう。
図書館で借りたものなので、実際は作れませんでしたが、工作の付録も付いていて、何倍にも楽しめる本だなぁ~という印象。
こういうのがキッカケでダヴィンチの絵画をより深く楽しみ、他の絵画にも興味が沸きそう。
ちなみに訳者の越前氏は、「ダヴィンチ・コ-ド」「天使と悪魔」(ダン・ブラウン/著)の訳者でもあります。
発行年月:2005年7月
「私が愛されたことの、
しるしが欲しい」
1964年サウスカロライナ。父親のもとを飛び出し、養蜂家の
黒人姉妹が住む家にたどりついた、
リリィ、14歳の夏・・・。
(本の帯文より)
映画では「リリィ、はちみつ色の秘密」でしたか?
ちょっと気になっていた映画で、見そびれたままだったので、図書館からその原作本を借りました。
4歳のとき、母親は事故で亡くなったと聞かされていた。
が、かすかな自分の記憶は・・・・銃が床にあり、母親が倒れていて、銃声も聞いた。
そして、その銃を自分も触った記憶。
お母さんを殺してしまったのは、わたしなの?その罪悪感から離れられないでいる。
母親が亡くなったあとは、父親と暮らしてきた。
だが、それは父と呼べるような人でなくリリィは「T・レイ」と呼んでいる。
リリィの面倒をずっと見てくれたのは、黒人のロザリン。
ある日、父親から「おまえを捨てたのは母親だ。死んだ日は、ここに荷物を取りに来ていた」と聞かされたリリィは、両親のどちらからも自分は愛されていなかったんだとショックを受ける。
その年、アメリカ大統領は公民権法を発効させると発表。
ロザリンは街に出て、黒人にもそれが適用されるのか?まずは選挙権登録をしようとする。
リリィは、一緒に連れて行って欲しいと頼み、父親にナイショで家を出る。
が、その先で事件が起こり、ロザリンは警察に連行されてしまう。
リリィが機転を利かせ、なんとかロザリンを警察の手からから連れ出し逃亡。
そして、行き着いたのが、黒人の3姉妹で暮らす養蜂家の元。
行き場がない事を話すと長女のオ-ガストが快く受け入れてくれる。
次女のジェ-ンは最初は冷たく接していたが、次第にリリィたちを受け入れてくれる。
三女のメイは、繊細なゆえ心を病んでいるがリリィたちには優しい。
他に、メイと双子のエイプリルが居たが、15歳のとき、黒人差別による無気力感からうつ病になり自殺している。
メイが心を病んだのは、エイプリルの死が原因。
そんな3姉妹と暮らしながら、蜂蜜づくりの手伝いに毎日、忙しく過ごすリリィ。
同じように蜂蜜づくりに関わる黒人少年・ザックとも心を通わせるが、黒人ゆえに哀しい事件に巻くこまれるザック。
まだまだ、不平等なアメリカ社会を痛感する出来事は哀しいが、逞しく立ち直る彼のその姿は感動する。弁護士になるのが夢だと、その夢に向かって進もうと強い意志をリリィに語る。
小説家になるのが夢と言ったリリィに綺麗なノ-トをプレゼントしたり、二人の様子が微笑ましい。
両親の二人に愛されていなかったと悲観するリリィだったが、偶然にも母親がこの地で暮らし3姉妹とも顔見知りであった事実が明かされ、自分の知り得なかった母親の事を知らされる。
そして嫌いだった父親にも以前とは違う気持ちで向き合えるようになったリリィ。
読み始めた最初は、重苦しい話かと思いましたが、最後は明るい終わり方で良かった!
リリィの家族以外は黒人が多いのですが、皆、前向きで、明るい。
辛いことが度々、起こるのですが、その度に皆で支えあう人たちには、何か勇気をもらったよう。
蜂についてのちょっとしたウンチク話も勉強になりました。
今度は映画をみてみようかな?
とても良いおはなしでした♪
★★★★
学校帰りに気分が悪くなった15歳のミヒャエルは、母親のような年の女性ハンナに介抱してもらい、それがきっかけで恋に落ちる。そして彼女の求めに応じて本を朗読して聞かせるようになる。
ところがある日、一言の説明もなしに彼女は突然、失踪してしまう。彼女が隠していたいまわしい秘密とは何だったのか・・・・・。
(本の表紙裏の解説文より)
来月公開予定の映画「愛をよむひと」の原作本です。
映画の予告を観て、その原作があることを知り、図書館で借りました。
全世界500万人が涙したベストセラ-小説・・・・と映画のチラシにもありました。
15歳のミヒャエルが36歳のハンナに気分が悪いときに優しくしてもらい、その後も家を訪ね、恋が芽生える。
が、それは短い時間に幕を閉じ・・・・でも、その後、再会するのは、法律を学ぶ大学生になったミヒャエルがゼミの担当教授の指示で傍聴したナチス時代の強制収容所で起こった事件に対する裁判だった。
ハンナは複数の被告者のうちの一人として、裁かれる側。
その罪とは?
とても重い内容でした。
アウシュヴィッツの近郊の収容所に当時、看守として勤務していたハンナ。
その収容所から再び、アウシュヴィッツに戻される囚人は殺される。
ハンナは再び戻される囚人を呼び出し、本を朗読させていた。
それは、直接的な罪でもないのだが・・・・裁判では、そんな事すらも罪だとハンナを攻める。
複数の被告人のなかでハンナだけが重い罪を着せられるその過程は辛い。
それを傍聴し続けるミヒャエルの心中も想像すると辛い。
一人だけ、重い罪を背負うことになってしまうハンナだが、それを覆すことが出来る事実を掴むミヒャエル。
しかし、それを暴露することをハンナ自身は望むか?自分でその事実を述べないハンナに代わって自分がそれを言うことはハンナにとって良いことなのか?
自分だったら、どう行動するだろう?
でも、そんなに隠したいことだろうか?(あえてここでは言いませんが・・・・)
無知ゆえにこういう仕事に就いてしまったか?と思うとハンナが気の毒でした。
裁判で無期懲役を言い渡され、長い服役生活をする間に、ミヒャエルは同じように法律を学ぶ女性と結婚、娘も生まれ、幸せそう。
でも、ハンナを想う気持ちが常にある。
ラストの方では、恩赦により18年の服役生活から開放されることが決まったハンナとミヒャエルの再会。
だけど結末は。。。。。切ない。哀しい。辛い。
泣けます。
ハンナの気持ちを想像すると・・・・。
彼女の一生って、何だったんだろう?
すごく重たい恋をしちゃったミヒャエル。
でも最後まで、ハンナへの想いを貫き通したのは、スゴイ!
こういうのを本当の無償の愛というのでしょうか?
映画ではハンナ役はケイト・ウィンスレット。
これは映画も観なくては!!と思いました。
現世を享楽的に生きる主人公が自動車事故に遭い、病院に運び込まれる。重度の火傷に絶望し、死を決意した男だったが、そこに中世ドイツで彼と恋人どうしだったと称する女が現れる。彼女、マリア-ネ・エンゲルは男の快復に力を貸しながら、日ごと夜ごとに語る。異なる、異なる国に生まれ変わっては繰り返される男と女の壮絶な愛の物語を---------。
(本の表紙裏の解説文より)
図書館の外国文学の棚を見ながら歩いていて、赤い表紙のこれが目に留まりました。
手に取り、表紙を開くと(ここの図書館の蔵書は帯文が表紙裏に貼ってあります)、アンジェラ・アキさん絶賛の文字。
後ろには、特別寄稿文として彼女の話が載っていて、立ち読みして、「是非、読まなきゃ!!」と思いました。
著者のアンドリュ-とは、アンジェラがシンガ-ソングライタ-としてデビュ-する前からの友達で、お互いがメジャ-になるときが来たら・・・・という当時はまだ夢物語でしかなかった話が書かれていました。
この本は既に27ヶ国語に訳されているそうで、二人の夢物語は、夢でなくなったことを意味するでしょう。
肝心の本ですが、最初から最後まで飽きませんでした。
重症の火傷を追い、かつては美しい男らしい容姿を誇示していた男性(名前はずっと出てこなかったような・・・^^;)が退院したら24時間以内に死のう。それを心の支えに生きている。
彼の病室に同じ病院の精神科病棟に入退院を繰り返す女性・マリア-ネが訪れるようになる。
彼女は、彫刻家。
石の中に居るガ-ゴイルたちを見つけそれを掘り出すのが仕事と。
マリア-ネは、あなたも彫刻を昔はやっていたと話し、自分たちが知り合ったのは、ずっと昔(700年ほど前)の事なのだと告げる。
そして、いろいろな時代、いろいろな国での男と女の哀しく美しい話を聞かせる。
その話のどれもが良かった。
ドイツ、イタリア、イギリス、アイスランド。
日本の話「ガラス吹きの僧侶」もあって、日本で愛し合う二人、セイとヘイサクの話は印象的。
哀しいけど、美しい。
人をそこまで純粋思い続ける女性の強さ、優しさには感動した。
日本人の心みたいのをよく表現してるなぁ~と感心したら、プロフィ-ルに5年間日本で暮らした経験があるとか。
なるほど・・・。
マリア-ネと男は、二人が退院した後は一緒に暮らし、ハッピ-エンド?と思うとそう単純ではなく、そのラストまでは、また過去に遡った話が絡んできて、なかなか予想がつかない展開で、二人はどうなる??の気持ちを最後まで引っ張ってくれました。
そして、ラストは・・・・・・。
う~哀しいけど、納得!
これがデビュ-作だというから、また傑作を書いてくれるかな?
期待して待とうと思う、海外の作家さんにまた一人出会えた幸運に感謝したくなりました!
なかなか格好いいです。
1969年カナダ生まれ。
安土龍・・・アンドリュウ
アハハ・・・なんだか可愛い。
茶目っ気たっぷりなかんじで、いいなぁ~。
同じでしょうか??
ちなみにこちらは、パリ ノ-トルダム寺院のだそうです。
中世ヨ-ロッパの建物には、魔よけ的な意味でこういうガ-ゴイルが結構付いているんですね。ちょっと不気味だけど、愛嬌もあるかんじ。
横道に結構、逸れましたが、読み応え十分の物語でした。
543ペ-ジと長いですが、読み始めたら結構、スラスラ読み終えました。
★★★★
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
